単線結線図の同じ位置にある機器なのに、ある年の問題ではその名称を問われ、別の年の問題では実物の写真との照合を問われ、また別の年では施工に使う工具を問われる。
問われる形はまったく違うのに、図の中でその機器が座っている「位置」だけは変わらない。出題者はいったい、図のどこを見て問題を組み立てているのか。
見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、この科目の問題がどんな地図の上に作られているかを説明できるようになっている。
これまでのトピックで、単線結線図に登場する図記号・略号・機能を1つずつ見てきた。最後に、それらを実際の単線結線図の中でどの順に辿り、どう問われるかをまとめる。
上流から下流への標準的な並び
区分開閉器(責任分界点)から低圧配電盤まで、電気が実際に流れる順序がそのまま図の並びになっている。試験で機器の名称や役割を問われたとき、この並び順という地図を持っていれば、「この機器は主遮断装置より上流か下流か」という位置関係から答えを絞り込める。
母線から分かれるもう1つの道——測定と保護の分岐
問われ方は変わっても、地図は変わらない
配線図問題の問われ方には、いくつかの決まった型がある。図中番号の機器名称・用途を問う型、機器の写真との照合を問う型、図記号そのものを選ばせる型、機器の役割・動作の正誤を問う型、設置目的・保護協調を問う型、工具・材料・施工方法を問う型、制御回路(シーケンス図)の読み取りを問う型、計器・計測回路を問う型。同じ「単線結線図」という題材から、これだけ多様な角度の問題が作られる。
だが、どの型で問われても、土台になっている情報は同じだ。上流から下流への並び順、記号が示す機能、略号の由来、継電器の枠の中の文字。この科目のここまでのトピックで見てきた内容そのものが、そのままどの問われ方にも対応できる共通の地図になっている。
地図を持って図面に向き合うと、初見の設備でも迷わなくなる
この並び順と分岐が頭に入ると、初めて見る単線結線図でも「今どのあたりを見ているか」を見失わなくなる。今日試せることとして、電気設備の点検報告書や竣工図に単線結線図が載っていたら、上流から下流へ指でなぞりながら、区分開閉器・DS・LA・VCT・主遮断装置・高圧母線・変圧器・低圧側という並びのどこに今いるかを確認してみるといい。
この並び順が標準化されているのは、設備ごとに図の描き方がバラバラでは、点検も緊急対応も遅れてしまうからだ。決まった地図があるからこそ、初めて訪れた建物のキュービクルでも、扉の内側の結線図を見ればおおよその構成を素早く把握できる。
第一種電気工事士としてこの地図を持つということは、単線結線図という第一種特有の「まったく別の世界」に、迷わず踏み込めるということでもある。
冒頭の疑問、出題者は何を基準に問題を作っているのか。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。