候補問題No.4に描かれているパイロットランプ「イ」は、常時点灯なのか、スイッチと同時に点くのか、それとも消えている間だけ点くのか。図のどこにも書かれていない。
第二種の候補問題では、パイロットランプの点灯条件が図に特記されていることが多かった。第一種の図には、その特記自体がない。
見当がつかなくて当然だ。読み終えるころには、この「書かれていないこと」にどう対応すればいいかが分かるようになっている。
まず前提を確認しておく。ここでは配線図そのものは載せない。試験センターが公表している候補問題のPDFを手元に開き、No.4の図を見ながら読み進めてほしい。
図から読み取るもの
No.4の配線図に描かれているのは、次の要素だ。
- 電源:1φ2W 6 600V(変圧器二次側 1φ2W 100V)
- 変圧器(単相)、配線用遮断器「B」
- ランプレセプタクル「イ」、角形引掛シーリング「イ」(同じ「イ」で同時点滅)
- パイロットランプ「イ」+スイッチ「イ」+接地極付コンセント(E)の3個連用
- アウトレットボックス
変圧器二次のEB接地・他の負荷へと、コンセント側の他の負荷への、2箇所が施工省略に指定されている。
同じ記号は同じ回路——2灯同時点滅
ランプレセプタクル「イ」と角形引掛シーリング「イ」は、器具の種類も設置場所も異なるが、記号が同じ「イ」である以上、スイッチ「イ」1個で同時に点滅する1つの回路だ。複線図を起こすときは、この2灯を1つの負荷として扱い、スイッチから戻る配線を2灯へ分岐させる形で描く。
パイロットランプ——書かれていない点灯条件
パイロットランプの結線方法は、点灯条件によって変わる。
- 常時点灯 — 点滅器を通さず電源に直結(非接地側と接地側の間)し、スイッチの状態に関わらず常に点灯
- 同時点滅 — 負荷と並列、つまり点滅器の二次側と接地側の間に入れ、スイッチが入って負荷が動作している間だけ点灯
- 異時点滅 — スイッチが切れているときだけ点灯するよう、点滅器(スイッチ)と並列に接続する。いわゆる「ほたるスイッチ」で、暗がりでスイッチの位置を示す
候補問題No.4の図には、この3つのどれを採用するかが書かれていない。当日の施工条件でいずれかが指定される。練習の段階では、3パターンすべてを一度は結線しておくと、当日どの条件が来ても対応できる。
複線図を起こす順序
- 同じ記号の器具をまとめる — ランプレセプタクル「イ」と角形引掛シーリング「イ」を1つの負荷として扱う
- 3個連用を役割ごとに分ける — パイロットランプ・スイッチ・接地極付コンセントを、電源側・負荷側の対応で個別に描く
- 施工省略の範囲を確認する — 変圧器二次側とコンセント側、2箇所の「他の負荷へ」の先は結線しない
- 点灯条件は当日確定と想定し、3パターンを練習しておく
踏みやすい欠陥項目
- 3.誤接続,誤結線のもの — パイロットランプの結線方法(常時・同時・異時)を施工条件と違えると該当
- 11.取付枠部分 — 3個連用の取付位置・向きを誤ると該当
一歩先の使い道
パイロットランプの点灯条件を使い分ける力は、分電盤や制御盤の「動作中表示」「電源投入表示」といった実務の表示灯設計にそのまま応用できる。
今日試せる行動
自宅や職場の電気ポットや洗濯機のパイロットランプが、電源が入っているだけで点くのか、動作中だけ点くのかを観察してみるといい。同時点滅・常時点灯の違いが具体的に見えてくる。
覚える意味
点灯条件を取り違えると、動作中を示すはずのランプが常時点灯してしまい、機器の状態を誤って伝える。表示灯の結線は、単なる飾りではなく状態を正しく伝えるための回路だ。
面白さ
同じ「パイロットランプ」という部品が、結線1つで違う意味を持つと知ると、身の回りの表示灯の見え方が変わる。
ワクワクする未来
点灯条件を使い分ける力は、これから増えていく設備の状態監視・遠隔監視の基礎になる考え方だ。
冒頭の「パイロットランプはいつ点くのか」——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。