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法規 ・ 7 / 8

関連法規のかんどころ — 電気工事業法・建築基準法・消防法・労働基準法・建築物省エネ法・省エネ法・建設リサイクル法・騒音規制法・廃棄物処理法・環境基本法

読み終えると、こうなる

『この論点はどの法律の話か』を素早く見分け、条文の細部に惑わされず正しい選択肢にたどり着けるようになる

  • 電気工事業者が営業所ごとに備えるべき器具、標識に記載すべき事項、主任電気工事士になれる者の資格要件が、業務の内容や登録の種類によって変わることを説明できる
  • 建築基準法上の『建築設備』『主要構造部』の定義、特殊建築物・避難階の定義、大規模の修繕の定義に含まれるもの・含まれないものを見分けられる。排煙設備の排煙口には手動開放装置が独立した要件として必要で、自動開放装置があっても省略できないことを説明できる
  • 消防法施行令が定める消防用設備等の区分(消火設備・警報設備・避難設備・消防用水など)、消防設備士でなければ行ってはならない工事の対象範囲(非常警報設備は対象外)、建築物省エネ法がエネルギー消費性能の評価対象とする建築設備の範囲、及び省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)のトップランナー制度の対象品目を、建築物省エネ法と混同せず説明できる
  • 労働基準法上の労働者名簿と賃金台帳の記載事項の違い、休憩時間の基準(6時間超45分・8時間超1時間)、明示された労働条件が事実と相違する場合の労働者の即時解除権、最低年齢(56条、児童は満15歳到達後の最初の3月31日終了まで使用禁止)と年少者の就業制限業務(62条、足場の組立て・解体、深さ5m以上の地穴における業務を含む)の違い、建設リサイクル法が定める特定建設資材の範囲(コンクリート・コンクリート及び鉄から成る建設資材・木材・アスファルト・コンクリートの4種)、騒音規制法が定める特定建設作業の届出義務・敷地境界線における騒音の規制基準、廃棄物処理法が定める産業廃棄物の種類(建設業由来の紙くず・木くず・繊維くず、金属くず、特別管理産業廃棄物としての廃油)、及び環境基本法が定める『公害』の要因(大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下・悪臭の典型七公害。電波障害は含まれない)を説明できる
考えてみよう

法規の勉強を進めていくと、建設業法・電気工事士法・電気事業法・労働安全衛生法・道路法という「よく出る5法」は押さえたつもりになる。ところが過去問を開くと、電気工事業者が営業所に備える器具や標識の話、建築設備・特殊建築物の定義、消防用設備の区分、労働者名簿の記載事項、さらには建築物のエネルギー消費性能を評価する対象設備といった、これまで扱っていない法律の設問に出会う。5法さえ押さえれば十分だと思っていたのに、なぜこうした設問が出てくるのか。

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、法規科目が扱う法令の全体像と、その中で見落としやすい6つの法律の急所を自分で説明できるようになっている。

法規科目は、建設業法を中心に据えつつ、電気工事士法・電気事業法・労働安全衛生法・道路法など、施工管理の現場に関わる法令を幅広く扱う。過去問を分析すると、これらに加えて電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)・建築基準法・消防法・労働基準法・建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)・エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)・騒音規制法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)からも、毎回1問前後がコンスタントに出題されている。出題数は1問ずつでも、よく出る法律だけを固めて残りの法律をまったくのノーマークにしておくと、選択できる設問の幅が狭くなる。ここでは、この9つの法律の急所を1つのトピックにまとめて整理する。

電気工事業法 — 「工事する人」ではなく「工事業を営む会社」への規制

電気工事士法が個々の技術者(電気工事士)を規制する法律であるのに対し、電気工事業法は電気工事を営む会社・個人事業主を規制する法律だ。目的は、電気工事業を営む者の登録等及びその業務の規制を行うことで、一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安の確保に資することにある(1条)。

電気工事業者には、主に4つの実務上の義務がある。

  • 主任電気工事士の設置(19条): 一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに、第一種電気工事士等を主任電気工事士として置き、作業を管理させる
  • 器具の備付け(24条): 営業所ごとに、絶縁抵抗計その他の器具を備える。ただし必要な器具の種類は、その営業所が自家用電気工事も扱うか、一般用電気工事のみを扱うかで変わる
  • 標識の掲示(25条): 営業所及び電気工事の施工場所ごとに、見やすい場所に標識を掲げる
  • 帳簿の備付け(26条): 営業所ごとに帳簿を備え、電気工事ごとに注文者・工事内容・施工年月日・作業者氏名・配線図・検査結果を記載し、5年間保存する
器具の備付け義務は、営業所の業務範囲によって必要な器具が変わる点がよく出題される。自家用電気工事も扱う営業所は、高圧の電路を扱うことがあるため、低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置まで必要になる。これに対して一般用電気工事のみを扱う営業所は、絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計の3種で足りる。「業務範囲が広いほど、備えるべき器具も増える」という向きで整理すると覚えやすい。

標識の記載事項も、条文の細部が問われやすい。登録電気工事業者の標識に記載すべき事項は、電気工事業法施行規則12条1項1号が次の4項目に限定している。

記載事項内容
氏名等氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
営業所の情報営業所の名称及び当該営業所の業務に係る電気工事の種類
登録の情報登録の年月日及び登録番号
技術者の氏名主任電気工事士等の氏名
ここでよく狙われるのが、「登録の年月日」と「電気工事業を開始した年月日」の取り違えだ。標識に記載されるのはあくまで登録の年月日であって、実際に営業を開始した年月日という項目は、この4つのどこにも列挙されていない。「標識=営業の実態を示す掲示物」という漠然としたイメージで答えず、条文が列挙する4項目に照らして判断する必要がある。

主任電気工事士そのものに「誰がなれるか」も、条文の細部が問われやすい。電気工事業法19条1項は、主任電気工事士になれる者を、第一種電気工事士、又は第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士(6条1項1号〜4号の欠格事由に該当しない者)に限定している。

ここで見落としやすいのが、「電気工事業の登録さえあれば、代表者や従業員なら誰でも主任電気工事士になれる」という誤解だ。認定電気工事従事者や、この科目で扱う電気工事施工管理技士の資格だけでは、19条1項の要件を満たさない。また第二種電気工事士については、免状取得後「3年以上」という実務経験の年数まで正確に押さえておく必要がある。2年の実務経験では、この基準に届かない。

建築基準法 — 用語の定義がよく問われる

建築基準法は建築物そのものの基準を定める法律だが、施工管理の現場では2条の用語の定義がよく問われる。

まず「建築設備」(2条3号)。建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備、又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。

この定義は限定列挙であり、「建物に付いているものなら何でも建築設備」ではない。たとえば避難時に使う誘導灯・誘導標識は、この定義には含まれていない。誘導灯・誘導標識は、次に説明する消防法の側で「避難設備」として規制される仕組みになっており、建築基準法と消防法という別の法律が、建物のさまざまな設備を分担して規制していることが分かる。

次に「特殊建築物」(2条2号)。学校・体育館・病院・劇場・観覧場・集会場・共同住宅・寄宿舎・下宿・工場・倉庫・自動車車庫その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

「特殊」という言葉から劇場や病院のような非日常的な用途だけを連想しがちだが、共同住宅(マンション・アパート等)や寄宿舎も明文で特殊建築物に含まれている。戸建て住宅は含まれないが、複数世帯が同じ建物に居住する共同住宅は、多数の人が利用する建築物として特殊建築物に区分される。「特殊=珍しい用途」ではなく、「多数の者が利用する、又は防火・避難上の配慮が特に必要な用途」という趣旨で捉えると、共同住宅が含まれる理由が見えてくる。

避難に関わる用語も押さえておきたい。「避難階」(施行令13条1号)は、直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。1階が常に避難階とは限らず、傾斜地の建築物などでは2階や地下階にも直接地上へ通じる出入口があれば、その階も避難階になる。

さらに、劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂又は集会場における客席からの出口の戸、及びこれらの用途の建築物の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない(施行令118条・125条2項)。

これは「避難時に開けやすい方向にすべき」という直感とは逆の規制だ。多数の人が一斉に出口へ押し寄せると、内開きの戸は群集の圧力を受けて開かなくなる危険がある。だからこそ、外開き又は引き戸にすることが求められる。「開けやすさ」ではなく「群集雪崩を防ぐ向き」で規制されていると理解しておくと、内開き・外開きのどちらが正しいかで迷わなくなる。

最後に「大規模の修繕」(2条14号)。建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう(大規模の模様替は15号で同様に定義される)。主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のうち、1種類でもその過半を修繕すれば、この定義に当てはまる。

その「主要構造部」(2条5号)自体の定義も、単独で問われることがある。主要構造部とは、壁・柱・床・はり・屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁・間柱・付け柱・揚げ床・最下階の床・小ばり・ひさし・局部的な小階段・屋外階段その他これらに類する部分は、明文で除外されている。

ここでよく狙われるのが、基礎ぐいの扱いだ。基礎ぐいは建物を支える重要な構造部材だが、主要構造部を構成する6要素(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のいずれにも当たらない。「構造上重要な部材=主要構造部」という実質判断ではなく、条文が限定列挙する6要素に該当するかどうかで判断する必要がある。「主要構造部=建物を支える部材全般」という拡大解釈は誤りだと確認しておく。

用語の定義とは別に、建築設備の一種である排煙設備そのものの構造基準(施行令126条の3)も、細部が問われることがある。排煙口には手動開放装置を設けなければならない(同条1項4号)。加えて排煙口には、この手動開放装置又は煙感知器と連動する自動開放装置若しくは遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持する戸を設ける(同項6号)。

ここで見落としやすいのが、自動開放装置と手動開放装置の関係だ。「自動で開くなら手動の仕組みは不要では」という直感が働きやすいが、条文上、両者は代替関係にはない。4号の手動開放装置は独立した要件であり、自動開放装置を設けたからといって省略できるものではない。実際の建物では、火災感知による自動開放(6号)と、避難者や消防隊が手で開ける手動開放(4号)の両方を備えて初めて、条文の要件を満たす。なお、電源を必要とする排煙設備には予備電源も必要になる(同項10号)。

消防法 — 消防用設備等は5つに区分される

消防法施行令7条は、消防用設備等を次のように区分している。

区分根拠代表例
消火設備施行令7条2項消火器、屋内外消火栓設備、スプリンクラー設備、動力消防ポンプ設備など
警報設備施行令7条3項自動火災報知設備、漏電火災警報器、非常ベルなど
避難設備施行令7条4項避難はしご、救助袋、誘導灯、誘導標識
消防用水施行令7条5項防火水槽、これに代わる貯水池
消火活動上必要な施設施行令7条6項排煙設備、連結送水管、非常コンセント設備など
ここでよく狙われるのが、防火水槽の扱いだ。防火水槽は「消火のための水を確保する設備」という点で消火設備の仲間のように感じられるが、施行令7条上は独立した「消防用水」という区分に置かれており、消火設備には含まれない。「消火に関わる設備=すべて消火設備」ではなく、5つの区分のどれに当たるかを条文に沿って確認する必要がある。

警報設備(表の3項)も、列挙されている品目は5類型に限られる。自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器・消防機関へ通報する火災報知設備、そして警鐘・携帯用拡声器・手動式サイレンその他の非常警報器具及び非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン・放送設備)だ。

ここでよく狙われるのが、防災行政無線や構内放送のような「防災無線システム」を警報設備に含めてしまう誤りだ。「火災時に情報を伝える設備」という共通点だけで判断すると、無線・放送を使う設備は何でも警報設備の仲間に思えてくる。だが施行令7条3項が列挙する警報設備はあくまで上記の5類型に限られ、防災無線システムという品目はここに含まれていない。「情報伝達の役割を持つかどうか」ではなく、施行令が列挙する品目に当たるかどうかで判断する必要がある。

非常警報設備(表の警報設備に含まれる非常ベル・自動式サイレン・放送設備)にも、具体的な設置基準がある。消防法施行規則25条の2第2項1号ハは、非常ベル又は自動式サイレンの音響装置について、各階ごとに、その階の各部分から一の音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けることと定めている。

この25mという数字は、感覚的に大きめの数字(50mなど)に置き換えられて出題されやすい。「広い階でも音が届くように」という直感で数字を大きく見積もるのではなく、施行規則の条文にある25mという基準を正確に押さえておく。

設備の区分とは別に、「誰がその工事をしてよいか」という論点もある。消防用設備等の設置に係る工事のうち、消防設備士(甲種又は乙種の免状を有する者)でなければ行ってはならない工事は、消防法施行令36条の2第1項が電源・水源・配管の部分等を除いて限定列挙している。屋内外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の各消火設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、金属製避難はしご(固定式)、救助袋、緩降機がこれに当たる。

ここでよく狙われるのが、非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン・放送設備)の扱いだ。「消防用設備等はすべて専門資格者が工事するはず」という漠然とした印象で判断すると、非常警報設備も消防設備士の独占工事に含まれそうに感じる。だが施行令36条の2第1項の列挙に非常警報設備は含まれておらず、消防設備士でなくても工事を行うことができる。同じ理由で、消火器や漏電火災警報器も、設置工事(1項)の対象ではなく、整備(2項)の対象としてのみ列挙されている点に注意したい。「消防用設備等の区分(消火設備・警報設備等)」と「消防設備士の独占工事の対象」は、重なる部分は多いが同じ範囲ではないと確認しておく。

「非常用」だからといって消防法の設備とは限らない — 非常用の照明装置の位置づけ

紛らわしいのが、非常用の照明装置の扱いだ。「非常用」という言葉から消防法上の設備だと思いがちだが、非常用の照明装置は建築基準法2条3号が定める建築設備(電気設備の一種)であり、その構造基準は建築基準法施行令126条の5に定められている。消防法施行令7条が区分する消防用設備等(消火設備・警報設備・避難設備・消防用水・消火活動上必要な施設)には含まれない。

非常用の照明装置の予備電源については、火災等で停電した場合に自動的に点灯し、充電を行うことなく30分間継続して点灯させることができるものでなければならない(建築基準法施行令126条の5、これに基づく国土交通大臣が定めた構造方法=昭和45年建設省告示第1830号)。

「非常用の照明装置=建築基準法の建築設備、避難はしご・誘導灯=消防法の避難設備」というように、似た場面で使われる設備でも根拠法令が違う点を、この科目の随所で繰り返し確認してきた。予備電源の継続点灯時間(30分間)という数字も、消防法側の非常警報設備の基準(水平距離25m以下)と混同しないよう、どちらの法律のどの数字かをセットで覚えておきたい。

労働基準法 — 労働者名簿と賃金台帳は別の帳簿

労働安全衛生法とは別に、労働基準法にも施工管理者が押さえておくべき規定がある。代表的なものが労働者名簿だ。使用者は各事業場ごとに労働者名簿を調製し、氏名・生年月日・履歴のほか、性別・住所・従事する業務の種類・雇入の年月日・退職の年月日及びその事由・死亡の年月日及びその原因を記入しなければならない(107条、施行規則53条)。

労働者名簿とよく混同されるのが賃金台帳(108条)だ。賃金台帳には基本給・手当の額といった賃金に関する事項を記載するが、これは労働者名簿の記載事項ではない。「労働者名簿=身分に関する記録」「賃金台帳=賃金に関する記録」と、記載する情報の性質で2つの帳簿を区別しておくと、記載事項を問う設問に強くなる。

雇入れの入口の場面にも、押さえておくべき規定がある。使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(15条1項)。そして、この明示された労働条件が実際の労働条件と相違していた場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる(同条2項)。

「契約は簡単には解除できないもの」という一般的な感覚から、労働条件の食い違いがあっても、通常の退職手続きのように一定の予告期間が必要だと思い込みやすい。だが15条2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合に限り、労働者に**即時解除**という強い権利を認めている。使用者側の落ち度(虚偽の労働条件の提示)に対する労働者保護の規定であり、期間満了や使用者の同意を待つ必要はない。なお、就業のために住居を変更した労働者がこの解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければならない(同条3項)。

労働基準法には、休憩時間に関する基本的なルールもある。使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない(34条1項)。休憩時間は原則として一斉に与えなければならないが、労使協定があれば例外が認められ(同条2項)、与えた休憩時間は労働者に自由に利用させなければならない(同条3項)。

ここでよく狙われるのが、「6時間超で45分」と「8時間超で1時間」という2段階の基準の混同だ。8時間を超える場合にも45分でよいと思い込むと誤りになる。また、休憩時間を「使用者が指定した用務にのみ充てさせる時間」だと誤解してもいけない。34条3項が定めるとおり、休憩時間の使い方を労働者本人の自由に委ねることも、あわせて押さえておきたい。

年少者の保護規定 — 「働かせてよい時期」と「働かせても禁止される業務」は別の条文

労働基準法は、年少者(未成年の労働者)を保護するために複数の規定を置いている。まず押さえておきたいのが最低年齢(56条1項)だ。使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。義務教育(中学校)の課程を終える時期に合わせて、就労が許される時期そのものの下限を定めた規定になる。

ここで見落としやすいのが、56条(最低年齢)と、これから見ていく62条(危険有害業務の禁止)の役割の違いだ。56条は「そもそも働かせてよい時期はいつからか」という入口の基準、62条は「働かせてよい年齢に達した後でも、なお禁止される業務は何か」という出口側の基準になる。どちらも年少者の保護規定という共通点があるため1つの条文にまとめて覚えがちだが、規制する場面が異なる別々の条文だと区別しておく必要がある。

満18歳未満の年少者が就いてはならない業務 — 「補助作業」は除外される

56条の最低年齢とは別に、労働基準法62条は、使用者が満18歳に満たない者(年少者)を、厚生労働省令で定める危険有害業務に就かせてはならないと定めている。具体的な業務の範囲は年少者労働基準規則8条に列挙されており、建設現場に関わるものとして次のようなものがある。

  • クレーン、デリック又は揚貨装置の運転の業務(3号)
  • 直流750V、交流300Vを超える電圧の充電電路又はその支持物の点検・修理・操作の業務(8号)
  • クレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務(2人以上の者によって行う玉掛けの業務における補助作業の業務を除く。10号)
  • 土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが5m以上の地穴における業務(23号)
  • 高さが5m以上の場所で、墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務(24号)
  • 足場の組立、解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く。25号)
ここで見落としやすいのが、10号と25号のかっこ書きだ。玉掛けの業務そのもの・足場の組立て等の業務そのものは年少者の就業が禁止されるが、**2人以上で行う玉掛け作業における補助作業**(10号)と**足場の組立て等における地上又は床上での補助作業**(25号)は、条文上明示的にこの禁止から除外されている。「クレーン関連・足場関連の作業だから一律禁止」ではなく、「主たる作業」と「補助作業」を条文の文言どおりに区別する必要がある。また8号が禁止するのは、あくまで直流750V・交流300Vを超える電圧の作業であり、交流200Vのようにこの基準に満たない電圧の点検・修理・操作は禁止業務に当たらない。年少者労働基準規則8条は、労働安全衛生法施行令6条(作業主任者の選任対象)と同じく、列挙されている号を条文で確認する姿勢が問われる分野だ。

業務上の負傷による解雇制限と打切補償 — 「3年経過」だけでは解雇できない

労働基準法には、業務上の傷病で療養している労働者を守るための規定もある。19条1項は、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間(産前産後の女性が65条の規定によって休業する期間及びその後30日間も同様)は、解雇してはならないと定めている(解雇制限)。

この解雇制限には例外があるが、条件は限定されている。19条1項ただし書は、使用者が81条の規定によって打切補償を支払う場合、又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合に限り、解雇制限が及ばないと定めている。そして81条は、療養補償(75条)を受けている労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合、使用者は平均賃金の1,200日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよいと定める。

ここで見落としやすいのが、「療養開始後3年を経過すれば、それだけで無条件に解雇できる」という誤解だ。19条1項ただし書が求めているのは、あくまで81条の打切補償(平均賃金1,200日分)を実際に支払うことであって、単に3年という期間が経過するだけでは解雇制限は解除されない。「3年経過」は打切補償を行うための前提条件の1つにすぎず、そこに平均賃金1,200日分の支払いという具体的な給付が組み合わさって初めて、解雇制限の例外が成立する。「期間が経過したから解雇してよい」という単純化ではなく、「期間の経過」と「打切補償の支払い」の両方がそろって初めて解雇制限が解けると理解しておく必要がある。

建築物省エネ法 — 「エネルギー消費性能」の評価対象は4種の建築設備に限られる

ここで取り上げるのが、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)だ。この法律は、建築物の省エネ性能の確保を目的とし、一定規模以上の建築物の新築等について、エネルギー消費性能基準への適合を求める仕組みを持つ。

同法2条1項2号は「エネルギー消費性能」を、建築物の一定の条件での使用に際し消費されるエネルギーのうち、空気調和設備等(建築物に設ける空気調和設備その他の政令で定める建築設備)において消費されるものの量を基礎として評価される性能と定義する。そして、この「空気調和設備等」の具体的な範囲は、同法施行令1条が次の4種に限定している。

対象となる建築設備
1号空気調和設備その他の機械換気設備
2号照明設備
3号給湯設備
4号昇降機
電気設備を扱う施工管理者の視点では、変圧器やキュービクルのような受変電設備も「エネルギーに関わる設備」として評価対象に含まれそうに感じるかもしれない。だが施行令1条が定める評価対象は、空気調和設備(機械換気設備を含む)・照明設備・給湯設備・昇降機の4種に限定されており、変圧器のような電力を変換するだけの設備はここに含まれない。建築物省エネ法が着目しているのは「建築物の使用に伴って消費されるエネルギー」であって、受変電設備は建物の使用そのものというより電力供給のインフラという性格が強いため、評価の枠組みからは外れている。「エネルギーに関わる設備=すべて評価対象」ではなく、施行令が列挙する4種に該当するかどうかで判断する必要がある。

省エネ法 — 建築物省エネ法とは別の法律が定める「トップランナー制度」

紛らわしいことに、建築物省エネ法とは別に、機器そのものの省エネ性能を規制する法律がもう1つある。エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(通称:省エネ法)だ。この法律は、自動車その他我が国で大量に使用され、かつエネルギー消費性能の向上が特に必要な機器を特定エネルギー消費機器として政令で定め、その機器を製造する事業者等が目指すべきエネルギー消費性能向上の判断基準を経済産業大臣が定めて公表する仕組みを持つ(149条)。これがいわゆるトップランナー制度だ。

省エネ法施行令18条は、特定エネルギー消費機器として乗用自動車・エアコンディショナー・照明器具・電気冷蔵庫・変圧器(定格一次電圧が600Vを超え7,000V以下で交流の電路に使用されるもの)・交流電動機(籠形三相誘導電動機)・電気温水機器など29品目を列挙している。

建築物省エネ法(エネルギー消費性能の評価対象=空気調和設備等4種)と、省エネ法のトップランナー制度(特定エネルギー消費機器=施行令18条の29品目)は、名前が似ているため同じ制度だと混同しやすいが、根拠法令も対象範囲も異なる**別の制度**だ。トップランナー制度の対象品目には変圧器・交流電動機・電気温水機器が含まれる一方、同じ受変電設備でも**高圧進相コンデンサはこの列挙に含まれていない**。「電力を扱う機器だから対象のはず」という直感ではなく、施行令18条の列挙に当たるかどうかで判断する必要がある。

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法) — 特定建設資材は4種類だけ

次に、解体工事や新築工事に関わる法律をもう1つ取り上げる。建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)は、建築物等の解体工事等について、建設資材廃棄物の分別解体等及び再資源化等を促進するための法律だ。

この法律が定める「特定建設資材」(2条5項)は、コンクリート、木材その他建設資材のうち、再資源化が特に必要で、かつ経済性の面で制約が著しくないものとして政令で定めるものをいう。具体的な範囲は同法施行令1条が次の4種に限定している。

特定建設資材
1号コンクリート
2号コンクリート及び鉄から成る建設資材
3号木材
4号アスファルト・コンクリート
電材商社が扱うCVTケーブルのような電線・ケーブル類は、金属(銅)を含む資材ではあるが、この4種のいずれにも当たらず、特定建設資材には含まれない。「リサイクルが必要な建設資材=特定建設資材」という広い理解ではなく、施行令1条が限定列挙する4種に該当するかどうかで判断する必要がある。建築物省エネ法の評価対象(空気調和設備等の4種)と同じく、「政令が数を絞って列挙している」という条文の構造に注意したい。

騒音規制法 — 「7日前までの届出」と「敷地境界線で85デシベル」

最後に、電気工事の現場で発電機やコンクリートカッターなどを使う場面で関わってくる騒音規制法を取り上げる。この法律は、工場・事業場における事業活動や建設工事に伴って発生する騒音について必要な規制を行うことなどにより、生活環境を保全することを目的とする。建設工事との関係では、第3章の「特定建設作業に関する規制」が実務上のポイントになる。

指定地域内において特定建設作業(さく岩機・くい打機・びょう打機・空気圧縮機・コンクリートプラント等を使用する作業のうち、政令(騒音規制法施行令2条・別表第二)で定めるもの)を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該作業の開始の日の7日前までに、氏名又は名称・工事の種類・作業の場所及び実施の期間・騒音の防止の方法等を市町村長に届け出なければならない(14条1項)。ただし、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合はこの限りでなく、その場合は速やかに事後の届出を行う(同項ただし書・2項)。

「7日前までに届け出る」という事前手続きの構造は、電気事業法48条が定める工事計画の届出(受理から30日を経過するまで着工できない)と似ている。どちらも「届出=事後報告でよい軽い手続き」ではなく、着工前に一定の期間を織り込んでおかなければならない手続きだという点で共通する。工程表を組む段階で、この7日間を見込んでおく必要がある。

届出だけでなく、実際の騒音の大きさにも基準がある。市町村長は、指定地域内の特定建設作業に伴う騒音が、環境大臣の定める基準に適合しないことにより周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、施工者に対し騒音の防止方法の改善又は作業時間の変更を勧告・命令できる(15条)。この環境大臣の定める基準(特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準)は、特定建設作業の騒音が、その作業の場所の敷地の境界線において85デシベルを超える大きさのものでないことを定めている。

数値基準は、非常ベルの水平距離25m以下(消防法施行規則25条の2)や土止め支保工の点検頻度7日をこえない期間ごと(労働安全衛生規則373条)と同じく、記憶違いで別の数字に置き換えられやすい。85デシベルという数字を、敷地境界線という測定場所とセットで正確に押さえておきたい。

廃棄物処理法 — 解体工事で出るごみは、品目ごとに産業廃棄物かどうかが分かれる

最後にもう1つ、解体工事や改修工事に必ず関わってくる廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)を取り上げる。この法律は、廃棄物を事業活動に伴って生じたもののうち法令で指定されたもの(産業廃棄物)と、それ以外の一般廃棄物に大別する(2条2項・4項)。工作物の除去(解体工事)に伴って生じる廃棄物は、この区分が実務上のポイントになる。

廃棄物処理法施行令2条は、産業廃棄物の種類を品目ごとに列挙しているが、品目によって「建設業由来のものに限る」という限定が付くかどうかが異なる。

品目産業廃棄物になる条件
紙くず(1号)建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)等
木くず(2号)建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)等
繊維くず(3号)建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)等
金属くず(6号)発生源を問わず産業廃棄物
ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず(7号)発生源を問わず産業廃棄物
ここでよく狙われるのが、紙くずの扱いだ。紙くずは家庭や事務所からも日常的に出るごみのイメージが強く、一般廃棄物だと思い込みやすい。だが廃棄物処理法施行令2条1号は、建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)を産業廃棄物に指定しており、解体工事で生じた紙くずは一般廃棄物ではなく産業廃棄物になる。木くず・繊維くずも同じ限定付きで産業廃棄物に区分される。一方、金属くずやガラスくず・コンクリートくずには、この「建設業に係るもの」という限定が付いておらず、発生源を問わず産業廃棄物として扱われる。「紙くず・木くず・繊維くず=建設業由来に限る」「金属くず・ガラスくず等=無条件」という2グループの違いを区別しておく必要がある。

ここで見落としやすいのが、建設発生土(残土)の扱いだ。廃棄物処理法2条1項は「廃棄物」を、ごみ・粗大ごみ・燃え殻・汚泥・ふん尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体その他の汚物又は不要物であって固形状又は液状のものと定義しており、この列挙に「土砂」は含まれていない。

建設現場から出るものはすべて建設業由来の産業廃棄物になりそうに感じられるが、通常の性状(乾いた土砂)の建設発生土は、そもそも廃棄物処理法上の「廃棄物」の定義自体に該当しないため、産業廃棄物にもならない(国土交通省「建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料」)。「建設現場から出るもの=すべて産業廃棄物」という発想ではなく、まず廃棄物処理法上の「廃棄物」の定義に当たるかどうかを確認する必要がある。ただし、含水率が高く泥状になったもの(建設汚泥)は無機性の汚泥として別途産業廃棄物に区分されるため、「土砂だから常に対象外」という単純化もしないよう注意したい。

産業廃棄物の中には、さらに規制の厳しい特別管理産業廃棄物という区分がある。産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものが、これに指定される(2条5項)。廃油については、引火点が70度未満のものが特別管理産業廃棄物(廃油)に当たる(施行令2条の4第1号)。灯油の引火点は70度を大きく下回るため、灯油類の廃油はこの基準に当てはまり、特別管理産業廃棄物として扱われる。

「特別管理産業廃棄物」という言葉から、産業廃棄物とは別に新設された第三のカテゴリーのように感じられるかもしれないが、これは誤りだ。特別管理産業廃棄物は、あくまで産業廃棄物の中でもとくに危険性の高いものを指す内側の区分であり、産業廃棄物の外側にある別カテゴリーではない。「産業廃棄物の中に、さらに規制が厳しい特別管理産業廃棄物という一群がある」という入れ子の構造で理解しておくと、この分野の設問に強くなる。

環境基本法 — 「公害」は7種類に限定列挙されている

最後にもう1つ、個別の規制法ではなく環境政策全体の基本理念を定める環境基本法を取り上げる。この法律1条は、環境の保全について基本理念を定め、国・地方公共団体・事業者・国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることを目的とする。法規科目で問われるのは、もっぱら2条3項が定める「公害」の定義だ。

環境基本法2条3項は「公害」を、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く)・悪臭の7種類によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることと定義する。この7種類はいわゆる「典型七公害」と呼ばれ、限定列挙になっている。

「公害」という言葉の響きから、生活環境に影響を与える現象は何でも当てはまりそうに感じられ、テレビ電波の受信障害のような身近な現象も公害の一種だと連想しやすい。だが環境基本法2条3項が定める公害の要因は、大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下・悪臭の7種類に限定列挙されており、電波障害(妨害電波)はこの列挙のいずれにも当たらない。「生活環境への被害=公害」という発想ではなく、条文が列挙する7種類に当たるかどうかで判断する必要がある。

電材商社の現場で、この10法がどう効いてくるか

電気工事業者と取引するとき、その業者が自家用電気工事まで扱う登録なのか、一般用電気工事のみの登録なのかによって、現場で扱える工事の範囲や、営業所に備えているべき測定器具の水準が変わってくる。また、消防用設備や建築設備に関わる資材を提案する場面では、「これは建築基準法上の建築設備か、消防法上の消防用設備等か」を意識しておくと、提案先の担当部署や必要な手続きの見当がつけやすくなる。省エネ改修の相談を受けた場面でも、提案する設備が建築物省エネ法の評価対象(空気調和設備等)に当たるのか、それとも省エネ法のトップランナー制度の対象品目(変圧器・交流電動機など)に当たるのかを区別しておくと、発注者への説明に具体性が出る。解体・改修工事に立ち会う場面では、発生する廃材が建設リサイクル法の特定建設資材(コンクリート・木材など)に当たるかどうか、そして解体で生じる紙くず・木くずのような廃棄物が廃棄物処理法上の産業廃棄物に当たるかどうかも、分別解体・産業廃棄物の処理計画を理解するうえでの視点になる。

法規科目は建設業法・電気工事士法・電気事業法・労働安全衛生法・道路法という「よく出る5法」がやはり中心だが、電気工事業法・建築基準法・消防法・労働基準法・建築物省エネ法・省エネ法・建設リサイクル法・騒音規制法・廃棄物処理法・環境基本法のような周辺の法律も、毎回コンスタントに顔を出す。それぞれの法律が「何を、誰を規制しているか」という一言の骨格さえ押さえておけば、条文の細部を丸暗記しなくても、選択肢を絞り込めるようになる。

この資格を取ったあと、現場で何が変わるか

この資格を取ったあと、現場で扱う法令が建設業法・電気工事士法・電気事業法だけではないと分かっているからこそ、消防検査の立ち会いで「これは消火設備ですか、それとも消防用水の扱いですか」と、防火水槽を消火設備に紛れ込ませるような誤解を自分で正せるようになる。5法だけを固めた同僚が見落とす論点を、あなたは拾える立場に変わる。

取引先の電気工事業者と話すときも、「その営業所は自家用電気工事も扱う登録ですか」と一歩踏み込んで確認できるようになる。営業所が備えるべき器具の水準は自家用電気工事を扱うかどうかで変わると知っているからこそ、その業者が対応できる工事の範囲を、許可証を見るだけでなく、備えている測定器具の水準からも見当づけられる。

労働基準監督署の調査が入るような場面でも、労働者名簿と賃金台帳が別の帳簿であることを理解しているので、「この記載事項はどちらの帳簿の話か」を整理して現場の担当者に説明できる。電材商社の立場からも、建築設備と消防用設備等のどちらに該当する資材かを意識して提案できるようになり、提案先の担当部署を見誤るような手戻りが減っていく。

冒頭の疑問、5法だけでは足りない理由。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 電気工事業者が営業所に備えるべき器具を、業務内容にかかわらず一律だと思い込む

    なぜ引っかかる『備え付けるべき器具』という1つのルールとして覚えると、営業所の業務内容による違いを見落としやすい

    見破り方電気工事業法施行規則11条は、自家用電気工事の業務を行う営業所(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計に加え低圧検電器・高圧検電器等が必要)と、一般用電気工事のみの業務を行う営業所(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計の3種で足りる)とで、必要な器具の範囲が異なると確認する。低圧検電器は前者にのみ必要で、一般用電気工事のみの営業所には不要

  2. 登録電気工事業者の標識に記載する事項に、『電気工事業を開始した年月日』が含まれると思い込む

    なぜ引っかかる標識は営業の実態を示す掲示物という印象から、『いつから営業しているか』が当然含まれていそうに感じられる

    見破り方電気工事業法施行規則12条1項1号が定める登録電気工事業者の標識の記載事項は、氏名又は名称及び代表者の氏名、営業所の名称及び業務に係る電気工事の種類、登録の年月日及び登録番号、主任電気工事士等の氏名の4項目に限られると確認する。記載されるのは『登録の年月日』であって『電気工事業を開始した年月日』ではない。両者を同じものだと思い込むと選択肢を誤る

  3. 建築基準法上の『建築設備』を、建物に付属するものすべてだと拡大解釈する

    なぜ引っかかる建築設備という言葉の響きから、避難や案内に関わる設備も含めて『建物に付いているもの全般』を指すと連想しやすい

    見破り方建築基準法2条3号が定める建築設備は、電気・ガス・給水・排水・換気・暖房・冷房・消火・排煙・汚物処理の設備、又は煙突・昇降機・避雷針に限定列挙されていると確認する。誘導灯・誘導標識のような避難誘導のための設備は、この定義には含まれず、消防法上の避難設備として別枠で扱われる

  4. 共同住宅を、特殊建築物には含まれない一般的な住宅の一種だと思い込む

    なぜ引っかかる『特殊』という言葉から、劇場や病院のような非日常的な用途の建物だけを連想し、住宅という身近な用途は含まれないと錯覚しやすい

    見破り方建築基準法2条2号が定める特殊建築物には、学校・体育館・病院・劇場・観覧場・集会場に加えて、共同住宅・寄宿舎・下宿も明文で列挙されていると確認する。戸建て住宅は特殊建築物に含まれないが、共同住宅(マンション・アパート等)は含まれる

  5. 劇場や集会場の客席からの出口の戸を、避難時に素早く開けやすい内開きにするのが安全だと思い込む

    なぜ引っかかる『開けやすい方向にすれば避難しやすいはず』という直感が先に立ち、内開き・外開きのどちらが危険かを逆に捉えやすい

    見破り方建築基準法施行令118条は、劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂又は集会場における客席からの出口の戸を内開きとしてはならないと定めていると確認する。避難時に人が出口に殺到すると、内開きの戸は群集の圧力で開かなくなる危険があるため、あえて内開きを禁止している。『開けやすさ』ではなく『群集雪崩を防ぐ向き』で規制されていると理解する

  6. 避難階を、1階(地上に最も近い階)のことだと思い込む

    なぜ引っかかる『避難階=地上に出やすい階』という直感から、常に1階を指すと連想しやすい

    見破り方建築基準法施行令13条1号は、避難階を『直接地上へ通ずる出入口のある階』と定義していると確認する。傾斜地に建つ建物などでは、1階以外の階(2階や地下1階)にも直接地上へ出られる出入口があり、その階も避難階になりうる。『1階=避難階』という単純な対応ではなく、出入口の有無で判断する

  7. 消防法上の警報設備に、防災行政無線や構内放送のような『防災無線システム』も含めてしまう

    なぜ引っかかる『火災時の情報伝達』という共通の役割から、無線・放送を使う設備は何でも警報設備に含まれそうに感じられる

    見破り方消防法施行令7条3項が定める警報設備は、自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器・消防機関へ通報する火災報知設備・非常警報器具及び非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン・放送設備)の5類型に限定列挙されていると確認する。『防災無線システム』という品目はこの列挙のいずれにも当たらず、消防法上の消防用設備等(警報設備)には含まれない

  8. 消防用設備等の『消火設備』に、消防用水(防火水槽など)まで含めてしまう

    なぜ引っかかるどちらも『火災に備える設備』という同じ目的のため、消防法施行令7条の中での分類(消火設備/消防用水)の違いを見落としやすい

    見破り方消防法施行令7条は、消火設備(2項:消火器・屋内外消火栓設備・スプリンクラー設備・動力消防ポンプ設備など)と、消防用水(5項:防火水槽又はこれに代わる貯水池その他の用水)を別の項で定めていると確認する。防火水槽は『用水の確保』が目的の消防用水であって、消火設備そのものではない

  9. 労働者名簿と賃金台帳を同じ帳簿だと思い込み、記載事項を混同する

    なぜ引っかかるどちらも『事業場が労働者について備える帳簿』という共通点があるため、記載事項が重なると錯覚しやすい

    見破り方労働者名簿(107条・施行規則53条)は氏名・生年月日・履歴・性別・住所・従事する業務の種類・雇入年月日・退職事由等、身分に関する事項を記載する帳簿だと確認する。基本給・手当の額のような賃金に関する事項は、別の帳簿である賃金台帳(108条)の記載事項であり、労働者名簿には含まれない

  10. 非常ベルの音響装置の水平距離基準を、記憶違いで50mなど別の数字に置き換えてしまう

    なぜ引っかかる『広い階でも音が届くように』という感覚的なイメージが先に立ち、正確な数値を条文で確認せずに大きめの数字を当てはめやすい

    見破り方消防法施行規則25条の2第2項1号ハは、非常ベル又は自動式サイレンの音響装置について、各階ごとにその階の各部分から一の音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けることと定めていると確認する。50mのような別の数字が出てきたら誤りだと見抜く

  11. 非常用の照明装置を、消防法上の消防用設備等(警報設備や避難設備)の一種だと誤解する

    なぜ引っかかる『非常用』『火災時に使う設備』という共通点から、消防法が定める消防用設備等の一種だと連想しやすい

    見破り方非常用の照明装置は建築基準法2条3号が定める『建築設備』(電気設備の一種)であり、建築基準法施行令126条の5にその構造基準が定められていると確認する。消防法施行令7条が区分する消防用設備等(消火設備・警報設備・避難設備・消防用水・消火活動上必要な施設)には、非常用の照明装置は含まれていない

  12. 非常用の照明装置の予備電源について、継続点灯時間の基準を30分以外の数字(1時間など)だと思い込む

    なぜ引っかかる非常用エレベーターの予備電源(1時間)など、建築基準法には他にも予備電源に関する基準があり、数字を混同しやすい

    見破り方非常用の照明装置の予備電源は、充電を行うことなく継続して30分間、非常用の照明装置を点灯させることができるものでなければならないと、建築基準法施行令126条の5に基づく国土交通大臣が定めた構造方法(昭和45年建設省告示第1830号)に定められていると確認する

  13. 建築物省エネ法のエネルギー消費性能の評価対象に、変圧器やキュービクルのような受変電設備を含めてしまう

    なぜ引っかかる電気設備全般を扱う施工管理者の視点では、電力を消費・変換する機器はすべて評価対象に含まれそうに感じられる

    見破り方建築物省エネ法2条1項2号及び同法施行令1条は、エネルギー消費性能の評価対象となる建築設備(空気調和設備等)を、空気調和設備その他の機械換気設備・照明設備・給湯設備・昇降機の4種に限定していると確認する。変圧器は電力を変換する設備ではあるが、この4種のいずれにも当たらず、評価対象には含まれない

  14. 満18歳未満の年少者が就いてはならない業務を、クレーンの運転など『操作系の業務』だけだと思い込み、玉掛けの補助作業も一律に禁止されると誤解する

    なぜ引っかかるクレーン関連の業務がまとめて禁止されているという印象から、玉掛け作業全般(補助作業を含む)が対象だと連想しやすい

    見破り方年少者労働基準規則8条10号は、クレーン等の玉掛けの業務を年少者の就業制限業務としつつ、『二人以上の者によつて行う玉掛けの業務における補助作業の業務を除く』とかっこ書きで明示的に除外していると確認する。玉掛けの主作業は禁止されるが、複数人で行う玉掛けの補助作業は禁止対象に含まれない

  15. 年少者の就業制限業務のリストを、クレーン・感電・玉掛け・高所墜落の4項目だけだと思い込み、足場の組立て・解体や、深さのある地穴の業務を見落とす

    なぜ引っかかる労働安全衛生法施行令6条が定める作業主任者の選任対象(足場・地穴の掘削等)と、年少者労働基準規則8条が定める年少者の就業制限業務は別の条文だが、どちらも建設現場の危険作業を列挙するリストのため、片方だけを覚えて満足しやすい

    見破り方年少者労働基準規則8条23号は『土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが5メートル以上の地穴における業務』を、同条25号は『足場の組立、解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く。)』を、それぞれ独立した禁止業務として列挙していると確認する。クレーン運転(3号)・感電の危険がある業務(8号)・玉掛け(10号)・高所墜落(24号)だけでなく、この2項目も年少者の就業制限業務に含まれる

  16. 年少者の就業制限業務における電圧の基準(8号)を、基準未満の電圧にも当てはめてしまう

    なぜ引っかかる『感電の危険がある電圧の作業は年少者に禁止されているはず』という漠然とした印象で、具体的な電圧の数字を確認せずに判断しやすい

    見破り方年少者労働基準規則8条8号が禁止するのは、直流にあっては750V、交流にあっては300Vを超える電圧の充電電路等の点検・修理・操作の業務に限られると確認する。交流200Vのように、この基準に満たない電圧の作業は禁止業務に当たらず、満18歳未満の者でも従事できる

  17. 労働時間が8時間を超える場合の休憩時間を、45分だと思い込む

    なぜ引っかかる『6時間超で45分』という数字が先に印象に残り、8時間を超えたときも同じ45分でよいと錯覚しやすい

    見破り方労働基準法34条1項は、6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならないと、労働時間の長さに応じて2段階の基準を定めていると確認する。45分はあくまで6時間超8時間以下の場合の基準であり、8時間を超えたら1時間に切り替わる

  18. 建築基準法上の『主要構造部』に、基礎ぐいのような建物を支える構造部材まで含めてしまう

    なぜ引っかかる『主要』『構造』という言葉の響きから、建物の強度を支える部材はすべて含まれそうに感じられる

    見破り方建築基準法2条5号が定める主要構造部は、壁・柱・床・はり・屋根・階段の6要素に限定列挙されていると確認する。基礎ぐいはこの6要素のいずれにも当たらず、主要構造部には含まれない。『構造上重要かどうか』という実質判断ではなく、条文が列挙する6要素に当たるかどうかで判断する

  19. 建設リサイクル法の特定建設資材に、金属製の資材(電線・ケーブル、鋼材など)まで幅広く含めてしまう

    なぜ引っかかる『再資源化すべき建設資材』という趣旨から、リサイクル可能な資材は何でも対象になりそうに感じられる

    見破り方建設リサイクル法施行令1条が定める特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4種に限定されていると確認する。電線・ケーブル類はこの4種のいずれにも当たらず、特定建設資材には含まれない

  20. 電気工事業者の登録があれば、その代表者や従業員なら誰でも主任電気工事士になれると思い込む

    なぜ引っかかる『主任』という肩書きから、事業者内部の管理職であれば資格を問わず就ける役職だと連想しやすい

    見破り方電気工事業法19条1項は、主任電気工事士になれる者を、第一種電気工事士、又は第二種電気工事士免状取得後3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士に限定していると確認する。認定電気工事従事者や電気工事施工管理技士の資格だけでは、この要件を満たさない

  21. 明示された労働条件が事実と相違する場合でも、労働者は労働契約の期間満了を待たなければ解除できないと思い込む

    なぜ引っかかる『契約は途中で簡単に解除できないもの』という一般的な感覚から、労働条件の食い違いという理由があっても、通常の退職手続きのように一定期間を要すると連想しやすい

    見破り方労働基準法15条2項は、使用者が明示した労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができると定めていると確認する。『即時に解除できない』という選択肢が出てきたら、この2項の向きを逆に読ませる誤りだと見抜く。なお、就業のために住居を変更した労働者がこの解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければならない(同条3項)

  22. 省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)のトップランナー制度の対象品目を、建築物省エネ法の評価対象(空気調和設備等4種)と同じ枠組みだと混同する

    なぜ引っかかるどちらも『省エネ』という同じ言葉を含む法律のため、対象となる設備の範囲も同じだと錯覚しやすい

    見破り方建築物省エネ法は建築物に設ける空気調和設備等(機械換気設備・照明設備・給湯設備・昇降機の4種)を評価対象とする別の法律であり、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)149条・同法施行令18条が定めるトップランナー制度の対象(特定エネルギー消費機器)とは根拠法令も対象品目も異なると確認する。施行令18条は乗用自動車・エアコンディショナー・電気冷蔵庫・変圧器(定格一次電圧600V超7,000V以下)・交流電動機(籠形三相誘導電動機)・電気温水機器など29品目を列挙しているが、高圧進相コンデンサはこの列挙に含まれていない

  23. 特定建設作業の実施の届出(騒音規制法14条)を、工事の完了後に事後報告すればよい手続きだと思い込む

    なぜ引っかかる電気事業法の工事計画届出など『届出=事後報告でもよい』手続きも一部にはあるため、この届出も同じ感覚で捉えやすい

    見破り方騒音規制法14条1項は、指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに市町村長へ届け出なければならないと定めていると確認する。事後報告が認められるのは、災害その他非常の事態により緊急に特定建設作業を行う必要がある場合に限られる(同条1項ただし書・2項)という例外にすぎない

  24. 騒音規制法上の特定建設作業の騒音基準を、届出の窓口である市町村ごとにばらばらな数値だと思い込む、あるいは記憶違いで85デシベル以外の数字に置き換えてしまう

    なぜ引っかかる届出先が市町村長であることから、基準値そのものも市町村ごとの条例で個別に定められていると連想しやすい

    見破り方騒音規制法15条1項は、環境大臣が定める基準に適合しないことにより生活環境が著しく損なわれると認めるときに市町村長が勧告・命令できると定めており、その環境大臣の定める基準(特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準)は、特定建設作業の場所の敷地の境界線において85デシベルを超える大きさのものでないことという、全国一律の数値基準だと確認する

  25. 解体工事などで生じた紙くず・木くず・繊維くずを、一般廃棄物だと思い込む

    なぜ引っかかる紙くず・木くずは家庭や事務所からも日常的に出るごみのイメージが強く、一般廃棄物という印象を持ちやすい

    見破り方廃棄物処理法施行令2条1号〜3号は、紙くず・木くず・繊維くずについて『建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)』を産業廃棄物に指定していると確認する。工作物の除去(解体工事)に伴って生じた紙くず・木くずは、家庭ごみとは異なり産業廃棄物として扱われる

  26. 建設工事に伴って生じた土砂(建設発生土)を、紙くず・木くずのように建設業由来の産業廃棄物だと思い込む

    なぜ引っかかる『建設現場から出るもの=建設業に係る産業廃棄物』という発想から、土砂も紙くず・木くずと同列に扱ってしまいやすい

    見破り方廃棄物処理法2条1項が定める『廃棄物』の列挙(ごみ・粗大ごみ・燃え殻・汚泥・ふん尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体その他の汚物又は不要物)に『土砂』は含まれていないと確認する。通常の性状の建設発生土(乾いた土砂)は、そもそも廃棄物処理法上の『廃棄物』の定義に該当しないため、産業廃棄物にもならない。含水率が高く泥状になったもの(建設汚泥)は無機性の汚泥として別途産業廃棄物に区分される点と混同しないようにする

  27. 金属くずも、紙くず・木くずと同じく『建設業由来のものに限り』産業廃棄物になると思い込む

    なぜ引っかかる同じ『不要物』という括りで紙くず・木くず・繊維くずと並んで登場するため、産業廃棄物になる条件も同じ(建設業由来に限る)だと錯覚しやすい

    見破り方廃棄物処理法施行令2条6号(金属くず)には、紙くず・木くず・繊維くず(1号〜3号)にあるような『建設業に係るもの』という限定が付されていないと確認する。金属くずは発生源を問わず産業廃棄物に当たる

  28. 特別管理産業廃棄物を、産業廃棄物とは別の独立したカテゴリーの廃棄物だと誤解する

    なぜ引っかかる『特別管理』という言葉の響きから、産業廃棄物とは別に新設された第三の区分のように感じられる

    見破り方廃棄物処理法2条5項は、特別管理産業廃棄物を『産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもの』と定義していると確認する。特別管理産業廃棄物は産業廃棄物の外側にある別カテゴリーではなく、産業廃棄物の中でもとくに危険性の高いものを指す内側の区分になる。廃油については、引火点が70度未満のものがこれに当たる(施行令2条の4第1号)

  29. 業務上負傷し療養のために休業する労働者について、休業期間が一定年数を経過すれば使用者が無条件で解雇できると思い込む

    なぜ引っかかる『長期間休んでいるなら解雇もやむを得ない』という実務的な感覚から、期間の経過だけで解雇が自由になると連想しやすい

    見破り方労働基準法19条1項は、業務上負傷し療養のため休業する期間及びその後30日間は解雇してはならないと定めたうえで、例外は使用者が81条の打切補償(平均賃金1,200日分)を支払う場合、又は天災事変等で事業の継続が不可能になった場合に限られると確認する。療養開始後3年を経過しただけでは足りず、打切補償の支払いという具体的な行為が必要になる

  30. 打切補償(81条)を、単なる期間経過による解雇制限の解除だと捉え、平均賃金1,200日分の支払いという内容を見落とす

    なぜ引っかかる『打切』という言葉から、一定期間が過ぎれば自動的に補償関係が打ち切られる制度だとイメージしやすい

    見破り方81条は、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合に、使用者が平均賃金の1,200日分の打切補償を行うことで、その後の補償義務を免れると定めていると確認する。単に3年が経過するだけでは打切補償にならず、1,200日分の支払いという具体的な給付が要件になる

  31. 排煙口に煙感知器と連動する自動開放装置を設ければ、手動開放装置は省略できると思い込む

    なぜ引っかかる『自動化されているなら手動の仕組みは不要のはず』という直感が働きやすく、自動と手動を代替関係だと錯覚しやすい

    見破り方建築基準法施行令126条の3第1項4号は、排煙口に手動開放装置を設けることを独立した要件として定めていると確認する。同項6号が定める『自動開放装置等により開放された場合を除き閉鎖状態を保持する戸』の規定は、自動開放装置があれば手動開放装置が不要になるという意味ではなく、両方の装置を備えたうえで、いずれかによる開放がない限り戸を閉鎖状態に保つという構造だと理解する

  32. 消防設備士でなければ行ってはならない工事の対象に、非常警報設備(非常ベル等)や消火器も含めてしまう

    なぜ引っかかる『消防用設備等はすべて専門資格者が工事するはず』という漠然とした印象から、消防用設備等の区分(消火設備・警報設備等)がそのまま消防設備士の独占工事の範囲にも当てはまると錯覚しやすい

    見破り方消防法施行令36条の2第1項は、消防設備士でなければ行ってはならない工事の対象を、屋内外消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧/泡/不活性ガス/ハロゲン化物/粉末消火設備・自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・金属製避難はしご(固定式)・救助袋・緩降機に限定列挙していると確認する。非常警報設備はこの列挙に含まれておらず、消火器・漏電火災警報器も設置工事の対象(1項)ではなく整備の対象(2項)としてのみ列挙されている

  33. 労働基準法上の年少者に関する規定を62条(危険有害業務の禁止)だけだと思い込み、56条(最低年齢)の存在を見落とす

    なぜ引っかかる『年少者の保護規定』を一括りにすると、就労が許される年齢の下限(いつから働けるか)と、就労中でも禁止される業務の範囲(何をさせてはいけないか)という、規制の対象が異なる2つの条文を1つの規定だと混同しやすい

    見破り方労働基準法56条1項は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、使用者はこれを使用してはならないと定めていると確認する。62条(満18歳未満の者に就かせてはならない危険有害業務)とは規制する場面が異なる別の条文であり、56条は『そもそも働かせてよい時期』、62条は『働かせてよい年齢に達した後でも禁止される業務』を定めている

  34. 環境基本法上の『公害』に、電波障害(妨害電波)のような無線通信への影響も含めてしまう

    なぜ引っかかる『公害』という言葉から、生活環境に影響を与える現象は何でも当てはまりそうに感じられ、テレビ電波の受信障害のような身近な現象も公害の一種だと連想しやすい

    見破り方環境基本法2条3項は『公害』を、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下・悪臭の7種類(典型七公害)に限定列挙していると確認する。電波障害はこの7種類のいずれにも当たらず、環境基本法上の公害には含まれない

参考文献・出典

理解度チェック(44問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、44問で確認しよう。 内訳は基本12問・応用6問・ひっかけ26問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 44 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)は、電気工事業を営む者の登録等及びその業務の規制を行うことにより、その業務の適正な実施を確保し、一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安の確保に資することを目的とする(1条)
  2. 電気工事業者は、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置かなければならない(19条1項)。主任電気工事士は、一般用電気工事による危険及び障害が発生しないよう作業の管理を行い、作業に従事する者はその指示に従わなければならない(20条)
  3. 電気工事業者は、営業所ごとに絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定める器具を備えなければならない(24条)。自家用電気工事の業務を行う営業所では絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計に加え低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置が必要だが、一般用電気工事のみの業務を行う営業所では絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計の3種で足りる(電気工事業法施行規則11条)。低圧検電器は一般用電気工事のみの営業所には備付け義務がない
  4. 電気工事業者は、その営業所ごとに帳簿を備え、電気工事ごとに注文者の氏名、工事の種類・施工場所、施工年月日、主任電気工事士等及び作業者の氏名、配線図、検査結果を記載し、記載の日から5年間保存しなければならない(26条、電気工事業法施行規則13条)
  5. 電気工事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その営業所及び電気工事の施工場所ごとに、見やすい場所に標識を掲げなければならない(25条)。登録電気工事業者の標識に記載すべき事項は、(1)氏名又は名称及び法人にあってはその代表者の氏名、(2)営業所の名称及び当該営業所の業務に係る電気工事の種類、(3)登録の年月日及び登録番号、(4)主任電気工事士等の氏名の4項目(電気工事業法施行規則12条1項1号)。『電気工事業を開始した年月日』はこの4項目に含まれていない
  6. 建築基準法2条3号は『建築設備』を、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針と定義する。誘導灯・誘導標識はこの定義に含まれず、消防法上の避難設備として扱われる
  7. 建築基準法2条2号は『特殊建築物』を、学校・体育館・病院・劇場・観覧場・集会場・共同住宅・寄宿舎・工場・倉庫・自動車車庫その他これらに類する用途に供する建築物と定義する。共同住宅は特殊建築物に含まれる
  8. 建築基準法施行令13条1号は『避難階』を、直接地上へ通ずる出入口のある階と定義する
  9. 建築基準法施行令118条は、劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂又は集会場における客席からの出口の戸を内開きとしてはならないと定める。同様に、施行令125条2項はこれらの用途の建築物の客用に供する屋外への出口の戸についても内開きを禁止している。避難時に人が押し寄せる出口の戸を内開きにすると、群集の圧力で戸が開かなくなる危険があるための規制
  10. 建築基準法2条14号は『大規模の修繕』を、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕と定義する(大規模の模様替は同条15号で同様に定義)
  11. 建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)2条1項2号は『エネルギー消費性能』を、建築物に設ける空気調和設備その他の政令で定める建築設備(空気調和設備等)において消費されるエネルギーの量を基礎として評価される性能と定義する。同法施行令1条が定める評価対象の建築設備(空気調和設備等)は、(1)空気調和設備その他の機械換気設備、(2)照明設備、(3)給湯設備、(4)昇降機の4種。変圧器のような電気設備そのものは、この評価対象には含まれていない
  12. 消防法施行令7条は『消防用設備等』を、消火設備・警報設備・避難設備(1〜4項)、消防用水(5項)、消火活動上必要な施設(6項)に区分する。消火設備には消火器・屋内外消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧/泡/不活性ガス/ハロゲン化物/粉末消火設備・動力消防ポンプ設備などが含まれるが、防火水槽は『消防用水』に区分され、消火設備には含まれない
  13. 消防法施行令7条3項が定める『警報設備』は、自動火災報知設備(1号)、ガス漏れ火災警報設備(1号の2)、漏電火災警報器(2号)、消防機関へ通報する火災報知設備(3号)、警鐘・携帯用拡声器・手動式サイレンその他の非常警報器具及び非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン・放送設備。4号)の5類型に限定列挙されている。防災行政無線や構内放送設備のような『防災無線システム』という品目はこの列挙のいずれにも当たらず、消防法上の警報設備には含まれない
  14. 非常警報設備(非常ベル・自動式サイレン等)の音響装置は、各階ごとに、その階の各部分から一の音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けなければならない(消防法施行規則25条の2第2項1号ハ)
  15. 消防用設備等の設置に係る工事のうち、消防設備士(甲種又は乙種)でなければ行ってはならない工事は、消防法施行令36条の2第1項が電源・水源・配管の部分等を除いて限定列挙している(屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・屋外消火栓設備・自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・金属製避難はしご(固定式)・救助袋・緩降機)。非常警報設備(非常ベル等)はこの列挙のいずれにも当たらず、消防設備士でなければ行ってはならない工事の対象には含まれていない。なお消火器・漏電火災警報器は、設置工事(1項)の対象ではなく、整備(2項)の対象としてのみ列挙されている
  16. 非常用の照明装置(建築基準法上の建築設備)は、火災時において停電した場合に自動的に点灯し、充電を行うことなく継続して30分間点灯を続けられる予備電源を設けなければならない(建築基準法施行令126条の5、昭和45年建設省告示第1830号)。非常用の照明装置は建築基準法上の建築設備であって、消防法施行令7条が定める消防用設備等(警報設備・避難設備等)には含まれない
  17. 労働基準法107条・同法施行規則53条は、使用者が各事業場ごとに調製すべき労働者名簿の記載事項として、氏名・生年月日・履歴のほか、性別・住所・従事する業務の種類・雇入の年月日・退職の年月日及びその事由・死亡の年月日及びその原因を定める。基本給・手当の額は労働者名簿ではなく、賃金台帳(108条)の記載事項
  18. 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(労働基準法15条1項)。明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は即時に労働契約を解除することができる(同条2項)。就業のために住居を変更した労働者がこの契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければならない(同条3項)
  19. エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)149条は、自動車その他大量に使用されエネルギー消費性能の向上が特に必要なエネルギー消費機器を『特定エネルギー消費機器』として政令で定め、製造事業者等が目指すべき性能向上の判断基準を経済産業大臣が定めて公表する仕組み(トップランナー制度)を設けている。同法施行令18条が定める特定エネルギー消費機器には、乗用自動車・エアコンディショナー・照明器具・電気冷蔵庫・変圧器(定格一次電圧600V超7,000V以下)・交流電動機(籠形三相誘導電動機)・電気温水機器などが列挙されているが、高圧進相コンデンサはこの列挙に含まれていない。建築物省エネ法(空気調和設備等4種の評価対象)とは異なる、別の法律に基づく制度である点に注意
  20. 労働基準法56条1項は『最低年齢』を定め、使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならないと規定する。この56条1項(就労が許される時期そのものの下限)と、62条(満18歳未満の者に就かせてはならない危険有害業務の限定)は、どちらも年少者に関する規定だが、規制する対象が異なる別の条文である
  21. 使用者は、満18歳に満たない者(年少者)を、労働基準法62条・年少者労働基準規則8条が定める危険有害業務に就かせてはならない。建設現場に関わるものとして、クレーン・デリック又は揚貨装置の運転の業務(3号)、直流750V・交流300Vを超える電圧の充電電路等の点検・修理・操作の業務(8号)、クレーン等の玉掛けの業務(2人以上で行う玉掛けの補助作業を除く。10号)、土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さ5m以上の地穴における業務(23号)、高さ5m以上で墜落により危害を受けるおそれのある場所における業務(24号)、足場の組立て・解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業を除く。25号)などがある。玉掛けの『補助作業』・足場の組立て等の『地上又は床上における補助作業』は、いずれも禁止対象から明文で除かれている点に注意
  22. 交流200Vのように、8号の基準(直流750V・交流300Vを超える電圧)に満たない電圧の充電電路の点検・修理・操作の業務は、年少者労働基準規則8条8号の禁止業務には当たらず、満18歳未満の者でも従事できる
  23. 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない(労働基準法19条1項本文、解雇制限)。ただし、使用者が81条の規定によって打切補償を支払う場合、又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない(同項ただし書)
  24. 労働基準法81条(打切補償)は、75条の規定によって補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合、使用者は平均賃金の1,200日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよいと定める。療養開始後3年を経過しただけで無条件に解雇できるわけではなく、平均賃金1,200日分の打切補償の支払いが解雇制限を解く条件になる
  25. 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない(労働基準法34条1項)。休憩時間は原則として一斉に与え(同条2項、労使協定があれば例外可)、労働者に自由に利用させなければならない(同条3項)
  26. 建築基準法2条5号は『主要構造部』を、壁・柱・床・はり・屋根又は階段と定義する。間仕切壁・間柱・最下階の床・小ばり・局部的な小階段・屋外階段など、建築物の構造上重要でない部分は明文で除外されている。基礎ぐいは、主要構造部を構成する6要素(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のいずれにも当たらず、主要構造部に含まれない
  27. 建築基準法施行令126条の3第1項は、排煙設備の構造基準を定める。同項4号は排煙口に手動開放装置を設けることを義務付けており、同項6号は排煙口を手動開放装置又は煙感知器と連動する自動開放装置若しくは遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持する戸とすることを求める。手動開放装置と自動開放装置は排他的な選択肢ではなく、自動開放装置を設けたとしても手動開放装置(4号)は別途必ず設けなければならない。電源を必要とする排煙設備には予備電源も必要(同項10号)
  28. 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)2条5項が定める『特定建設資材』は、同法施行令1条により、(1)コンクリート、(2)コンクリート及び鉄から成る建設資材、(3)木材、(4)アスファルト・コンクリートの4種に限定される。電線・ケーブル類(CVTケーブル等)はこの4種のいずれにも当たらず、特定建設資材には含まれない
  29. 電気工事業法19条1項が定める主任電気工事士になれる者は、第一種電気工事士、又は第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士(6条1項1号〜4号の欠格事由に該当しない者)に限られる。認定電気工事従事者や電気工事施工管理技士の資格だけでは、主任電気工事士にはなれない
  30. 騒音規制法は、指定地域内において特定建設作業(さく岩機・くい打機・びょう打機・空気圧縮機・コンクリートプラント等を使用する作業のうち政令で定めるもの)を伴う建設工事を施工しようとする者に、当該作業の開始日の7日前までに、氏名・工事の種類・作業の場所及び実施期間・騒音の防止の方法等を市町村長に届け出る義務を課す(14条1項)。災害等により緊急に行う必要がある場合はこの限りでないが、その場合も速やかな事後の届出が必要(同条2項)
  31. 市町村長は、指定地域内の特定建設作業に伴う騒音が、環境大臣の定める基準に適合しないことにより周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、施工者に対し騒音の防止方法の改善又は作業時間の変更を勧告・命令できる(騒音規制法15条)。この環境大臣の定める基準(特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準)は、特定建設作業の騒音が、その作業の場所の敷地の境界線において85デシベルを超える大きさのものでないことを定めている
  32. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)が定める廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち法令で指定されたもの(産業廃棄物)と、それ以外の廃棄物(一般廃棄物)に大別される(法2条2項・4項)。工作物の除去(解体工事)に伴って生じる廃棄物の種類は、この区分がそのまま実務上のポイントになる
  33. 廃棄物処理法2条1項は『廃棄物』を、ごみ・粗大ごみ・燃え殻・汚泥・ふん尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体その他の汚物又は不要物であって固形状又は液状のものと定義しており、この列挙に『土砂』は含まれていない。建設工事に伴って生じる建設発生土(残土)は、通常の性状(乾いた土砂)である限り、この『廃棄物』の定義自体に該当しないため産業廃棄物にもならない(国土交通省『建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料』)。含水率が高く泥状になったもの(建設汚泥)は、無機性の汚泥として別途産業廃棄物に区分される点と混同しないよう注意する
  34. 廃棄物処理法施行令2条1号・2号・3号は、紙くず・木くず・繊維くずについて、建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)を産業廃棄物に指定している。したがって解体工事等で生じた紙くず・木くず・繊維くずは産業廃棄物であり、一般廃棄物ではない。これに対して金属くず(同条6号)・ガラスくず及びコンクリートくず・陶磁器くず(同条7号)は、建設業由来かどうかを問わず産業廃棄物に当たる
  35. 産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものは、特別管理産業廃棄物に指定される(法2条5項)。廃油については、引火点が70度未満のものが特別管理産業廃棄物(廃油)に当たる(廃棄物処理法施行令2条の4第1号)。灯油類の廃油は引火点が70度を大きく下回るため、特別管理産業廃棄物に該当する
  36. 環境基本法2条3項は『公害』を、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く)・悪臭の7種類(いわゆる典型七公害)によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることと定義する。この7種類は限定列挙であり、電波障害(妨害電波)はいずれにも当たらず、環境基本法上の『公害』には含まれない
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