CVVは、JIS C 3401に規定される制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルで、制御盤と現場機器・盤同士をつなぐ運転指令・状態信号・警報などの制御信号を、多心・細径でまとめて運ぶために使われます。ノイズの影響を抑えたい回路には、銅テープ遮へいを加えたCVVS(CVV-S)が選ばれます。 どちらを選ぶかは、ノイズの影響が少ない通常環境か、インバータ・動力線近傍など静電誘導ノイズを避けたい回路かでまず決まります。
CVV・CVVSの判断表
| 品種 | 遮へい(シールド) | 規格 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| CVV | なし | JIS C 3401 | 一般的な制御・信号回路 |
| CVVS / CVV-S | 銅テープ遮へいあり | JCS 4258 | インバータ・動力線近傍/微小信号・計装など静電誘導ノイズを避けたい回路 |
| CV(参考・別品種) | なし | — | 動力・幹線(機器を動かす電力そのもの) |
| KIV(参考・別品種) | — | — | 盤内の機器配線(盤間・機器間ではない) |
先に結論を確認したい方へ: 寸法、許容電流、メーカー別仕様、CV・VCT・EM-CEEとの違いまで含む詳細版はCVVケーブル品種ハブに集約しています。このページでは、現場で間違えやすいCVVとCVVSの構造・遮へい・選定を重点的に解説します。
動力盤の増設工事で、動力用のCVケーブルを制御回路にも流用しようとし、太いケーブルを信号点数分だけ引き回した結果、盤内の配線スペースが不足した例がある。制御信号は動力のような大電流を流すわけではなく、多くの信号を一つのシースにまとめて細く柔軟に配線できるケーブルが必要になる。動力ケーブルと制御ケーブルは選び方が別物であることを踏まえておきたい。
CVVとCVVSの断面構造
CVVは、複数のビニル絶縁線心を介在物と押さえ巻きでまとめ、外側をビニルシースで保護した制御用ケーブルです。JIS C 3401に基づく600V以下の制御回路で使われます。
CVVSは、その内側に銅テープ遮へいを加えた品種です。メーカーによっては「CVV-S」と表記されます。遮へいは主に静電誘導ノイズの低減を目的とし、CVVより外径・質量・許容曲げ半径が大きくなり、端末処理と接地処理も追加されます。
| 比較点 | CVV | CVVS / CVV-S |
|---|---|---|
| 遮へい | なし | 銅テープ遮へいあり |
| 主用途 | 一般的な制御・信号回路 | 静電誘導ノイズの影響を抑えたい回路 |
| 端末処理 | 通常の線心処理 | 遮へいの処理・接地方法の確認が必要 |
| 施工性 | 比較的扱いやすい | 外径と曲げ半径が大きくなる傾向 |
| 規格の整理 | JIS C 3401 | JCS 4258。JIS C 3401のCVVとは別に確認 |
仕様確認には、SFCCのCVV仕様書、SFCCの制御用ケーブル一覧、日本電線工業会のJCS規格一覧を使うと確実です。
CVV/CVVSとCV・VCTの違い(品種の位置づけ)
CVV・CVVSは「制御回路用」、CV・VCTは主に「動力・電源回路用」と、そもそも使う回路の系統が異なります。混同しやすい4品種の位置づけは次のとおりです。
| 品種 | 主な用途 | シールド | 詳細ガイド |
|---|---|---|---|
| CVV | 制御・信号回路(盤間・機器間) | なし | 本ページ |
| CVVS / CVV-S | ノイズを避けたい制御・計装回路 | 銅テープ遮へいあり | 本ページ |
| CV | 動力・幹線(機器を動かす電力そのもの) | なし | CVケーブル完全ガイド |
| VCT | 可動部・移動機器への電源供給(キャブタイヤ) | なし | 電線・ケーブル総合ガイド |
「制御信号か、動力か」で第一段階を分け、制御信号であればCVV/CVVSの中でノイズ対策の要否を見る、という2段階で選定すると迷いません。
CVV(制御ケーブル)とは
制御盤と現場の機器・盤同士をつなぎ、運転指令・状態信号・警報といった制御信号を運ぶのが制御ケーブルです。JIS C 3401(制御用ケーブル)に規定され、600V以下の制御回路に使われます。
- CVV: 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル。制御ケーブルの代表格
- CVVS: CVVに静電シールドを施したタイプ。ノイズ対策が必要な回路に
- 規格上の仲間として、絶縁体・シースの材質違いでCEV・CEE・CCV・CCEが、耐燃性ポリエチレンシースのタイプとしてCEE/F・CCE/Fが表1に規定されています(エコ材料タイプは市場ではEM-CEE/EM-CCEと呼ばれますが、これはJIS表1の記号そのものではありません)
【選定マップ】制御回路のケーブルを最短で決める
盤間・機器間の制御信号を配線したいとき、次の条件から品種を絞り込めます。
| 条件 | 選ぶ品種 | 備考 |
|---|---|---|
| ノイズの影響が少ない通常環境 | CVV | 制御ケーブルの標準 |
| インバータ・動力線近傍/微小信号・計装 | CVVS | シールド付。接地処理を要確認 |
| エコ材料指定(官公庁・環境仕様) | EM-CEE等 | 耐燃性ポリエチレンシース |
| 盤内の機器配線(盤間・機器間ではない) | KIV(単心) | KIV・IV・HIVガイドへ |
盤内の単心配線はKIV・IV・HIVガイド、動力・電源側はCVケーブルガイドを参照してください。
どこでどう使われているか——現場別の使いどころ
| 現場・用途 | 使う品種 | ポイント |
|---|---|---|
| 制御盤〜現場機器(ポンプ・ファン等)の運転/状態信号 | CVV | 心数は信号点数+予備心 |
| 盤間の渡り(制御盤〜動力盤〜監視盤) | CVV | まとめて多心で敷設 |
| インバータ近傍・微小信号・計装信号 | CVVS | シールドの接地処理を設計図書・機器仕様どおりに行う |
| 受変電設備の計器・保護継電器回路 | CVV/CVVS | 図面の指定記号を確認 |
| 環境仕様(エコ材料)の指定案件 | EM-CEE等 | 官公庁・大手案件で指定が増加 |
サイズは1.25sqまたは2sqが制御回路の定番です。盤まわりの部材一式は制御盤ソリューション・配電盤ソリューションにまとめています。
一段深い理解:なぜ制御ケーブルは「多心・細径」構成なのか
動力ケーブルとは流れているものが違う
CVケーブルが運ぶのは機器を動かすための大電流そのものだが、CVVが運ぶのは「ONかOFFか」「動いているか止まっているか」といった信号だ。信号を伝えるだけなら1本あたりの電流はごくわずかで済むため、太い断面積は不要な一方、運転指令・状態信号・警報など伝えるべき情報の種類が多いため、1本のシースの中に多数の心線をまとめる方向に発展してきた。CVVの心数バリエーションが2心から30心超まで幅広く用意されているのは、この「電流は小さいが情報点数が多い」という制御回路特有の事情に対応するためだ。
シールド(CVVS)がノイズを防ぐ仕組み
インバータやモータの近くに制御ケーブルを配線すると、動力線が発生させる電磁ノイズが制御信号に混入し、誤動作を起こすことがある。CVVSはケーブル外周の銅テープ遮へいによって、主に静電誘導ノイズの影響を抑える。ただし、接地方法は周波数、接地電位差、機器メーカーの指定、設計図書によって決める必要がある。低周波の計装・制御回路では片端接地が採用される例が多い一方、高周波対策や等電位化された設備では両端接地が指定される場合もある。「CVVSだから必ず片端」と一律に決めず、接地処理までを選定・施工条件として確認する。
現場で間違いやすい点:予備心を見込まない発注
制御回路の配線でありがちな失敗が、その時点で必要な信号点数ぴったりの心数で発注してしまうことだ。竣工後に「もう1点だけ信号を増やしたい」となったとき、予備心がなければケーブルを新たに引き直すことになり、コストも工期も大きく膨らむ。将来の増設・断線時の予備として2〜4心程度を余分に見込んでおくのが実務の定石とされているのは、多心ケーブルの追加敷設が単心の配線をやり直すよりもはるかに手間のかかる作業だからだ。
どう注文するか——失敗しない発注のしかた
注文は「品種+サイズ(sq)−心数+長さ」で伝われば間違いがありません。
例: 「CVV 1.25sq-10C を 150m」
「CVVS 2sq-7C を 80m 切断で」
- 荷姿: 標準は100m巻等。切断販売にも対応しており、必要なm数で注文できます
- 心数: 2〜30心超まで流通。予備心を含めた点数で指定してください
- シールド: ノイズ対策が必要ならCVVSと明記。判断に迷う場合は設置環境を伝えれば選定から相談できます
- 価格: 銅建値(銅の月次相場)に連動するため、見積りは発注直前に取り直すのが鉄則です
CVV・CVVSの購入・見積りについて
電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)でお見積り・ご購入いただけます。品種・sq・心数・数量をお伝えいただければ、法人・施工業者様向けに迅速に回答します。
- Web: 見積フォーム(24時間受付)
一次情報はJIS C 3401:2002、SFCC製品資料、日本電線工業会JCS規格一覧です(確認日: 2026-09-09)。
あわせて読みたい
- KIV・IV・HIV電線完全ガイド(盤内配線はこちら)
- CVケーブル完全ガイド(動力・幹線はこちら)
- 制御盤の製作・配線に必要な電材一式
- SUNLIGHTケーブル完全ガイド(耐油環境の信号線はこちら)
- 電線・ケーブル完全体系的総合ガイド(ケーブル大百科)
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