CVV(制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル)
CVVとCVの取り違え、CVVSの遮へいと片端接地、心数と予備心の決め方、メーカー横断の寸法比較
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CVVは「制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル」で、600V以下の制御回路に使います。適用規格は JIS C 3401(制御用ケーブル)、導体上の最高許容温度は60℃です。名前が似ているCVはJIS C 3605の 電力用ケーブルで、絶縁体が架橋ポリエチレン、最高許容温度90℃。規格も用途も別物なので置き換えられません。 静電遮へいを足したものがCVVS(SFCCの公式表記はCVV-S)で、こちらはJISの対象外でJCS 4258に拠ります。 遮へいは片端だけ接地します。両端接地すると遮へい効果が落ちます。断面積は1.25mm²が標準で、 電流計が入る回路は3.5mm²。心数は必要数に予備心を1〜2割足して、2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30の 標準心数から直近上位を選びます。
CVVケーブルとは
CVVの正式名称は「制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル」です。JIS C 3102の電気用軟銅線を より合わせた導体にビニル絶縁体をかけ、必要に応じて介在物とともにより合わせ、黒いビニルシースで 覆った構造です。適用規格はJIS C 3401(制御用ケーブル)で、規格は導体・絶縁体厚さ・シース厚さ・ 線心識別・より合わせといった構造と、導体抵抗・耐電圧・絶縁抵抗・引張強さ及び伸び・巻付加熱・ 低温巻付け・加熱変形・難燃の試験を定めています。導体上の最高許容温度は60℃、試験電圧は2000V (38mm²のみ2500V)です。線心識別は2心が黒・白、3心が黒・白・赤、4心が黒・白・赤・緑、 5心以上は黒色絶縁体の表面に1〜30の数字を連続印刷します。
CVVSは、絶縁線心をより合わせた外側に銅テープの静電遮へいを施したものです。矢崎エナジーシステムは 「信号を誘導障害から守るために静電しゃへいを施した」と説明しています。遮へい付きはJIS C 3401の 範囲外で、各社ともJCS 4258(日本電線工業会規格「制御用ケーブル(遮へい付)」)に拠っています。 フジクラ・ダイヤケーブルはカタログで「しゃへい付きはJIS規格外品ですので、JIS認定品ではありません」と 明記しています。表記はメーカーで割れており、SFCCは「CVV-S」、矢崎とフジクラ・ダイヤは「CVVS」です。 遮へいがある分だけ仕上外径は太くなり、許容曲げ半径も遮へいなしの6dに対して8dに増えます。
エコ電線の系統がEM-CEE(EM CEE/F)です。ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシースで、 ハロゲンを含まないため焼却時に有害なガスが出にくい構成です。日本電線工業会はCEE/Fを JIS C 3401対応・CVV相当と位置づけています。導体上の最高許容温度が75℃とCVVの60℃より高く、 その分だけ許容電流も大きくなります。遮へい付きはEM-CEES(EM CEE-S)です。ただし寸法・質量は CVVと同一ではないため、電線管やケーブルグランドの選定は品種ごとに確認してください。
CVVケーブルの選び方
- 1
まずCVVとCVを取り違えていないか確かめる
発注書で最も多い行き違いがこれです。CVVは制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(JIS C 3401、 絶縁体はビニル、最高許容温度60℃、600V以下の制御回路)。CVは架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース ケーブル(JIS C 3605、絶縁体は架橋ポリエチレン、最高許容温度90℃、電力の幹線)。名前が 1文字違うだけですが、規格も絶縁体も許容温度も用途も別です。制御回路にCVを使うと心数が足りず、 電力幹線にCVVを使うと許容電流が足りません。心数の多い(5心以上の)品番はCVVだと考えてまず 間違いありませんが、2〜4心は両方に存在するので、規格番号か絶縁体で確認してください。
- 2
遮へいが要るかどうかでCVVかCVVSかを決める
動力線と同じラック・同じ電線管に長く並走する制御回路、微弱な信号(4-20mA、熱電対、 パルス)を扱う回路、インバータの近くを通る回路では、静電誘導によるノイズを拾う可能性が あります。この場合にCVVS(CVV-S)を検討します。逆に、接点のオン・オフだけを伝える回路で 動力線から離して配線できるなら、CVVで足ります。遮へい付きはJIS規格外である点、外径が太くなる点、 曲げ半径が8dに増える点、価格が上がる点が代償です。なお静電遮へいはノイズの侵入経路のうち 静電誘導に効くもので、電磁誘導には別の対策(離隔、より対、電磁遮へい)が要ります。
- 3
断面積は1.25mm²を基本に、電流計回路だけ3.5mm²
制御回路は電流が小さいため、断面積は機械的強度と電圧降下で決まります。農林水産省の 電気設備計画設計技術指針は「制御ケーブルの導体サイズは一般に同一構内では1.25mm²を標準とするが、 電流計が接続されている回路のケーブルは3.5mm²を選定する」としています。フジクラ・ダイヤケーブルも カタログで「サイズ的には1.25mm²、2mm²が最も多く用いられている」と書いています。長距離で 電圧降下が問題になる場合や、太い端子に合わせる必要がある場合にサイズを上げます。
- 4
心数は必要数に予備心を足して標準心数から選ぶ
制御ケーブルの心数展開は2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30と離散的です。農林水産省の 技術指針は「必要心線数に予備心線数(約10%〜20%)を加えたものの数値の直近上位の標準ケーブルを 選定すること」としています。たとえば遮断器の制御で入・切・コモン・予備の4心が要るなら、 同指針の例では7心×1.25mm²を選んでいます。ただしこの10〜20%という数値は農林水産省所管工事の 指針値で、業界共通の統一ルールではありません。発注者の仕様書に規定があればそちらが優先します。 あとから心線を足すことはできないので、切り詰めすぎないことだけは共通しています。
- 5
許容電流は公開しているメーカーの表を手がかりにする
制御回路では許容電流が問題になることはまれで、多くのメーカーは公式資料に許容電流を載せていません。 フジクラ・ダイヤケーブルは技術ページで「制御、計装及び通信ケーブルでは、許容電流(送電容量)は 問題とならない」と明言しています。例外がSFCCで、産業用電線・ケーブル製品カタログに 「CVV、CVV-S 許容電流」表(周囲温度40℃・絶縁体許容温度60℃・気中暗渠布設1条)を掲載しています。 1.25mm²は2心13A・30心4A、3.5mm²は2心25A・20心10Aで、心数が増えるほど1心あたりの値が下がります。 電磁弁やヒーターなど電流が流れる回路をCVVで送る場合は、この表で確認してください。 なお電気設備の技術基準の解釈 第146条は、ケーブルの許容電流について内線規程を参照するとしています。
- 6
電線管のサイズは仕上外径と占有率で決める
CVVの仕上外径は同じサイズでもメーカーで違います。2心1.25mm²で、矢崎8.9mm・SFCC 9.2mm・ 品川電線9.4mmと0.5mmの幅があります。電線管に収める電線の総断面積が管の内断面積に占める割合は、 内線規程で原則32%以下、同一サイズで屈曲が少なく引き替えが容易な場合に限り48%以下です。 ぎりぎりの設計をするとメーカーが変わっただけで入らなくなるので、余裕を見てください。 ケーブルグランドも同じで、両社とも「使用時は外径公差を事前相談」と公式に書いています。
現場で間違いやすい点
- CVVとCVを取り違える。名前は1文字違いだが、CVVはJIS C 3401の制御用(絶縁体ビニル・60℃)、CVはJIS C 3605の電力用(絶縁体架橋ポリエチレン・90℃)で、規格も用途も別です。発注時は規格番号まで書くと行き違いが減ります。
- 遮へい付きをJIS認証品だと思い込む。CVVS(CVV-S)はJIS C 3401の範囲外で、各社ともJCS 4258に拠っています。フジクラ・ダイヤケーブルはカタログで「しゃへい付きはJIS規格外品ですので、JIS認定品ではありません」と明記しています。
- 遮へいを両端で接地する。静電遮へいは1点接地が原則で、両端を接地すると遮へい効果が著しく減り、かえって誘導を拾うことがあります。両端接地が有効なのは電磁遮へいの場合で、目的が違います。
- 表記の揺れで発注が通らない。SFCCは「CVV-S」、矢崎とフジクラ・ダイヤケーブルは「CVVS」です。同じものを指しますが、メーカーごとの表記に合わせたほうが確実です。
- 心数をぎりぎりで決める。あとから心線を足すことはできません。標準心数が離散的(2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30)なので、必要数を切り上げるだけでも予備心が生まれます。
- 電線管をメーカーの外径で決め打ちする。同じ2心1.25mm²でも仕上外径が8.9〜9.4mmと差があります。占有率32%(条件付きで48%)に余裕を見てください。
- 在庫区分を確認しない。矢崎エナジーシステムは公式の製品ページで在庫品(●)と受注生産品(〇)を区別しており、3.5mm²は6心以上が受注生産品です。品川電線のRoHS 2対応品も受注生産品です。
- 許容電流の資料が無いことに気づかず設計する。多くのメーカーは許容電流を公開していません。電磁弁やヒーターなど電流が流れる回路をCVVで送るときは、SFCCのカタログ表など根拠のある値で確認してください。
- CVVSの外径をCVVと同じだと考える。遮へいの分だけ太くなり、許容曲げ半径も6dから8dに増えます。既設の電線管に入れ替える計画では収まらないことがあります。
CVVケーブルの規格・サイズ表
CVVとCVの違い(取り違えの元)
| 項目 | CVV | CV |
|---|---|---|
| 正式名称 | 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル | 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル |
| 適用規格 | JIS C 3401(制御用ケーブル) | JIS C 3605 |
| 絶縁体 | ビニル | 架橋ポリエチレン |
| 導体上の最高許容温度 | 60℃ | 90℃ |
| 主な用途 | 600V以下の制御回路(遠隔操作・自動制御) | 電力の幹線・分岐 |
| 心数の展開 | 2〜30心(標準心数は2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30) | 単心・2心・3心・4心が中心 |
| 遮へい付き | CVVS(CVV-S)/JCS 4258 | 高圧CVは遮へい層を持つ |
名前が1文字違うだけだが規格・絶縁体・許容温度・用途がすべて違う。相互に置き換えられない。
出典: SFCC 仕様書 SF-0012C、矢崎エナジーシステム 制御用ケーブル製品ページ、日本規格協会 JIS目次
CVVとCVVS(CVV-S)の違い
| 項目 | CVV | CVVS(CVV-S) |
|---|---|---|
| 適用規格 | JIS C 3401(JISマーク認証品あり) | JCS 4258(日本電線工業会規格。JIS規格外) |
| 遮へい | なし | 厚さ0.05mm以上の軟銅テープを重ね巻きした静電遮へい |
| 遮へいの目的 | ー | 信号を誘導障害から守る(静電誘導への対策) |
| 許容曲げ半径 | 仕上外径の6倍(6d) | 仕上外径の8倍(8d) |
| 最大断面積(SFCC) | 22mm² | 38mm² |
| 仕上外径の例(2心1.25mm²・矢崎) | 8.9mm | 9.1mm |
| 概算質量の例(2心1.25mm²・矢崎) | 85kg/km | 100kg/km |
| メーカーごとの表記 | CVV(全社共通) | SFCC=CVV-S/矢崎・フジクラダイヤ=CVVS |
遮へい付きはJISの対象外。仕様書でJIS認証品を求められている案件では要確認。
出典: SFCC 仕様書 SF-0013C・カタログp.50、矢崎エナジーシステム 遮へい付制御用ケーブル製品ページ、フジクラ・ダイヤケーブル CVV・CVVSカタログ
CVV・CVV-S の許容電流(周囲温度40℃・絶縁体許容温度60℃・気中暗渠布設1条)
| 公称断面積 | 2心 | 3心 | 4心 | 5心 | 6心 | 7心 | 8心 | 10心 | 12心 | 15心 | 20心 | 30心 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.25mm² | 13A | 11A | 10A | 9A | 8A | 8A | 7A | 6A | 6A | 6A | 5A | 4A |
| 2mm² | 18A | 15A | 13A | 12A | 11A | 10A | 10A | 9A | 8A | 8A | 7A | 6A |
| 3.5mm² | 25A | 21A | 19A | 17A | 16A | 15A | 14A | 12A | 12A | 11A | 10A | 8A |
| 5.5mm² | 33A | 28A | 25A | 22A | 21A | 19A | 19A | 17A | 16A | 15A | 13A | ー |
| 8mm² | 42A | 36A | 32A | 29A | 27A | 25A | 24A | 21A | 20A | ー | ー | ー |
SFCCのカタログはCVVとCVV-Sで共通の値としており、難燃タイプ(FD-)も同じ値を用いてよいと注記している。多条布設の低減率と温度補正式も同じページに掲載。ほかのメーカーは許容電流を公開していない。
出典: SFCC 産業用電線・ケーブル製品カタログ p.40
CVV 心型の構造(SFCC 仕様書 SF-0012C 付表)
| 公称断面積 | 導体構成 | 導体外径 | 絶縁体厚さ | 最大導体抵抗(20℃) | 試験電圧 | 最小絶縁抵抗(20℃) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.25mm² | 7/0.45 | 1.35mm | 0.8mm | 16.8Ω/km | 2000V | 50MΩ・km |
| 2mm² | 7/0.6 | 1.8mm | 0.8mm | 9.42Ω/km | 2000V | 50MΩ・km |
| 3.5mm² | 7/0.8 | 2.4mm | 0.8mm | 5.30Ω/km | 2000V | 50MΩ・km |
| 5.5mm² | 7/1.0 | 3.0mm | 1.0mm | 3.40Ω/km | 2000V | 50MΩ・km |
| 8mm² | 7/1.2 | 3.6mm | 1.2mm | 2.36Ω/km | 2000V | 50MΩ・km |
| 14mm² | 7/1.6 | 4.8mm | 1.4mm | 1.33Ω/km | 2000V | 40MΩ・km |
| 22mm² | 7/2.0 | 6.0mm | 1.6mm | 0.840Ω/km | 2000V | 40MΩ・km |
14mm²・22mm²はカタログには載らず仕様書の付表にのみ掲載。矢崎の8mm²は円形圧縮導体で導体外径3.4mm・導体抵抗2.34Ω/kmと構成が異なる。
出典: SFCC 仕様書 SF-0012C 付表、矢崎エナジーシステム 仕様書 YESS 3117
同じサイズでもメーカーで違う仕上外径(CVV 心型・約mm)
| サイズ | SFCC | 矢崎エナジーシステム | 品川電線 |
|---|---|---|---|
| 2心 1.25mm² | 9.2 | 8.9 | 9.4 |
| 2心 2mm² | 10.5 | 9.8 | 10.5 |
| 2心 3.5mm² | 11.5 | 11 | 11.5 |
| 3心 1.25mm² | 9.7 | 9.4 | 9.9 |
| 3心 3.5mm² | 12 | 12 | 12.5 |
| 4心 1.25mm² | 10.5 | 10.5 | 11 |
| 4心 3.5mm² | 13 | 13 | 13.5 |
| 10心 1.25mm² | 15.5 | 15 | ー |
最大で0.5mm程度の差がある。電線管やケーブルグランドをぎりぎりで設計すると、メーカーが変わっただけで収まらなくなる。各社とも外径公差は事前相談としている。
出典: SFCC 仕様書 SF-0012C 付表、矢崎エナジーシステム 製品ページ、品川電線 CVVカタログ p.15
心数の標準展開と予備心の考え方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標準心数 | 2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30心 |
| 予備心の目安 | 必要心線数に約10〜20%を加え、直近上位の標準心数を選ぶ |
| 選定例 | 遮断器制御(入・切・コモン・予備の4心)→ CVV 7心×1.25mm² |
| 標準の断面積 | 同一構内では1.25mm²を標準。電流計が接続されている回路は3.5mm² |
| 大心数の構成 | 25心=10心+15心、35心=15心+20心、40心=20心×2、45心=15心+30心、50心=20心+30心 |
| 計装ケーブルの扱い | 検出器〜遠隔監視室間は予備心を考慮しない。その他の盤間は制御ケーブルに準ずる |
予備心10〜20%は農林水産省所管工事の技術指針の値で、業界共通の統一ルールではない。発注者の仕様書に規定があればそちらが優先する。
出典: 農林水産省 農村振興局「電気設備計画設計技術指針(高低圧編)」第4章
CVVとEM-CEE(エコ電線)の違い
| 項目 | CVV | EM-CEE(EM CEE/F) |
|---|---|---|
| 絶縁体 | ビニル | ポリエチレン |
| シース | ビニル | 耐燃性ポリエチレン |
| 導体上の最高許容温度 | 60℃ | 75℃ |
| JISの記号 | CVV | CEE/F(「EM-」は付かない) |
| 適用規格の位置づけ | JIS C 3401 表1の記号 | JIS C 3401 表1に CEE/F として載る。日本電線工業会はこれをCVV相当と位置づけている |
| ハロゲン | 含む | 含まない(焼却時に有害なガスが出にくい) |
| 遮へい付き | CVVS(CVV-S) | EM-CEES(EM CEE-S) |
「EM-」はエコ電線であることを示す市場での呼び方で、JIS C 3401 表1の記号ではない。同表が定める記号は CVV・CEV・CEE・CCV・CCE・CEE/F・CCE/F。発注書に「EM-CEE」と書いても通じるが、規格の話をするときは CEE/F が正式な記号になる。許容温度が高い分だけ許容電流も大きい。ただし寸法・質量はCVVと同一ではないため、電線管・グランドの選定は品種ごとに確認する。
出典: 日本電線工業会、矢崎エナジーシステム 製品ページ、フジクラ・ダイヤケーブル カタログ
サイズ選定に使える計算ツール
施工・保管で気をつけること
- 許容曲げ半径は、遮へいなしのCVVが仕上外径の6倍、遮へい付きのCVV-Sが8倍です(SFCCカタログ p.50)。狭い盤内では曲げ半径が確保できず、遮へい層を痛めることがあります。
- 静電遮へいの接地は1点だけにします。両端を接地するとループができ、遮へい効果が著しく減少して、かえって誘導を拾うことがあります。接地する側は、一般に信号源側または受信側のどちらかに統一します。
- 動力線と制御線を同じ電線管・同じダクトに収めない。やむを得ず並走させる場合は離隔を取り、交差は直角にします。遮へい付きに変えるより、まず経路を分けるほうが効果的です。
- 5心以上は絶縁体表面の1〜30のナンバリングで識別します。2心は黒・白、3心は黒・白・赤、4心は黒・白・赤・緑です。心線番号の対応表を盤側に残しておくと、あとの改修で助かります。
- 予備心は接続せずに残し、十分な余長を取って端末処理します。国土交通省の公共建築工事標準仕様書にも「接続しない予備心線は、十分な余長をもたせる」という記載があります(構内交換設備の条項)。
- 電線管の占有率は原則32%以下です。同一サイズの電線で屈曲が少なく引き替えが容易な場合に限り48%以下にできます。太さの違う電線が混在するときは本数によらず32%です。
- ケーブルグランドは仕上外径で選びます。各社とも外径には公差があり、公式に「使用時は外径公差を事前相談」としています。カタログ値ちょうどのグランドを選ぶと入らないことがあります。
- 導体上の最高許容温度は60℃です。ヒーターや発熱機器のそば、周囲温度の高い盤内では、EM-CEE(75℃)や耐熱の品種を検討します。
取扱メーカー3社の比較
品種名を押すとメーカー別の詳細ページへ移動します。「メーカー情報」は当社が一次情報(公式サイト・沿革)で確認した内容です。
| メーカー | 品種 | 型番数 | 規格・特徴 | メーカー情報(当社確認) |
|---|---|---|---|---|
| SWCC | 制御用ケーブル | 8 | JIS C 3401に適合(CVVはJISマーク認証品)、導体上の最高許容温度60℃、試験電圧2000V | SWCCグループのCVV系はSFCC株式会社が製造します。2022年7月にグループ内の建設・電販向け汎用電線の 製造がSFCCへ集約されました。公式表記は「CVV-S」で「CVVS」は使われていません。許容電流表を カタログに掲載している数少ないメーカーです。 |
| 矢崎総業 | 制御用ケーブル | 6 | CVV・EM-CEEはJIS C 3401、遮へい付きのCVVS・EM-CEESはJCS 4258に対応、導体上の最高許容温度60℃、使用周囲温度-15〜60℃、試験電圧2000V | 公式の製品ページに在庫品(●)と受注生産品(〇)の区分が載っており、納期の見当がつけやすいメーカーです。 表記は「CVVS」。遮へいの目的を「信号を誘導障害から守るために静電しゃへいを施した」と公式に説明しています。 |
| 品川電線 | 設備用電線 | 6 | CVV(制御用)・SVV(計装用)を展開し、銅テープシールド付きのCVVSも対応、RoHS 2対応品(受注生産品)と公式カタログに明記 | 公式カタログではCVVを「制御用ビニルケーブル」と表記します。6心以下は防爆仕様での対応が可能で、 鉱山坑内用品型式を取得している点が他社にない特徴です。カタログに質量・許容電流・JIS番号の記載はありません。 |
メーカー横断の型番一覧(20件)
複数メーカーの型番をまとめて見積リストに入れ、1回の依頼で相見積ができます。
| メーカー | 型番 | 備考 | 見積 |
|---|---|---|---|
| SWCC | CVV 1.25mm²×2心 | 導体7/0.45・導体外径1.35mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上外径約9.2mm、概算質量90kg/km、導体抵抗16.8Ω/km以下(SFCC仕様書 SF-0012C 付表) | |
| SWCC | CVV 2mm²×4心 | 導体7/0.6・導体外径1.8mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上外径約11.5mm、概算質量180kg/km、導体抵抗9.42Ω/km以下(SFCC仕様書 SF-0012C 付表) | |
| SWCC | CVV 3.5mm²×10心 | 導体7/0.8・導体外径2.4mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上外径約19.5mm、概算質量590kg/km、導体抵抗5.30Ω/km以下(SFCC仕様書 SF-0012C 付表) | |
| SWCC | CVV 22mm²×4心 | 導体7/2.0・導体外径6.0mm、絶縁体1.6mm、仕上外径約26mm、概算質量1270kg/km、導体抵抗0.840Ω/km以下。カタログには載らず仕様書付表にのみ掲載のサイズ(SFCC仕様書 SF-0012C 付表) | |
| SWCC | CVV 1.25mm²×2対 | 対内識別は黒・白、対間識別は絶縁体表面のナンバリング。仕上外径約14.0mm、概算質量180kg/km、導体抵抗17.1Ω/km以下(SFCC仕様書 SF-0012C 付表) | |
| SWCC | FD-CVV 2mm²×4心 | 難燃タイプ。JIS C 3401に加えJCS 4370に適合し、IEEE Std 383:1974の垂直トレイ燃焼試験に合格。許容電流はCVVと同じ値を用いてよいとカタログに明記(SFCC仕様書 SF-0025C) | |
| SWCC | CVV-S 2mm²×4心 | 厚さ0.05mm以上の軟銅テープを重ね巻きした静電遮へい付き。許容曲げ半径は仕上外径の8倍(遮へいなしのCVVは6倍)(SFCC仕様書 SF-0013C、カタログp.50) | |
| SWCC | CVV-S 38mm²×2心 | CVVは22mm²までだがCVV-Sは38mm²まで展開する。38mm²の試験電圧は2500V(他サイズは2000V)(SFCC仕様書 SF-0013C 付表) | |
| 矢崎総業 | CVV 2心×1.25mm² | 導体7/0.45・導体外径1.35mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上り外径8.9mm、概算質量85kg/km、在庫品(矢崎公式製品ページ、仕様書YESS 3117) | |
| 矢崎総業 | CVV 4心×2mm² | 導体7/0.6・導体外径1.8mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上り外径11.5mm、概算質量170kg/km、在庫品(矢崎公式製品ページ、仕様書YESS 3117) | |
| 矢崎総業 | CVV 10心×1.25mm² | 仕上り外径15.0mm、概算質量290kg/km、在庫品。同じ10心でも3.5mm²は受注生産品(矢崎公式製品ページ) | |
| 矢崎総業 | CVV 30心×1.25mm² | シース厚1.6mm、仕上り外径23mm、概算質量700kg/km、在庫品。心数の最大展開(矢崎公式製品ページ、仕様書YESS 3117) | |
| 矢崎総業 | CVVS 2心×1.25mm² | 静電遮へい付き。仕上り外径9.1mm、概算質量100kg/km。遮へいがある分、同サイズのCVV(8.9mm)より外径が太い(矢崎公式製品ページ) | |
| 矢崎総業 | CVVS 4心×2mm² | 静電遮へい付き。仕上り外径11.5mm、概算質量190kg/km。関連規格はJCS 4258(矢崎公式製品ページ) | |
| 品川電線 | CVV 2心×1.25mm² | 導体7/0.45A・導体外径1.35mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上外径約9.4mm、導体抵抗16.8Ω/km以下、試験電圧2000V(品川電線 公式カタログ CVV.pdf p.15) | |
| 品川電線 | CVV 4心×2mm² | 導体7/0.6A・導体外径1.8mm、絶縁体0.8mm、シース1.5mm、仕上外径約12.0mm、導体抵抗9.42Ω/km以下(品川電線 公式カタログ CVV.pdf p.15) | |
| 品川電線 | CVV 2心×14mm² | 導体7/1.6A・導体外径4.8mm、絶縁体1.4mm、仕上外径約19.0mm、導体抵抗1.33Ω/km以下、絶縁抵抗40MΩ・km以上。同社CVVの最大断面積(品川電線 公式カタログ CVV.pdf p.15) | |
| 品川電線 | CVV 6心×3.5mm² | 導体7/0.8A・導体外径2.4mm、絶縁体0.8mm。6心以下は防爆仕様での対応が可能(鉱山坑内用品型式取得)(品川電線 公式カタログ CVV.pdf p.14-15) | |
| 品川電線 | CVVS | カタログに「銅テープシールド付きタイプ(CVVS)もご用意できます。」と記載。構造表はCVVのみ掲載のため、サイズごとの寸法は要問い合わせ(品川電線 公式カタログ CVV.pdf p.14) | |
| 品川電線 | SVV | 情報・計装回路向けのシールド付きケーブル(品川電線 公式カタログ) | |
価格・納期・発注のしかた
品種の記号を最初に確定する
CVV(遮へいなし)/CVVS・CVV-S(遮へい付き)/FD-CVV(難燃)/EM-CEE(エコ)/EM-CEES(エコ・遮へい付き)の どれかを先に決めます。図面に「制御ケーブル」としか書かれていないことがあり、ここが決まらないと 見積が出せません。遮へいの要否は、動力線との並走の有無と信号の種類で判断します。
心数×断面積の順序をメーカー表記に合わせる
矢崎エナジーシステムと品川電線は「心数×断面積」(例: 4×2)、SFCCは仕様書の付表が 「線心数」「公称断面積」の順で、実務表記は「CVV 2mm²×4心」の形になります。 どちらでも通じますが、数字だけを並べると2心4mm²と4心2mm²の取り違えが起きます。 単位(mm²)と「心」を必ず書いてください。
在庫品か受注生産品かを確認する
矢崎エナジーシステムは公式の製品ページで在庫品(●)と受注生産品(〇)を区別しています。 1.25mm²と2mm²はおおむね全心数が在庫品ですが、3.5mm²は6心以上が受注生産品です。 品川電線のRoHS 2対応品も受注生産品です。納期に余裕がない案件では先に確認してください。
標準条長と切売の可否を確認する
矢崎エナジーシステムの仕様書は標準条長300mです。制御ケーブルは心数が多いほど1条が重くなり、 現場での取り回しに影響します。必要長さと搬入経路をあわせて伝えると、条長の分け方まで 提案が受けられます。
外径の公差をグランド手配前に押さえる
ケーブルグランドや電線管をメーカー確定前に手配すると、外径の差で入らないことがあります。 メーカーが決まってから仕上外径を確認し、公差についてはメーカーへ事前相談してください。 各社とも公式にその旨を書いています。
CVVケーブルについてよくある質問
CVVとCVは何が違いますか?
別の品種です。CVVは制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルで、適用規格はJIS C 3401、 絶縁体はビニル、導体上の最高許容温度は60℃、600V以下の制御回路に使います。CVは架橋ポリエチレン 絶縁ビニルシースケーブルで、適用規格はJIS C 3605、絶縁体は架橋ポリエチレン、最高許容温度は90℃、 電力の幹線に使います。名前は1文字違いですが、相互に置き換えることはできません。
見積フォームへ進む →CVVSとCVV-Sは同じものですか?
同じ静電遮へい付きの制御用ケーブルを指しますが、表記がメーカーで違います。SFCCの製品ページ・ 仕様書・カタログはすべて「CVV-S」で、「CVVS」は使われていません。矢崎エナジーシステムと フジクラ・ダイヤケーブルは「CVVS」表記です。発注の際はメーカーごとの表記に合わせると 行き違いが減ります。
見積フォームへ進む →CVVSはJIS品ですか?
いいえ。遮へい付きの制御用ケーブルはJIS C 3401の範囲外で、各社ともJCS 4258 (日本電線工業会規格「制御用ケーブル(遮へい付)」)に拠っています。フジクラ・ダイヤケーブルは カタログで「しゃへい付きはJIS規格外品ですので、JIS認定品ではありません」と明記しています。 仕様書でJIS認証品を求められている案件では、遮へいの要否とあわせて事前に確認してください。
見積フォームへ進む →CVVSの遮へいは両端を接地してよいですか?
静電遮へいは1点接地が原則です。両端を接地すると遮へい効果が著しく減少し、かえって誘導を拾うことが あります。両端接地が有効なのは電磁遮へいの場合で、目的が違います。接地する側は信号源側か受信側の どちらかに統一し、系統全体で揃えてください。
見積フォームへ進む →CVVの心数はどう決めますか?
必要な心線数に予備心を加えて、標準心数(2・3・4・5・6・7・8・10・12・15・20・30)から直近上位を 選びます。農林水産省の電気設備計画設計技術指針は予備心の目安を約10〜20%としています。 ただしこれは同省所管工事の指針値で、業界共通の統一ルールではありません。発注者の仕様書に 規定があればそちらが優先します。あとから心線を足すことはできないので、切り詰めないでください。
見積フォームへ進む →CVVの断面積は何を基準に選びますか?
制御回路は電流が小さいため、機械的強度と電圧降下で決まります。農林水産省の技術指針は 「同一構内では1.25mm²を標準とするが、電流計が接続されている回路のケーブルは3.5mm²を選定する」と しています。フジクラ・ダイヤケーブルもカタログで1.25mm²と2mm²が最も多いと書いています。 長距離で電圧降下が問題になる場合や、端子の対応サイズに合わせる必要がある場合に上げます。
見積フォームへ進む →CVVの許容電流はどこで確認できますか?
SFCCの産業用電線・ケーブル製品カタログ40ページに「CVV、CVV-S 許容電流」表があります。 周囲温度40℃・絶縁体許容温度60℃・気中暗渠布設1条の条件で、1.25mm²が2心13A・30心4A、 3.5mm²が2心25A・20心10Aです。多くのメーカーは許容電流を公開していません。 フジクラ・ダイヤケーブルは技術ページで「制御、計装及び通信ケーブルでは、許容電流(送電容量)は 問題とならない」と説明しています。電流が流れる回路に使う場合だけ確認してください。
見積フォームへ進む →同じサイズならメーカーが違っても入れ替えられますか?
寸法が同じとは限りません。2心1.25mm²の仕上外径は、矢崎エナジーシステム8.9mm・SFCC 9.2mm・ 品川電線9.4mmと差があります。電線管やケーブルグランドがぎりぎりの設計だと収まらないことがあります。 代替を検討する場合は、両社の公式資料で外径・質量・導体構成を突き合わせ、現物とグランドの 適合を確認してください。数値は目安であり、そのまま置き換えられることを保証するものではありません。
見積フォームへ進む →EM-CEEはCVVの代わりになりますか?
EM-CEEはポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシースのエコ電線です。JIS C 3401 表1(種類及び記号)が 定める記号は CVV・CEV・CEE・CCV・CCE・CEE/F・CCE/F で、この品種の記号は **CEE/F**。 「EM-」はエコ電線であることを示す市場での呼び方で、JISの記号ではありません。日本電線工業会は CEE/FをCVV相当と位置づけています。導体上の最高許容温度は75℃とCVVの60℃より高く、 許容電流も大きくなります。ただし寸法・質量はCVVと同一ではないため、電線管・ケーブルグランド・ 端末処理は品種ごとに確認が必要です。発注者の仕様書でエコ電線が指定されているかどうかも 先に確認してください。
見積フォームへ進む →CVVケーブルの見積・型番選定はお任せください
メーカー指定なしでも、電圧・用途・数量を教えていただければ、こちらで型番を提案し複数メーカーで見積します。写真や図面の添付でも構いません。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。
参考資料・出典
- SFCC 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル CVV 製品ページ
- SFCC 仕様書 SF-0012C(CVV 心型・対型)
- SFCC 仕様書 SF-0013C(CVV-S 心型・対型)
- SFCC 仕様書 SF-0025C(FD-CVV)
- SFCC 産業用電線・ケーブル製品カタログ(許容電流 p.40、許容曲げ半径 p.50)
- 矢崎エナジーシステム 制御用ケーブル(CVV、EM-CEE)
- 矢崎エナジーシステム 遮へい付制御用ケーブル(CVVS、EM-CEES)
- 矢崎エナジーシステム 物品仕様書 CVV(YESS 3117)
- フジクラ・ダイヤケーブル 制御用ケーブル CVV・CVVS カタログ
- 品川電線 CVV(制御用ビニルケーブル)カタログ
- 農林水産省 農村振興局「電気設備計画設計技術指針(高低圧編)」第4章 機器の据付及び配線
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版」
- 日本規格協会 JIS目次(JIS C 3401:2002 制御用ケーブル、2022 追補1)
- SWCC株式会社(SWCC) 公式サイト・カタログ
- 矢崎総業(Yazaki) 公式サイト・カタログ
- 品川電線株式会社(Shinagawa Densen) 公式サイト・カタログ