新築住宅の照明スイッチを、電気工事士が結線した。スイッチのオン・オフはきちんと動作し、通電試験でも問題は見つからなかった。
数か月後、入居者から連絡が入った。「スイッチを切ってから電球を交換しようとしたら、ソケットの部分に触れて感電しかけた」というのだ。スイッチはちゃんと切ったのに、なぜ電球のソケットに電気が来ていたのか。
通電試験では見つからなかったこの問題、原因はどこにあったのか。このトピックを読み終えるころには、結線図を見ただけで見抜けるようになっている。
コンセント・スイッチなどの配線器具は、極性を守って結線することが施工の基本になる。
コンセントには「接地側極」と「非接地側極」があり、接地側極(「W」表示のある端子、または刃受けの長い方)には接地側電線(白線)を結線する。ここを取り違え、非接地側電線(黒線)を接地側極に結線してしまうと、器具の外郭やプラグの金属部分が常時充電された状態になり、感電の危険がある。
スイッチについても同じ考え方が働くが、こちらは結線を間違えたときの危険の現れ方が少し違う。
つまり「スイッチを切った=照明回路全体が無電圧になった」とは限らない。どちらの電線にスイッチが入っているかによって、切った後の安全性がまったく変わる。これは学科試験・技能試験の双方で繰り返し問われる基本ルールであり、実際の感電事故にも直結する結線ミスだ。
「切ったのに電気が来ている」を検電器1本で見抜く
極性のミスがやっかいなのは、動作だけを見ていると絶対に見つからないことだ。スイッチは点くし消える、コンセントも問題なく使える。冒頭の現場が通電試験を通ってしまったのはそのためで、極性は「動くかどうか」ではなく「切ったあとに何が残るか」で判定するしかない。ここで効くのが検電器(ネオン管式の検電ドライバ)で、コンセントの差込口に当てると、刃受けの長い方(接地側)では光らず、短い方(非接地側)で光る。手元に1本あれば、今日その場で確かめられる。
出題者がこのルールを繰り返し問うのは、電球交換のような、資格を持たない住人が日常的に手を触れる場面が絡むからだ。そして極性を意識する仕事は、これから減るどころか増えていく。スマートスイッチや調光器には中性線を必要とするものが多く、壁の中でどの線が何なのかを取り違えると、そもそも動作しない(スマートスイッチの中性線の落とし穴)。白と黒の区別は、器具が高機能になるほど効いてくる。
冒頭のスイッチで何が起きていたのか、答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。