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法規 ・ 3 / 8

電気工事士法との関わり — 施工管理者は「作業者」ではなく「管理者」

読み終えると、こうなる

施工管理者として現場に立つとき、「自分がやってよいこと」と「有資格の作業者にやらせるべきこと」の境界線を、電気工事士法の条文から判断できるようになる

  • 施工管理技士の資格だけでは電気工事の作業に従事できないと、電気工事士法3条を根拠に説明できる
  • 現場に配置する作業者が有資格者かどうかを確認する責任が施工管理者にあると位置づけられる
  • 電気工事士免状の携帯義務・技術基準適合義務を、現場管理でチェックすべき事項として挙げられる
  • 電気工事士でなくても従事できる軽微な工事の範囲を、施工管理の判断材料として説明できる
考えてみよう

2級電気工事施工管理技士の合格証を手にした新人技術者が、初めての現場で「配線の接続くらい、自分でやってしまおう」と手を動かそうとした。先輩から「それは待て」と止められる。施工管理の資格を持っているのに、なぜ止められるのか。

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、施工管理者として現場に立つときの「自分がやってよいこと」と「有資格者にやらせるべきこと」の境界線を、自分で判断できるようになっている。

電気工事士法については、このサイトの電気工事士向けコンテンツですでに条文の詳細を扱っている。ここでは同じ条文を、電気工事の作業をする立場ではなく、その現場を管理する施工管理者の立場から見直す。

電気工事士法3条 — 「誰が作業してよいか」を定める条文

電気工事士法3条は、電気工事の作業に従事できる者を、工事の区分ごとに定めている。

  • 第一種電気工事士(1項): 自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事できる
  • 第一種または第二種電気工事士(2項): 一般用電気工作物等に係る電気工事の作業に従事できる
  • 特種電気工事資格者(3項): 自家用電気工作物のうち経済産業省令で定める特殊電気工事に従事できる
  • 認定電気工事従事者(4項): 自家用電気工作物のうち経済産業省令で定める簡易電気工事に従事できる
この条文が定めているのは、あくまで「作業に従事してよい者」の範囲だ。**2級電気工事施工管理技士という資格は、この一覧のどこにも登場しない。** 施工管理技士は、工事現場の施工計画・工程管理・品質管理・技術上の指導監督を担う資格であって、電気工事の作業そのものに従事する資格ではない。冒頭の新人技術者が先輩に止められたのは、施工管理技士の資格が電気工事士の資格を兼ねているわけではないからだ。

3条3項が定める特殊電気工事は、「電圧が高い工事」「危険度が高い工事」という漠然とした括りではない。電気工事士法施行規則2条の2は、特殊電気工事の種類をネオン工事(ネオン用として設置される分電盤・主開閉器・タイムスイッチ・点滅器・ネオン変圧器・ネオン管及びこれらの附属設備に係る電気工事)と非常用予備発電装置工事(非常用予備発電装置として設置される原動機・発電機・配電盤及びこれらの附属設備に係る電気工事)の2種に限定列挙している。

高圧受電設備の更新工事のような、電圧が高く難易度の高い自家用電気工作物の工事であっても、この2種のいずれにも当たらなければ特殊電気工事ではなく、通常どおり第一種電気工事士の資格で従事する工事になる。「特種電気工事資格者が必要な工事=難易度の高い自家用電気工作物の工事全般」という拡大解釈をせず、施行規則2条の2が列挙する2種に該当するかどうかで判断する必要がある。

「自家用電気工作物」と「事業用電気工作物」は同じ範囲ではない

もう1つ、条文の言葉づかいで見落としやすい点がある。電気事業法上、電気工作物は一般用電気工作物と事業用電気工作物に大別され、事業用電気工作物はさらに、電気事業の用に供する電気工作物(発電所・変電所等)と自家用電気工作物に分かれる(電気事業法38条)。つまり「事業用電気工作物」は、自家用電気工作物よりも広い区分だ。

ところが電気工事士法2条2項は、同法が使う「自家用電気工作物」の範囲をさらに絞り込んでいる。電気事業法38条4項の自家用電気工作物から、小規模事業用電気工作物、発電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備、その他経済産業省令で定めるものを除いたものが、電気工事士法上の「自家用電気工作物」だ。

第一種電気工事士(3条1項)が従事できるのは、あくまでこの絞り込まれた「自家用電気工作物」の電気工事であって、電気事業法上の広い意味の「事業用電気工作物」全体ではない。「第一種電気工事士は事業用電気工作物に係るすべての電気工事の作業に従事することができる」という記述を見かけたら、それは範囲を広げすぎた誤りだと見抜く必要がある。発電所・変電所そのものの工事は、そもそも電気工事士法の規制対象である「自家用電気工作物」に含まれておらず、電気工事士免状の有無にかかわらず電気工事士法3条の話にはならない。

さらにもう1つ、3条1項の条文そのものにも見落としやすい仕掛けがある。1項本文は「(第三項に規定する電気工事を除く。)」というかっこ書きを含んでおり、第三項に規定する電気工事=特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)は、第一種電気工事士の対象からあらかじめ除かれている。

「自家用電気工作物の電気工事=第一種電気工事士がすべて担当できる」という理解は、この除外を見落とした誤りだ。特殊電気工事は、たとえ自家用電気工作物側の工事であっても特種電気工事資格者の専管であり、第一種電気工事士は単独では従事できない。範囲を絞り込む条文(2条2項の定義)と、対象から特定の工事を除く条文(3条1項のかっこ書き)の両方を押さえておくと、「第一種電気工事士は自家用電気工作物のすべてに従事できる」という単純化に引っかからなくなる。

施工管理者の実務は「自分がやる」ではなく「有資格者にやらせる・確認する」

施工管理技士が電気工事士の免状を別途持っていれば、その範囲で自ら作業に従事することもできる。だが施工管理者としての本来の役割は、現場に配置する作業者がその工事区分に応じた資格(電気工事士免状・特種電気工事資格者認定証・認定電気工事従事者認定証)を持っているかを確認し、無資格者に電気工事の作業をさせないことにある。

電気工事士等には、作業に従事するときに技術基準へ適合するように作業を行う義務(5条1項)と、免状・認定証を携帯する義務(5条2項)が課されている。この2つは、施工管理者が現場でチェックすべき具体的な項目にもなる。

「主任技術者は、工事・維持・運用に従事する者の指示系統の中心にいる」という構造は、電気事業法の主任技術者と共通する発想だ。**施工管理者自身が現場のすべての作業をこなす必要はない。むしろ、誰にどの作業を担当させるかを判断し、その資格と技術基準への適合を確認し続けることこそが、施工管理という職務の中身**になる。

軽微な工事の範囲 — 現場の「これくらいならいいか」を拡大させない

電気工事士法施行令1条は、電気工事士でなくても従事できる軽微な工事を6つ列挙している。

軽微な工事の内容
1号電圧600V以下で使用する差込み接続器・ソケット・開閉器等にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事
2号電気機器又は蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事
3号電圧600V以下で使用する電力量計・電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事
4号電鈴・インターホーン等に使用する小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事
5号電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
6号地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事
軽微な工事は、あくまで施行令1条に列挙されたこの6つの行為に限定される。「これくらい小さな作業なら」という現場の感覚で範囲を広げてはいけない。列挙されていない作業(配線同士の接続、電気機器の新設・据付など)は、どれだけ簡単そうに見えても電気工事士法3条の対象であり、有資格者でなければ従事できない。施工管理者は、この境界線を現場の作業者に代わって正確に把握しておく必要がある。

とくに見落とされやすいのが5号・6号だ。1号〜4号が「電線の接続・結線」に関わる細かな作業であるのに対し、5号(柱・腕木の設置)と6号(地中電線用の暗渠・管の設置)は、電線そのものを扱う配線技術を伴わない、土木的な性格の強い工事になる。「電線に関わる工事だから電気工事士でなければならない」という直感だけで判断すると、この2つを見落として不要な有資格者を手配してしまいかねない。逆に、柱や管路を設置したあとに実際の電線を接続・結線する作業は、5号・6号の対象外であり、通常どおり電気工事士の資格が必要になる。「土台を作る工程」と「電線をつなぐ工程」を分けて考えると、この境界線が見えやすくなる。

とくに紛らわしいのが、1号の「差込み接続器・開閉器等にコードを接続する工事」と、壁に埋め込まれたコンセント本体に電線を直接ねじ止めする配線工事の違いだ。前者はコンセントやスイッチにコードをつなぐだけの作業で軽微な工事に当たるが、後者は配線器具そのものへの本配線であり、施行令1条には列挙されていない。同じ「コンセント周りの作業」でも、対象が「差し込むだけのコード」なのか「壁内の配線そのもの」なのかで、必要な資格が変わってくる。

「第二種電気工事士=自家用側も少しならできる」わけではない

現場でもう1つ誤解されやすいのが、第二種電気工事士と自家用電気工作物の関係だ。第二種電気工事士(3条2項)が単独で従事できるのは、あくまで一般用電気工作物等の電気工事に限られる。自家用電気工作物のうち簡易なもの(簡易電気工事)に従事できるのは、3条4項が定める認定電気工事従事者(認定電気工事従事者認定証の交付を受けた者)であって、第二種電気工事士の資格だけでは、この簡易電気工事にも従事できない。

「第一種=自家用、第二種=一般用、簡易電気工事=その中間で第二種でもいけるはず」という直感は誤りだ。簡易電気工事はあくまで自家用電気工作物側の工事区分であり、これに従事するには、第二種電気工事士とは別に認定電気工事従事者の認定証が必要になる。施工管理者としては、現場の作業者が「第二種電気工事士だから、この程度の自家用工事ならできるはず」と思い込んでいないか、資格の対象工事を照らし合わせて確認する視点が要る。

免状と認定証、交付する機関が違う

電気工事士免状(第一種・第二種)は都道府県知事が交付する(4条2項)。これに対して、特種電気工事資格者認定証及び認定電気工事従事者認定証は経済産業大臣が交付する(4条の2第1項)。

どちらも「電気工事に従事するための資格証」という点は共通しているが、交付する行政機関は異なる。免状は都道府県知事、認定証は経済産業大臣、と対応させて覚えておくと、交付権者を問う設問で迷わなくなる。施工管理者が作業者の資格を確認する際も、免状番号なのか認定証番号なのかによって、確認すべき発行元の違いを意識できる。

電材商社の現場で、この関わり方がどう効いてくるか

現場常駐の担当者や施工管理者と話すとき、「その作業は誰の免状で行うのか」という視点を持っておくと、資材の提案時にも役立つ。特殊電気工事や簡易電気工事に該当する製品を扱う場面では、作業に従事できる資格者の範囲が、通常の電気工事士とは異なることもあるため、提案先の現場体制を意識した会話ができるようになる。

施工管理技士の資格は「電気工事ができる資格」ではなく「電気工事を適正に管理できる資格」だ。この違いを正確に理解していることが、施工管理者としての最初の一歩になる。

この資格を取ったあと、現場で何が変わるか

この資格を取ったあと、現場に新しく入ってきた若手が「これくらいの配線接続なら自分でやってしまいます」と手を動かそうとしたとき、あなたはそれを止める側に回る。施工管理技士の資格が電気工事士の資格を兼ねているわけではないと、電気工事士法3条を根拠に説明できるからこそ、感覚的な注意ではなく、法的根拠を持った指導ができる。

現場に作業者を配置する段階でも、「この工事区分なら第一種電気工事士が必要」「この特殊電気工事には特種電気工事資格者が要る」と、作業者の免状・認定証を工事の区分ごとに確認する管理責任を、あなた自身が負うことになる。免状の携帯を怠っている作業者を見つけたときも、それが5条2項違反だと理解しているからこそ、その場で是正を求められる。

電材商社との関係では、特殊電気工事や簡易電気工事に該当する製品を提案する場面で、「この工事は認定電気工事従事者でも対応できますか、それとも第一種電気工事士でなければなりませんか」という、現場の資格体制を踏まえた会話ができるようになる。作業者の資格範囲まで理解した提案は、取引先の施工計画そのものへの助言としても機能する。

冒頭の新人技術者が先輩に止められた理由。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 2級電気工事施工管理技士の資格があれば、電気工事の作業にも従事できると思い込む

    なぜ引っかかる『電気工事』という言葉が資格名に共通して含まれるため、施工管理の資格が作業の資格を兼ねると錯覚しやすい

    見破り方電気工事士法3条が定める作業従事資格は、電気工事士免状(第一種・第二種)、特種電気工事資格者認定証、認定電気工事従事者認定証の3種類のみで、施工管理技士の資格はここに含まれないと確認する。施工管理技士は現場を『管理』する資格であって、作業に『従事』する資格ではない

  2. 施工管理者は現場の作業者の資格まで確認する義務はないと思い込む

    なぜ引っかかる施工管理を『工程・品質・安全の管理』という抽象的な業務だと捉えると、個々の作業者の資格確認は現場の作業者本人や雇用主の責任であって、施工管理者の管理範囲外だと考えやすい

    見破り方無資格者による電気工事の作業は電気工事士法3条違反であり、その現場の施工を管理する主任技術者には、配置する作業者が有資格者であることを確認し、無資格作業をさせない管理責任があると確認する

  3. 軽微な工事の範囲を広く解釈し、現場の判断で『これくらいなら資格がなくてもよい』と拡大させる

    なぜ引っかかる軽微な工事の具体例(差込み接続器へのコード接続など)を覚えると、似たような小さな作業全般に適用できると錯覚しやすい

    見破り方軽微な工事は電気工事士法施行令1条に列挙された行為に限定される。列挙されていない作業(配線の接続、電気機器の据付など)は、どれだけ小さく見えても軽微な工事には当たらないと確認する

  4. 『コードを接続器につなぐ工事』と『器具そのものに電線を配線する工事』を同じ軽微な工事として扱ってしまう

    なぜ引っかかるどちらも配線に関わる小さな作業に見えるため、対象が『何』かの違いを見落としやすい

    見破り方施行令1条1号が定める軽微な工事は、差込み接続器・開閉器等に『コード又はキャブタイヤケーブルを接続する』工事に限られると確認する。壁の埋込コンセント本体に電線を直接ねじ止めするような配線工事は、この号に列挙された行為とは異なり、軽微な工事には当たらない。『何に、何を接続するか』を条文の文言どおりに確認する習慣が必要

  5. 電線を支持する柱を立てる工事を、電気工事士でなければ従事できない本格的な電気工事だと思い込む

    なぜ引っかかる『電線を支持する』という言葉から、電線の接続や結線を伴う電気工事の一種だと連想しやすい

    見破り方施行令1条5号は『電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事』を軽微な工事として明記していると確認する。この工事は電柱・腕木という工作物を土木的に設置・変更する作業であって、電線の接続や結線という配線技術を伴わないため、電気工事士でなくても従事できる。柱を立てたあとに電線を接続する作業は、別途、電気工事士の資格が必要になる点と区別する

  6. 第二種電気工事士であれば、自家用電気工作物の簡易電気工事にも従事できると思い込む

    なぜ引っかかる『第二種』という呼び名から、第一種より範囲が狭いだけで、自家用側の工事にも部分的に関われると連想しやすい

    見破り方電気工事士法3条4項は、簡易電気工事について『第一項の規定にかかわらず』認定電気工事従事者が従事できると定めており、第二種電気工事士(2項の対象)は自家用電気工作物側の工事である簡易電気工事には含まれないと確認する。第二種電気工事士が単独で従事できるのは一般用電気工作物等の電気工事に限られる

  7. 電気工事士免状と認定電気工事従事者認定証を、同じ機関が交付するものだと思い込む

    なぜ引っかかるどちらも『電気工事に従事するための資格証』という同じカテゴリーのため、交付元も同じだろうと連想しやすい

    見破り方電気工事士免状の交付権者は都道府県知事(電気工事士法4条2項)、特種電気工事資格者認定証・認定電気工事従事者認定証の交付権者は経済産業大臣(4条の2第1項)と、条文ごとに交付権者が異なると確認する。『免状=都道府県知事』『認定証=経済産業大臣』という対応で覚える

  8. 特殊電気工事の種類を、高圧・特別高圧に関わる工事全般だと漠然と捉える

    なぜ引っかかる『特殊』という言葉から、電圧が高い・危険度が高い工事全般が該当しそうに感じられる

    見破り方電気工事士法施行規則2条の2は、特殊電気工事の種類をネオン工事と非常用予備発電装置工事の2種に限定列挙していると確認する。電圧の高さではなく、この2種の設備工事に該当するかどうかで判断する必要がある

  9. 第一種電気工事士は『事業用電気工作物』のすべての電気工事に従事できると思い込む

    なぜ引っかかる『自家用電気工作物』と『事業用電気工作物』という似た言葉が並ぶうえ、電気事業法上は自家用電気工作物が事業用電気工作物の一部であるため、両者を同じ範囲だと錯覚しやすい

    見破り方電気工事士法2条2項は、同法上の『自家用電気工作物』を、電気事業法38条4項の自家用電気工作物から発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備等を除いたものと定義していると確認する。電気事業法上の『事業用電気工作物』(自家用電気工作物+発電所等の電気事業用電気工作物)は、電気工事士法が規制する範囲よりも広く、発電所・変電所そのものの工事には電気工事士法3条は及ばない

  10. 第一種電気工事士であれば、自家用電気工作物の電気工事のすべて(特殊電気工事を含む)に従事できると思い込む

    なぜ引っかかる特殊電気工事は自家用電気工作物側の工事の一種であるため、自家用電気工作物の資格である第一種電気工事士がそのまま対応できそうに感じられる

    見破り方電気工事士法3条1項本文は『(第三項に規定する電気工事を除く。)』というかっこ書きを含んでいると確認する。第三項の特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)は、第一種電気工事士ではなく特種電気工事資格者の専管であり、この除外を見落とすと誤る

参考文献・出典

理解度チェック(14問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、14問で確認しよう。 内訳は基本5問・応用2問・ひっかけ7問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 14 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 電気工事士法3条は、電気工事士等の資格を持たない者が電気工事の作業に従事することを禁じている。第一種電気工事士でなければ自家用電気工作物の電気工事の作業に従事できず(1項)、第一種または第二種電気工事士でなければ一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事できない(2項)
  2. 電気工事士法2条2項が定める『自家用電気工作物』は、電気事業法38条4項に規定する自家用電気工作物のうち、小規模事業用電気工作物、発電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備その他経済産業省令で定めるものを除いたものをいう。したがって『事業用電気工作物』(自家用電気工作物と、発電所・変電所等の電気事業用電気工作物を合わせた、電気事業法38条上のより広い区分)と、電気工事士法上の『自家用電気工作物』は同じ範囲ではない。第一種電気工事士が従事できるのは、あくまでこの限定された『自家用電気工作物』の電気工事であって、発電所・変電所そのものの工事のような電気事業用電気工作物の工事には、電気工事士法3条は及ばない
  3. 電気工事士法3条1項は、第一種電気工事士でなければ自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事してはならないと定めるが、条文の本文には『(第三項に規定する電気工事を除く。)』というかっこ書きが付されている。第三項に規定する電気工事とは特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)のことで、これは特種電気工事資格者の専管であり、第一種電気工事士であっても単独では従事できない。『第一種電気工事士は自家用電気工作物の電気工事のすべてに従事できる』という理解は、この除外を見落とした誤りになる
  4. 自家用電気工作物の電気工事のうち経済産業省令で定める特殊なもの(特殊電気工事)は特種電気工事資格者でなければ従事できず、簡易なもの(簡易電気工事)は、3条2項の規定にかかわらず、認定電気工事従事者認定証の交付を受けている者が従事できる(3項・4項)。第二種電気工事士は一般用電気工作物等の電気工事はできるが、簡易電気工事(自家用電気工作物側の工事)に単独で従事することはできない
  5. 特殊電気工事の具体的な種類は、電気工事士法施行規則2条の2により、(1)ネオン工事(ネオン用として設置される分電盤・主開閉器・タイムスイッチ・点滅器・ネオン変圧器・ネオン管及びこれらの附属設備に係る電気工事)、(2)非常用予備発電装置工事(非常用予備発電装置として設置される原動機・発電機・配電盤及びこれらの附属設備に係る電気工事)の2種に限定される
  6. 電気工事士免状は都道府県知事が交付する(4条2項)のに対し、特種電気工事資格者認定証及び認定電気工事従事者認定証は経済産業大臣が交付する(4条の2第1項)。免状と認定証とで交付権者が異なる点は、過去問でも狙われやすい
  7. 2級電気工事施工管理技士の資格そのものは、電気工事士法上の作業資格ではない。施工管理技士として現場を管理する立場と、電気工事士として作業に従事する立場は別の資格であり、施工管理技士の資格だけで電気工事の作業に従事することはできない
  8. 電圧600V以下で使用する差込み接続器へのコード接続やソケットの取替えなど、ごく軽微な工事は電気工事士でなくても従事できる(電気工事士法施行令1条)。ただし範囲は限定的で、施工管理の現場で安易に無資格作業を許容する根拠にはできない
  9. 軽微な工事として施行令1条に列挙されているのは、(1)差込み接続器・開閉器等にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事(1号)、(2)電気機器・蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事(2号)、(3)電力量計・電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事(3号)、(4)小型変圧器の二次側の配線工事(4号)、(5)電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事(5号)、(6)地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事(6号)の6種。電力量計の取付けは(3)号に明記された軽微な工事に当たるが、壁の埋込コンセントに電線を直接ねじ止めする配線工事のような『器具そのものの配線工事』は列挙されておらず、軽微な工事には当たらない
  10. (5)号の『電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事』は、電柱そのものを立てる土木的な作業であって、電線相互の接続や器具への結線のような『配線技術』を伴わないため、軽微な工事に含まれている。柱・腕木を設置したあとに電線を接続・結線する作業は、別途、電気工事士でなければ従事できない
  11. 電気工事士等は、作業に従事するときは技術基準に適合するように作業を行い(5条1項)、電気工事士免状等を携帯していなければならない(5条2項)
  12. 施工管理者の実務上の関わり方は、自ら電気工事士として作業することではなく、現場に配置する作業者の資格を確認し、無資格者に電気工事の作業をさせない管理責任を負うことにある
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