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技能試験 候補問題10問の攻略 ・ 3 / 10

候補問題No.3|三相電源からV結線で単相100Vを取り出す問題

読み終えると、こうなる

三相の電源から単相の照明が点いている理由を、変圧器の中身を見なくても端子の取り出し方から説明できるようになる

  • 変圧器記号の『V2V』を見て、単相変圧器2台のV結線だと判断できる
  • V結線の二次側から単相100Vを取り出す構成を、角形引掛シーリングとランプレセプタクルの複線図に落とし込める
  • スイッチと接地極付コンセントの連用箇所を、系統ごとに分けて結線できる
考えてみよう

電源は3φ3W 6 600V——三相3線式の高圧だ。ところが候補問題No.3で実際に光るのは、ランプレセプタクルと角形引掛シーリングという、ごく普通の単相100V照明器具だ。

図に描かれた変圧器は2台、記号は「V2V」とだけ書かれている。三相の電源から、なぜ単相100Vの照明が点くのか。

見当がつかなくて当然だ。読み終えるころには、この変換の仕組みが分かるようになっている。

まず前提を確認しておく。ここでは配線図そのものは載せない。試験センターが公表している候補問題のPDFを手元に開き、No.3の図を見ながら読み進めてほしい。

図から読み取るもの

No.3の配線図に描かれているのは、次の要素だ。

  • 電源:3φ3W 6 600V
  • 変圧器(単相2台・V結線「V2V」)
  • ランプレセプタクル「イ」、スイッチ「イ」
  • 角形引掛シーリング「ロ」、スイッチ「ロ」+接地極付コンセント(E)の連用
  • アウトレットボックス、VVF用ジョイントボックス

変圧器のEB接地・「他の負荷へ」が施工省略に指定されている。

V結線から単相を取り出す仕組み

V結線は、単相変圧器2台を組み合わせて三相の電気を作るための結線方式だ。ただし、その二次側からは2通りの取り出し方がある。

V結線の二次側、単相を取り出す位置 1台分の巻線 中点 両端+中点から取り出す → 単相100V(No.3) 3線間全体 → 三相200V(No.5) 同じV2Vでも、1台分の両端+中点から取れば単相100V、3線間全体から取れば三相200Vになる

No.3は、1台分の巻線の両端と中点という3点から単相100Vを取り出す構成だ。候補No.5は、同じV2Vの記号を持ちながら、3線間全体から三相200Vを取り出す構成になっている(詳しくは候補No.5のトピックで扱う)。どちらの取り出し方をするかは、当日配布される変圧器結線図が指定する。

複線図を起こす順序

  1. 変圧器結線図で単相100Vの取り出し位置を確認する — どの2端子(+中点)から100Vを取るかを最初に把握する
  2. ランプレセプタクル「イ」+スイッチ「イ」の回路を追う — 単純な1灯点滅の系統として結線する
  3. 角形引掛シーリング「ロ」+スイッチ「ロ」+接地極付コンセントの連用を追う — スイッチとコンセントを電気的に別系統として描き分ける
  4. ジョイントボックスでまとめる

この問題特有の難所

V結線という名前だけを見ると三相専用の結線に思えるが、実際には取り出し方によって単相にもなる。10問中2問(No.3・No.5)がこのV2Vという同じ記号を持ちながら異なる系統を作っているのは、偶然ではなく、V結線の理解そのものが試験の主題になっているからだと読める。

角形引掛シーリングとランプレセプタクルは、どちらも照明器具だが結線の作法が異なる。ランプレセプタクルは輪作りによるねじ締め、角形引掛シーリングは台座の構造に合わせた結線になる。器具ごとの作法を混同しないことが、この問題でのもう1つの注意点だ。

踏みやすい欠陥項目

  • 3.誤接続,誤結線のもの — 変圧器結線図と異なる端子から取り出すと該当
  • 8.器具への結線部分 — ランプレセプタクル・角形引掛シーリングそれぞれの結線作法を誤ると該当

一歩先の使い道

V結線の理解は、実際のキュービクルで単相変圧器2台がどう組まれているかを見分ける力につながる。三相の受電設備の中に、単相負荷用の取り出しがどう組み込まれているかを読む視点が身につく。

今日試せる行動

キュービクルや変圧器の写真を見る機会があれば、単相変圧器が2台並んでいるかどうかを観察してみるといい。V結線の可能性がある構成に、目が留まるようになる。

覚える意味

同じ結線方式でも取り出し方で結果が変わるという理解がないまま作業すると、意図しない電圧を負荷にかけてしまう危険がある。結線図どおりに結線することの重要性が、ここに集約されている。

面白さ

三相の電源から単相の照明が点いている、という日常のありふれた光景の裏に、こうした変換の仕組みが隠れていると知ると、電柱の上の変圧器の見え方が変わる。

ワクワクする未来

V結線の理解は、電力会社の配電設備から工場の受電設備まで、幅広い現場で応用が利く基礎知識になる。

冒頭の「三相の電源から、なぜ単相100Vの照明が点くのか」——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 『V結線=三相を作るための結線』という思い込みだけで結線させる

    なぜ引っかかるV結線という名前と、電源が3φ3Wであることから、二次側も当然三相になると連想しやすい。だがNo.3は同じV2Vの記号でありながら、二次側は単相100Vという構成になっている。

    見破り方変圧器記号を見た時点で判断を止めず、その先に描かれている負荷が単相2W回路か三相3W回路かを必ず確認する。

  2. スイッチと接地極付コンセントの連用を、片方だけの結線で済ませられると思わせる

    なぜ引っかかる連用取付枠にまとまっていると、1つの回路として結線しがちになる。だがスイッチは点滅回路の一部、コンセントは常時通電という別の役割を持つ。

    見破り方連用器具ごとに、電源側・負荷側どちらの端子につながるかを複線図の段階で分けて描く。

  3. 角形引掛シーリングとランプレセプタクルを同じ結線方法で扱わせる

    なぜ引っかかるどちらも照明器具という点は共通しているが、台座の構造や結線の作法(差し込みかねじ締めか)が異なる。同じ感覚で結線すると器具への結線部分で欠陥になりやすい。

    見破り方器具ごとに、輪作りが必要かどうか、ストリップゲージに合わせた差し込みが必要かどうかを個別に確認してから作業する。

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 候補問題No.3は単相変圧器2台のV結線(記号は『V2V』)の課題。電源は3φ3W 6 600V
  2. 二次側1φ2W 100V回路に、ランプレセプタクル「イ」とスイッチ「イ」、角形引掛シーリング「ロ」とスイッチ「ロ」+接地極付コンセント(連用)を配置する
  3. V結線の二次側は、1台分の巻線の両端+中点から取り出せば単相100/200Vになる。3線間から取り出せば三相200Vになる(候補No.5がこちらの構成)
  4. 変圧器二次の『他の負荷へ』とEB接地が施工省略に指定されている
  5. どの端子から100Vを取り出すかは、当日配布される変圧器結線図で確定する
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