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国家資格(電気工事士法に基づく)

第二種電気工事士(電工二種)

第二種電気工事士は受験資格がなく、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受けられる。試験は学科 (四肢択一50問・120分・100点満点中60点以上で合格)と技能(公表された候補問題13問から1問・40分・ 欠陥ゼロで合格)の2段階で、年2回(上期・下期)実施される。直近5年の合格率は学科53〜62%、技能69〜74%。

実施団体: 一般財団法人 電気技術者試験センター 公式サイト ↗

合格した人にだけ、見えている世界がある

コンセントの左右の穴は、長さが違う。左がすこし長い。——理由を言える人は、たぶんもう「電工の目」を持っている。 この資格の勉強は暗記の積み上げというより視力の獲得に近い。同じ帰り道が、ある日から配線図として見えてくる。

ただの電柱 ただの家 ただのコンセント 1 2 3 4 5 6

切り替えると、この絵の中に6つの種明かしが現れる。

  1. 1

    電柱の上の円筒は、最後の変電所

    柱上変圧器。発電所から6,600Vで運ばれてきた電気を、家に入れる直前ここで100V/200Vに落としている。あなたの家の一番近くにある変電設備は、家の前の電柱の上だ。

    配電理論で学ぶ →
  2. 2

    引込線が3本なら、単相3線式の証拠

    3本1組で入る線は100Vと200Vを同時に届ける配線方式。エアコンやIHを200V化できる家かどうかは、実はこの3本を見た瞬間にわかる。

    配電理論で学ぶ →
  3. 3

    分電盤は「家の回路の地図」

    ブレーカーの並びには意味がある。主幹から分かれた回路が部屋ごと・用途ごとにどう割り振られているか、設計ルールごと読めるようになる。

    配線設計で学ぶ →
  4. 4

    壁と天井裏を、ケーブルが走っている

    スイッチもコンセントも「点」ではなく、壁の裏でVVFケーブルが繋ぐ「線」の端っこだ。壁を透視するように配線ルートが見えてくる。

    施工方法で学ぶ →
  5. 5

    コンセントの左の穴は、右より長い

    長い方が接地側。刺す向きに意味があるという事実に気づいた日から、家中のコンセントが気になり始める。これが「電工の目」の入口だ。

    配線器具で学ぶ →
  6. 6

    階段の照明は、上でも下でも消せる

    3路スイッチ。2つのスイッチが互いの状態を裏切り合う配線で、どちらからでも点滅できる。学科試験の定番にして、暮らしの名脇役。

    配線図で学ぶ →

見えたら、次は「触れる」

この資格がくれるのは視力だけではない。第二種電気工事士は、自宅のコンセント増設・スイッチ交換・照明の移設といった 一般用電気工作物の工事を、合法的に自分の手でやれるようになる国家資格だ(無資格での電気工事は電気工事士法で禁止されている)。 「暮らしの裏側が読めて、しかも自分でいじれる」——この2つが揃う国家資格は、そう多くない。

EV充電コンセント

住宅で広がりつつある200V充電回路の設置は、まさにこの資格の工事範囲。学科で学ぶ200V回路の知識がそのまま現場になる。

太陽光・蓄電池の時代

屋根で作った電気を家で使い、余りを蓄える。住宅の配線はこれからむしろ複雑で面白くなっていく。読める人の価値は上がる一方だ。

独立という選択肢

実務経験を積んで登録すれば、電気工事業として独立する道が開ける。上位資格の第一種電気工事士へも、ここで作る土台がそのまま繋がる。

この視力は、下の7科目で無料で配っている。まずは①基礎理論から。

まずはここから学習を始めよう

学科試験は全9科目。①から順番に学習を進めれば、全体像を無理なく積み上げられる。 各科目のページでは要点解説を読んだあと、その場で腕試しクイズに挑戦できる。

  1. 1
    電気に関する基礎理論 電流・電圧・電力・電気抵抗、導体・絶縁体、交流の基礎、電気回路の計算など、全科目の土台となる理論分野。まずはここから。
    学習する →
  2. 2
    配電理論及び配線設計 配電方式(単相2線式・単相3線式・三相3線式)の仕組みから、電圧降下の計算、引込線・分岐回路の設計ルールまで。
    学習する →
  3. 3
    電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 変圧器・電動機などの電気機器、スイッチ・コンセント・ブレーカーなどの配線器具、ケーブル、工具の構造・用途・見分け方。
    学習する →
  4. 4
    電気工事の施工方法 金属管・合成樹脂管・ケーブル工事の使い分け、機器・器具の設置ルール、A種〜D種接地工事の使い分け。
    学習する →
  5. 5
    一般用電気工作物等の検査方法 点検の流れ・導通試験・絶縁抵抗測定(メガー)・接地抵抗測定(アーステスタ)の基準値。
    学習する →
  6. 6
    配線図 配線図の図記号・表示事項を読み取る力を問う分野。出題全体の4割を占める最大の得点源。
    学習する →
  7. 7
    一般用電気工作物等の保安に関する法令 電気工事士法・電気設備技術基準・電気用品安全法の3本の法令を、条文暗記ではなく「誰が・何を・なぜ守るか」から理解する。
    学習する →
  8. 8
    技能試験の基礎(複線図・欠陥・工具) 単線図から複線図を起こす手順、公表されている欠陥の判断基準12項目、指定工具と支給材料、40分の時間配分。候補問題に入る前の土台。
    学習する →
  9. 9
    技能試験 候補問題13問の攻略 令和8年度の候補問題No.1〜No.13を1問ずつ。複線図の起こし方・時間を落としやすい箇所・踏みやすい欠陥を整理する。
    学習する →
① 電気に関する基礎理論 から始める →

試験構成

学科試験

形式
四肢択一(マークシート方式または CBT 方式)。一般問題 約30問+配線図問題 約20問の合計50問。令和8年度より受験申込み時にCBT方式・筆記方式を選択できる。
試験時間
120分
合格基準
100点満点中60点以上

上期・下期の年2回実施。各期ともCBT方式(約6〜7週間の受験期間から都合の良い日時・会場を選択)と筆記方式(全国一斉の単一日程)が並行して用意される。

技能試験

形式
事前に公表される候補問題(令和8年度は13問)の中から出題され、持参した工具と支給材料を使って配線・結線作業を完成させる実技試験。
試験時間
40分
合格基準
「作品に欠陥がないこと」。欠陥は1つでもあれば不合格となる絶対基準(相対評価ではない)。

学科試験合格者(または合格免除者)のみ受験可能。欠陥の判断基準は電気技術者試験センターが公式に12分類を公表している。

合格率の推移

58.1%
74.3%
R4上期
53.3%
70.6%
R4下期
59.9%
73.2%
R5上期
58.9%
68.8%
R5下期
60.2%
70.9%
R6上期
55.9%
69.5%
R6下期
57.7%
72%
R7上期
55.4%
71.4%
R7下期
62.2%
R8上期
学科試験技能試験

必要な勉強時間の目安

※電気技術者試験センター自体は学習時間の公式統計を公表していない。以下は資格予備校各社が公開しているコラム記事の目安値で、断定的な数値ではない。

  • 未経験者: 電気の知識がまったくない未経験者の場合、学科・技能を合わせて総学習時間の目安は100〜200時間程度(学科50〜150時間+技能50〜100時間)とする予備校コラムが複数見られる。
  • 実務経験者: 電気系の実務経験がある場合はこれより短縮される傾向があるとされるが、具体的な時間数を明示した信頼できる調査は見つかっていない。

第二種電気工事士とは — 受験資格から免状までの早見表

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗など「一般用電気工作物」の電気工事に従事するために電気工事士法で必須とされている国家資格だ。無資格で電気工事を行うことは法律で禁止されている(罰則あり)。裏を返せば、この免状を手にした日から、自宅のコンセント増設もスイッチ交換も、合法的に自分の手でやれるようになるということでもある。

まず要点だけを先に置いておく。

項目内容
受験資格なし。年齢・学歴・実務経験の制限がなく、誰でも受験できる
試験の構成学科試験 → 技能試験の2段階。学科の合格者(免除者)だけが技能に進める
学科試験四肢択一50問(一般問題 約30問+配線図問題 約20問)・120分・100点満点中60点以上で合格
技能試験事前公表の候補問題13問から1問・40分・欠陥ゼロで合格
実施回数年2回(上期・下期)。学科はCBT方式と筆記方式から選べる
受験手数料インターネット申込 11,100円(令和8年度・非課税)
合格率直近5年で学科53〜62%、技能69〜74%
合格後住所地の都道府県知事に免状交付申請。免状が届いて初めて工事ができる

電材・電気工事業界で働く人にとっては、この資格の学習範囲がそのまま実務知識の土台になる。配線図の読み方、電線・ケーブルの選定基準、接地工事の考え方など、当サイトの施工ガイドメーカー製品ページで扱っている内容の多くが、この資格の出題範囲と直接重なっている。

第二種電気工事士で何ができるようになるのか

免状を取ると、一般用電気工作物——低圧(600V以下)で受電する一般住宅や小規模店舗などの電気工事ができるようになる。具体的にはこうした作業が資格の範囲だ。

  • コンセントの増設・移設・交換、スイッチの交換(片切りから3路への変更なども含む)
  • 照明器具の取付けと配線、引掛シーリングの新設
  • 屋内配線の敷設・分岐、換気扇や食洗機などの専用回路の新設
  • 住宅の分電盤まわりの工事、EV充電用200Vコンセントの設置(一般用電気工作物の範囲内のもの)

一方で、次のものは第二種の範囲外になる。

  • ビル・工場などの自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の工事 — 第一種電気工事士の領域。低圧部分に限れば「認定電気工事従事者」の認定証でも従事できる
  • ネオン工事・非常用予備発電装置工事 — 特種電気工事資格者
  • 電力会社の引込線や電力量計より電源側 — 電力会社の領域

逆に、資格がなくてもできる作業も法令で定められている(軽微な工事)。電球やヒューズの取替え、コードと差込みプラグの接続、インターホンなど36V以下の小型変圧器の二次側配線などがこれにあたる。ただしコンセントやスイッチの「交換」は軽微な工事ではなく、資格が要る。この線引きは学科試験でも繰り返し問われるので、軽微な工事の範囲で確認しておきたい。

第一種・認定電気工事従事者との違い

資格できる工事の範囲
第二種電気工事士一般用電気工作物(一般住宅・小規模店舗など)
認定電気工事従事者第二種の範囲+自家用電気工作物のうち低圧部分(最大電力500kW未満の需要設備)
第一種電気工事士一般用電気工作物+自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)。免状交付には試験合格に加えて実務経験(現行3年以上)が必要

つまり第二種は「住宅の電気を扱える資格」であり、そこから先へ広げたくなったときの入口でもある。まずはここを取り、実務経験を積みながら認定電気工事従事者や第一種へ進むのが一般的なルートだ。

学科と技能、それぞれのルール

試験は「学科試験」と「技能試験」の2段階だ。学科に合格(または免除)した人だけが技能に進める。上の「試験構成」に基本のスペックは出ているので、ここでは受ける前に知っておきたいルールを補っておく。

学科試験

  • 学科に合格すると、次回の学科試験が1回に限り免除される。 技能で不合格になっても、翌期は技能だけを受け直せるということだ。
  • 申込み時にCBT方式(会場と日時を自分で選ぶ)か筆記方式(全国一斉の単一日程)かを選択する。どちらで受けても出題数・試験時間・合格基準は同じ。
  • 出題は一般問題 約30問+配線図問題 約20問。配線図問題だけで全体の4割を占める。
  • 電卓は使用できない。 計算問題は筆算で解ける数値に作られている。
  • 1問2点の100点満点で、60点以上が合格。20問落としても受かるという配点は、学習計画を立てるうえで効いてくる。

技能試験

  • 電気技術者試験センターが事前に候補問題を公表する(令和8年度は13問)。本番はこの中から1問が出題され、持参した工具と支給された材料で、配線図どおりの作品を40分で完成させる。
  • 合格基準は「作品に欠陥がないこと」。相対評価ではない。 公表された欠陥の判断基準に1つでも該当すれば、ほかがすべて完璧でも不合格になる絶対基準だ。
  • 出題される13問は事前にわかっている。つまり技能試験は、当日の運ではなく練習量で決まる試験だと言える。

令和8年度(2026年度)の試験日程・申込み・受験手数料

試験は年2回。日付はすべて2026年で、上期・下期のどちらか(または両方)を選んで申し込む。申込みの受付期間は3週間ほどしかなく、ここを逃すと次の期まで受験できない——学習計画より先に、まずこの日程を押さえておきたい。

項目上期下期
受験申込み受付3/16(月)10時 〜 4/6(月)17時8/17(月)10時 〜 9/3(木)17時
CBT会場の予約4/10(金) 〜 5/15(金)9/9(水) 〜 10/14(水)
学科試験(CBT方式)4/23(木) 〜 6/7(日)9/24(木) 〜 11/8(日)
学科試験(筆記方式)5/24(日)10/25(日)
技能試験7/18(土) または 7/19(日)12/12(土) または 12/13(日)
  • 受験手数料(非課税): インターネット申込 11,100円/書面申込 12,500円。申込みは原則インターネット。
  • 申込み期間は、CBT方式・筆記方式・技能試験(学科免除者)で共通。
  • CBT方式を選んだ場合、申込みとは別に会場予約の手続きが要る。上の予約期間内にマイページから予約しないと受験できないので、申込みで安心してしまわないこと。
  • 技能試験は47都道府県で実施され、試験地によって土曜か日曜かに分かれる。
  • 日程・手数料は年度ごとに変わる。申し込む前に必ず電気技術者試験センターの公式ページで最新の受験案内を確認してほしい。

学科をCBT方式で早めに受けておくと、技能試験までの準備期間を最大で1か月以上長く取れる。候補問題13問を13周する時間が要る試験なので、この差は小さくない。

申込みの手順、受験資格、CBT会場の予約方法、当日の持ち物までは受験ガイドにまとめている。

合格発表と自己採点はどうなるのか

  • 学科試験の結果は、申込み時に作成したマイページで確認でき、結果通知書も郵送される。CBT方式で早い日程に受験しても、合否がその場で出るわけではなく、発表日は同じ期の受験者で一斉になる。
  • 筆記方式では問題用紙を持ち帰れて、試験センターが解答を公表するため自己採点ができる。一方CBT方式は問題を持ち帰れないので、自己採点はできないと考えておく。
  • 学科に合格すると、同じ期の技能試験へ進む。技能で不合格だった場合も、次回1回に限り学科が免除される。
  • 技能試験の結果も同じくマイページと結果通知書で知らされる。合格したら、次は免状の交付申請だ(後述)。

自己採点で合格ラインが微妙だったときほど、結果を待たずに技能の練習を始めておいたほうがいい。学科の発表から技能試験までは1か月ほどしかなく、そこから工具と材料をそろえていては間に合わないためだ。

難易度をどう見るか — 合格率を数字で読む

学科試験技能試験
R4上期58.1%74.3%
R4下期53.3%70.6%
R5上期59.9%73.2%
R5下期58.9%68.8%
R6上期60.2%70.9%
R6下期55.9%69.5%
R7上期57.7%72.0%
R7下期55.4%71.4%
R8上期62.2%発表前

学科試験は53〜62%、技能試験は69〜74%のレンジで安定している。直近のR8上期は学科の受験者78,290人に対して合格者48,692人だった。技能の合格率が高く見えるのは、学科を突破した人だけが受験しているという母集団の違いも大きい。

言い換えれば、2人に1人強は合格している試験であり、落ちる人の多くは難問に沈んだのではなく、学科の暗記が間に合わなかったか、技能で欠陥をひとつ作ってしまったかのどちらかだ。どちらも対策のしようがある。

学科試験の7科目

電気技術者試験センターが公式に定める学科試験の出題範囲は、次の7科目だ(「9科目」と誤解されることがあるが、それは技能試験側の「出題事項」9項目と混同したものなので注意)。当サイトはこの7科目すべてに解説を用意しているので、科目名からそのまま読み進められる。

  1. 電気に関する基礎理論 — 電流・電圧・電力及び電気抵抗/導体及び絶縁体/交流電気の基礎概念/電気回路の計算
  2. 配電理論及び配線設計 — 配電方式/引込線/配線
  3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 — 構造及び性能/材質及び用途/工具の用途
  4. 電気工事の施工方法 — 配線工事の方法/電気機器及び配線器具の設置工事の方法/コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法/接地工事の方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法 — 点検の方法/導通試験の方法/絶縁抵抗測定の方法/接地抵抗測定の方法
  6. 配線図 — 配線図の表示事項及び表示方法
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令 — 電気工事士法/電気設備技術基準/電気用品安全法

配点でいちばん大きいのは6の配線図で、50問中およそ20問——出題の4割がここから出る。しかも図記号を覚えていれば確実に取れる問題が多い。得点効率だけを考えるなら、配線図の図記号を最優先で押さえるのが近道だ。

技能試験側は、技能試験の基礎(複線図・欠陥・工具)候補問題13問の攻略の2科目にまとめている。

技能試験でよくある「欠陥」

技能試験は学科と違って「時間内に配線を完成させれば合格」ではない。電気技術者試験センター自身が公表している資料によれば、よくある欠陥事例として次のようなものが挙げられている。

  • 未完成(時間内に完成できない)
  • 誤接続・誤結線(複線図の描き間違い、電気的な誤り)
  • リングスリーブ圧着工具の使用方法不適切(圧着マークが不適正、リングスリーブの選択誤り)
  • 引掛シーリングローゼットへの結線で絶縁被覆が露出(心線の露出しすぎ・剥ぎすぎ)
  • ランプレセプタクル・露出形コンセントの巻き付け結線の不備(カバーが締まらない等)

これらは複線図の読み書き・電線の色別と極性の理解・圧着工具の正しい使い方を身につければ十分に回避できるミスだ。判断基準は12分類として公表されているので、欠陥の判断基準12項目で原文の言い回しごと押さえ、よくある欠陥で実際に起きるパターンを知っておくと、練習のときに自分で採点できるようになる。

独学の進め方 — どの科目から手をつけるか

必要な学習時間の目安は上に書いたとおりだが、実のところ問題は総量より順番だ。この試験でつまずく人の多くは、1科目めの計算問題で消耗して、配点の大きい配線図までたどり着けずに時間切れになる。おすすめの順番はこうなる。

  1. 配線図の図記号から入る(出題の4割。暗記だけで取れて、手応えが最初に出る)
  2. 機器・材料・工具の鑑別(写真と名前が結びつくと、技能試験の下地にもなる)
  3. 施工方法・検査方法・法令(覚える量は多いが理屈で減らせる)
  4. 基礎理論・配電理論の計算(最後でいい。ここは満点でなくても合格できる)
  5. 学科の申込み〜受験と並行して、技能の複線図に着手(学科の発表を待たない)
  6. 候補問題13問を、時間を計って通しで組む

学科試験は60点で合格する。裏を返せば20問は落としてよい。苦手な計算に何十時間もかけるより、配線図と法令を確実に取りにいくほうが早い。当サイトの各トピックには「出題者のワナ」と3段階の理解度チェックが付いているので、読む→解く→間違えた問題が復習ノートに溜まる、というサイクルをそのまま学習計画に使える。

週ごとに何をやるかまで落とし込んだ8週間のモデルプランは、独学の進め方にある。

合格したあとの手続き — 免状交付申請

技能試験に合格しても、その瞬間に工事ができるわけではない。電気工事に従事できるのは、都道府県知事から免状が交付されてからだ。合格通知が届いたら、次の手続きに進む。

  • 申請先: 住民登録をしている都道府県の知事(窓口は都道府県の担当課のほか、委任を受けた電気工事工業組合などが受け付ける場合もある)
  • 主な必要書類: 免状交付申請書、技能試験の合格通知書(原本)、住民票などの本人確認書類、写真。都道府県によって様式・部数が異なる
  • 手数料: 5,300円。金額は共通だが、納付方法(都道府県の収入証紙・電子納付など)は都道府県ごとに違う
  • 交付までの期間: 都道府県によって異なる。合格から工事に入る予定があるなら、早めに申請しておきたい

必要書類・手数料の納付方法・届くまでの流れは免状交付申請のガイドにまとめた。免状の書換え・再交付・返納といった法令上の扱いは電気工事士の義務と免状で整理している。

なお、免状を取っただけでは「電気工事業者」として仕事を請け負うことはできない。営業として工事を請けるには電気工事業の登録が別に必要になる。その先を考えている人は電気工事で独立するのに必要なものも読んでおくといい。

よくある質問

受験資格はありますか。何歳から受けられますか

受験資格はありません。年齢・学歴・実務経験の制限がなく、誰でも受験できます。学生でも、電気とまったく関係のない仕事に就いている人でも受けられます。ただし合格後の免状交付申請は、本人が住民登録をしている都道府県に対して行います。

学科と技能は、同じ年に両方受けなければいけませんか

学科に合格すると、次回の学科試験が1回に限り免除されます。つまり技能で不合格になっても、翌期は技能だけを受け直せます。学科合格の効力を活かせるのは1回分なので、その期での合格を狙うつもりで練習してください。

CBT方式と筆記方式、どちらを選ぶべきですか

日程の自由度を取るならCBT方式です。会場と日時を自分で選べるうえ、早い日程で受ければ技能試験までの準備期間が長くなります。ただしCBTは問題を持ち帰れず自己採点ができません。紙に書き込みながら解きたい人、問題を持ち帰って復習したい人は筆記方式が向いています。

独学でも合格できますか

学科は独学で十分に届く試験です。合格ラインが60点(20問落としても合格)で、出題範囲も過去問との重なりが大きいためです。むしろ差が出るのは技能で、こちらは工具と材料をそろえて実際に手を動かした回数がそのまま結果になります。候補問題13問を最低1周、できれば2周は組んでおきたいところです。

電卓は使えますか

学科試験では電卓を使用できません。計算問題は筆算で解ける数値に作られています。

技能試験の工具は何をそろえればいいですか

指定工具(ペンチ、ドライバー+/−、ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤ、リングスリーブ用圧着工具)は必須で、これに加えてVVFストリッパーがあると作業時間が大きく変わります。詳しくは指定工具と支給材料を参照してください。

定番の教材について — このサイトで学ぶか、市販の教材を使うか

まず伝えておきたいのは、学科試験7科目の要点は当サイトの科目別学習コンテンツ(ページ冒頭の「まずはここから学習を始めよう」から進める)で無料で学べるということだ。要点解説と腕試しクイズを繰り返せば、教材を買わなくても合格ラインの知識は身につけられるように作っている。

とはいえ、通勤中に紙のテキストで読みたい、線を引きながら覚えたい、あるいは技能試験の練習には実際の工具・材料が必要、という人も多いはずだ。ここでは、実際に評判が高く長く売れ続けている定番教材を、それぞれの特徴・出版社の傾向とあわせて紹介する。

学科試験向けテキスト

「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士 学科試験 すい~っと合格」(オーム社) 著者・藤瀧和弘氏によるロングセラーシリーズ。文章で説明するより先に図解・イラストで理解させる構成が特徴で、シリーズ名の通り「絵で見て覚える」ことを軸にしている。版元のオーム社は電気・電子・機械系の技術書を専門に扱う老舗出版社で、実務者向けの専門書から資格対策本まで幅広く手がけている。文章を読み込むより、図で全体像をつかみたい人に向いている。

「ユーキャンの第二種電気工事士<筆記試験>合格テキスト&問題集」(自由国民社) 通信講座最大手ユーキャンのノウハウを1冊に凝縮したテキストで、各レッスン冒頭の1コマ漫画や、持ち歩いて使える別冊「ポイントレッスン」が付属する。版元の自由国民社は資格・実用書を得意とする出版社で、「独学だが通信講座を受けているような安心感」を意識した構成が特徴。ステップ・バイ・ステップで段階的に進めたい人に向いている。

技能試験向け練習キット

ホーザン(HOZAN)DK-28 電気工事士技能試験工具セット 技能試験の指定工具(ドライバー・ペンチ・圧着工具・VVFストリッパー等)7点を一式そろえた定番セットで、候補問題13問の対策ハンドブックが付属する。ホーザンは工具専業メーカーで、電気工事士試験向け工具セットの分野で長年高いシェアを持つ。学科試験と違い、技能試験は実際に手を動かす練習が必須なので、学科試験の合否が判明する前後には工具をそろえておきたい。

数え切る練習をする

配線図問題でいちばん落とされるのは、ジョイントボックスの中のリングスリーブの個数と刻印だ。解き方を読んで分かった気になっても、本番の込み入った図では途中で追えなくなる。ここは知識ではなく、手を動かした回数で決まる。

ボックス内の接続を数え切るドリルを用意した。やさしい形から本番規模まで8題、1題ごとに束の作り方が全部表示されるので、どこで数がずれたのかがその場で分かる。

練習用の電線・材料は「電材サーチ」で

技能試験の練習には、候補問題に対応した電線・ケーブル、配線器具、リングスリーブなどの材料が要る。しかも13問を1周組むだけでVVFケーブルは何十メートルにもなり、練習を重ねるほど電線だけが先に尽きていく。

電材サーチを運営する松本電業は電設資材の専門商社なので、技能試験の練習用材料セットとして、何周ぶん要るかから逆算した見積もりを出せる。電線だけの追い足しや、職業訓練校・社内研修向けのまとめ買いにも対応している。

練習用材料セットを見る →

電材サーチで見積もりを依頼する →

参考文献・出典

QUOTATION SIGNAL

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