本記事の事例は、安全啓発を目的として典型的な事象を再構成したものです。特定の現場・企業を指すものではありません。
PR 本記事で紹介する商品リンクにはAmazonアソシエイト・プログラム等のアフィリエイトリンクが含まれます。詳細は広告についてをご覧ください。
1. 【現場のやらかし事例】「スイッチプレートを外して付け替えるだけ」と安請け合いしたら、スイッチボックス裏に電線が足りず工事がストップした話
ある築25年の分譲マンションのリフォーム工事で、施主様から「リビングと寝室の壁スイッチを、スマホやスマートスピーカーでON/OFFできる最新のスマートスイッチ(パナソニック製アドバンスシリーズ『リンクプラス』)に交換してほしい」との要望がありました。
リフォーム会社の営業担当者は、「スイッチの交換なんて、既存のプレートを外して配線を繋ぎ替えるだけの簡単な電気工事だ。すぐできますよ」と安請け合いし、部材だけを手配して、大工仕事の最終日に電気工事士を現場に派遣しました。
ところが、現場に入った電気工事士が既存の古い片切スイッチを取り外し、壁裏の樹脂製スイッチボックス内をのぞき込んだ瞬間、頭を抱えてしまいました。 「これ、リンクプラス(3線式)の親器は付けられませんよ。壁裏に『中性線(白線)』が来ていません」
従来の片切スイッチのボックス内には、電源の黒線(電圧線)と、照明器具へ行く赤線(または白線)の「2本」しか配線されていませんでした。 スマートスイッチの電子回路を常時起動させるために必要な、電源のもう一方の極である「中性線(ニュートラル・N極)」が、壁の裏をスルーして天井裏で結線されていたため、スイッチボックス内まで届いていなかったのです。
中性線を天井裏から壁裏を通してスイッチボックスまで新設(通線)するためには、壁の石膏ボードを一部剥がすか、配線用の大きな穴を開け直す必要があり、すでに壁紙(クロス)をきれいに貼り終えていた現場は大混乱に。 施主に平謝りし、壁紙の貼り直しを伴う追加配線工事を行うことになり、工事費用も工期も大幅にオーバーする大やらかしとなりました。
2. スイッチボックス内の「中性線(ニュートラル)」の有無を見分けるポイント
スマートスイッチを導入するリフォーム・新築の設計において、最も重要なのが「中性線の有無の確認」です。
従来の配線(片切スイッチ)
一般的な片切スイッチは、下図のように「1本の電線を途中で切って繋ぐ」構造です。
[電源 L線] ──── (スイッチ) ──── [照明器具] ──── [電源 N線(中性線)]
このため、壁のスイッチボックスの中には、電源から来るL線と、照明に行く線の「2本の同相電線」しか存在しません。スイッチ自体には電流が溜まらないため、これだけで動作します。
スマートスイッチの配線(3線式)
スマートスイッチは、スイッチ自体が通信機器として電気を消費するため、電源の「L線」と「N線」の両方が直接スイッチに繋がっている必要があります。
[電源 L線] ────┬── (スマートスイッチの電源部) ──┬──── [電源 N線(中性線)]
└── (内部リレー) ── [照明器具] ──┘
したがって、スイッチボックス内にはL線、N線、照明行きの「最低3本の電線(中性線を含む)」が引き込まれていなければ動作しません。コンセントが併設されているスイッチボックスであれば中性線が来ていますが、スイッチ単体のボックスには中性線は来ていないケースがほとんどです。
3. スマートスイッチ工事でやらかさないための設計・施工対策
スマート化リフォームをスムーズに完了させるための3つの解決策です。
① 事前にスイッチボックス内の配線本数を確認する
見積もり・現地調査の段階で、必ずスイッチプレートを外し、ボックス内に「白線(中性線)」が他結線等で通過しているか、またはコンセントが併設されているかを確認します。
② 天井裏(ジョイントボックス)からの通線スペースの確認
中性線の引き込みが必要な場合、天井の点検口やダウンライトの開口部からスイッチボックスまでの壁の内部に、電線を新設するための「通線用スチールワイヤー」が通る隙間(間柱の貫通穴など)があるかを事前に確認します。
③ 「中性線不要(2線式)」モデルの選定
壁裏への通線がどうしても不可能な既存リフォームの現場では、中性線なしで動作する「2線式スマートスイッチ」を選定します。 ただし、2線式モデルは、接続できる照明(LED電球など)の最大容量や最小容量(消費電力が少なすぎると誤動作する)に制限があるため、必ずメーカーの「適合照明器具一覧表」を参照し、現場の照明器具と適合するかを確認します。
スマートホーム化の現場調査や壁裏配線の探索には、非破壊で配線位置を検出できる測定器や、スマート機器の適合確認が必須です。 壁裏センサー・下地チェッカー(Amazon) — 壁を壊さずに裏側の通電配線や下地木材の位置を特定できるセンサーです。 パナソニック リンクプラス・スマートスイッチ(Amazon) — 中性線が必要な3線式と、不要な2線式などの仕様を一覧で確認できます。
4. 各種スマート電材・配線器具の一括調達は「電材サーチ」へ
「パナソニックのリンクプラス(アドバンスシリーズ)のスイッチ本体、受信器、専用プレートを型番指定でまとめて仕入れたい」「中性線不要の2線式スイッチに適合するLED照明器具や、調光対応LED電球の適合機種を調べて一括見積もりしてほしい」「リフォーム現場での通線配線用に、細径のVVFケーブル(VVF 1.6mm×3C)やボックス内ジョイント用のコネクタ(差込コネクタ)を急ぎ手配したい」という工事店・設計事務所様へ。
当サービス「電材サーチ」では、パナソニック(アドバンス・コスモシリーズ)、東芝、神保電器などの各種配線器具、スマートホームデバイス、各種ケーブルまで、現場に必要な電材を一括でスピード見積もり・調達対応いたします。 「壁裏に中性線がないリフォーム現場で、照明をスマート化するための最適な部材構成を提案してほしい」といったご相談にも、当サイトの専門スタッフが親身になって対応し、プロ特別卸価格にてご提案します。
関連するおすすめガイド
- スマートホーム・IoT電材導入ガイド!工務店・リフォーム会社が知っておくべき配線と機器選定
- VVFケーブルの種類と選び方!1.6mm・2.0mmの使い分けから許容電流・芯数の基本仕様まで
- 【現場のやらかし】電線管に電線を「ギチギチに詰め込んで配線」したら発熱で被覆がドロドロに溶損!許容電流の減少係数と電線占有率の盲点
現場で今すぐ役立つツール
関連するスマートスイッチ・リンクプラス・中性線・ニュートラル・配線・リフォーム・動かないの品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。