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第二種電気工事士の免状交付申請
合格したあと、最後に残る手続き

技能試験に合格しただけでは、まだ電気工事はできません。住民登録をしている都道府県の知事に免状交付を申請し、免状が手元に届いてはじめて工事の作業に従事できます。申請先は試験センターではなく都道府県で、しかも窓口は県庁とは限らず、工業組合や民間企業に委託されている自治体が多数あります。手数料は都道府県の条例で定められ、確認できた例では5,300円。必要書類の中心は「技能試験の試験結果通知書」なので、届いたら絶対になくさないでください。

一次資料の確認日 2026-07-28

合格通知は、免状ではない

技能試験の合格を確認して、通知書が届く。ここで「終わった」と思って止まってしまう人が毎年います。 でも受験案内の書き出しは、はっきりこう書いています。

「この試験に合格して、居住地(現在住民登録されている住所)の都道府県知事に申請することにより、 第二種電気工事士免状の交付を受けることができます。免状を取得すると、一般用電気工作物等の 工事の作業に従事することができます。」
令和8年度第二種電気工事士上期試験受験案内 3頁「はじめに」

従事できるのは免状を取得すると、です。合格すると、ではありません。 電気工事士法は、免状の交付を受けた者でなければ電気工事の作業に従事してはならないと定めています。 合格証だけを持って現場に立つことはできない。ここが最後の1手続きです。

逆に言えば、第二種は合格すればその足で申請できる資格です。 第一種電気工事士のように「合格しても所定の実務経験がないと免状が出ない」という条件がありません。 境界の話は電気工事士法のトピック軽微な工事のトピックで扱っています。

申請の流れ ― 通知書が届いた日から

  1. 技能試験の合格を確認する 令和8年度上期: 8/14 12:00〜 試験センターのホームページ

    受験番号を入力して「合格者一覧にあります」と表示されれば合格です。ただしこの画面は申請書類にはなりません。

  2. 試験結果通知書が届く 令和8年度上期: 8/21 発送

    これが免状申請の中核書類です。未着・紛失のときは再発行の申請が必要で、指定期間(上期は9/7 12:00〜9/8 17:00の2日間)を過ぎると書面申請となり、発送まで受理日から約1か月かかります。

  3. 自分の都道府県の窓口を調べる

    試験センターの都道府県庁免状窓口の一覧から、住民登録地の窓口を確認します。県庁の担当課とは限りません。

  4. 書類をそろえて申請する

    申請書・試験結果通知書・写真・本人確認書類・手数料・返信用封筒が基本のセット。窓口持参か郵送かも自治体によって異なります。

  5. 免状が届く

    大阪府の案内では申請受付日から約2週間後に郵送、ただし合格発表直後は1か月半程度を要する場合があるとされています。届いてはじめて、工事の作業に従事できます。

必要書類の「共通の形」

自治体ごとに細部は違いますが、求められるものの骨格は共通しています。 長野県の案内を例に、標準的なセットを挙げます。

書類内容と注意点
電気工事士免状交付申請書各都道府県の様式。窓口サイトからダウンロードする。
試験結果通知書技能試験合格後に試験センターから届くもの。養成施設の修了者は修了証明書。
写真1枚縦4cm×横3cm、正面、上三分身、無背景、無帽(長野県の規格)。
本人確認書類マイナンバーカードの表面、運転免許証の両面、または住民票の写しなどのコピー。住民票は申請前6か月以内に交付されたもの。
手数料都道府県の条例で定める額。納付方法も自治体ごとに異なる。
返信用封筒免状を郵送で受け取るためのもの。長野県は定型サイズ・切手不要。
出典: 長野県「電気工事士免状の申請手続き」。実際の要件は必ず申請先の案内で確認してください。
氏名と生年月日が、住民票と一致していますか

受験案内は「登録の氏名(漢字・カナ)、生年月日が住民票の表記と異なると免状が発行されません」と 注意しています。受験申込みの段階でのミスが、最後の最後で効いてくる項目です。 旧姓で免状を発行したい場合は、住民登録している都道府県の免状発行窓口に、 発行できる条件をあらかじめ確認してください。

都道府県で違うのは、この3つ

「電気工事士 免状 申請」で検索して混乱するのは、情報が自治体ごとにばらばらだからです。 ばらつくポイントは、実際には3つに絞れます。窓口・納付方法・所要期間。 公開されている案内から、性格の異なる3例を並べます。

長野県東京都大阪府
受付長野県電気工事業工業組合(本部と県内5支部)民間企業に委託(ヒューマンアカデミー株式会社)。区部・多摩地区に複数窓口委託事業者の免状交付・業登録センター(大阪市淀川区)
手数料5,300円(長野県収入証紙)5,300円(電気工事士法関係手数料条例第八三号)・現金のみ窓口で現金、コンビニ納付、電子申請ならクレジット
方法郵送(簡易書留)または窓口持参郵送(振込・現金書留)または持参郵送・窓口・電子申請
所要期間案内に記載なし案内に記載なし申請受付日から約2週間。合格発表直後は1か月半程度要する場合あり
各自治体・委託先の公開情報より(2026年7月28日確認)。制度変更があるため、申請前に必ず最新の案内をご確認ください。

注目してほしいのは納付方法です。長野県は収入証紙。 収入印紙(国)ではなく、県が発行する証紙で、購入できる場所も限られます。 郵便局で印紙を買って貼ってしまい、出し直しになるのが典型的な失敗です。 一方で大阪府のように電子申請とクレジット決済に対応した自治体もあります。 「他県の体験談どおりにやる」が通用しない領域なので、必ず自分の都道府県の案内を読んでください。

免状が届くと、何ができるようになるか

受験案内は、第二種電気工事士免状で開く道を3つ挙げています。 1つ目が本体、2つ目と3つ目はその先です。

1. 一般用電気工作物等の電気工事の作業

一般住宅や小規模な店舗・事務所のように、電力会社等から低圧(600V以下)で受電する場所の 配線や電気使用設備等の電気工作物(一般用電気工作物および小規模事業用電気工作物)を 設置し、または変更する工事の作業に従事できます。 コンセントの増設も、照明器具の取り付けも、分電盤の交換も、ここに入ります。 区分の考え方は電気工作物の区分のトピックで整理しています。

2. 認定電気工事従事者

免状取得後に3年以上の電気工事の実務経験を積むか、 認定電気工事従事者認定講習を受け、各地域の産業保安監督部長等に申請すると、 認定電気工事従事者認定証の交付を受けられます。これがあると、 最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)のうち、電圧600V以下で使用する配線や 電気使用設備等の電気工作物(電線路を除く)の工事に従事できます。 ビルやテナントの低圧側に手が届くようになる、実務では大きな一歩です。

3. 100kW未満の許可主任技術者

最大電力100kW未満の工場・ビル等に勤務している場合、事業主が免状取得者を当該事業場の 電気主任技術者として各地域の産業保安監督部長等に選任の手続きを行い、許可が得られれば、 電気主任技術者として業務に就くことができます。ただしこの手続きは事業場の代表者が 電気事業法上の手続きとして行うもので、免状取得者本人が行うものではありません。

免状を取ったあと、実務の側で起きること

電設資材商社としての補足

当社は電設資材の専門商社なので、免状を取った方と最初に接点ができるのは、たいてい 「材料をどこで買うか」という場面です。ここで多くの人がつまずきます。 免状は工事をしてよい資格であって、事業として請け負う資格ではないからです。

自分で工事を請け負って商売にするなら、電気工事業の登録(または届出)が別に必要になります。 そして材料の調達も、免状があるだけでメーカーや商社の仕入口座が開くわけではありません。 開業直後は取引実績がないため、口座開設を断られることが実際にあります。 この段差の越え方は、独立を考える人向けに別途まとめました。

逆に、勤務先で使うために取った方、DIYの範囲を広げるために取った方は、ここから先の手続きは不要です。 免状が届いた時点で、自宅のコンセント増設も、照明器具の交換も、堂々とできます。

住所や氏名が変わったら ― 書換えと再交付

免状は一度取れば終わりではありません。記載事項に変更が生じたときの書換え、 なくしたときの再交付も、いずれも都道府県知事に対する手続きです。 条文上、書換えは義務、再交付は任意という語尾の違いがあり、 ここは学科試験でも問われるポイントです。

免状を汚したり破ったり失ったりして再交付を受けたあとに、失った免状を発見した場合は、 遅滞なく都道府県知事に返納する義務があります。この「返納」の存在まで含めて、 電気工事士の義務と免状の手続きのトピックで 条文単位に整理しています。試験対策としても、実務の備忘としても使えます。

よくある質問

技能試験に合格したら、すぐ電気工事をしてもいいですか。

いけません。試験の合格と免状の交付は別の手続きです。受験案内も「この試験に合格して、居住地(現在住民登録されている住所)の都道府県知事に申請することにより、第二種電気工事士免状の交付を受けることができます。免状を取得すると、一般用電気工作物等の工事の作業に従事することができます」と書いています。工事に従事できるのは、免状が手元に届いてからです。

免状の申請先はどこですか。試験センターではないのですか。

試験センターではありません。申請先は住民登録をしている都道府県の知事です。ただし窓口が都道府県庁とは限らず、電気工事業の工業組合や民間企業へ事務を委託している自治体が多くあります。たとえば東京都は民間企業(ヒューマンアカデミー株式会社)が、長野県は長野県電気工事業工業組合が、大阪府は委託事業者の免状交付・業登録センターが受け付けています。試験センターの「都道府県庁免状窓口」の一覧から自分の都道府県を確認してください。

手数料はいくらですか。

免状交付の手数料は各都道府県の条例で定められます。受験案内も「都道府県条例で定める手数料を納付」とだけ書いています。実際に確認できた例では、長野県が5,300円(長野県収入証紙で納付)、東京都が5,300円(電気工事士法関係手数料条例第八三号・現金のみ)です。金額だけでなく納付方法も自治体ごとに異なり、収入証紙、現金、コンビニ納付、クレジット決済などに分かれます。必ず申請先の案内で確認してください。

必要書類は何ですか。

自治体によって細部は違いますが、共通して求められるのは、免状交付申請書、技能試験の試験結果通知書(合格通知書)、写真、本人確認書類、手数料、返信用封筒です。写真は縦4cm×横3cm・正面・上三分身・無背景・無帽という規格が一般的です(長野県の例)。本人確認書類はマイナンバーカードの表面、運転免許証の両面、または住民票の写しなどが指定されます。

免状が届くまでどれくらいかかりますか。

自治体によります。大阪府は「申請受付日から約2週間後に郵送」としつつ、合格発表直後の混雑期は1か月半程度要する場合があると案内しています。技能試験の結果発表直後は全国で申請が集中する時期なので、余裕を見ておくのが安全です。就職や現場配属の日程が決まっている場合は、通知書が届いたその週のうちに申請するのが確実です。

試験結果通知書をなくしてしまいました。

試験センターに再発行を申請します。令和8年度上期の技能試験の場合、マイページからの再発行申請期間は9月7日12時から9月8日17時までの2日間で、発送までの目安は申請日から1週間後でした。この期間を過ぎると、試験センター指定の再発行申請書を提出する書面申請となり、発送まで受理日から約1か月かかります。免状の申請に必要な書類なので、届いたら必ず保管してください。

免状を取ると、どこまでの工事ができますか。

一般用電気工作物等(一般用電気工作物および小規模事業用電気工作物)の電気工事の作業に従事できます。一般住宅や小規模な店舗・事務所のように、電力会社等から低圧(600V以下)で受電する場所の配線や電気使用設備を設置・変更する工事です。ビルや工場の高圧受電設備は第一種電気工事士の範囲になります。

免状を取ったあと、範囲を広げる方法はありますか。

あります。免状取得後に3年以上の電気工事の実務経験を積むか、認定電気工事従事者認定講習を受けて、各地域の産業保安監督部長等に申請すると、認定電気工事従事者認定証の交付を受けられます。これがあると、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)のうち、電圧600V以下で使用する配線や電気使用設備(電線路を除く)の工事に従事できます。

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日程・金額・手続きは公表資料が更新されると変わります。申込前に必ず一次資料でご確認ください。

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