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配線図 ・ 2 / 13

開閉する機器の記号 — 断路器・遮断器・負荷開閉器・PF付きLBS

読み終えると、こうなる

開閉する機器の記号を見たとき、線の先端の小さな印だけでその機器に何ができて何ができないかを見分けられるようになる。

  • 断路器・遮断器・負荷開閉器を、先端の印(横棒・×・丸)から仕分けられる
  • 電流が流れたまま操作してよい機器と、いけない機器を、記号の印から判定できる
  • ヒューズ付き負荷開閉器の記号を、断路・負荷開閉・短絡保護という機能の足し算として読み解ける
考えてみよう

断路器と遮断器と負荷開閉器。単線結線図では、どれも同じ斜め線1本で描かれている。違うのは、線の先端に付いている小さな印だけだ。なぜこんな似た描き方をするのか。

3つとも「電気を切る」機器なのだから、性能もだいたい同じなのではないかと思うかもしれない。だが実際には、負荷電流すら切れない機器と、短絡電流まで切れる機器が、ほとんど同じ見た目の記号で描き分けられている。

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、この3つの記号を、丸暗記ではなく1つの法則で見分けられるようになっている。

前のトピックで、単線結線図は「まとめる」ことで情報を圧縮していることを見た。図記号にも同じ発想がある。開閉する機器の記号は、共通の土台の上に、機能を示す小さな印を足し算する形でできている。

共通の土台と、3つの印

JIS C 0617-7の開閉装置の記号は、上下の端子線と、それをつなぐ斜めの可動接点という共通の基本形を持つ。違いはすべて、固定側端子の先端に付く印にある。

接点記号に足し算される3つの印 横棒=断路機能 丸=負荷開閉機能 ×=遮断機能 JIS C 0617-7の接点記号に足し算される3つの印(自作、規格票の形状記述に基づく)

横棒は「断路機能」——無負荷のときだけ切り離せる。丸は「負荷開閉機能」——負荷電流を開閉できる。×は「遮断機能」——短絡電流のような故障電流まで遮断できる。印が示す機能は、この順で強くなっていく。

断路器・遮断器・負荷開閉器の記号が似ているのは、3つが「たまたま似ている」からではない。**共通の接点記号という土台の上に、機能を示す印を1つずつ足し算した結果として、似た形になっている。** 横棒だけなら断路器、横棒+丸なら負荷開閉器、×なら遮断器。記号を30個の絵として暗記するのではなく、印の意味という数個の部品を覚えれば、初めて見る組み合わせの記号でも機能を分解して読める。

4つの記号を並べて確認する

開閉する機器4種の図記号(JIS C 0617-7) 断路器(DS) 遮断器(CB/VCB) 負荷開閉器(LBS) PF付きLBS 断路器・遮断器・負荷開閉器・ヒューズ付き負荷開閉器の図記号(自作、JIS規格票の形状記述に基づく)

断路器(DS・07-13-06) は横棒だけ。可動接点の斜め線は横棒の手前で止まり、開いた状態を表す。遮断器(CB/VCB・07-13-05) は×だけ。負荷開閉器(LBS・07-13-08) は横棒+丸の組み合わせで、「断路もできて、負荷も切れる」という2つの機能を持つことをそのまま表している。

そしてヒューズ付き負荷開閉器(07-21-09)——PF・S形の主遮断装置に使われる機器——は、固定側端子の印はLBSと同じ横棒+丸だが、可動接点そのものが細長い長方形に中心線が通ったヒューズの形で描かれる。つまり「断路+負荷開閉」の機能に、ヒューズによる短絡保護の機能が、可動接点の形を変えることで足し算されている。3つの機能を1つの記号に重ねる、この科目でいちばん密度の高い記号だ。

JISに専用記号がない機器名もある

ここまでの4種はJIS C 0617-7に明確な図記号がある。だが、試験や実務の単線結線図でよく見る名前の中には、JISに専用の図記号を持たないものがある。高圧カットアウト(PC)・柱上気中開閉器(PAS)・地中線用ガス開閉器(UGS)だ。

これらは機器の商品名・慣用の略称であって、図記号の名称ではない。PCはヒューズ付きの開閉器系の記号に「PC」と文字を添えて示され、PAS・UGSは負荷開閉器の記号(多くはZCT・GRを併記した形)に「PAS」「UGS」と傍記して示される。つまりここまで見てきた「機能の印を足し算する」記号の語彙と、「機器名を文字で書き添える」実務の慣用表現は、別のレイヤーだと理解しておく必要がある。JISの記号だけを見て機器名を特定しようとすると、この2つのレイヤーを混同してしまう。

記号の語彙を覚えると、初見の図でも読み解ける

横棒・丸・×という3つの印の意味さえ押さえれば、この先の科目で出てくる知らない組み合わせの記号にも、慌てず対応できるようになる。今日試せることとして、電気設備のカタログや竣工図に単線結線図が載っていたら、開閉器系の記号の先端にどんな印が付いているかを探し、それが断路・負荷開閉・遮断のどの機能を意味するか、自分で言い当ててみるといい。

この記号の設計が「足し算」になっているのは、現場でとっさに機器の能力を判断できるようにするためだ。負荷電流すら切れない断路器を、電流が流れたまま操作してしまう事故は実際に起きており、記号を見ただけでその機器に何ができて何ができないかが分かることが、安全な作業手順の土台になっている。

冒頭の疑問、なぜ3つの機器が似た斜め線1本の記号で描かれるのか。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 遮断器(×)と負荷開閉器(丸)の印の意味を逆に覚えさせる

    なぜ引っかかる×は視覚的に『激しく切る』印象、丸は『軽い』印象を与えやすく、感覚的なイメージだけで結びつけると逆転して覚えやすい

    見破り方印の意味を感覚ではなく機能の大きさで固定する。×は短絡電流まで遮断できる最も強い機能、丸は負荷電流の開閉という一段軽い機能、横棒は無負荷の断路だけという最も軽い機能、という強さの順で覚える

  2. PF付きLBSの図記号を見て、ヒューズ(PF)単体の記号だと誤読させる

    なぜ引っかかる可動接点の部分がヒューズと同じ『細長い長方形+中心線』の形をしているため、記号全体をヒューズ単体の記号だと勘違いしやすい

    見破り方固定側端子の先端に横棒と丸(負荷開閉器の印)が付いているかを確認する。それが付いていれば、ヒューズ形の可動接点を持つ負荷開閉器(PF付きLBS)であり、ヒューズ単体の記号とは別物だと判断する

  3. 高圧カットアウト(PC)やPAS・UGSに、JIS規格で定められた専用の図記号があると思い込ませる

    なぜ引っかかるPC・PAS・UGSは試験にも頻出する名称のため、専用の決まった記号が規格上存在すると誤解しやすい

    見破り方PC・PAS・UGSはJIS C 0617に専用図記号が無い、機器名(略称)だと理解する。図面上は既存の開閉器系の記号に『PC』『PAS』『UGS』と文字で傍記して示されているだけだと確認する

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. JIS C 0617-7の接点記号は共通の基本形(上下の端子線と斜めの可動接点)を持ち、固定側端子の先端に付く印だけが機器ごとに違う
  2. 断路器(DS)は先端に横棒(07-13-06)、遮断器(CB/VCB)は先端に×(07-13-05)、負荷開閉器(LBS)は横棒+小さい丸(07-13-08)が付く
  3. ヒューズ付き負荷開閉器(PF・S形の主遮断装置)は、LBSの端子印に加えて可動接点そのものがヒューズ形(細長い長方形+中心線)で描かれる(07-21-09)
  4. 高圧カットアウト(PC)・PAS・UGSはJIS C 0617に専用の図記号を持たない。実務・試験では既存の開閉器系の記号に『PC』『PAS』『UGS』と傍記して示す慣用表現
  5. 印を1つずつ機能に対応させて覚えると、初めて見る組み合わせの記号でも機能を分解して読める
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