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幹線配線や受電設備の引込に使われるCVケーブルは、分電盤以降の分岐回路で使われるVVFケーブルとは根本的に異なる設計要件を持つ。しかし「CVとVVFの違いが今ひとつわからない」「CVTとCVQはどこで使い分けるのか」という疑問を持ったまま選定している現場も少なくない。
CVケーブルの選定ミスは電路の過熱・電圧降下・地絡事故に直結する。本記事では種類の違いから断面積の選び方、VVFとの使い分け基準まで、内線規程のデータを交えて解説する。
電線・ケーブルについて体系的に学びたい方へ VVFやIV、キャブタイヤケーブルなど、電気工事で使われるすべての電線・ケーブルの種類、用途、構造の違い、荷姿、重さを網羅した電線・ケーブル完全体系的総合ガイド(ケーブル大百科)を新設しました。ケーブルの基礎を勉強したい方はまずこちらをご覧ください。
この記事でわかること
- CV・CVT・CVQの違いと用途
- VVFとCVの使い分け基準(許容電流・施設・幹線 vs 分岐)
- 導体断面積(mm²)の選び方・許容電流表(内線規程)
- 銅建値がCV価格に与える影響
- FEMCのCV品種(古河電工)への案内
CVケーブルとは?定義と規格
CVケーブルは架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheathed cable)の略で、JIS C 3605で規定されている電力ケーブルだ。
- 架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁: ポリエチレンを架橋処理することで耐熱性(最高導体温度90℃)と絶縁性能を大幅に向上させた絶縁体
- ビニルシース(PVC): 外皮(シース)にビニルを使用
VVFのビニル絶縁(最高導体温度60℃)と比較して許容電流が大きく取れるため、大電流が必要な幹線・引込線・受電設備に用いられる。JIS C 3605に準拠した国内流通品は、低圧(600V以下)対応のCV(6kV以下の用途には6kV-CVが別規格で存在)が基本だ。
CV・CVT・CVQの違い
CV(一括シース型)
複数本の絶縁線(1〜4心)を一括してビニルシースで覆った構造だ。2心・3心・4心の多心品が流通している。シースが一体なので引き込み部でのケーブルグランド処理がしやすい反面、屈曲性はCVTに劣る。
CVT(トリプレックス形)
3本の単心CV(1C)を撚り合わせた構造だ(Triplex)。三相3線式の動力回路や受電設備の引込で最も多用されるタイプで、個々の線をほどいてバラせるため接続端末での施工性が高い。屈曲部の多い引込経路や縦配管への敷設でも取り回しやすい。
CVQ(クアッドプレックス形)
4本の単心CVを撚り合わせた構造(Quadruplex)。三相4線式(中性線付き)の回路に使用される。単相3線式の引込にも用いられる場合がある。
| 種類 | 構造 | 主な用途 |
|---|---|---|
| CV(2C・3C・4C) | 一括シース型 | 幹線・低圧配電 |
| CVT(1C×3撚) | トリプレックス形 | 受電設備引込・動力幹線 |
| CVQ(1C×4撚) | クアッドプレックス形 | 三相4線式・単相3線式引込 |
VVFとCVの使い分け基準
許容電流の違い
使い分けの最大の判断基準は許容電流だ。内線規程(JEAC 8001)に基づく代表的な値を示す。
| ケーブル種類 | 断面積 | 許容電流(気中・多心。心線数3本以下の係数0.70適用後) |
|---|---|---|
| VVF | 1.6mm(2.01mm²) | 19A |
| VVF | 2.0mm(3.14mm²) | 24A |
| CV | 5.5mm² | 46A |
| CV | 14mm² | 84A |
| CV | 38mm² | 154A |
| CV | 100mm² | 280A |
| CV | 325mm² | メーカー資料で確認 |
許容電流は敷設方法(気中・暗渠・直埋・管内)・周囲温度・多条敷設の補正係数によって変わる。気中・多心の値はあくまでも参考値として使い、実際の設計では条件に合わせた補正計算を行う。
施設による使い分け
| 用途 | 推奨ケーブル |
|---|---|
| 屋内固定配線(分岐回路・15〜20A) | VVF 1.6〜2.0mm |
| 屋内幹線(50A以上の大電流) | CV 22〜38mm²以上 |
| 受電設備・キュービクルへの引込 | CVT(メーカー選定表参照) |
| 屋外露出配線(管内収容) | CV(露出部はPF管・金属管内) |
| 地中配管内敷設 | CV(ケーブル保護管内) |
| 直接埋設(地中直埋) | 直埋形品(CE・CVT-D等) |
幹線 vs 分岐の判断フロー
電路設計では「幹線」と「分岐回路」を明確に分けて考えることが重要だ。
- 幹線: 引込口〜分電盤主幹ブレーカーまでの電路。大電流(100〜数百A)が流れるため、CVまたはCVTが適する。
- 分岐回路: 主幹ブレーカー〜コンセント・照明器具までの電路。20A以下の小電流なので、VVFが適する。
幹線にVVFを使うのは許容電流・電圧降下の両面から不適切だ。逆に分岐回路にCVを使うと無駄なコストがかかる。
断面積の選び方——電圧降下の計算も忘れずに
断面積を選ぶ際は「許容電流」だけでなく「電圧降下」の計算も必須だ。特に長距離配線では電圧降下が機器の動作に影響する。
手動での計算が面倒な場合は、当サイトの電線の電圧降下・サイズ簡易計算シミュレーターをご活用ください。電源方式、電線サイズ、配線長、電流を入力するだけで、電圧降下(V)と降下率(%)をリアルタイムに自動計算し、内線規程に適合しているか簡易判定できます。
電圧降下の簡易計算式(単相2線式)
電圧降下(V)= 2 × R × I × L
R:ケーブル抵抗(Ω/m)
I:負荷電流(A)
L:ケーブル長さ(m)
内線規程1310-1では電圧降下は幹線・分岐それぞれ原則2%以下(構内変圧器から供給する幹線は3%以下)で、こう長が60mを超える場合にだけ緩和される(電気事業者から低圧受電なら120m以下4%・200m以下5%・200m超6%、構内変圧器から供給する場合は5%・6%・7%)。計算値が基準を超える場合は断面積を1ランク上げて再計算する。
FEMCのCVケーブル品種
古河電工(FEMC:Furukawa Electric)はCVケーブル・CVTケーブルの主要国内メーカーの一つだ。低圧CVから6kV-CVまで幅広い品種をラインナップしており、断面積・心数・電圧クラス別の選定が可能だ。
VVFケーブルとの価格連動についても、銅建値の変動を踏まえた発注タイミングの管理が重要だ(詳細は銅建値と電材価格の記事を参照)。
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電材サーチでCVケーブル・CVTケーブルの品種を一覧から絞り込み、まとめて見積もり依頼ができます。
どこでどう使われているか——現場別の使いどころ
| 現場・用途 | 使う品種 | ポイント |
|---|---|---|
| 建物への引込幹線 | CVT | 3本撚りで曲げやすく引込部の施工が容易 |
| 分電盤・動力盤への幹線 | CV/CVT | 主幹容量と距離から断面積を選定 |
| 工場の動力設備(モータ・盤間) | CV 3心 | 大電流回路。電圧降下計算が必須 |
| 屋外露出(電線管収容) | CV | 紫外線対策にPF管・金属管へ収容 |
| キュービクル・受電設備まわり | CVT | 屈曲の多い盤内引き回しに有利 |
分岐回路(コンセント・照明)はCVではなくVVF、盤内の機器配線はKIVが担当区分だ。配電盤まわりの部材一式は配電盤・分電盤ソリューションにまとめている。
どう注文するか——失敗しない発注のしかた
注文は「品種+断面積(sq)−心数+長さ」で伝われば間違いがない。
例: 「CVT 38sq を 120m」
「CV 8sq-3C を 50m 切断で」
- 荷姿: 汎用サイズは切断販売に対応。必要なm数で注文できる(ドラム単位の大口も可)
- 敷設条件を添える: 気中・管内・埋設の別で許容電流が変わるため、条件があると選定ミスを防げる
- 価格: 銅建値に連動して毎月変わるため、見積りは発注直前に取り直すのが鉄則
- 納期: 汎用サイズ(8〜60sq)は流通在庫が厚め。100sq超や特殊心数は要納期確認
よくある質問
CVケーブルとVVFケーブルはどう使い分けますか?
主に「幹線か分岐回路か」「許容電流の大きさ」で使い分けます。VVFは屋内固定配線の分岐回路向けで最大断面積は5.5mm²程度まで。CVは幹線・引込線・屋外配線向けで断面積38mm²〜500mm²以上の大容量品も存在します。小容量の分岐回路はVVF、大電流が必要な幹線・動力設備の引込はCVが基本選択肢です。
CVとCVTの違いは何ですか?
絶縁線の構成が異なります。CVは複数の絶縁線を一括してビニルシースで覆った一括シース型です。CVTは3本の単心CVを撚り合わせた(トリプレックス形)構造で、個々の線をバラして引き込めるため施工の取り回しが容易です。CVTは変電所や受電設備の引込部など、屈曲部の多い施工に特に適しています。
CVケーブルの断面積(mm²)はどうやって選びますか?
「回路に流れる最大電流」と「内線規程(JEAC 8001)の許容電流表」を照合して選定します。安全側に選ぶため、計算した電流値よりも許容電流が上回る最小の断面積を選ぶのが基本です。敷設方法(気中・管内・直埋)で許容電流が変わるため、施工条件に合った表を使います。また、電圧降下の計算も長距離配線では必須です。
CVケーブルは屋外・直埋に使えますか?
CVケーブルはビニルシースのため耐候性・耐水性はある程度ありますが、直埋(地中直接埋設)には適していません。地中埋設には地中配電線用のCE(架橋ポリエチレン絶縁ポリエチレンシースケーブル)やCVT-D(直埋形)を使用します。屋外露出配線は可能ですが、紫外線劣化を防ぐために電線管(PF管・金属管等)への収容が推奨されます。
CVケーブルの価格はなぜ変動するのですか?
CVケーブルの主材料は銅(Cu)であるため、銅建値(銅の市場価格)の変動が直接価格に反映されます。銅建値は電線メーカーが月次で改定して公開しており、LME(ロンドン金属取引所)の銅相場に連動します。2020〜2023年にかけて銅建値が約2倍以上に上昇した局面では、CVケーブルも同様の価格上昇を示しました。見積もりは取得タイミングで価格が変わるため、電材代理店への定期的な確認が重要です。
CVケーブルの購入・見積りについて
CV・CVTケーブルは、電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)でお見積り・ご購入いただけます。品種・断面積・心数・長さ(切断可)をお伝えいただければ、銅建値を踏まえた見積りを法人・施工業者様向けに迅速に回答します。
- 電話: 03-3833-6431(平日 9:00〜17:00)
- Web: 見積フォーム(24時間受付)
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