在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 24時間受付 / 電話は平日 9:00〜17:00 03-3833-6431
配線図 ・ 8 / 13

単線結線図を辿る手順と、問われ方の類型

読み終えると、こうなる

同じ機器が名称・写真・工具のどれで問われても、上流から下流への並び順という同じ地図から答えを導けるようになる。

  • 初めて見る単線結線図でも、上流から下流へ辿って今どの機器を見ているかを見失わずにいられる
  • 高圧母線から分かれるVT側とCT側の道筋を、計測だけで終わる道と保護の実行までつながる道として仕分けられる
  • 配線図の設問が名称・写真・工具のどの形で来ても、同じ並び順の地図から答えを絞り込める
考えてみよう

単線結線図の同じ位置にある機器なのに、ある年の問題ではその名称を問われ、別の年の問題では実物の写真との照合を問われ、また別の年では施工に使う工具を問われる。

問われる形はまったく違うのに、図の中でその機器が座っている「位置」だけは変わらない。出題者はいったい、図のどこを見て問題を組み立てているのか。

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、この科目の問題がどんな地図の上に作られているかを説明できるようになっている。

これまでのトピックで、単線結線図に登場する図記号・略号・機能を1つずつ見てきた。最後に、それらを実際の単線結線図の中でどの順に辿り、どう問われるかをまとめる。

上流から下流への標準的な並び

単線結線図を辿る標準的な順序(代表例) 電力会社 高圧配電線(6600V) 区分開閉器(PAS/UGS)=責任分界点 高圧引込ケーブル 断路器(DS) 避雷器(LA) VCT(MOF)+ Wh(電力量計) 主遮断装置(CB形/PF・S形) 高圧母線 変圧器回路(LBS/PC→T) 進相コンデンサ回路(SR→SC) 低圧配電盤 代表的な単線結線図の並び順(自作の概念図。細部の並びは設備ごとに異なる)

区分開閉器(責任分界点)から低圧配電盤まで、電気が実際に流れる順序がそのまま図の並びになっている。試験で機器の名称や役割を問われたとき、この並び順という地図を持っていれば、「この機器は主遮断装置より上流か下流か」という位置関係から答えを絞り込める。

母線から分かれるもう1つの道——測定と保護の分岐

高圧母線から分かれる測定・保護の道筋 高圧母線 VT(計器用変圧器) 電圧計・VS・UVR 高圧母線 CT(変流器) 電流計・AS・OCR TC(引外しコイル) CB(遮断器)を遮断 VT側は計測へ、CT側は計測と保護(OCR経由の遮断)へ分岐する(自作の概念図)
主回路の1本の縦の流れだけを追っていても、単線結線図の半分しか読めていない。**高圧母線からはVT・CTという2本の脇道が分かれ、VT側は計測だけで終わるが、CT側は計測に加えて保護(OCR→TC→CB)という実行の道筋にまでつながっている。** この脇道の存在に気づけるかどうかで、図の読み方の深さが変わる。

問われ方は変わっても、地図は変わらない

配線図問題の問われ方には、いくつかの決まった型がある。図中番号の機器名称・用途を問う型、機器の写真との照合を問う型、図記号そのものを選ばせる型、機器の役割・動作の正誤を問う型、設置目的・保護協調を問う型、工具・材料・施工方法を問う型、制御回路(シーケンス図)の読み取りを問う型、計器・計測回路を問う型。同じ「単線結線図」という題材から、これだけ多様な角度の問題が作られる。

だが、どの型で問われても、土台になっている情報は同じだ。上流から下流への並び順、記号が示す機能、略号の由来、継電器の枠の中の文字。この科目のここまでのトピックで見てきた内容そのものが、そのままどの問われ方にも対応できる共通の地図になっている。

地図を持って図面に向き合うと、初見の設備でも迷わなくなる

この並び順と分岐が頭に入ると、初めて見る単線結線図でも「今どのあたりを見ているか」を見失わなくなる。今日試せることとして、電気設備の点検報告書や竣工図に単線結線図が載っていたら、上流から下流へ指でなぞりながら、区分開閉器・DS・LA・VCT・主遮断装置・高圧母線・変圧器・低圧側という並びのどこに今いるかを確認してみるといい。

この並び順が標準化されているのは、設備ごとに図の描き方がバラバラでは、点検も緊急対応も遅れてしまうからだ。決まった地図があるからこそ、初めて訪れた建物のキュービクルでも、扉の内側の結線図を見ればおおよその構成を素早く把握できる。

第一種電気工事士としてこの地図を持つということは、単線結線図という第一種特有の「まったく別の世界」に、迷わず踏み込めるということでもある。

冒頭の疑問、出題者は何を基準に問題を作っているのか。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 図記号の形と実物の写真の見た目が同じはずだと思い込み、写真照合問題で戸惑う

    なぜ引っかかるPAS・UGS・LBSなどは、単線結線図の記号と実際の機器の外観がまったく違って見えるため、記号だけを覚えていると写真問題で対応できない

    見破り方図記号(機能を示す抽象的な印)と、実物の写真(金属の箱やがいしの形)は別の学習が必要だと切り分ける。名称→図記号→実物写真の3点をセットで覚える

  2. 機器の役割の正誤を問う問題で、性質の一部だけをすり替えて誤答をつくる出題に気づかない

    なぜ引っかかる選択肢の文章が長く自然に読めてしまうため、『DSは負荷電流を遮断できる』のような一部だけ誤った記述を見逃しやすい

    見破り方各機器について『できること』と『できないこと』を一言で言えるように整理しておく。選択肢を読むときは、文全体の自然さではなく、できないはずのことが『できる』と書かれていないかを1文ずつ確認する

  3. 工具・材料を問う問題を、機器の名称知識だけで解けると思い込ませる

    なぜ引っかかる配線図問題という科目名から、機器の名称と役割さえ覚えれば十分だと考えやすい

    見破り方高圧引込ケーブルの端末処理(ストレスコーン・耐張がいし)、接地工事の種類(A種・B種)など、機器そのものではなく施工に使う工具・材料の知識が別途必要だと認識する

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 単線結線図は原則として上流(電力会社側)から下流(負荷側)へ、区分開閉器→引込ケーブル→DS→LA→VCT(MOF)→主遮断装置→高圧母線→変圧器・進相コンデンサ回路→低圧側の順に辿る
  2. VT側の分岐は電圧計・VS・UVRへ、CT側の分岐は電流計・AS・OCR→TC(引外しコイル)→CBへとつながる、別の道筋になる
  3. 配線図問題の問われ方には、名称・写真照合・図記号選択・役割の正誤・設置目的・工具材料・制御回路読取・計器回路という複数の類型がある
  4. 同じ位置の機器でも、年度によって問われ方(名称か、写真か、図記号か)が変わるだけで、機器の並び順という地図は変わらない
  5. 機器の並び順の細部(VCTや避雷器の位置関係など)は設備ごとに異なるため、ここで示す順序は代表的な構成として理解する
Xでシェア
打ち合わせを予約 見積依頼