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品種ガイド

キャブタイヤケーブル

VCT・VCTF・2PNCT の違いと選び方、許容電流・外径の早見表、移動電線としての施設ルール(電技解釈171条)、溶接用ケーブル、メーカー横断の型番一覧

取扱メーカー
6社
掲載型番
42件
更新日

キャブタイヤケーブルは、動かして使う機器や可動部の電源・制御用に作られた、曲げに強い丸形の ケーブルです。ビニル系のVCT(600V)・VCTF(300V)と、ゴム系の2PNCTなどに大別されます。 固定配線ならCVやVVF、動かす・持ち運ぶ・機械に付けるならキャブタイヤ、が使い分けの基本です。

型番が決まっていなくても相談できます 用途を伝えて見積を依頼 →

キャブタイヤケーブルとは

「キャブタイヤ」は、かつて馬車(cab)のタイヤのように丈夫なゴム外装を持つケーブルとして 名付けられたもので、現在は絶縁体とシース(外装)の材質でビニル系とゴム系に分かれます。 ビニル系は安価で加工しやすく、屋内の工場設備や電動工具、延長コードに広く使われます。 ゴム系(クロロプレンゴム外装の2PNCTなど)は耐油・耐候・耐屈曲性が高く、屋外や重機、 頻繁に動く設備に向きます。

規格は、VCT(600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル)がJIS C 3312、VCTF(ビニルキャブタイヤ 丸形コード、300V)がJIS C 3306、ゴムキャブタイヤケーブル(1CT〜4CT、2PNCTなど)がJIS C 3327 です。VCT・VCTFは電気用品安全法の対象で、PSEマークの有無も確認します。

キャブタイヤケーブルの選び方

  1. 1

    使用電圧で VCTF(300V)か VCT・2PNCT(600V)かを決める

    VCTFは交流300V以下の小型機器・制御用、VCTと2PNCTは600V以下の動力用です。三相200Vの モーターや溶接機にはVCTFは使えません。見積依頼で「VCTF 2sq」とだけ書かれていて実は 200V動力だった、という取り違えが実務では最も多いので、電圧と用途を先に確認します。

  2. 2

    動き方と環境でビニル系かゴム系かを決める

    屋内で時々動かす程度ならビニル系(VCT・VCTF)で十分です。常時屈曲する装置、屋外の 常設、油や薬品がかかる場所、低温環境ではゴム系(2PNCT・3PNCT)やソフトタイプを選びます。 ロボットやケーブルベアで連続屈曲する用途は、キャブタイヤではなく可動用の専用ケーブルが 必要になることがあります。

  3. 3

    芯数と断面積(sq)は負荷電流と電圧降下から決める

    断面積は0.75・1.25・2・3.5・5.5・8・14・22sqなどが標準です。許容電流はメーカーカタログの 値が正ですが、長さが長いほど電圧降下が効くため、延長コード用途では1ランク太くするのが 安全側です。芯数は2心・3心・4心が中心で、アース線を含めるかどうかで芯数が変わります。

  4. 4

    切り売り単位・色・端末加工を見積時に指定する

    在庫はドラムまたは100m巻が基本で、メーカー・商社によって切り売りの最小単位が違います。 黒以外の色指定、プラグやコネクタの取り付け、両端の端子加工は納期に影響するため、 見積依頼の時点で書いておくと回答が早くなります。

現場で間違いやすい点

  • VCTF(300V)を三相200Vの動力回路に使うのは規格外です。動力用はVCTまたは2PNCTを選びます。
  • 「sq(スケア)」は公称断面積で、実際の導体外径や仕上外径はメーカーごとに異なります。グランドや配管のサイズはカタログの仕上外径で確認します。
  • ビニル系(VCT・VCTF)の導体最高許容温度は標準品で60℃です(住友電工・太陽ケーブルテックの仕様)。高温機器のそばや直射日光の当たる屋外常設では、耐熱・耐候仕様(2PNCT、耐熱形・耐候形のVCT)を検討します。
  • 廃番・生産終了は電線でも起きます。旧型番の指定があるときは、後継や同等品を確認してから見積します。

キャブタイヤケーブルの規格・サイズ表

品種の比較(ビニル系・ゴム系・溶接用)

品種(記号)絶縁体/シース定格電圧・導体最高許容温度適用規格・法規特徴主な用途
VCTF(ビニルキャブタイヤ丸形コード)ビニル/ビニル(灰色が標準)300V・60℃JIS C 3306、電気用品安全法(0.75mm²以上が対象。0.3・0.5mm²は対象外で100V未満の回路用)安価で柔軟、線心色の識別が容易。耐熱・機械的強度はケーブル類に劣り、電技解釈171-1表では屋内の乾燥した場所(屋側は雨露にさらされない場合)の移動電線に限られる屋内の交流300V以下の小型電気機器の電源コード、制御・信号線
VCT(600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル)ビニル/ビニル(灰色または黒)交流600V・直流750V、60℃JIS C 3312、電気用品安全法(100mm²以下・7心以下)、電技解釈171-1表・164-1表ゴム系より安価で加工しやすく難燃性がある。低温で硬くなり、耐候・耐屈曲はゴム系に劣る。移動電線としては電気を熱として利用しない機器などに限られる(171-1表の△・▲)工場設備・工作機械・電動工具・水中ポンプの電源、屋内の仮設電源
CT(1〜4種 天然ゴムキャブタイヤケーブル)天然ゴム/天然ゴム(黒)600V・60℃JIS C 3327、電技解釈171-1表(1種は屋内300V以下のみ)柔軟だが耐候性・耐油性が劣り、難燃性がない屋内の一般用途(1種は軽易な用途)
RNCT(天然ゴム絶縁クロロプレンキャブタイヤケーブル)天然ゴム/クロロプレンゴム(黒)600V・60℃JIS C 3327、電技解釈171-1表クロロプレンシースで耐候性・耐摩耗性が良く耐久性に富む屋外の移動電線、一般産業用
2PNCT・3PNCT(2種/3種 EPゴム絶縁クロロプレンキャブタイヤケーブル)EPゴム/クロロプレンゴム(黒)。3種はシース中に補強層600V・80℃JIS C 3327、電気用品安全法(125mm²以上・8心以上を除く)、電技解釈171-1表・164-1表許容電流が大きく、CT・RNCTより外径が10〜15%・質量が15〜30%小さい。耐油・耐摩耗・耐オゾン・難燃。標準品は繰り返し屈曲を受ける用途には不適で、耐屈曲形・耐捻回形を選ぶ屋外常設、建設機械・重機、工場の移動機器、溶接機の一次側、3種は外傷を受けやすい現場
EM-2PPCT(耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル)EPゴム/耐燃性エチレンゴム(ハロゲンフリー)600V・80℃JCS 4511(日本電線工業会規格)、電気用品安全法、電技解釈171-1表ハロゲン・重金属を含まないエコ仕様。PNCTより耐摩耗性が向上し質量は2〜6%小さい環境配慮仕様の工場・公共物件の移動電線
溶接用ケーブル WCT・WNCT(導線用)/WRCT・WRNCT(ホルダ用)導線用は単心の導体にゴムシース(WCT=天然ゴム、WNCT=クロロプレン)、ホルダ用は天然ゴム絶縁の上にシースアーク溶接機の二次側専用。WCT 60℃・WNCT 75℃・EM-WCCT 90℃JIS C 3404、JCS 4514、電技解釈第190条大電流用の単心可とうケーブル。許容電流は溶接機の使用率(100・80・50%)で変わる溶接変圧器から溶接電極(ホルダ)・被溶接材までの二次側配線

「1種〜4種」は構造(補強)による区分で、1種が軽易な用途、2種が一般用、3種はシース中に補強層、 4種はさらに線心間にゴム座床を持ち、数字が大きいほど外傷・衝撃に強くなります。 特徴の欄は住友電工S-FREEカタログの材料比較表、太陽ケーブルテック・フジクラ・ダイヤケーブルの 仕様書の記載によります。

出典: JIS C 3312、JIS C 3306、JIS C 3327、JIS C 3404、電気設備の技術基準の解釈 171-1表・164-1表、住友電工 S-FREE 総合カタログ(絶縁体・シース材料による分類)、太陽ケーブルテック 2PNCT・VCT・VCTF 仕様書、フジクラ・ダイヤケーブル 2PNCT-B/2PNCT-T カタログ

許容電流の目安(周囲温度30℃・空中1条布設)

導体サイズVCTF(コード)VCT 2心VCT 3心VCT 4心2PNCT 2心2PNCT 3心2PNCT 4心
0.75mm²7A12A10A9A15A13A12A
1.25mm²12A16A14A13A21A18A16A
2mm²17A22A19A17A27A23A21A
3.5mm²23A32A28A25A39A33A30A
5.5mm²35A41A36A32A51A44A40A
8mm²51A44A39A63A54A49A
14mm²71A62A55A89A76A69A
22mm²95A83A74A120A100A93A

VCTF・VCTの値は、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈 別表第四(配線器具)に示された 「電源電線等の許容電流」(絶縁物の使用温度上限60℃、周囲温度30℃)です。2PNCTは住友電工 S-FREEカタログのPNCT/PPCT(80℃)の値で、JCS 0168に基づきます。メーカー各社がJCS 0168で 算出した値はこれと1〜3A程度異なります(例:太陽ケーブルテックのVCT 1.25mm² 2心は17A、 2PNCT 3.5mm² 2心は41A、VCTF 2mm² 4心は15A)ので、実際の選定はそのメーカーの仕様書の値で 行います。中性線・接地線・制御回路用の線心は心数に数えません(単相3線式の3心は2心の値、 三相の4心で1心を接地線に使うときは3心の値)。周囲温度が高い場合は補正係数を掛けます (60℃絶縁のVCT・VCTFは35℃で0.91、40℃で0.82、50℃で0.58、80℃絶縁の2PNCTは40℃で0.89、 50℃で0.77、60℃で0.63)。ドラム巻きのまま通電する場合や多条布設にはこの表は適用できません。

出典: 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈 別表第四 (3)部品及び附属品「電源電線等の許容電流」、住友電工 S-FREE 総合カタログ 許容電流表・周囲温度が異なる場合の補正係数、太陽ケーブルテック VCT・VCTF・2PNCT 仕様書(JCS 0168による許容電流)

概算外径・概算質量(2心〜4心)

品種・サイズ2心(仕上外径/概算質量)3心4心
VCTF 0.75mm²約6.6mm/60kg/km約7.0mm/70kg/km約7.6mm/90kg/km
VCTF 1.25mm²約7.4mm/80kg/km約7.8mm/100kg/km約8.5mm/115kg/km
VCTF 2mm²約8.0mm/100kg/km約8.5mm/125kg/km約9.2mm/150kg/km
VCT 0.75mm²約8.8mm/100kg/km約9.2mm/110kg/km約9.9mm/135kg/km
VCT 1.25mm²約9.6mm/120kg/km約10.5mm/140kg/km約11.5mm/175kg/km
VCT 2mm²約10.5mm/150kg/km約11.0mm/175kg/km約12.0mm/210kg/km
VCT 3.5mm²約12.0mm/205kg/km約13.0mm/255kg/km約14.0mm/320kg/km
VCT 5.5mm²約14.5mm/305kg/km約15.0mm/370kg/km約16.5mm/460kg/km
VCT 8mm²約16.5mm/410kg/km約17.5mm/510kg/km約19.5mm/640kg/km
VCT 14mm²約20mm/565kg/km約22mm/750kg/km約24mm/965kg/km
2PNCT 0.75mm²約9.0mm/110kg/km約9.4mm/130kg/km約10.4mm/160kg/km
2PNCT 1.25mm²約9.8mm/140kg/km約10.5mm/160kg/km約11.3mm/190kg/km
2PNCT 2mm²約10.6mm/170kg/km約11.1mm/190kg/km約12.2mm/240kg/km
2PNCT 3.5mm²約12.2mm/240kg/km約12.9mm/290kg/km約14.1mm/350kg/km
2PNCT 5.5mm²約14.4mm/340kg/km約15.2mm/410kg/km約16.8mm/510kg/km
2PNCT 8mm²約15.8mm/430kg/km約16.7mm/520kg/km約18.4mm/650kg/km
2PNCT 14mm²約18.4mm/630kg/km約19.7mm/780kg/km約21.7mm/980kg/km

VCT・VCTFは住友電工(住電HSTケーブル)S-FREEカタログの構造表、2PNCTは太陽ケーブルテックの 仕様書の値です。仕上外径はメーカーで0.5mm程度、質量も数%異なります(例:富士電線工業のVCT 2mm² 2心は仕上外径10.4±0.36mm)。100m巻の重さはkg/kmの値の1/10(VCT 2mm² 3心なら約17.5kg) です。グランド・キャブタイヤコネクタの適合径は、使うメーカーの仕様書の仕上外径で確認します。

出典: 住友電工 S-FREE キャブタイヤケーブル・機器配線用電線 総合カタログ(VCT・VCTF 構造表)、太陽ケーブルテック 2PNCT 仕様書、富士電線工業 VCT 仕様書 FJS-F-2-技-04-009

規格が要求する主な構造・試験(VCT・2PNCT・VCTF)

項目VCT(JIS C 3312)2PNCT(JIS C 3327)VCTF(JIS C 3306・電気用品の技術基準)
導体JIS C 3102 軟銅線のより線(0.75mm²=30本/0.18mm、2mm²=37本/0.26mm、5.5mm²=70本/0.32mm)JIS C 3152 すずめっき軟銅線のより線(構成はVCTと同じ)軟銅線のより線(構成はVCTと同じ)
絶縁体の厚さ(標準)0.8mm(0.75〜3.5mm²)、1.0mm(5.5)、1.2mm(8)、1.4mm(14)、1.6mm(22)0.8mm(0.75〜3.5mm²)、1.0mm(5.5〜14)、1.2mm(22)0.6mm(0.75〜3.5mm²)、0.8mm(5.5)
シースの厚さ(標準、2心の例)1.7mm(0.75〜1.25mm²)、1.8(2〜3.5)、2.0(5.5)、2.1(8)、2.3(14)、2.6〜2.7(22)1.7mm(0.75〜1.25mm²)、1.8(2)、1.9(3.5)、2.0(5.5)、2.1(8)、2.2(14)、2.5(22)1.0mm(0.75〜3.5mm²)
厚さの許容差平均は標準の90%以上、最小は80%以上(0.8mm→平均0.72以上・最小0.64以上)同じ同じ(0.6mm→平均0.54以上・最小0.48以上)
耐電圧3,000V・1分間(水中)3,000V・1分間(水中)1,000V・1分間(水中)。スパーク試験は0.75mm²以上で5,000V・0.15秒
絶縁抵抗(20℃)50MΩ・km以上(0.75〜2mm²)、40(3.5〜14)、30(22〜60)500MΩ・km以上(0.75〜2mm²)、400(3.5〜8)、300(14〜22)5MΩ・km以上
引張強さ・伸び絶縁体 10MPa・100%以上、シース 10MPa・120%以上絶縁体(EPゴム)4MPa・300%以上、シース(クロロプレン)13MPa・300%以上絶縁体 10MPa・100%以上、シース 10MPa・120%以上
加熱後の残率引張強さ85%・伸び80%以上(絶縁体・シースとも)絶縁体 80%・80%以上、シース 65%・65%以上引張強さ85%・伸び80%以上
耐油絶縁体 85%・85%以上(管状試験片)、シース 80%・60%以上シース 60%・60%以上仕様書に項目なし
低温・加熱変形−10℃の巻付けでひび割れなし、加熱変形は厚さ減少率50%以下仕様書に低温巻付け・加熱変形の項目なし低温巻付けでひび割れなし、加熱変形50%以下
難燃性60°傾斜燃焼試験で30秒以内に自然消火水平燃焼試験で60秒以内に自然消火60秒以内に自然消火
耐曲げJIS C 3005 4.27 曲げ試験(38mm²以下):破損・ひび割れがなく各線心の素線断線率30%以下同じ(素線断線率30%以下)仕様書に項目なし
線心の識別2心 黒・白、3心 黒・白・赤(または黒・白・緑)、4心 黒・白・赤・緑2心 黒・白、3心 黒・白・赤、4心 黒・白・赤・緑(5心以上は黄・青・茶などを追加)黒・白・赤・緑(4心まで)
表面表示記号VCT、サイズ、<PS>E(電気用品の対象サイズ)、製造者略号、製造年記号2PNCT、サイズ、<PS>E(100mm²以下・7心以下)、製造者、製造年記号VCTF、サイズ、JIS認証番号(2〜4心 0.75〜2mm²のJISマーク品)、<PS>E、製造者、製造年

数値は富士電線工業の仕様書(VCT FJS-F-2-技-04-009、VCTF 04-010、2PNCT 21-038。試験方法は いずれもJIS C 3005)と住友電工S-FREEカタログの構造表から採り、JISの付表値と同じです。 電気用品安全法の適合証明(JET)とJISマーク認証はメーカーごとに取得しており、対象サイズ・ 心数は仕様書で確認します。

出典: JIS C 3312、JIS C 3327、JIS C 3306、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)、富士電線工業 VCT・VCTF・2PNCT 仕様書、住友電工 S-FREE 総合カタログ

サイズ選定に使える計算ツール

施工・保管で気をつけること

  • 「移動電線」は電気使用場所の電線のうち造営物に固定しないもので(電技解釈第142条)、低圧の移動電線は断面積0.75mm²以上とし、171-1表の電線を使います(第171条)。ゴム系の2種以上(2PNCT・RNCTなど)は屋内・屋側・屋外・300V超のいずれにも使え、1種CTは屋内300V以下だけです。ビニル系は制限付きで、VCTFは屋内の乾燥した場所(屋側は雨露にさらされない場合)、VCTは電気を熱として利用しない機器に機器側で直接接続する移動電線・一定条件の電気温水器・移動点滅器に限られ(△)、300V超では電気を熱として利用しない機器の移動電線に限られます(▲)。電熱器具の移動電線にはゴム系を使います。
  • キャブタイヤを固定配線(ケーブル工事)に使えるのは164-1表の範囲だけです。VCTと2種ゴムキャブタイヤは使用電圧300V以下で「展開した場所または点検できる隠ぺい場所」に限り、3種・4種はその他の場所(300V超、点検できない隠ぺい場所)にも使えます。天井裏に転がす・壁内に隠ぺいする配線にVCTを使うのは規格外で、そこはVVF・CVの担当です。
  • 曲げ半径は仕上外径Dに対して、VCT・VCTF・2PNCT・3PNCTの多心は4D以上、単心は6D以上、遮へい付(2PNCT-SB)は6D/8D以上が住友電工の許容値です。常に同じ場所で繰り返し曲げられる箇所は10D以上を推奨しています。捻じって布設すると早期断線の原因になります。
  • 引張りと屈曲には限度があります。住友電工の許容張力は導体断面積1mm²あたり19.6N(2kgf)以下(鋼線入りは29.4N)で、3心38mm²なら約2,230Nです。カーテン方式・キャリアローラ・リール巻取り・旋回など常時動く用途は、標準の2PNCTが「繰り返し屈曲を受ける用途には不適」(太陽ケーブルテック)なので、耐屈曲形(2PNCT-B・F-2PNCT)や耐捻回形(2PNCT-T)などの特殊移動用を、布設方式・移動速度・張力を伝えてメーカーに選定してもらいます。
  • ドラムやコードリールに巻いたまま通電すると放熱が悪く、許容電流表は適用できません(住友電工 許容電流表の注)。使うときはケーブルを全部引き出します。電工ドラム(コードリール)の電源電線は、電気用品の技術基準(別表第四)で、定格125V以下・15A以下の屋内用で電源電線が10m未満の携帯型を除き、0.75mm²以上のキャブタイヤケーブルを使うことになっています。
  • 屋外常設・直射日光・油や薬品がかかる場所・寒冷地はゴム系(2PNCT・RNCT)が基本です。天然ゴムのCTは耐候・耐油性が劣り難燃性がなく、標準のVCTは低温で硬くなります(住友電工は0℃でも柔軟性を保つソフトタイプを別品種にしています)。導体最高許容温度(VCT・VCTF 60℃、2PNCT 80℃)を超える環境では寿命が急に縮むため、周囲温度が高い場所は許容電流の補正だけでなく耐熱形(ハイテンプVCTなど)も検討します。
  • 屋内配線との接続は差込み接続器を使い、機器側は差込み接続器または簡易接触防護措置を施した端子へのねじ止めです(第171条)。多心ケーブルの1心を接地線に使うときは、接地極が他の極と明確に区別できる接続器を使います(第171条第2項)。線心は緑を接地線にし、黒・白・赤を電源に使います。接地線・中性線は許容電流の心数に数えません。キャブタイヤコネクタ・プラグには適合ケーブル外径の範囲があるので、上の外径表と接続器の仕様を照合します。
  • ドラムは立てて保管・輸送し(横倒しは巻きゆるみ・巻き崩れの原因)、転がすときはドラム側面に書かれた方向に、荷卸しはフォークリフトかクレーンで行います(住友電工の取扱注意)。端末は導体内に水気が入らないよう処理し、直射日光・高温を避けて保管します。冬季に硬くなった巻き癖は常温に戻してからほどきます。
  • 溶接用ケーブルは電技解釈第190条により、溶接変圧器から溶接電極(ホルダ)までは溶接用ケーブル(JIS C 3404)またはゴム系(1種CT・VCT以外)のキャブタイヤケーブル、被溶接材側はキャブタイヤケーブルでも可です。重量物の圧力や機械的衝撃を受ける箇所には防護装置を設け、被溶接材・治具・定盤にはD種接地工事を施します。許容電流は溶接機の使用率で変わり(富士電線工業のWCT 38mm²は使用率100%で169A、50%で239A。JCS 0168-1と内線規程3330節による)、二次側が長いと電圧降下で溶接電流が出ないため、長さもあわせて伝えます。

取扱メーカー6社の比較

品種名を押すとメーカー別の詳細ページへ移動します。「メーカー情報」は当社が一次情報(公式サイト・沿革)で確認した内容です。

メーカー 品種 型番数 規格・特徴 メーカー情報(当社確認)
富士電線工業 VCTケーブルVCTFコード 2 JIS C3312対応、JET認証番号取得済み、心数1〜30心・断面積0.75mm2〜100mm2の幅広いラインナップ(規格により異なる) 大阪府柏原市の本社に加え、奈良県五條市に自社工場(奈良工場)を持ち電線・ケーブルを国内生産している。
プロテリアル キャブタイヤケーブル 8 カーテン方式・キャリア方式・リール巻方式など給電方式別に型番を用意、3300V・6600Vの高圧キャブタイヤケーブルまで対応し工場クレーン等の大容量給電に対応 電線事業は2013年に日立電線と合併して発足した「電線材料カンパニー」が母体で、鉄鋼・磁性材料・自動車部品なども手がける総合素材メーカーの一事業。電線単独の専業メーカーではない点は留意材料になる。
三沢電線 VCTF/耐熱MDフレックス 3 電気用品安全法〈PS〉E規格取得品(VCTF・VCTFK・VCT)、2016年3月に細径型キャブタイヤコード「HVCTF-B」の販売を開始(公式サイトのニュースリリースより) 1971年に東京都板橋区で創業し1988年に新潟工場を新設。埼玉県新座市の本社工場と新潟県魚沼市の新潟工場による2拠点生産体制を取っている。
理研電線 VCT・VCTF 17 VCT=JIS C 3312、VCTF=JIS C 3306 VCT(600V以下)・VCTF(300V以下)の2グレード、耐震性に優れたSVCT・SVCTFグレードあり 1934年創業、理化学研究所(理研コンツェルン)をルーツに持つ老舗電線メーカーで、2008年に古河電気工業の完全子会社となった。
品川電線 エスフレックス 8 SKVS・VCTF・VCTなど複数タイプを展開、可とう性に優れたビニルキャブタイヤ構造 1937年創業、1967年にUL規格(FC・PSC)の認可工場となり、その後CSA規格・欧州各国規格も取得した実績を持つ電線専業メーカー。海外規格対応が必要な案件で検討候補になる。
住友電工 キャブタイヤケーブル 4 VCT(600V以下)・VCTF(300V以下)の2規格を基本ラインアップとして展開、寒冷地・屋外長期使用向けの「フレックス1 VCT」 1897年創業、130年近い電線・ケーブル製造の実績を持つ。1911年に国産初の電力用鉛被紙ケーブルを実用化、1922年には当時世界最長級の海底電力ケーブル(21km)を製造・敷設するなど、技術面での先行事例が多い。

メーカー横断の型番一覧(42件)

複数メーカーの型番をまとめて見積リストに入れ、1回の依頼で相見積ができます。

メーカー 型番 備考 見積
富士電線工業 VCT 600V以下の移動用電気機器向け。心数・断面積は規格により異なる。
富士電線工業 VCTF 1.25*2C 1.25sq、2芯
プロテリアル 600V CUR-2PNCT カーテン方式用、2種EPゴム絶縁クロロプレンキャブタイヤケーブル
プロテリアル 600V CUR-2PNCT-SB カーテン方式用、一括シールド付き2種
プロテリアル 600V MM-2PNCT カーテン方式用、難燃性2種
プロテリアル 600V CAR-2PNCT キャリア方式用
プロテリアル 600V RE-2PNCT リール巻(拾い巻)方式用
プロテリアル H-3PNCT 3300V・6600V対応の平形高圧仕様
プロテリアル 600V T-2PNCT 耐震形
プロテリアル FFCT 200℃耐熱、フッ素樹脂被覆
三沢電線 VCTF 電気用品安全法〈PS〉E規格取得品。公式サイト製品情報ページの記載では対応サイズ0.3㎣〜3.5㎣。
三沢電線 耐熱MDフレックスVCTF 耐熱・耐寒に優れたソフトキャブタイヤコード。シース材料をソフトタイプにして配線時の引き回しを容易にし、国内垂直難燃試験(-F-)に合格する実力を保持。耐油性を追加した「耐熱MDO-FREX VCTF」もあり(公式サイト製品情報ページによる)
三沢電線 VVCビニルケーブル 測定器・通信機器内配線向け。耐熱MDフレックスシリーズの対応サイズは公式サイトの製品情報ページで7/0.18と表示。詳細仕様はメーカーカタログでご確認ください
理研電線 VCT 0.75sq 2心 導体構成30/0.18、仕上外径約8.8mm
理研電線 VCT 1.25sq 3心 導体構成50/0.18、仕上外径約10.5mm
理研電線 VCT 2sq 3心 導体構成37/0.26、仕上外径約11.0mm
理研電線 VCT 3.5sq 4心 導体構成45/0.32
理研電線 VCT 0.75sq 3心 導体構成30/0.18、仕上外径9.2mm、概算質量100kg/km
理研電線 VCT 0.75sq 4心 導体構成30/0.18、仕上外径9.9mm、概算質量135kg/km
理研電線 VCT 1.25sq 2心 導体構成50/0.18、仕上外径9.6mm、概算質量120kg/km
理研電線 VCT 1.25sq 4心 導体構成50/0.18、仕上外径11.5mm、概算質量175kg/km
理研電線 VCT 2sq 2心 導体構成37/0.26、仕上外径10.5mm、概算質量150kg/km
理研電線 VCT 2sq 4心 導体構成37/0.26、仕上外径12.0mm、概算質量210kg/km
理研電線 VCT 3.5sq 2心 導体構成45/0.32、仕上外径12.0mm、概算質量205kg/km
理研電線 VCT 3.5sq 3心 導体構成45/0.32、仕上外径13.0mm、概算質量255kg/km
理研電線 VCT 5.5sq 3心 導体構成70/0.32、仕上外径15.0mm、概算質量370kg/km
理研電線 VCT 8.0sq 3心 導体構成50/0.45、仕上外径17.5mm、概算質量510kg/km
理研電線 VCTF 0.75sq 2心 導体構成30/0.18、仕上外径6.6mm、概算質量60kg/km
理研電線 VCTF 1.25sq 3心 導体構成50/0.18、仕上外径7.8mm、概算質量95kg/km
理研電線 VCTF 2sq 2心 導体構成37/0.26、仕上外径8.0mm、概算質量100kg/km
品川電線 SKVS エスフレックスケーブル
品川電線 VCTF 耐油性ビニルキャブタイヤ丸形コード(S-FLEX VCTF)、定格300V以下の小型電気器具用
品川電線 VCT ビニルキャブタイヤケーブル
品川電線 S-FLEX VCTF 2x0.75mm2 許容電流7A、標準販売長100m(品川電線公式PDFカタログで確認済み)
品川電線 S-FLEX VCTF 3x1.25mm2 許容電流12A、標準販売長100m(品川電線公式PDFカタログで確認済み)
品川電線 S-FLEX VCTF 4x2mm2 許容電流17A、標準販売長100m(品川電線公式PDFカタログで確認済み)
品川電線 S-FLEX VCTF 5x0.75mm2 許容電流8A、標準販売長100m(品川電線公式PDFカタログで確認済み)
品川電線 S-FLEX VCTF 6x1.25mm2 許容電流11A、標準販売長100m(品川電線公式PDFカタログで確認済み)
住友電工 VCT 移動用電気機器・工事現場機械の配線向け、JIS C 3312準拠
住友電工 VCTF 小型電気機器の電源コード・照明配線向け、JIS C 3306準拠
住友電工 フレックス1 VCT 柔軟性が高く、屋外での長期使用に対応
住友電工 ハイテンプVCT 機器内部配線向けの耐熱タイプ

価格・納期・発注のしかた

見積・発注は「品種・サイズ・心数・長さ・数量・荷姿」で伝える

「VCT 2sq-3C 100m巻×2」「2PNCT 3.5sq-4C 35m切断」「VCTF 0.75sq-2C 100m巻」のように書けば、 メーカーの型番表記(VCT 3×2.0、VCT 2SQ×3C、2PNCT 3.5SQ-4Cなど)が違っても取り違えません。 sqとmm²は同じ意味です。心数は接地線を含めた本数で書き(三相+接地なら4心)、単心や5心以上、 遮へい付・鋼線入りなどの特殊仕様はその旨を添えます。

価格は銅建値に連動し、毎月変わる

導体が銅のため、電線メーカーが月ごとに公表する銅建値に連動して価格が改定されます。ゴム系は ゴム・薬品などの原材料価格による改定もあります。見積の有効期限は短めで、発注直前に取り直す のが確実です。数量がまとまる場合は、先に数量を確定して分納にすると価格を抑えやすくなります。

標準条長は100m巻、太サイズはドラム

VCT・VCTFの販売標準長は100m(太陽ケーブルテックの仕様書。カワイ電線のVCTFは主として100m、 一部500m・1000m)で、束巻またはドラム巻で出荷されます。太いサイズ・多心・長尺はドラム巻に なり、ドラムの返却条件が価格に関わります。切り売りは100m巻より割高なので、必要長さに端末の 余長を足して70〜80mを超えるなら100m巻を検討します。

納期に影響する指定

標準色(VCTは灰または黒、VCTFは灰、2PNCTは黒)以外の色、5心以上の多心(太陽ケーブルテックでは 5心以上のVCTや24心以上のVCTFが受注生産)、耐屈曲・耐捻回・遮へい付・鋼線入り・充実形などの 特殊移動用、耐寒形・耐熱形(フレックス1 VCT、ハイテンプVCT、HVCTF-HBなど)、38mm²以上の 太サイズは取り寄せや受注生産になります。工期が決まっている場合は早めにご相談ください。

VCTとVCTFの取り違えに注意

VCTFは交流300V以下の小型機器用コード(JIS C 3306。電気用品安全法の対象は0.75mm²以上で、 0.3・0.5mm²は100V未満の回路用)、VCTは600Vのケーブル(JIS C 3312。電気用品の対象は 100mm²以下・7心以下)です。三相200Vの動力・溶接機の一次側・電熱器にVCTFは使えず、 電技解釈171-1表でもVCTFは屋内の乾燥した場所の移動電線に限られます。「VCTF 2sq」と依頼 されたら電圧と機器を確認し、逆に100Vの小型機器にVCTを指定すると外径が太くプラグやコネクタに 合わないことがあります。

見積に必要な情報(住友電工の選定CHECK票の項目を参考に)

使用電圧(100V/200V/400V)、機器と容量(モーター○kW、溶接機○Aと使用率)、必要長さと数量、 屋内か屋外か、動かし方(据置・時々移動・常時屈曲・カーテン方式・リール巻取り・旋回)、 油・薬品・温度などの環境、接地線の要否(心数)、端末加工(プラグ・コネクタ取付)の有無、 メーカー指定や図面指定、希望納期を教えていただければ、型番が分からなくても品種・サイズを 決めて複数メーカーで見積します。

キャブタイヤケーブルについてよくある質問

VCTとVCTFはどう違いますか?

電圧区分が違います。VCTは600V以下の動力・制御用(JIS C 3312)、VCTFは300V以下の小型機器 ・信号用(JIS C 3306)です。見た目は似ていますが、200Vの動力機器にVCTFは使えません。

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2PNCTとVCTのどちらを選ぶべきですか?

屋内で動かす頻度が低ければVCTで十分です。屋外常設、油・薬品・低温環境、頻繁に屈曲する 用途では耐油・耐候性の高い2PNCT(クロロプレンゴム外装)を選びます。価格はVCTのほうが 安く、納期も短い傾向です。

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型番が分からなくても見積できますか?

できます。電圧(100V/200V)、使う機器、長さ、屋内か屋外か、動かす頻度を教えていただければ、 こちらでVCT・VCTF・2PNCTのどれが適切かを判断し、複数メーカーの型番で見積します。

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型番不明でもOK

キャブタイヤケーブルの見積・型番選定はお任せください

メーカー指定なしでも、電圧・用途・数量を教えていただければ、こちらで型番を提案し複数メーカーで見積します。写真や図面の添付でも構いません。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

参考資料・出典

・編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)。 型番・仕様はメーカー公式情報に基づきます。選び方・注意点は松本電業株式会社の取扱実務に基づく記述です。

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