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一般住宅の電気工事で使用されるケーブルの約8割以上がVVFケーブルとされる(業界慣行・電設資材業界の流通統計より)。さらに、毎年約30万人が受験する第二種電気工事士試験(出典:電気技術者試験センター)でも必ず出題される、電気工事の”主役”ともいえる資材だ——しかし、太さや芯数の使い分けを体系的に理解していない現場作業者は意外と多い。
VVFを「なんとなく使っている」状態から抜け出すことで、施工ミスの防止・資材の無駄削減・見積もり精度の向上につながる。本記事では定義から実務的な選び方まで、データとともに体系的に解説する。
電線・ケーブルについて体系的に学びたい方へ VVFやIV、キャブタイヤケーブルなど、電気工事で使われるすべての電線・ケーブルの種類、用途、構造の違い、荷姿、重さを網羅した電線・ケーブル完全体系的総合ガイド(ケーブル大百科)を新設しました。ケーブルの基礎を勉強したい方はまずこちらをご覧ください。
この記事でわかること
- VVFケーブルの定義・規格(JIS番号)と名前の意味
- 1.6mmと2.0mmの許容電流の違いと使い分け基準
- 2心(2C)・3心(3C)の選び方
- VVRとの具体的な違いと使い分け
- 銅建値がVVFの価格に与える影響
VVFケーブルとは?定義と規格(JIS C 3342)
VVFは Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable(ビニル絶縁ビニルシースフラット型ケーブル)の略で、JIS C 3342(出典:日本産業規格)で規定されている屋内配線用のケーブルだ。
- V(1つ目): ビニル絶縁(Vinyl insulation)— 導体を覆う絶縁層
- V(2つ目): ビニルシース(Vinyl sheath)— 外皮(シース)の材質
- F: 平形(Flat-type)— ケーブルの断面形状
平たく言えば「ビニルで包まれた平形の電線」。屋内固定配線用として最も広く普及しており、内線規程(JEAC 8001)でも標準的な屋内配線材料として位置付けられている。呼び方は「VVF 1.6-2C」のように「太さ(導体径mm)+芯数(C)」で表す。
【選定マップ】太さ・芯数・形状を最短で決める
graph TD
Start([屋内の固定配線をしたい]) --> B{回路のブレーカ容量は?}
B -->|15A以下<br>コンセント・照明| S16[VVF 1.6mm]
B -->|20A<br>エアコン・IH・200V| S20[VVF 2.0mm]
S16 --> C{芯数は?}
S20 --> C
C -->|単相100V・スイッチ配線| C2[2C(2心)]
C -->|3路スイッチ・200V・接地付| C3[3C(3心)]
Start --> R{露出・引込・機械的保護が必要?}
R -->|はい| VVR[丸形のVVRを検討]
Start --> E{幹線・動力・屋外埋設?}
E -->|はい| CV[CV・CVTを検討<br>→CVケーブル選定ガイドへ]
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class VVR,CV alt
class B,C,R,E branch
幹線・動力・屋外埋設は本記事の対象外のため、CVケーブル選定ガイドを参照。分電盤まわりの部材一式は配電盤・分電盤ソリューションにまとめている。
VVFケーブルの主な規格と許容電流一覧
導体サイズ(太さ)と許容電流の比較
VVFを選ぶ際に最も重要なのが導体径と許容電流の関係だ。下記は内線規程の規定値(出典:内線規程 JEAC 8001)。
| 導体径 | 許容電流 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1.6mm | 19A | 照明・コンセント回路(一般的な家庭内配線) |
| 2.0mm | 24A | 20A回路・エアコン専用回路 |
| 2.6mm | 33A | 幹線・大電流回路 |
ポイント: VVF 1.6mm 2Cは一般住宅の屋内配線で最も多用される標準仕様(出典:業界慣行・電設資材業界)。ブレーカーが20Aのエアコン専用回路には、許容電流24Aの2.0mmを選ぶ。
第二種電気工事士の技能試験でも、1.6mmと2.0mmの許容電流値は頻出の確認ポイントだ。試験合格後に実務で使う工具は、試験対策と兼用できる工具セットが効率的。
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芯数(心数)の違いと選び方
| 芯数 | 線の構成 | 代表的な用途 |
|---|---|---|
| 2心(2C) | 黒・白 | 単相2線式の一般回路(照明・コンセント) |
| 3心(3C) | 黒・白・赤 | 3路スイッチ回路、単相3線式(100/200V兼用) |
最も使用頻度が高いのはVVF 1.6mm 2心(2C)で、一般家庭の照明・コンセント回路の大半をこれ一種類でまかなえる。3心は廊下や階段の3路スイッチ配線や、単相3線式で200V回路も引き込む場合に使用する。
VVFとVVRの違い——形状と用途で選び分ける
VVFと混同しやすいのがVVR(丸形:Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type cable)だ。
| 規格 | 外形 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| VVF | 平形(フラット) | 施工しやすく安価、天井裏への収まりが良い | 屋内の天井・壁内固定配線 |
| VVR | 丸形(ラウンド) | 曲げやすく機械的強度が高い | 露出配線・可動部がある箇所・幹線 |
VVFは平形なので天井裏や壁内の狭い隙間を通しやすく、一般住宅の固定配線にはVVFが第一選択となる。露出配線で外部から引っ張られる可能性がある場所や、電線管なしで露出する幹線にはVVRが適している。
どこでどう使われているか——現場別の使いどころ図鑑
家の壁を1枚はがせば、ほぼ必ずVVFが走っている。現場別に「どの太さ・芯数が、どこに」使われているかを整理する。
| 現場・回路 | 使うVVF | 理由 |
|---|---|---|
| コンセント回路(15A) | 1.6mm 2C | 許容電流19Aで15Aブレーカに十分 |
| 照明回路 | 1.6mm 2C | 負荷が小さく1.6mmで足りる |
| 3路スイッチ(階段・廊下) | 1.6mm 3C | スイッチ間の渡りに3心が必要 |
| エアコン専用回路(20A) | 2.0mm 2C/3C | 許容電流24Aが必要。接地付は3C |
| IH・エコキュート等の200V回路 | 2.0mm 3C | 200Vは黒・赤+接地の3心構成 |
| 分電盤からの分岐直後 | 2.0mm中心 | 幹線側は太めに、末端へ向けて細く |
使ってはいけない場所も明確だ。屋外露出・地中埋設・可動部(機械のアーム等)は対象外で、それぞれCV・CVT、キャブタイヤケーブル等を使う。また屋内固定配線の施工は電気工事士の資格が必要で、無資格のDIY配線は電気工事士法違反になる。
どう注文するか——失敗しない発注のしかた
VVFの注文は「品名+太さ−芯数+長さ」で伝われば間違いがない。
例: 「VVF 1.6-2C を 100m巻で 2巻」
「VVF 2.0-3C を 30m 切断で」
- 荷姿: 標準は100m巻。当店では必要なm数での切断販売にも対応しており、端数・少量でも注文できる
- 芯数と色: 2C=黒・白、3C=黒・白・赤が標準。シース(外皮)は一般にグレー
- メーカー: 指定がなければ流通在庫のあるメーカーで手配。指定がある場合は品名に添える(例: 古河電工メタルケーブル製)
- 価格: 銅建値(銅の月次相場)に連動して変わるため、見積りは発注の直前に取り直すのが鉄則。まとめ買いの際は特に差が出る
- 納期: 汎用サイズ(1.6-2C/2.0-2C等)は流通在庫が厚く、即日〜数日が目安
選び方のポイント——現場の実務チェックリスト
現場でVVFを選ぶ際の判断フロー:
-
回路の電流容量を確認する
- ブレーカー容量が15A以下の一般回路 → 1.6mm(許容電流19A)
- エアコン専用回路(20A)または200V回路 → 2.0mm(許容電流24A)
-
スイッチ配線の形式を確認する
- 単純なON/OFF(片切スイッチ) → 2心(2C)
- 廊下・階段の3路スイッチ → 3心(3C)
-
施工場所を確認する
- 天井裏・壁内固定配線 → VVF
- 露出・可動部あり → VVR
-
数量(長さ)を計算する
- 流通の主流は100m巻き。施工量が少ない場合はカット売りや10m・50m単位品も確認する。
-
メーカーと納期を確認する
- 古河電工(FEMC)・住友電工・太陽ケーブルなど国内主要メーカーから選ぶ。銅建値の高い時期は在庫が薄くなる傾向があるため、早めの手配が重要。
※屋内配線でも、配線長が長くなる場合は電圧降下による機器の作動不良を防ぐため、事前に降下率のシミュレーションが必要です。手動での計算を省きたい場合は、当サイトの電線の電圧降下・サイズ簡易計算シミュレーターをぜひご活用ください。
VVFケーブルの価格と銅建値の関係
VVFケーブルは主原料が銅(Cu)のため、銅価格(銅建値)の変動が直接価格に反映される。
銅建値は電線メーカーが月次で公開しており、近年の動向は大きく変化している。2020〜2023年にかけて銅建値は約2倍以上に上昇(出典:電線メーカー公開データ)し、VVFケーブルの市場価格も同様のトレンドをたどった。
価格変動への対応ポイント:
- 銅建値の上昇局面では早めのまとめ買いを検討する
- 電材代理店の担当者に月次の価格改定タイミングを確認する
- 100m巻きの在庫ロットを持つことで急な価格改定のリスクを軽減できる
見積もりを複数の代理店から取得して価格を比較することも有効だ。
電材サーチでVVFケーブルの品種を一覧から絞り込み、まとめて見積もり依頼ができます。
エアコン設置工事でのVVFの使い方(専用回路の設計・ブレーカー選定・業務用との違い)は以下の記事で詳しく解説しています。
→ エアコン設置に必要な電材まとめ(専用回路・ブレーカー・ケーブル選定)
よくある質問
VVFケーブルの1.6mmと2.0mmはどう使い分けますか?
許容電流の違いで選び分けます。VVF 1.6mm 2Cの許容電流は19A、VVF 2.0mm 2Cは24A(出典:内線規程 JEAC 8001)。一般的なコンセントや照明回路(ブレーカー15A以下)には1.6mmで十分です。エアコン専用回路(20A)や200V回路は2.0mmを使います。「許容電流がブレーカー容量を下回らない太さを選ぶ」が基本原則です。
VVFとVVRの違いは何ですか?
形状(断面)の違いです。VVFは平形(フラット)でJIS C 3342で規定されており、天井裏や壁内の固定配線に向いています。VVRは丸形(ラウンド)で機械的強度が高く、露出配線や可動部のある箇所に使います。一般住宅の屋内配線では圧倒的にVVFが多く使われており、VVRはケーブル引き込み部や幹線などで使用されます。
VVFケーブルはなぜ価格が変動するのですか?
主原料の銅(Cu)価格(銅建値)に連動するためです。銅建値は電線メーカーが月次で改定して公開しており、国際的な銅の市況価格に連動します。2020〜2023年の間に銅建値が約2倍以上に上昇した局面(出典:電線メーカー公開データ)のように、短期間で大きく動くこともあります。見積もりは取得タイミングで価格が変わるため、電材代理店への定期的な確認が重要です。
VVFケーブルはどこで規格が決まっていますか?
JIS C 3342(日本産業規格)で規定されています。導体の材質・断面積・絶縁体の厚み・シースの厚み・試験方法などが定められており、国内で流通するVVFケーブルはこの規格に準拠しています。施工時は内線規程(JEAC 8001)の許容電流値も参照します。
第二種電気工事士の試験でVVFはどう出題されますか?
学科・技能の両試験で頻出です。学科では「VVF 1.6mm 2Cの許容電流は何Aか」「VVFとVVRの違いは何か」といった問題が出ます。技能試験では実際にVVF 1.6mm・2.0mmを使ったケーブル加工・結線作業が課題になります(出典:電気技術者試験センター)。出題される形での整理は電線・ケーブルの種類と使い分けにまとめてあります。
VVFケーブルの購入・見積りについて
VVFケーブルは、電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)でお見積り・ご購入いただけます。太さ(1.6/2.0mm)・芯数(2C/3C)・数量(巻数またはm数)をお伝えいただければ、銅建値を踏まえた見積りを法人・施工業者様向けに迅速に回答します。切断販売・少量のご相談も可能です。
- 電話: 03-3833-6431(平日 9:00〜17:00)
- Web: 見積フォーム(24時間受付)
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