この科目で問われること
「電気工事の施工方法」は、学科試験7科目のうち第4科目にあたる。電気技術者試験センターの公式区分では、この科目は次の4つの範囲をカバーする。
- 配線工事の方法
- 電気機器及び配線器具の設置工事の方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法
- 接地工事の方法
一言でいえば「工事現場でどう施工すれば法令違反にならないか」を問う科目だ。電気に関する基礎理論のような計算問題は少なく、「この工事方法は正しいか・誤りか」という○×判断型の問題が中心になる。暗記の比重が高いぶん、正しいルールを一つずつ押さえていけば得点に直結しやすい科目でもある。
見た目がよく似た電線管を間違って使ってしまった話、スイッチを切ったのに感電しかけた話、アース線を省略して事故につながった話、金属の粉が舞う部屋で樹脂管が使えなかった話——現場で実際に起こりうる9つの場面から、この科目のルールを一つずつ確認していこう。以下のトピックを順番に進めよう。
1. 一歩先へ — この知識は現場でどう使われるか
「施工方法」科目は試験対策としては暗記色が強いが、実務では設計・積算の段階でそのまま使う知識でもある。
配線工事の方法(金属管かPF管かケーブル工事か)が決まれば、次に必要になるのが電線本数に応じた電線管の太さの選定だ。この計算は当サイトの電線管サイズ計算ツールで、電線の種類・本数を入力するだけで確認できる。試験で「電線管の種類ごとの使い分け」を学ぶことは、実務では「この電線管に何本の電線を通せるか」という発注前のチェック作業に直結している。
接地工事についても、A種〜D種の使い分けや接地抵抗値の基準をさらに詳しく知りたい場合は、アース(接地)工事の種類と施工方法で、接地棒の選び方や接地抵抗の測定方法(コーレン法)まで踏み込んで解説している。また、CD管・PF管・金属管の実務での選び方は電線管・配線ダクトの種類と選び方、コンクリート埋設時の施工上の注意点はコンクリート埋設PF管のつぶれ対策と曲げ半径制限で扱っている。試験で覚えた「工事の種類ごとの規制」は、そのまま現場での資材選定・発注の判断基準になる。
2. 学習のポイントまとめ
- 出題範囲は「配線工事の方法」「電気機器・配線器具の設置」「コード・キャブタイヤケーブルの取付」「接地工事」の4分野。計算問題より○×判断型の暗記問題が中心。
- 電線管工事はPF管・CD管・VE管・金属管・金属可とう電線管の違い(接地の要否、コンクリート埋設専用かどうか)を表で整理して覚える。
- ケーブル工事・コード類は「支持点間隔」の数値がよく出題される。ケーブル工事は2m以下、コード・キャブタイヤケーブルは断面積8mm²を境に60cm以下/1m以下と区別する。
- コンセントの接地側極には白線、スイッチは電圧側(黒線)に施設する、という極性の原則は感電防止の基本であり頻出。
- 接地工事はA種〜D種の対象機器と接地抵抗値(10Ω・150/IΩ・10Ω・100Ω、漏電遮断器設置時の緩和値500Ω)をセットで暗記する。D種の省略条件(乾燥・二重絶縁・絶縁変圧器・金属管4m以下など)と「水気のある場所では省略不可」もあわせて押さえる。
- 施設場所(展開した場所・点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所×乾燥・湿気)ごとの工事の可否は、「ケーブル・金属管・合成樹脂管(CD管除く)はどこでも施設できる」を軸に整理する。
- 小勢力回路(最大使用電圧60V以下・絶縁変圧器・電線0.8mm以上)、特殊場所(可燃性ガス・粉じん・危険物では金属管とケーブルが軸)、電線の接続条件(電気抵抗を増加させない・引張強さ20%以上減少させない・絶縁の回復)も、過去問で繰り返し問われている。
引き続き、配線図もあわせて学習すると、図記号として登場する電線管・接地工事の表記と、この科目で学ぶ施工ルールがつながって理解しやすくなる。