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1. コンクリート埋設(スラブ配管)におけるPF管のつぶれ・扁平対策
電気工事におけるコンクリート打設(コンクリ流し込み)は、配管資材が最も高い物理的圧力を受けるプロセスのひとつです。特にスラブ(床)や基礎のコンクリート内部に埋設されるPF管(合成樹脂製可とう電線管)は、打設時の圧力や作業員の踏み付けによって「つぶれ(扁平)」を起こしやすく、打設後に中の電線が通らなくなる通線不能トラブルが多発します。
① 配管固定と鉄筋アタリの回避
- PF管をコンクリート内に埋設する際は、鉄筋(特に下筋と上筋の間)に沿って配管し、「結束線」を用いて一定間隔(1.0m以下目安)で鉄筋に強固に結束固定します。
- コンクリート流し込み時にホースの先端(圧送ホース)から出る衝撃や、バイブレーター(コンクリートを密着させる振動機)が直接PF管に接触しないよう、鉄筋の影や内側に配管を隠す工夫が必要です。
② PFD管(二重管)の選定
- 単層のPF管(PFS)ではなく、耐衝撃性と復元性に優れた二重構造のPFD管(例:未来工業製ミラフレキMFなど)を選定します。二重管は外側の波付構造が土圧やコンクリートの重量圧力を分散し、踏み付けに対する強度(耐偏平性)が格段に向上します。
2. 内線規程に定めるPF管・CD管の「曲げ半径制限」
通線時の引っ掛かりや、ケーブル被覆の損傷を防ぐため、可とう管の曲げ角度と曲げ半径には厳格な基準が存在します。
graph TD
Start[配管の曲げ設計] --> A[曲げ半径 R]
Start --> B[屈曲部の総和角度]
A --> A1["R ≧ 管内径の 6倍以上<br>(ケーブル外径の要請を満たすこと)"]
B --> B1["1ルート内の総曲げ角度 270度(90度×3箇所)以下<br>距離が長い場合は 180度以下を推奨"]
① 曲げ半径(R)の基準
内線規程では、可とう電線管(PF・CD)の曲げ半径は「内側の半径が管内径の6倍以上」と定められています(合成樹脂製可とう電線管工業会は参考条文として内線規程3115-5・3110-8を挙げています)。なお内線規程は日本電気協会が発行する民間規格で、電気設備の技術基準の解釈にはこの曲げ半径を定めた条文がありません。法令ではなく業界と発注者が守っている数字、という位置づけです。呼び22以下で建造物の構造上やむを得ない場合は、管の内断面が著しく変形せずひび割れが生じない程度まで半径を小さくできる緩和も置かれています。
- 例:PF22(内径 約22mm)の場合: 以上の曲げ半径(R)を確保して施工する必要があります。これ以下の急激な角度で曲げると、コンクリート圧で曲がり部が押し潰され、通線用ワイヤー(フィッシャー)すら通らなくなります。
② 屈曲箇所の制限
分電盤からプルボックス、あるいはスイッチボックスまでの1区間(1ルート)における屈曲部は、合計で3箇所以内(曲げ角度の合計が270度以内)にするのが基本です。これを超える場合は、中間に「ジャンクションボックス(中継ボックス)」を設けてルートを切り分けます。
3. PF管とFEP管(地中埋設管)の施工使い分けマトリクス
建物の「内部・構造体内」と「屋外・地中」では、土圧や水分の浸入経路が異なるため、使用する配管材を完全に使い分けます。
| 比較項目 | PF管(合成樹脂製可とう電線管) | FEP管(波付ポリエチレン網状管) |
|---|---|---|
| 主な呼び径展開 | 14, 16, 22, 28, 36, 42, 54 | 30, 40, 50, 65, 80, 100, 125, 150以上 |
| 主な用途 | 建物の壁内、天井裏、スラブ・基礎コンクリート埋設 | 屋外の地中埋設(高圧引込、屋外灯、ハンドホール間接続) |
| 物理的強度 | コンクリート打設圧力に対する耐扁平性(二重管) | 重車両の通過(輪荷重)や土圧による不等沈下に耐える柔軟性と強度 |
| 防水・止水対策 | コネクタ接続部のOリングや塩ビ用接着剤による防水 | 専用の難燃性ミラレックス接続継手、ベルマウス・止水コンパウンドによる浸水防止 |
| 適合ケーブル | VVF、IV線、細物CVケーブルなど | 太物電力幹線(CVT 22sq〜250sq)、光ファイバー多条配線 |
4. 地中引き込み部におけるFEP管施工の重要実務
屋外から建物内、あるいはキュービクル(受電設備)の基礎へFEP管を立ち上げてケーブルを引き込む際、浸水や害獣の侵入を防ぐために必須となる施工要領です。
graph TD
FEP[地中FEP管] --> Foundation[基礎立ち上がり部]
Foundation --> Bellmouth[ベルマウスの取り付け]
Bellmouth --> Seal[パテ・止水コンパウンド充填]
Seal --> Cab[引き込みケーブル]
① ベルマウスの取り付け
FEP管の管端(ケーブルが飛び出す口)には、必ずラッパ状の樹脂製保護具「ベルマウス」を取り付けます。これがないと、重量のある太物CVTケーブルを引っ張った際に、管の鋭利なエッジで高価なケーブルのビニル被覆(シース)が削れ、将来的な地絡(漏電)事故の引き金になります。
② 止水パテ・難燃粘土の充填
地中の水や湿気、ネズミなどの害獣が管を伝って建物内の盤や受変電設備に侵入するのを防ぐため、ケーブルを通線した後に、ベルマウスの内隙に「止水パテ(不乾性密着パテ)」または「耐火パテ」をギチギチに詰め込んで密閉します。
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