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電材基礎規格・法令制御盤

JIS C 8201-7-1とは|端子台の規格をIEC 60947-7-1との関係からわかりやすく解説

読了目安: 8分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤を開けたとき、電線をずらりと受け止めているグレーやオレンジの小さなブロック――端子台に、実は国のJIS規格が存在することをご存じだろうか。結論から言えば、現行のJIS規格は「JIS C 8201-7-1」(低圧開閉装置及び制御装置-第7部:補助装置-第1節:銅導体用端子台)であり、これは国際規格IEC 60947-7-1を日本向けに調整した翻訳規格である(日本規格協会 JSA Group Webdeskによる)。端子台は電線同士・電線と機器をつなぐだけの単純な部品に見えるが、締付力が弱ければ発熱・接触不良を起こし、絶縁性能が不足すれば漏電・地絡の起点になる。だからこそ、工場出荷前の性能を担保する共通基準が必要とされてきた。この記事では、JIS C 8201-7-1が何を規定しているのか、旧規格からの置き換えの経緯、ねじ式・スクリューレス式の違いを、端子台を選定・購入する立場から整理する。

この記事でわかること

  • JIS C 8201-7-1の正式名称と規定範囲
  • IEC 60947-7-1との関係(翻訳規格である位置づけ)
  • 旧JIS C 2811からJIS C 8201-7-1への置き換え経緯
  • ねじ式・スクリューレス式端子台の違いと選び方
  • 端子台選定時に確認すべきポイントとよくある誤解

JIS C 8201-7-1とは何か

JIS C 8201-7-1は、正式名称を「低圧開閉装置及び制御装置-第7部:補助装置-第1節:銅導体用端子台」といい、現行版はJIS C 8201-7-1:2016(2021年10月に確認・維持)である(日本規格協会 JSA Group Webdeskによる)。

規定範囲は、工業用途の端子台のうち、0.2〜325mm²の銅導体を、周波数1,000Hz以下・交流1,000V以下または直流1,500V以下の回路に接続する、ねじ式またはねじなし締付具タイプの端子台とされている(kikakurui.com掲載情報による)。土台(サポート)に固定され、電線同士または電線と機器を電気的・機械的に接続する部品全般が対象で、機械的強度・電気的特性・熱的特性に関する試験項目が定められている。

対応する国際規格はIEC 60947-7-1で、JISはこれを技術的内容を一部修正(MOD)した上で採用した翻訳規格である。国内で流通する電線サイズ区分(JIS C 3307・JIS C 3316)を追加選択できるようにするなど、日本国内の使用実態を反映した調整が加えられている点が特徴だ(一般社団法人日本電気制御機器工業会資料による)。

なお「JIS C 8201」という番号自体は、低圧開閉装置・制御装置全般を扱うシリーズ規格の総称であり、端子台以外にも配線用遮断器(第2-1部)・漏電遮断器(第2-2部)・接触器(第4-1部)など多数のパート(部・節)に分かれている。端子台はこのシリーズの「補助装置」に位置づけられている。

端子台選定でこの規格がどう関わるか

端子台を選ぶ際、JIS C 8201-7-1そのものを購入者が直接参照する場面は多くない。しかし、この規格が定める評価軸を知っておくと、カタログの読み方が変わる。

定格電流・定格電圧

規格が定める対象範囲(0.2〜325mm²、交流1,000V以下・直流1,500V以下)はあくまで「規格が扱いうる上限」であり、個々の製品の定格電流・定格電圧・適合電線サイズはメーカーのカタログ値で個別に確認する必要がある。JIS適合という表示だけを見て「どんな電線サイズにも対応できる」と判断するのは誤りで、実際に使う電線サイズがその製品の適合範囲に入っているかを必ず照合する。

絶縁性能・耐電圧

端子台は電線同士を近接して並べる構造上、隣接極間の絶縁距離(沿面距離・空間距離)が重要になる。JIS C 8201-7-1では機械的・電気的試験項目の中に電気的特性(耐電圧試験・絶縁抵抗試験など)が含まれており、規格に沿った評価を受けた製品であることが、盤内の絶縁設計における一つの判断材料になる。

温度上昇・接触抵抗

締付方式(ねじ式・スクリューレス式)を問わず、接続部の接触抵抗が高いと通電時に発熱し、樹脂部の劣化や接続不良につながる。規格の試験項目には温度上昇に関する評価が含まれており、長期使用を想定した端子台では、この点の評価実績があるかどうかがメーカー選定の目安になる。

ねじ式とスクリューレス式の違い

JIS C 8201-7-1が対象とする端子台は、締付方式によって大きく2種類に分かれる。

項目ねじ式端子台スクリューレス式(バネ式・プッシュイン式)
固定方式ねじの締付トルクで導体を圧着固定バネの弾性(スプリングクランプ)で接触面圧を保持
配線作業圧着端子の取付+ねじ締め、またはより線をねじで直接固定被覆を剥いて差し込むだけ(レバー操作型もあり)
振動への強さ振動環境ではねじの緩みに注意が必要バネが追従するため緩みに強いとされる
主な採用分野電力・インフラ設備、大電流用途、汎用制御盤鉄道車両、振動を伴う設備、配線工数削減を重視する現場
コスト・実績汎用性が高くコストパフォーマンスに優れ、長年の実績がある省スペース・省工数に優れるが、対応電線サイズはねじ式ほど大電流域まで広くない製品が多い

(一般社団法人日本電気制御機器工業会資料、各社製品情報を参考に整理)

どちらもJIS C 8201-7-1の対象であり、規格上の優劣はない。振動の有無、配線本数の多さ、保守頻度、対応させたい電線サイズといった現場条件で選び分けるのが実務的な判断になる。

旧JIS C 2811との違い

旧規格のJIS C 2811は、日本電気制御機器工業会(NECA)が1982年に制定した国内独自の端子台規格だった。2010年5月にIEC 60947-7-1を翻訳したJIS C 8201-7-1が制定されたことで国内外の二重規格状態となり、これを避けるため約1年6か月の移行期間を経て2011年12月にJISとしては廃止されている。ただし、IEC規格には含まれない技術内容や、公共建築工事標準仕様書での参照実績があったため、廃止と同時にNECA規格「NECA C2811」として再制定され、技術資産としては現在も存続している(一般社団法人日本電気制御機器工業会資料による)。つまり、現行の国のJIS規格としてはC 8201-7-1に一本化されている、という理解が正確だ。

実務でよくある誤解

「JIS適合」=「どんな電線・電流にも対応」ではない

JIS C 8201-7-1に適合しているという表示は、その製品が規格の定める試験方法・評価軸で検証されたことを示すものであり、対応電線サイズや定格電流そのものを保証するものではない。同じJIS適合品でも、メーカー・シリーズによって対応電線サイズや極数の刻み方は大きく異なる。選定時は必ず製品カタログの定格値(定格電流・定格電圧・適合電線サイズ)を確認する必要がある。

「スクリューレス式は大電流に弱い」は一般論として言い切れない

スクリューレス式は小型・省スペースの製品イメージが先行しがちだが、近年は大電流対応のプッシュイン式端子台も各社から展開されている。逆に、汎用のねじ式でも小型盤向けの製品は電流容量が小さい。締付方式と電流容量は別軸で検討すべきポイントであり、方式名だけで対応電流を判断しないよう注意したい。

端子台の規格=施工方法の規格ではない

JIS C 8201-7-1は端子台という「製品」が満たすべき性能基準を定めた規格であり、現場での結線作業・締付トルク管理・電線の処理方法などの施工手順は、内線規程やメーカーの取扱説明書、各現場の施工基準に基づいて別途管理する必要がある。規格適合品を使っていても、締付トルク不足などの施工不良があれば発熱・接触不良のリスクは残る。


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よくある質問

JIS C 8201-7-1は何を規定した規格ですか?

工業用途の端子台のうち、0.2〜325mm²の銅導体を交流1,000V以下・直流1,500V以下(1,000Hz以下)の回路に接続する、ねじ式またはねじなし締付具タイプの端子台について、電気的・機械的・熱的な要求事項と試験方法を規定した規格です(JIS C 8201-7-1:2016、日本規格協会 JSA Group Webdeskによる)。端子台そのものの寸法や性能を工場出荷前に検証するための基準であり、現場の施工方法を定めた規格ではありません。

IEC 60947-7-1とはどういう関係ですか?

JIS C 8201-7-1は、国際電気標準会議(IEC)が定めるIEC 60947-7-1(2009年版)を基に、日本国内の実情に合わせて技術的内容を修正(MOD)した翻訳規格です。国内で使われる電線サイズ(JIS C 3307・JIS C 3316の断面積区分や、より線0.5mm²・単線0.5mmなど)を追加選択できるようにするなど、輸入品と国産品の双方が同じ土俵で評価できるよう調整されています(kikakurui.com掲載情報、一般社団法人日本電気制御機器工業会資料による)。

旧JIS C 2811とはどう違いますか、もう使われていないのですか?

JIS C 2811は日本電気制御機器工業会(NECA)が1982年に制定した国内独自の端子台規格でした。2010年5月にIEC 60947-7-1の翻訳規格としてJIS C 8201-7-1が制定されたことで、二重規格を避けるため約1年6か月の移行期間を経て2011年12月にJISとしては廃止されています。ただしIEC規格には含まれない技術内容や公共建築工事標準仕様書での参照実績があったことから、廃止と同時にNECA規格「NECA C2811」として再制定され、技術資産として存続しています(一般社団法人日本電気制御機器工業会資料による)。したがって現行のJIS規格としてはC 8201-7-1が該当規格です。

ねじ式とスクリューレス式(ねじなし式)はどちらを選べばよいですか?

どちらもJIS C 8201-7-1が対象とする端子台の締付方式です。ねじ式は締付トルクで導体を固定する方式で、大電流対応品が豊富・低コスト・長年の実績という強みがあり電力・インフラ分野で広く使われています。スクリューレス式(バネ式・プッシュイン式)はバネの弾性で接触面圧を保つ方式で、締付トルク管理が不要なため配線工数を削減でき、振動でねじが緩みにくいという特長から鉄道車両や振動環境の設備での採用が拡大しています。どちらか一方が規格上優れているわけではなく、施工数量・振動環境・保守頻度など現場条件で選び分けるのが実務的な考え方です。

JIS C 8201-7-1に適合していれば、どんな電線サイズでも使える端子台ということですか?

いいえ、規格が適合を保証するのは0.2〜325mm²という対象範囲内での試験項目(機械的強度・電気的特性・温度上昇など)であり、個々の製品がその範囲の中のどこまで(例えば0.5〜4mm²まで、など)対応しているかは製品ごとのカタログ値で異なります。JIS適合はあくまで規格に沿った試験・評価を受けている証であって、定格電流・適合電線サイズ・極数などの実際の仕様は製品カタログで個別に確認する必要があります。

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参考文献・出典

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