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水道工事の現場で電材が必要になる場面は、実は多い。国土交通省の調査では、法定耐用年数(40年)を超過した水道管路の割合が2022年度末時点で約21%に達しており(出典:国土交通省)、今後20年間にわたり大規模な更新工事が続く見込みだ。マンションの給水加圧ポンプ更新・エコキュート設置・ビルの受水槽制御盤交換——こうした案件はどれも「管工事+電気工事」が同時に発生する。
「電材は不慣れで、どこに何を頼めばいいかわからない」という声を配管工事業者からよく聞く。このガイドでは、水道工事で実際に必要になる電材の種類・規格・見積もりの頼み方を現場目線で解説する。
水道工事と電材の関係
「水道工事は管工事だけ」というイメージがありますが、現場ではそう単純ではありません。給水ポンプや排水ポンプの動力配線、ガス給湯器や電気温水器の電源配線、商業施設の自動水栓や、ビル・マンションの受水槽水位制御など、水道工事には電気が絡む場面が多くあります。
配管工事業者が「電材も必要だとわかったけど、何を頼めばいいかわからない」と困るのはよくあること。このガイドでは、水道工事でよく使う電材の種類・規格・選定のポイントをまとめます。電材代理店への見積依頼のコツも合わせて解説するので、参考にしてください。
給水・排水ポンプの電材
ポンプ関連は水道工事のなかで最も電材が必要になる場面です。給水加圧ポンプ・排水ポンプ・雑排水ポンプいずれも、動力電源から制御回路まで一式の電材が必要になります。
ポンプの動力電源(三相200V)の仕組み
業務用ポンプの多くは三相200V(動力)を使用します。単相100Vや単相200Vとは異なり、電流容量が大きく、モーターに適した電源です。分電盤の動力幹線から個別回路を引き出し、電磁接触器とサーマルリレーで制御します。
必要な電材一覧
| 電材 | 用途 | 規格の目安 |
|---|---|---|
| CVケーブル(3芯) | 動力電源の配線 | 2sq〜8sq(ポンプ容量による) |
| 動力ブレーカー(3P) | 電源の保護・遮断 | 15A〜30A(ポンプ容量による) |
| 電磁接触器(MC) | ポンプの発停制御 | 定格電流はポンプ定格の1.25倍以上 |
| サーマルリレー | 過電流・過負荷保護 | 電磁接触器とセットで選定 |
| 端子台 | 制御配線の接続 | 制御盤内のまとめ接続に使用 |
| CVVケーブル(多芯) | 制御配線(センサー信号等) | 0.75sq〜2.0sq |
ポンプ容量別ブレーカー選定早見表
| ポンプ容量 | 電流(参考) | ブレーカー容量 |
|---|---|---|
| 0.4kW | 約2.5A | 15A |
| 0.75kW | 約4A | 15A |
| 1.5kW | 約7A | 15A〜20A |
| 2.2kW | 約10A | 20A〜30A |
※上記は参考値です。実際の選定はメーカー仕様書・電技解釈に基づいて電気工事士が行ってください。
水位センサー・フロートスイッチの制御配線
排水ポンプの自動運転には、フロートスイッチや水位センサーを使います。センサーから制御盤までの信号線にはCVVケーブル(0.75sq〜1.25sq)を使用するのが一般的です。フロートスイッチは単純なON/OFF信号のため配線は比較的シンプルですが、ケーブルの防水処理・グランドの選定も確認が必要です。
給湯器の電源配線
給湯器にも電源配線が必要です。ガス給湯器と電気温水器では必要な電材が大きく異なります。
ガス給湯器
ガス給湯器の電源は主に単相100V・15A程度です。ポンプや制御基板への電力供給が目的なため、電流容量は小さめです。
| 電材 | 規格の目安 |
|---|---|
| VVFケーブル | 1.6mm(2芯) |
| 単相ブレーカー | 20A |
| 防水コンセント(屋外設置の場合) | 接地極付き・防雨型 |
電気温水器・エコキュート
ヒーター加熱式の電気温水器(4.4〜5.5kW級)は単相200V・30A〜50Aの専用回路が必要です。エコキュート(ヒートポンプ給湯機)はヒートポンプユニットの消費電力が1.0〜1.5kW程度なので、単相200V・20A(機種により30A)が標準になります。どちらも据付説明書の指定に従ってください。
| 電材 | 規格の目安 |
|---|---|
| VVFケーブル/CVケーブル | 20A回路=配線用遮断器なら2.0mm以上(条文上は1.6mm以上。エコキュートは余裕を見て2.0mmが標準)、30A=2.6mm以上、40A=8mm²以上、50A=14mm²以上(電技解釈149-1表) |
| 単相ブレーカー(2P) | エコキュート20〜30A/ヒーター式電気温水器30〜50A(機器仕様による) |
| 接地線 | アース端子への接続が必須 |
屋外設置時の防水コンセント選定
屋外に給湯器を設置する場合、防雨型・防水型のコンセントやコンセントボックスが必要です。雨がかかる環境ではIPX4以上の防水等級を確認してください。
注意:給湯器の電源工事は電気工事士資格が必要です。
分電盤から専用回路を新設する工事、および屋内の配線工事は第二種電気工事士以上の資格が必要です。水道工事業者が行える範囲(機器本体の接続等)との区別を事前に確認してください。
自動水栓・センサー水栓の電源
商業施設のリフォーム工事では、トイレや洗面所に自動水栓(センサー水栓)を設置する案件が増えています。電池式の製品もありますが、AC電源タイプは長期メンテナンスが楽なため採用が多い傾向です。
電源タイプの自動水栓に必要な電材
| 電材 | 規格の目安 |
|---|---|
| VVFケーブル | 1.6mm(2芯) |
| 電源アダプター(機器付属の場合も) | メーカー指定品を確認 |
| コンセント(洗面台内部) | 接地極付き・防湿型 |
洗面台内部への配線注意点
洗面台のキャビネット内部は水がかかりやすい環境です。コンセントは防湿型・接地極付きを選定し、配線ルートは水栓金具・排水管と干渉しないよう事前に確認しましょう。既製品洗面台の場合、内部スペースが狭く後から電源を引くのが難しいケースもあるため、洗面台の取り外し・再設置と電気工事のスケジュールを合わせて計画してください。
受水槽・高架水槽の水位制御
ビルやマンションの受水槽・高架水槽には水位制御が必要です。電極棒式水位センサーや電極保持器を使い、制御盤で給水ポンプの自動発停を行います。
水位センサーから制御盤までの配線
| 電材 | 規格の目安 |
|---|---|
| CVVケーブル(多芯) | 0.75sq・4芯〜8芯(電極数による) |
| 電極棒・電極保持器 | 槽のサイズ・水深に応じて選定 |
| 制御ケーブルグランド | パネル貫通部の防水処理に使用 |
制御盤内の機器
| 機器 | 用途 |
|---|---|
| 電磁リレー | 水位信号をポンプ発停回路に変換 |
| タイマー(インターバルタイマー) | 給水インターバル制御や警報タイマー |
| 端子台 | 外部配線の接続点(センサー・ポンプ・警報) |
| 表示灯(パイロットランプ) | 運転・停止・異常の状態表示 |
電極棒式の場合、槽内のスケール付着や腐食で誤動作することがあります。電極棒の材質(SUS316等)と交換周期の確認も設備工事の段階で押さえておくと後工程がスムーズです。
電材を電材代理店に発注するコツ
電材を初めて代理店に発注する場合、「何を伝えればいいかわからない」と感じる方が多いです。以下のポイントを整理して伝えると、見積・手配がスムーズになります。
伝えるべき情報
- 機器名と型番 — ポンプ・給湯器・センサーのメーカー名と型番があればベスト
- 容量・電源種別 — 「0.75kW 三相200V」「単相100V 20A」など
- 配線距離の目安 — 「分電盤からポンプまで約15m」など
- 設置環境 — 屋内・屋外・水がかかる場所かどうか
- 制御の有無 — 自動発停が必要か、手動スイッチのみか
型番が不明な場合でも、上記の情報があれば必要な電材をまとめて提案できます。「ポンプ 0.75kW 三相200V 配線15m 屋外」のように備考欄に書くだけでOKです。
見積依頼の流れ
- 電材サーチで品種を検索(例:「CVケーブル」「動力ブレーカー」「端子台」)
- 見積依頼フォームから依頼
- 備考欄にポンプ容量・電源種別・配線距離を記入
- 担当者から必要な電材の提案・見積を回答
水道工事に慣れた業者さんからの問い合わせも多く対応しています。「電材は不慣れで何を頼めばいいかわからない」という状態でも、機器情報をもとに必要な電材を一式提案します。
水道工事で独立・開業を検討中の方は、給水装置工事主任技術者の取得から指定事業者登録・開業コストまでを解説した記事もご確認ください。
水道工事の電材は電材サーチで
給水ポンプ・給湯器・自動水栓に使う電材は電材サーチで検索して見積依頼できます。「ポンプ 0.75kW 三相200V」など機器情報を備考欄に書いていただければ、必要な電材をまとめて対応します。
よくある質問
水道工事(管工事業者)でも電材代理店を使えますか?
使えます。電気工事士の免状がなくても、管工事業者として電材を仕入れることは可能です。ただし、電気工事(配線工事)を自社で施工するには電気工事士の免状が必要です。電材の調達と施工は分けて考えてください。
給水ポンプの制御盤に使うケーブルはどれを選べばいいですか?
動力ポンプには三相200VのCVケーブル(2mm²〜8mm²)を使うのが一般的です。ポンプのモーター容量(kW)から電流を計算し、許容電流に余裕をもたせたサイズを選定します(出典:内線規程 JEAC 8001)。
給湯器の電源回路に必要な電材は何ですか?
一般的な給湯器(100V・10〜15A)の専用回路には、VVFケーブル1.6mm 2C・専用ブレーカー(15〜20A)・専用コンセントが必要です。ヒーター加熱式の電気温水器(4.4〜5.5kW級)は単相200V・30〜50Aの専用回路が必要です。電技解釈149-1表により、30A回路なら直径2.6mm(より線5.5mm²)以上、40A回路なら8mm²以上、50A回路なら14mm²以上が必要で、2.0mmは20A以下の回路までです。一方エコキュート(ヒートポンプ給湯機)はヒートポンプユニットの消費電力が1.0〜1.5kW程度で、単相200V・20A(機種により30A)の専用回路が標準です。いずれも据付説明書の指定に従ってください。
水道工事の電材の見積もりはどうすればいいですか?
電材サーチで品種(CVケーブル・ブレーカー・端子台等)を検索してリストを作り、機器名・容量・設置台数を備考に入力して送信するだけです。翌営業日中に見積もりが届きます。
関連する制御盤の品種・型番をお探しですか?
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