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一般用電気工作物等の保安に関する法令 ・ 8 / 8

試験の受け方 — 電卓は使えない。試験センターが「筆算で解ける」と書いている

読み終えると、こうなる

当日の持ち物と時間配分を、試験センターの原文どおりに把握したうえで会場に入れるようになる

  • 電卓が使えないことと、その裏返しで「筆算で解ける問題しか出ない」と分かり、計算問題への構え方を変えられる
  • CBT方式と筆記方式で持ち物のルールが正反対だと理解し、自分が申し込んだ方式で必要なものを揃えられる
  • 技能試験で使えない工具(電動工具・改造工具・自作工具)を知り、練習の段階から本番で使える工具だけで手を動かせる
考えてみよう

過去問は安定して合格点を超えている。当日、いつもどおり筆箱と電卓を鞄に入れ、腕時計をして会場へ向かった。

このうち2つは、方式によっては持ち込んだ時点で問題になる。どれか分かるだろうか。

知識では足りているのに、当日のルールを知らないだけで点を落とす人がいる。このトピックでは、電気技術者試験センターが公表している受験案内の原文で確認した事実だけを扱う。ネットの体験談ではなく、一次情報だ。

電卓は使えない。だが、それは悪い知らせではない

まず結論から。電卓(電子式卓上計算機)及び計算尺は使用できない。

多くの人はここで身構える。「計算問題が不利になる」と。ところが受験案内には、その直後にこう書かれている。

学科試験問題の計算については、四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提の問題となっています。

つまり**電卓が無いと解けない問題は、そもそも出題されない。**

これは受験者にとって、かなり有利な情報だ。計算の答えが割り切れない、桁が異常に大きくなる—— そうなったら、それは解き方を間違えたサインだと判断できる。

試験センター自身が「筆算で解ける」と明言している以上、正しい手順で進めば数字はきれいに収まる。 電卓が無いことは不利ではなく、検算の手がかりになっている。

√3=1.73、√2=1.41 を覚え、約分してから計算を進める——この練習を日頃からやっておけば足りる。

CBT方式と筆記方式で、持ち物のルールが正反対

令和8年度の第二種は、上期・下期とも学科試験がCBT方式か筆記方式の選択制だ。そして選んだ方式で持ち物が変わる。ここが実務的にいちばん効く。

CBT方式筆記方式・技能試験
筆記用具会場で貸出(黒ボールペンとメモ用紙)持参する
持参の筆記用具使用不可使用する
時計使用不可(画面に残り時間が出る)使用できる
ストップウォッチ音が出ないものなら可
眼鏡・ルーペ使用できる(ルーペは事前申請が要る場合あり)使用できる
飲み物水のみ。無色透明なペットボトル、ラベルを剥がし1人1本・1000ml以下
**スマートフォンや携帯電話を時計として使うことはできない。**筆記方式であっても、 時計として認められるのは専用の時計だけで、**電卓機能・スマートウォッチ等の通信機能・ アラーム音が出るもの**は除かれる。

CBT方式を選ぶなら、メモ計算は貸与のボールペンで行うことになる。消せないので、 書き直しではなく書き足す前提でメモを取る練習を、直前に一度しておくといい。 複線図を鉛筆で描き慣れている人ほど、ここで戸惑う。

なお第一種は、令和8年度の上期がCBT方式のみ(筆記方式を実施しない)で、第二種とは扱いが違う。両方を受ける予定なら、それぞれの受験案内を確認する。

技能試験は「使えない工具」のほうを先に読む

技能試験には、使ってはいけないものが明記されている。練習で身につけた段取りが、本番で使えなくなることがあるので、練習の初日に読んでおきたい。

使用できないもの

  • 電動工具(充電式を含む)
  • 改造した工具(持ち手の延伸、工具への書き込みなど)
  • 自作した工具
  • 配布される「保護板」以外の下敷き・作業用シート類
  • ネジやリングスリーブなどを仮置きするための小箱や皿類
  • 支給された材料以外の材料
  • その他、工具として一般に販売されていないもの
見落としやすいのが**仮置きの小皿**だ。自宅練習では、リングスリーブや取り外したネジを 小皿にまとめておくと格段に効率が上がる。だが本番では使えない。

本番と同じ条件で練習する——これが技能試験でいちばん効く準備になる。 支給材料だけを机に広げ、保護板の上で、手持ちの工具だけで組む。 この形で13問(第二種の候補問題)を回しておけば、当日に段取りが崩れない。

全問2点。配線図20問をまとめて取る

合格基準は原文でこうなっている。

学科試験における合格基準点は、60点とする。 技能試験における合格基準は、作品に欠陥がないこととする。

学科試験の構成は、一般問題30問・配線図20問の計50問で、いずれも1問2点だ。

注目したいのは、**配線図が20問=40点分**を占めることだ。しかもこの20問は、 **1枚の図面を共有している**。図を1回きちんと読み込めば、まとめて処理できる。

だから解く順序は、こう組み立てるのが合理的になる。

  1. 一般問題のうち、暗記で即答できるもの(法令・材料・工具)を先に回収する
  2. 配線図20問にまとまった時間を確保し、図面を読み込んでから一気に片付ける
  3. 計算問題は最後に、残った時間を充てる

60点=50問中30問で届く。配線図20問を安定させれば、それだけで40点になる。 分からない問題は飛ばして、必ず一周する——これが最も基本的で、最も効く戦術だ。

知識の外側にある失点を、先に潰しておく

冒頭の問いに戻る。筆箱・電卓・腕時計のうち、電卓は方式を問わず使用不可筆記用具と腕時計はCBT方式では使用不可。3つのうち2つが引っかかる。

今日試せることとして、自分が申し込む期の受験案内を開き、「持参するもの」「使用できるもの」「使用できないもの」の3項目だけ読んでおくといい。5分で終わる。この5分を惜しんだせいで、120分の試験や40分の技能試験が無駄になることがある。

試験センターがここまで細かく規定しているのは、CBT方式が会場も日時も受験者ごとにばらばらな仕組みだからだ。全員が同じ部屋で同じ問題を解く筆記方式と違い、公平性を担保する手段が「持ち込みを絞ること」に寄っている。ルールの細かさは意地悪ではなく、その方式を成立させるための条件になっている。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 電卓が使えないことを、単なる不便だと受け取らせる

    なぜ引っかかる「電卓なしで計算問題を解くのは大変だ」と身構えてしまい、計算問題そのものを捨てる判断につながる。だが受験案内には『四則計算等の筆算によって十分解答できる前提の問題となっています』と書かれており、電卓が要る問題は出題されない

    見破り方計算の答えが割り切れなかったり、桁が異常に大きくなったりしたら、それは解き方を間違えたサインだと考える。試験センターが筆算で解けると明言している以上、正しい手順で進めば数字はきれいに収まる。電卓が無いことは、むしろ検算の手がかりになる

  2. CBT方式でも、使い慣れた筆記用具や腕時計を持ち込めると思わせる

    なぜ引っかかる筆記方式では自分の鉛筆・消しゴム・腕時計を持参するのが当たり前なので、CBT方式でも同じだと考えてしまう。しかしCBT方式では筆記用具が会場で貸出され、持参の筆記用具や時計は使用できない

    見破り方方式ごとに持ち物の欄が分かれていることを確認する。CBT方式で使えるのは眼鏡・ルーペと、ラベルを剥がした無色透明のペットボトルだけ。時間は画面に表示されるので腕時計は要らない。逆に筆記方式と技能試験では時計とストップウォッチが使える

  3. 技能試験の練習で使っていた工具が、本番でも使えると思わせる

    なぜ引っかかる自宅練習では効率を上げるため、電動工具を使ったり、持ち手にテープを巻いて延伸したり、部品を仮置きする小皿を使ったりしがちだ。ところが本番ではこれらがすべて使用できない。練習で身についた手順が、当日そのまま通用しなくなる

    見破り方受験案内の「使用できないもの」を練習の初日に読む。電動工具(充電式含む)・改造工具・自作工具・保護板以外の下敷き・仮置き用の小箱や皿類・支給材料以外の材料が対象。本番と同じ条件で練習しておけば、当日に段取りが崩れない

参考文献・出典

理解度チェック(4問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、4問で確認しよう。 内訳は基本1問・応用2問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 4 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 電卓(電子式卓上計算機)及び計算尺は使用できない。受験案内には「学科試験問題の計算については、四則計算(加減乗除)等の筆算によって十分解答できる前提の問題となっています」と明記されており、電卓が無いと解けない問題は出ない
  2. CBT方式では筆記用具(黒ボールペンとメモ用紙)が会場で貸出され、持参の筆記用具や時計は使用できない。使用できるのは眼鏡・ルーペと、水の入った無色透明なペットボトル(ラベルを剥がし1人1本・1000ml以下)だけ
  3. 筆記方式と技能試験では、時計(電卓機能・スマートウォッチ等の通信機能・アラーム音が出るものは不可)、音の出ないストップウォッチ、眼鏡・ルーペが使用できる。スマートフォンを時計代わりに使うことはできない
  4. 技能試験で使用できないもの:電動工具(充電式を含む)、改造した工具(持ち手の延伸・書き込みなど)、自作した工具、配布される「保護板」以外の下敷き・作業用シート類、ネジやリングスリーブを仮置きする小箱や皿類、支給された材料以外の材料
  5. 合格基準は学科試験60点、技能試験は「作品に欠陥がないこと」。学科は50問×2点で全問が同じ配点になる
  6. 学科試験は一般問題30問・配線図20問の計50問。配線図は1枚の図面を20問で共有するため、図を1回読み込めばまとめて解ける
  7. 令和8年度の第二種は、上期・下期とも学科試験がCBT方式か筆記方式の選択制。第一種の上期がCBT方式のみなのとは扱いが違う
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