電線・ケーブル大百科
「この仕様だと、現場での総重量や荷姿はどうなる?」「アルファベット略称の意味は?」など、電気設計者・施工管理者が直面する疑問を瞬時に解決します。
ケーブル重量・荷姿・搬入人員シミュレーター
電線の「種類」「太さ」「心数」「長さ」を選択すると、実務公称データに基づき総重量・荷姿・推奨搬入人員を算出します。
ケーブル重量早見表(メーカー仕様書の概算質量・100mあたり)
下の値はSFCC株式会社(SWCCグループ)の仕様書付表にある「概算質量(参考値)」です。重量の大半は導体の銅が占めるため、同じ断面積ならメーカー差は小さく、フジクラ・ダイヤケーブルのカタログ値との差も数%(最大は60mm²の約5%)に収まります。ドラム自体の質量は含みません。
① VVF(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)
| 品名 | 概算質量 | 100mあたり | 仕上外径(約) | 標準条長 |
|---|---|---|---|---|
| VVF 1.6mm-2C | 90 kg/km | 9.0 kg | 6.2×9.4 mm | 100 m |
| VVF 2.0mm-2C | 120 kg/km | 12.0 kg | 6.6×10.5 mm | 100 m |
| VVF 2.6mm-2C | 180 kg/km | 18.0 kg | 7.6×12.5 mm | 100 m |
| VVF 1.6mm-3C | 130 kg/km | 13.0 kg | 6.2×13.0 mm | 100 m |
| VVF 2.0mm-3C | 180 kg/km | 18.0 kg | 6.6×14.0 mm | 100 m |
| VVF 2.6mm-3C | 270 kg/km | 27.0 kg | 7.6×17.0 mm | 100 m |
| VVF 1.6mm-4C | 180 kg/km | 18.0 kg | 6.2×16.0 mm | 100 m |
| VVF 2.0mm-4C | 240 kg/km | 24.0 kg | 6.6×18.0 mm | 100 m |
導体は軟銅単線、シース色は灰色。標準条長はいずれも100mです。
② CV 3心(600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)とCVT(単心3個より合せ形)
| 断面積 | CV 3心 概算質量 | CV 3心 100mあたり | CVT 概算質量 | CVT 100mあたり |
|---|---|---|---|---|
| 8 mm² | 355 kg/km | 35.5 kg | 380 kg/km | 38.0 kg |
| 14 mm² | 550 kg/km | 55.0 kg | 570 kg/km | 57.0 kg |
| 22 mm² | 820 kg/km | 82.0 kg | 835 kg/km | 83.5 kg |
| 38 mm² | 1,330 kg/km | 133 kg | 1,320 kg/km | 132 kg |
| 60 mm² | 1,970 kg/km | 197 kg | 1,890 kg/km | 189 kg |
| 100 mm² | 3,260 kg/km | 326 kg | 3,070 kg/km | 307 kg |
| 150 mm² | 4,750 kg/km | 475 kg | 4,450 kg/km | 445 kg |
| 200 mm² | 6,390 kg/km | 639 kg | 5,990 kg/km | 599 kg |
| 250 mm² | 7,900 kg/km | 790 kg | 7,420 kg/km | 742 kg |
| 325 mm² | 10,700 kg/km | 1,070 kg | 10,100 kg/km | 1,010 kg |
| 400 mm² | — | — | 12,600 kg/km | 1,260 kg |
| 500 mm² | — | — | 15,600 kg/km | 1,560 kg |
| 600 mm² | — | — | 18,600 kg/km | 1,860 kg |
8mm²は円形圧縮導体の値で、7本/1.2mm撚りの構成では10 kg/km重くなります。CV 3心は2〜325mm²、CVTは8〜600mm²の範囲で規定されています。2心のCVDは60mm²で1,270 kg/km、4心のCVQは60mm²で2,530 kg/kmです。
計算の根拠・出典
ケーブルの総重量は、メーカー仕様書付表の「概算質量」(kg/km)に長さを掛けて求めます。100mなら概算質量の10分の1がkgです。延線の可否は総重量ではなく、許容張力と許容側圧で判断します。
- SFCC株式会社(SWCCグループ) 600V VVF 仕様書 SF-0039B(付表・概算質量(PDF5ページ目/誌面-4-))
- SFCC株式会社(SWCCグループ) 600V CV 仕様書 SF-0001C(付表・概算質量(PDF6〜7ページ目/誌面-5- -6-))
- SFCC株式会社(SWCCグループ) 600V CVD/CVT/CVQ 仕様書 SF-0002B(付表・概算質量(PDF6ページ目/誌面-5-))
- フジクラ・ダイヤケーブル 600V CVD・CVT・CVQ カタログ(構造・性能表(1ページ目・メーカー差の確認用))
- SWCC 技術資料「電線・ケーブル その他技術事項」(許容張力・延線許容側圧)(電線・ケーブルの許容張力/延線許容側圧(誌面54ページ))
今さら聞けない!電線・ケーブル略称の意味と分類
実務で使われるケーブルのアルファベット記号は、使用されている材質や形状を示す英語・ローマ字の構成要素から成り立っています。
① 記号一文字ずつの意味(構成要素)
| 記号 | 表す意味 | 英語/ローマ字表記の由来 | 補足解説 |
|---|---|---|---|
| V | 塩化ビニル (PVC) | Vinyl | 最も一般的な絶縁体およびシース用のプラスチック材料。 |
| F | 平形 | Flat | 平らな形状をしたもの(例:VVFケーブル)。 |
| R | 丸形 | Round | 丸い断面形状をしたもの(例:VVRケーブル)。 |
| C | 架橋ポリエチレン / ケーブル | Cross-linked PE / Cable | 絶縁体材料(架橋PE)またはケーブル全体を表します。 |
| T | 3心撚り (トリプレックス) | Triplex | 単心ケーブルを3本撚り合わせたもの(例:CVT)。 |
| Q | 4心撚り (クワドラプレックス) | Quadruplex | 単心ケーブルを4本撚り合わせたもの(例:CVQ)。 |
| D | 2心撚り (デュプレックス) | Duplex | 単心ケーブルを2本撚り合わせたもの(例:CVD)。 |
| I | 屋内用 / 絶縁電線 | Indoor / Insulated | シース(外被)のない絶縁電線を示します(例:IV)。 |
| H | 耐熱仕様 | Heat-resistant | 許容温度を向上させた仕様(例:HIVは75℃、H-KIVは75℃)。 |
| K | 可とう性 (柔軟より線) | Kaso (可とう性) / Kigu (器具) | 導体に細い素線を使用して、柔らかく曲げやすくしたもの。 |
| E | ポリエチレン / エコ材料 | Eco / Ethylene | 被覆に燃焼時の毒性がない耐燃性ポリエチレンを使用。 |
| M | 無機絶縁 | Mineral Insulated | MIケーブルなど、耐熱性の高い酸化マグネシウムを採用したもの。 |
| O | 屋外用 | Outdoor | 屋外引込線や耐候性に優れた電線(例:OW線)。 |
| P | ポリエチレン / 盤内用 | Polyethylene / Panel | 高圧KIP線など、架橋ポリエチレンを絶縁に使用するもの。 |
| W | 耐候・耐水仕様 | Weatherproof | 屋外の厳しい雨風や日光に耐え得る被覆仕様。 |
断面図で見分ける代表ケーブル
平形・丸形・単心・より合わせの違いを、代表的な断面で比較できます。
※ 構造を理解するための模式図です。実際の色・寸法・層構成はメーカー・規格・サイズにより異なります。
間違えやすい品種を図解
性能と構造の違いを断面で比較
同じように見えるケーブルでも、耐熱・耐火性能や遮へいの有無で用途と施工方法が変わります。
② 実務で頻出する代表的ケーブル記号早見表
| ケーブル記号 | 正式名称・由来のスペル | 形状・特徴と実務での主な使われ方 |
|---|---|---|
| VVF | Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type | ビニル絶縁ビニルシース平形。一般住宅や店舗の100V/200Vコンセント・照明配線の主役。現場では「VA」「Fケーブル」と呼ばれる。 |
| VVR | Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type | ビニル絶縁ビニルシース丸形。VVFの丸形版。配管への挿入時や、露出配線の仕上がり美観が求められる場所に使用される(別名SV線)。 |
| EM-EEF | Eco Material - Polyethylene insulated Polyethylene sheathed Flat | ポリエチレン絶縁ポリエチレンシース平形。VVFのエコ仕様で、公共工事や官公庁物件で必須指定される(通称エコVVF)。 |
| CV | Cross-linked PE insulated Vinyl sheathed | 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース。耐熱温度が90℃と高く、工場やビルの低圧動力回路や主幹幹線としてラック敷設等に多用される。 |
| CVT | Cross-linked PE insulated Vinyl sheathed Triplex | CVの3心より合わせ形。3心一括のCVよりも柔軟で許容電流が大きく、端末処理もしやすいため、ビル・工場の電力用幹線のデファクトスタンダード。 |
| IV | Indoor Vinyl insulated wire | 600Vビニル絶縁電線。外装(シース)がないため電線管(金属管・PF管)に通すか、盤内のアース(接地線・緑色)および制御配線に使用。 |
| KIV | Flexible Vinyl insulated wire | 電気機器用ビニル絶縁電線。素線が極めて細かく柔軟性が高いため、制御盤内のドア渡り配線や、狭いダクトへの配線に使用される。 |
| KIP | High-voltage insulated wire for Switchboard | 高圧架橋ポリエチレン絶縁電線。定格6600V。キュービクル(高圧受電設備)内部の高圧機器(VCB、変圧器等)同士の接続に独占的に使用。 |
| VCT / VCTF | Vinyl Cabtyre Cable / Cord | ビニルキャブタイヤ。柔軟かつ摩擦・衝撃に強い。VCTは600V低圧動力の移動機器、VCTFは300V以下の工具電源コードなどに使用。 |
| UTP / STP | Unshielded / Shielded Twisted Pair | ツイストペアLANケーブル。一般のインターネット配線にはUTP、ノイズが懸念される工場設備や医療機器周辺にはSTP(シールド有)を使用。 |
電線・ケーブル品種図鑑
「業種」や「敷設環境」のタブを選択すると、該当するケーブルカードへ絞り込みができます。
VVFケーブル
600Vビニル絶縁ビニルシース平形ケーブル
一般住宅や店舗の屋内分岐回路(コンセント・照明)で最も多用されるグレーの平形電線。軽くて曲げやすく、ステップルで木柱に直接固定可能。
EEF / EM-EEF(エコVVF)
耐燃性ポリエチレンシース平形ケーブル
VVFケーブルのエコ仕様樹脂版。被覆にポリエチレン系材料を使用しており、燃焼時に有毒ガスを出さず、リサイクル性に優れる。公共建築物や官庁工事で指定されます。
HP / HFA耐熱電線
小勢力回路用耐熱電線(JCS 3501)
火災時にも一定時間、非常放送・非常電話・防火システムなどの小勢力回路を維持するための定格60V耐熱電線。HPは統一記号、HFAは冨士電線の製品名です。一般形、EM、対より、遮へい、LAPなどを用途に合わせて選びます。
CVケーブル
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
耐熱温度が90℃と高い「架橋ポリエチレン」を絶縁体に採用。VVFよりも許容電流が大きく、商業施設や工場の低圧メイン幹線・動力回路に広く採用されます。
CVTケーブル
600Vトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
単心のCVケーブルを3本撚り合わせた構造。一括シース型の3心CVに比べて柔軟で曲げやすく、端末処理が容易。放熱性に優れるため許容電流が大きく、現代の主幹幹線の標準です。
CVDケーブル
600Vデュプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
単心のCVケーブルを2本撚り合わせたデュプレックス構造。単相2線式や、単相3線式(中性線は別途配線等)などの回路において、3心撚り(CVT)よりも無駄がなく合理的な配線が可能です。
IV線
600Vビニル絶縁電線
外側の保護被覆(シース)がなく、銅導体と絶縁ビニルのみの電線。単独で露出配線はできませんが、電線管(金属管・PF管)に通す配線や、盤内配線、緑色はアース接地線に使用されます。
KIV線
電気機器用ビニル絶縁電線
IV線に比べて素線が極めて細く、撚り本数が多いため非常に柔らかい絶縁電線。制御盤の扉渡り配線や、狭いダクト内、バッテリーなどのDC極太接続用アース線に多用されます。
H-KIV線
耐熱性電気機器用ビニル絶縁電線
KIV線の最高許容温度を「75℃」に向上させた高柔軟性絶縁電線。発熱するトランス周辺や配電盤内部、照明器具の口出し線など、周囲温度が高い過酷な環境の配線に適しています。
KV線
通信機器用ビニル電線
定格電圧100V未満の電子機器、通信機器などの信号用・制御回路配線。導体が極めて細く、基板配線や各種弱電センサー、信号伝送用コードとして広く使用されます。
VCTF / VCT
ビニルキャブタイヤコード / ケーブル
しなやかで摩耗に強い可動用丸形ケーブル。VCTFは定格300V以下の小型電動工具や家電用コード、VCTは定格600V以下の工場動力可動ケーブルとして重電機器に使用されます。
KIP線
高圧架橋ポリエチレン絶縁電線
定格6600V用の非常に柔らかい高圧ゴム風絶縁電線。キュービクル内の高圧遮断器(VCB)やトランス間の接続など、狭い高圧盤内で曲げ半径を小さくして配線するために用いられます。
6kV高圧CVT
6600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
高圧電柱の気中負荷開閉器(PAS)から、敷地内のキュービクルへ6600Vを安全に引き込むための高圧用CVT。遮蔽銅テープや半導電層を備えた極めて強固で安全性の高い構造。
ケーブル重量・荷姿についてよくある質問
ケーブル重量はどうやって計算しますか?
メーカー仕様書の付表にある「概算質量」(kg/km)に長さを掛けます。100mなら概算質量の10分の1がkgです。例えばCVT 150mm²は4,450 kg/kmなので、100mで445kg、50mで222.5kgになります(SFCC株式会社 仕様書SF-0002B 付表)。この値にドラム自体の質量は含まれないため、ドラム納品のときは出荷仕様書に記載された総質量を別に確認してください。
見積フォームへ進む →VVFケーブル1巻(100m)の重さは何kgですか?
SFCC株式会社の仕様書SF-0039B 付表の概算質量では、VVF 1.6mm-2Cが90 kg/kmで100m当たり約9.0kg、2.0mm-2Cが120 kg/kmで約12.0kg、2.6mm-2Cが180 kg/kmで約18.0kgです。3心は1.6mmが130 kg/kmで約13.0kg、2.0mmが180 kg/kmで約18.0kg、2.6mmが270 kg/kmで約27.0kgです。標準条長はいずれも100mです。
見積フォームへ進む →CVTケーブルの重さはCVより重いですか、軽いですか?
太いサイズではCVTのほうが軽く、細いサイズではCVTのほうがわずかに重くなります。境目は22mm²と38mm²の間です。介在と一括シースが無い分だけ材料が減るためで、SFCC株式会社の仕様書付表では100mm²がCV 3心3,260 kg/kmに対しCVT 3,070 kg/km、325mm²がCV 3心10,700 kg/kmに対しCVT 10,100 kg/kmと軽くなります。逆に8mm²はCV 3心355 kg/kmに対しCVT 380 kg/kmで、CVTのほうが重くなります。
見積フォームへ進む →ケーブルの重量から搬入・延線の人数はどう見積もりますか?
総重量は荷下ろしと搬入の目安になり、このページのシミュレーターも総重量から推奨人員の目安を出しています。ただし延線そのものが成立するかは重量ではなく、ケーブルにかかる張力と側圧で決まります。SWCCの技術資料では、プーリングアイの許容張力は銅導体の断面積1mm²当たり69N、ケーブルグリップはシース断面積1mm²当たり8Nかつ4,900N以下、延線時の許容側圧はCV(単心・多心)2,940N/m、CVT(トリプレックス)2,450N/m、CVVなど外径の小さいケーブルは980N/mとされています。ドラムはドラムローラーで浮かせ、曲がり部に金車を置いて、経路全体でこの値を超えないように計画します。
見積フォームへ進む →電線・ケーブルのスピード見積もり・調達なら
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