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技能試験 候補問題10問の攻略 ・ 2 / 10

候補問題No.2|3路スイッチが1個だけ『切替用』として登場する問題

読み終えると、こうなる

3路スイッチが1個だけ描かれた図を見ても、それが誤植ではなく『切替用』という別の役割だと見抜けるようになる

  • 自動点滅器の記号(A(3A))を見て、それが明るさで自動的にON/OFFする器具だと判断できる
  • 3路スイッチが単独で使われている図から、自動点滅と手動切替のどちらを優先させる回路かを読み取れる
  • 施工省略の『他の負荷へ』という表記を見て、そこから先を作る必要がないと判断できる
考えてみよう

3路スイッチは、ふつう2個で1組にして使う。階段の下と上、廊下の両端——どちらからでも同じ照明を点けたり消したりできるように、2個1組で組む器具だ。

ところが候補問題No.2の図には、3路スイッチが単独で1個だけ描かれ、「切替用」と注記されている。1個だけの3路スイッチに、何ができるのか。

見当がつかなくて当然だ。読み終えるころには、この1個の3路スイッチが回路の中でどんな役目を果たしているかが分かるようになっている。

まず前提を確認しておく。ここでは配線図そのものは載せない。試験センターが公表している候補問題のPDFを手元に開き、No.2の図を見ながら読み進めてほしい。

図から読み取るもの

No.2の配線図に描かれているのは、次の要素だ。

  • 電源:1φ2W 6 600V(変圧器二次側 1φ2W 100V)
  • 変圧器(単相)、配線用遮断器「B」
  • ランプレセプタクル「イ」
  • 自動点滅器「イ」(A(3A))
  • 3路スイッチ「イ」(切替用・単独使用)
  • アウトレットボックス、VVF用ジョイントボックス

変圧器二次側からの「他の負荷へ」とEB接地、自動点滅器の先の「他の負荷へ」が施工省略に指定されている。

自動点滅器と3路スイッチ、それぞれの役割

自動点滅器と切替用3路スイッチの関係 自動点滅器 A(3A) 明るさで自動判断 3路スイッチ (切替用) 人が手動で介入 ランプレセプタクル「イ」 自動点滅器が明るさで判断し、3路スイッチがその判断を手動で切り替える。2つの装置が同じランプレセプタクルを共有する構成

自動点滅器は周囲の明るさを検知して、暗くなれば自動的にON、明るくなれば自動的にOFFにする器具だ。街灯や屋外灯でよく使われる。ここに3路スイッチを「切替用」として組み込むことで、自動点滅器が判断した状態を、人が任意のタイミングで上書きできるようになる。たとえば、まだ暗くなっていなくても点けたい、あるいは自動点滅器が壊れたときに手動で対応したい、という場面に対応する構成だと理解できる。

3路スイッチは「2個1組で2箇所点滅」という使い方だけが正解ではない。1個を単独で使い、別の検出装置(ここでは自動点滅器)の動作に手動で介入する「切替用」という使い方もある。器具の名前だけで用途を決めつけないことが、この問題の核心だ。

複線図を起こす順序

  1. 施工省略の範囲を先にマークする — 変圧器二次側の「他の負荷へ」・EB接地、自動点滅器の先の「他の負荷へ」を確認し、その先は結線しない
  2. 自動点滅器の結線を確認する — 記号がA(3A)であることから、電源側・負荷側の端子構成を意識する。実物支給か端子台代用かは当日の材料表で確定する
  3. 3路スイッチの結線を追う — 単独使用でも3路スイッチである以上、3端子(共通端子+2つの切替端子)を持つ。切替用としての結線方法を、通常の2個1組の使い方と混同しない
  4. ランプレセプタクル「イ」への結線でまとめる

踏みやすい欠陥項目

  • 3.誤接続,誤結線のもの — 自動点滅器と3路スイッチの結線を取り違えると該当
  • 2.配置,寸法,接続方法等の相違 — 施工省略の範囲を誤って結線すると、逆に「12-2.不要な工事,余分な工事又は用途外の工事を行ったもの」に該当する可能性がある

一歩先の使い道

自動制御と手動介入を両立させる考え方は、屋外照明だけでなく、換気設備や防犯設備など幅広い制御回路に共通する設計思想だ。この問題を通じて、単なる器具の暗記ではなく「自動と手動を両立させる」という発想そのものを身につけられる。

今日試せる行動

街灯や自動販売機の照明を観察し、明るさセンサーだけで動いているのか、それとも手動スイッチも併設されているのかを見てみるといい。切替用スイッチの実物が、意外と身近にある。

覚える意味

自動点滅器だけに頼ると、故障時に手の打ちようがなくなる。手動での切替手段を残しておく設計は、いざというときに人が介入できる余地を確保するという考え方の表れだ。

面白さ

「3路スイッチ=2個1組」という思い込みが崩れる瞬間は、器具の名前ではなく回路図の意図そのものを読む面白さを教えてくれる。

ワクワクする未来

自動制御と手動制御を組み合わせる発想は、これから広がるスマート照明・自動化設備の設計にもそのまま通じる考え方だ。

冒頭の「1個だけの3路スイッチに何ができるのか」——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 3路スイッチが1個しかないことを、図の誤りか描き忘れだと思わせる

    なぜ引っかかる3路スイッチは通常2個1組で階段の上下点滅などに使うという知識が定着していると、1個だけの図を見たときに『もう1個あるはず』と探してしまう。だが図中に『切替用』という注記があり、単独使用が正しい構成だ。

    見破り方3路スイッチの図記号のそばに注記がないか確認する。『切替用』とあれば、単独で使う設計だと理解して複線図を起こす。

  2. 自動点滅器と3路スイッチの役割を逆に理解させる

    なぜ引っかかる自動点滅器は明るさで自動的に動作し、3路スイッチは人が手動で切り替える。この2つが同じ回路に同居すると、どちらが主でどちらが補助(切替用)かをあいまいにしたまま結線してしまいやすい。

    見破り方自動点滅器を『自動でON/OFFする本体』、3路スイッチを『それを手動で上書きする切替スイッチ』という役割分担で理解し、複線図にその関係を反映する。

  3. 『他の負荷へ』という表記を、結線が必要な未完成部分だと誤解させる

    なぜ引っかかる『他の負荷へ』という文言は、この先にまだ回路が続くように見える。実際には施工省略の指定であり、そこから先を作る必要はない。

    見破り方施工省略の範囲を示す注記・破線を、複線図に着手する前に必ずマークしておく。

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 候補問題No.2は単相変圧器1台+配線用遮断器「B」の課題。二次側100V回路が対象になる
  2. 自動点滅器「イ」(A(3A))と、切替用の3路スイッチ「イ」(3路スイッチ1個を単独使用)を組み合わせて、ランプレセプタクル「イ」を点滅させる
  3. 図には『切替用』という注記がある。3路スイッチは通常2個で1組にして階段等の2箇所点滅に使うが、この問題では1個だけ単独で使われている
  4. 変圧器二次からの『他の負荷へ』とEB接地、自動点滅器の先の『他の負荷へ』が施工省略に指定されている
  5. 自動点滅器は器具名でなく A(3A) という記号表記。端子台等での代用の可否は当日の試験問題で確定する
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