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ブレーカーは保護機能と回路条件を組み合わせて選びます。 配線用遮断器は過負荷・短絡を保護します。漏電遮断器の過電流保護は製品によるため、OC付・OCなしを確認してください。定格電流やAFが同じだけでは置き換えを決められません。
ブレーカーの種類と保護機能
| 種類 | 過負荷・短絡保護 | 漏電保護 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 配線用遮断器(MCCB) | あり | なし | 電源方式・定格電流・動作特性・遮断容量 |
| 漏電遮断器(OC付) | あり | あり | 上記に加え感度電流・動作時間 |
| 漏電遮断器(OCなし) | なし | あり | 別途必要な過電流保護との組み合わせ |
テンパール工業の公式FAQでは、OC付とOCなしの違いを説明しています。漏電遮断器という名称だけで配線用遮断器の機能を兼ねると判断しないでください。
漏電の検出と過電流保護は別の機能です。感度電流が小さい製品でも、すべての回路で適切に使用できるとは限りません。定格感度電流、動作時間、通常時の漏れ電流と、上位・下位の保護機器の組み合わせを確認します。
この記事で確認すること
- AF・AT・極数・感度電流・遮断容量の読み方
- 負荷電流に加えて照合する電線・始動特性・使用条件
- 電源方式と更新時の確認項目
- 見積相談へ渡す情報
型番に並ぶ数値のルール——AF・AT・P・mA・kAを一気に解読
ブレーカのカタログ・銘板には数値が並びます。それぞれ意味とルールが決まっており、この5つを読めれば型番は怖くありません。
| 記号 | 名前 | 意味 | 選び方のルール |
|---|---|---|---|
| AF | フレーム | 器体の大きさ・骨格(50AF・100AF…) | 同じAFでも外形・端子・取付寸法を個別に確認する |
| AT | 定格電流 | 定格電流の表示(実際の遮断は動作特性による) | 負荷と電線の保護条件をメーカー選定表で照合 |
| P(極数) | ポール | 遮断する線の数(2P・3P) | 単相2線・単相3線・三相3線を区別し、素子数と併せて確認 |
| mA | 感度電流 | 漏電ブレーカが検出する漏れ電流 | 感度電流と動作時間、通常の漏れ電流と保護協調を確認 |
| kA | 遮断容量 | 短絡(ショート)時に安全に切れる限界電流 | 設置点の短絡電流以上を選ぶ。幹線側ほど大きく |
AFは製品群のフレーム区分、ATは定格電流の表示です。先に器体だけを選ぶのではなく、回路の保護条件と動作特性を確認し、適合する定格・取付寸法を照合します。
ありがちな誤解:
- 「ATが大きいほど安全」→ 逆です。ATは電線を守るための上限。大きすぎると電線が先に焼けます(電線の許容電流はVVFガイド・CVガイド参照)
- 「感度電流はとにかく小さく」→ 小さすぎると正常な漏れでも切れて不便(不要動作)。設備条件に応じて感度電流と動作時間を照合します
- 「kA(遮断容量)は気にしなくていい」→ 幹線・受電に近い盤では要注意。不足すると短絡時にブレーカ自体が壊れます
容量(定格電流)の選定手順
負荷電流は出発点です。負荷電流に一律1.25を掛けた値だけでブレーカーを決めることはできません。 電線の保護と負荷の正常な運転を両立させる必要があります。
| 確認する項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 電圧・相数・配線方式 | 定格使用電圧と極数を合わせる |
| 負荷の定格電流・同時使用 | 通常運転時に流れる電流を把握する |
| 電動機・変圧器などの始動特性 | 始動時の電流と遮断器の動作特性を照合する |
| 電線サイズ・布設条件・周囲温度 | 電線を過熱させない保護と使用条件を確認する |
| 設置点の短絡電流 | 遮断容量が十分か確認する |
| 漏電保護・過負荷保護の有無 | 必要な機能を欠く品種を避ける |
例えば負荷電流が12Aと分かっても、それだけで15A品の採用は確定しません。機器銘板と電線・布設条件を揃え、メーカーの選定表・動作特性曲線で確認します。測定や交換は資格・知識を持つ施工担当者へ依頼してください。
テンパール工業の公式FAQでは、フレームサイズの意味とOC付・OCなしの違いを確認できます。オムロンの保護機器解説も、機器間の保護協調の確認に使えます。
一段深い理解——「同じATだから大丈夫」が事故につながる理由
現場で最も起きやすい選定ミスは、AT(定格電流)だけを見て「前と同じ数字だから同等品」と判断してしまうことだ。実際には、AT以外に遮断容量(kA)が一致していないと、外見は正常でも短絡事故のときにブレーカー自体が壊れて保護できなくなる。
- なぜ設置場所によって必要なkAが変わるのか:短絡電流の大きさは、その地点までの配線・変圧器のインピーダンス(電気的な抵抗のようなもの)で決まる。変圧器や受電点に近い主幹に近づくほどインピーダンスが小さくなり、万一の短絡時に流れる電流(短絡電流)は大きくなる。逆に、末端の分岐回路は配線が長くインピーダンスが大きいぶん、短絡電流は相対的に小さい。だから同じ建物内でも、主幹に近いブレーカーほど大きなkAが要求される。
- 既設更新でよくある落とし穴:古い盤の主幹ブレーカーを「型番が廃番だから」という理由で後継品に差し替える際、AT(例:60AT)とAF(例:100AF)だけを合わせて発注し、kAの確認を省いてしまうケースがある。旧型は高いkAだったが後継の廉価グレードはkAが低い、という組み合わせだと、短絡電流がその低いkAを超えたときにブレーカーが遮断能力を超えて破損し、火災や波及事故につながるおそれがある。
- 更新時の確認:既設の銘板・回路図と候補品の資料を照合します。AT・AF・kAを一律に大きくすればよいわけではありません。電線保護、定格電圧、動作特性、端子・取付寸法も含めて確認します。
電源方式と既設更新の確認
単相2線式、単相3線式、三相3線式では、遮断する線と過電流を検出する素子の組み合わせが異なります。極数を表すPだけでなく、素子数を表すEと製品の適用電路を確認します。
住宅の単相3線式の主幹と100V・200Vの分岐回路を混同しないでください。中性線欠相保護の要否や結線は、盤・機器の資料と施工条件に従います。三相動力の電動機負荷では、始動方式と動作特性の照合も必要です。
既設品の銘板写真、盤の型式、回路図、負荷機器の型番を用意すると、確認漏れを減らせます。盤を開けて行う測定・交換は施工担当者へ依頼してください。
製品情報を探す
テンパール工業、日東工業、パナソニックの掲載情報から候補を探せます。メーカー名だけで適合や在庫を判断せず、正式型番の資料を照合します。
現場の選定チェックリスト
ブレーカーを選ぶ際に現場で確認すべき項目:
- 電源方式の確認 → 単相2線・単相3線・三相3線のどれか
- 負荷電流の計算 → 負荷電流と電線・動作特性を照合する
- 保護機能の要否 → 漏電保護が必要か(水回り・屋外・主幹)
- 極数の確認 → 極数・素子数と製品の適用電路を照合する
- フレームサイズ(AF)の確認 → AFに加え外形・取付穴・端子寸法を照合する
- 電動機の有無 → 電動機保護兼用品かどうかの選択
- 設置環境 → 屋内・屋外・腐食環境(防水・防塵クラスの確認)
負荷電流の実測値だけでは、始動時や故障時の保護は判断できません。測定方法と選定は施工担当者に確認してください。
テスター・クランプメーター 電気工事用(Amazon) — 負荷電流の実測に使うクランプメーターを確認できます
電材サーチでブレーカーの品種を一覧から絞り込み、まとめて見積もり依頼ができます。
どう注文するか——失敗しない発注のしかた
例: 「三菱 NF63-CV 3P 40A を 2個」
「漏電ブレーカ 2P 20A 感度30mA(メーカー指定なし)を 5個」
「(銘板写真から)この廃番ブレーカの後継品を照合してほしい」
- 「AF/AT・極数・漏電の有無・感度電流」を添えて、取扱可否・仕様の確認を依頼します
- メーカー指定がない場合も、候補ごとに仕様・取扱可否・納期を確認します(メーカー比較はこちら)
- 既設更新は銘板写真が最速です。廃番世代からの後継照合も承ります
- 型番がわかれば型番検索から見積リストへ追加できます
よくある質問
20AブレーカーにMaxどれくらいの機器が繋げますか?
20Aという表示だけでは接続可能な機器や連続使用できる容量は決まりません。電圧、負荷の種類、電線・コンセントの定格、周囲温度、製品の使用条件を確認します。定格の80%や一律の倍率だけで選定を確定せず、メーカーの選定資料と回路条件を照合してください。
漏電ブレーカーはどこに付けますか?
電路の用途、電源方式、接地、使用環境と必要な保護協調に応じて選定します。主幹と分岐を組み合わせる場合は、感度電流と動作時間を照合します。住宅の主幹用製品を工場の動力回路へそのまま流用せず、設備の設計担当者へ確認してください。
配線用遮断器(MCCB)と漏電遮断器(ELCB)は同じ場所に使えますか?
MCCBは過負荷・短絡保護を担います。漏電遮断器には過負荷・短絡保護付き(OC付)と地絡保護専用(OCなし)があり、すべてのELCBがMCCBの代わりになるわけではありません。保護機能と電路条件を照合してください。
ブレーカーの「AT」と「AF」の違いは何ですか?
ATは定格電流の表示、AFはフレームサイズの区分です。AFは寸法の標準化を意味しないため、同じAFでもメーカーや製品が異なれば外形・端子・取付寸法を確認する必要があります。定格電流を超えた瞬間に必ず遮断するわけではなく、動作特性も照合します。
三相3線式の動力回路にはどのブレーカーを選べばよいですか?
三相3線式の適用がある製品から、極数・素子数・電圧・定格電流・必要な保護機能を照合します。電動機を含む場合は始動方式と動作特性をメーカー選定表で確認してください。
ブレーカーの容量はどうやって計算しますか?
負荷電流を求めた後、電線の許容電流、負荷の始動特性、使用温度、遮断容量とメーカーの選定表を照合します。負荷電流に一律1.25を掛けた値だけでは、適切なブレーカーを決定できません。
関連するブレーカー・選び方の品種・型番をお探しですか?
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