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技能試験 候補問題10問の攻略 ・ 6 / 10

候補問題No.6|B種接地とD種接地、2種類の緑線が登場する問題

読み終えると、こうなる

作品の中の緑色の電線を見たとき、太さの違いだけでそれがB種接地なのかD種接地なのかを見分けられるようになる

  • 三相変圧器のΔ-Δ結線(△3△)の記号を見て、三相3線200Vの動力回路だと判断できる
  • 変圧器二次側のB種接地(EB)と、電動機・コンデンサのD種接地(ED)を、緑線の太さで見分けて結線できる
  • 運転表示灯を電流計と組み合わせた回路で、施工省略の範囲を正しく見極められる
考えてみよう

作品のどこにも接地棒は打たない。それなのに、緑色の電線が2種類——5.5mm2と1.6mm——別々に支給される。

どちらも同じ「緑」という色だ。太さの違いは、何を意味しているのか。

見当がつかなくて当然だ。読み終えるころには、この2種類の緑線がそれぞれ何のためにあるのかが分かるようになっている。

まず前提を確認しておく。ここでは配線図そのものは載せない。試験センターが公表している候補問題のPDFを手元に開き、No.6の図を見ながら読み進めてほしい。

図から読み取るもの

No.6の配線図に描かれているのは、次の要素だ。

  • 電源:3φ3W 6 600V
  • 変圧器(三相・「△3△」表記=Δ-Δ結線)
  • 電流計「A」(施工省略)を経る回路
  • 開閉器「S」(3P15A) → 三相誘導電動機「M 3〜」(施工省略・ED接地)+コンデンサ(施工省略・ED接地)
  • ランプレセプタクル「R」(運転表示灯)
  • アウトレットボックス

変圧器のEB接地は施工省略に指定されている。

三相の動力回路——他の問題との違い

No.6は、10問の中で唯一「△3△」という三相Δ-Δ結線の変圧器を単独で使う問題だ。二次側は3φ3W 200Vで、三相誘導電動機という動力負荷が登場する。ここまでの候補問題(No.1〜No.5)は、照明・コンセント中心の低圧回路が主だったが、No.6からは動力回路の要素が加わる。

2種類の緑線——B種接地とD種接地

2種類の緑線、それぞれの行き先 変圧器二次側 IV5.5mm2 緑 B種接地(EB) (施工省略) 電動機・コンデンサ IV1.6mm 緑 D種接地(ED) (施工省略) 同じ緑色でも、太さが違えば接地の種類(B種/D種)が違う。作品上ではどちらも施工省略の範囲に含まれることが多いが、境界の理解は必要になる
接地工事にはA種〜D種の区分があり、扱う設備の電圧・役割によって要求される基準が異なる。変圧器の二次側(高圧を受けた側)はB種接地、電動機やコンデンサのような末端の機器はD種接地——同じ「接地」でも守っているものの重みが違うからこそ、電線の太さも変えて区別している。この区別は施工省略の枠の中に隠れていても、理解しておく必要がある。

運転表示灯とその他の要素

ランプレセプタクル「R」は運転表示灯として使われている。開閉器「S」が入って電動機が動作しているときだけ点灯するよう、開閉器の負荷側に接続する。電流計「A」は施工省略の対象で、実際に結線するのはその手前までになる。前の候補No.5で扱った表示灯の考え方——「いつ点くべきか」で結線先を決める——は、No.6のランプレセプタクル「R」にもそのまま当てはまる。器具の名前や記号が変わっても、判断の軸は変えない。

複線図を起こす順序

  1. 三相200Vの動力回路であることを確認する — 照明回路とは異なる、電動機を含む構成であることを最初に押さえる
  2. 施工省略の範囲を明確にする — 電流計・電動機・コンデンサ・各接地のうち、どこまでが省略対象かを図と施工条件で確認する
  3. 接地線を太さで見分ける — 変圧器二次側(B種・5.5mm2)と機器側(D種・1.6mm)を混同しない
  4. 運転表示灯「R」を開閉器の負荷側に結線する

踏みやすい欠陥項目

  • 3.誤接続,誤結線のもの — 接地線の太さ・行き先を取り違えると該当
  • 2.配置,寸法,接続方法等の相違 — 施工省略の範囲を誤ると該当

一歩先の使い道

接地の種類ごとに電線を使い分ける感覚は、実際の工場・ビルの電気設備における接地工事の設計・点検にそのまま生きる。

今日試せる行動

自宅の分電盤やコンセントのアース線がどの太さかを確認してみるといい。用途に応じて接地線の太さが変わるという感覚が、身近なところからも実感できる。

覚える意味

接地の種類を混同すると、本来求められる保護性能が得られないまま「接地されている」と誤認することになる。太さの違いは、単なる規格上の都合ではなく、守るべき対象の重みの違いを表している。

面白さ

同じ緑色の電線に、こんなに明確な役割の違いがあると知ると、電気設備を見る目の解像度が上がる。

ワクワクする未来

三相の動力回路と接地の使い分けを理解する力は、工場の設備更新やモーター周りの保守という、これから需要が続く現場仕事の土台になる。

冒頭の「2種類の緑線、太さの違いは何を意味するか」——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 緑色の電線だから、太さに関わらずどちらでもよいと思わせる

    なぜ引っかかる接地線はどちらも同じ緑色に見えるため、太さの違いに注意が向きにくい。だが5.5mm2はB種接地(変圧器二次側)、1.6mmはD種接地(電動機・コンデンサ)という別々の役割を持つ。

    見破り方接地線を手に取ったら、まず太さを確認してから、どの端子(EB端子かED端子か)につなぐかを判断する。

  2. 施工省略になっている部分を『存在しない』と誤解させる

    なぜ引っかかる電流計・電動機・コンデンサ・接地の多くが施工省略に指定されているため、これらを意識から外してしまいやすい。だが施工省略の境界を誤ると、省略すべきでない部分まで省略したり、逆に省略部分に誤って結線したりする。

    見破り方施工省略の範囲を複線図の段階で明確にマークし、境界線の内側と外側を意識して作業する。

  3. 運転表示灯『R』を、単なる照明器具として結線させる

    なぜ引っかかるランプレセプタクル『R』は器具としては普通の照明用ソケットだが、この回路では『運転表示灯』という役割を持つ。単なる照明として電源側に直結すると、開閉器の状態に関わらず常時点灯し、役割を果たさなくなる。

    見破り方『R』の役割注記を確認し、運転表示灯として開閉器の負荷側に接続する。

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 候補問題No.6は三相変圧器1台(記号は『△3△』=Δ-Δ結線)の課題。電源は3φ3W 6 600V、二次側は3φ3W 200V
  2. 電流計『A』(施工省略)を経る回路と、開閉器『S』(3P15A)→三相誘導電動機『M 3〜』(施工省略・ED接地)+コンデンサ(施工省略・ED接地)の回路がある
  3. ランプレセプタクル『R』が『運転表示灯』として使われる
  4. 変圧器のEB接地は施工省略。電動機・コンデンサのED接地も施工省略の対象
  5. 変圧器二次側のB種接地は5.5mm2の緑線(IV5.5緑)、機器のD種接地は1.6mmの緑線(IV1.6緑)というように、接地の種類ごとに電線の太さが分かれる
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