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電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備 ・ 14 / 21

高圧の絶縁用保護具と防具 — 『着ける物』と『取り付ける物』の違い

読み終えると、こうなる

現場の絶縁資材が、体に着ける道具なのか、電路側に取り付ける道具なのかを、名前を聞く前に見分けられるようになる。

  • 高圧用絶縁ゴム手袋と絶縁シートを、身体に着けるか電路側に取り付けるかで絶縁用保護具・絶縁用防具に仕分けられる
  • ゴム手袋の上に皮手袋を重ねる理由を、絶縁性能の強化ではなく外的損傷からの保護だと言い当てられる
  • 絶縁用保護具の定期自主検査が6月以内ごとに1回だと知ったうえで、点検記録を3年間保存する必要があると判断できる
考えてみよう

高圧の活線作業では、絶縁性能のあるゴム手袋を着けるだけでは終わらない。そのゴム手袋の上から、さらに使い古した皮の手袋を重ねて着ける。絶縁のためならゴムだけで十分なはずなのに、なぜもう1枚、電気を通しそうな皮手袋を重ねるのか。

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、この重ね着けが何を守っているかを説明できるようになっている。

高圧の活線作業・活線近接作業では、感電を防ぐための道具が、大きく2つの種類に分けられる。絶縁用保護具絶縁用防具だ。

絶縁用保護具と絶縁用防具の違い 絶縁用保護具 =作業者の身体に着ける 高圧用絶縁ゴム手袋 (+保護革手袋を併用) 絶縁衣・絶縁ズボン 電気用保護帽 対象:7000V以下 絶縁用防具 =充電電路側に取り付ける 絶縁シート (高圧プラスチックシート) 絶縁管 がいしカバー 対象:7000V以下の充電部 絶縁用保護具等の規格(告示144号)は、保護具・防具・活線作業用装置・活線作業用器具の4区分を定める(自作の分類図)

絶縁用保護具は、高圧用絶縁ゴム手袋、絶縁衣・絶縁ズボン、電気用保護帽など、作業者の身体に着けて感電を防ぐものだ。使用電圧7000V以下が対象とされる。これに対して絶縁用防具は、絶縁シート(高圧プラスチックシート)、絶縁管、がいしカバーなど、作業者に着けるのではなく、作業者が触れるおそれのある充電部・支持物側に取り付けて充電部を覆うものだ。絶縁用保護具等の規格(昭和47年労働省告示第144号)は、この保護具・防具に加えて活線作業用装置・活線作業用器具の4区分を規定している。

保護具と防具の違いは、絶縁性能の高さの違いではない。**着ける対象が「人」か「電路」か** という一点にある。同じ絶縁性の資材でも、身体に着ければ保護具、充電部側に取り付ければ防具と、呼び名も規格上の扱いも変わる。

高圧用絶縁ゴム手袋は単独では傷みやすいため、外側にはめる保護革手袋の併用が必要とされる。ゴム手袋が絶縁を担い、保護革手袋がその絶縁層を鋭利なものや擦り傷といった外的損傷から守る、という役割分担だ。

告示144号は、使用電圧区分ごとに耐電圧試験の電圧を定めている。使用電路600V超〜3500V以下のものは12000V、3500V超〜7000V以下のものは20000Vに、それぞれ1分間耐えることが求められる。

これとは別に、労働安全衛生規則第351条は、絶縁用保護具等について6月以内ごとに1回の定期自主検査を義務づけ、検査年月日・方法・箇所・結果・実施者・補修等の内容を3年間保存すると定めている。検査で異常が見つかれば、補修その他必要な措置をとった後でなければ使用してはならない。

道具の名前が、着け方の答えを教えてくれる

保護具と防具の区別が身につくと、キュービクルの点検写真に写っている資材が、作業者の装備なのか、電路側の対策なのかを、名前を聞く前に見分けられるようになる。今日試せる行動として、電気工事関連の資材カタログや安全用品店の商品分類を眺めてみると、「保護具」と「防具」がはっきり別の棚に分かれていることに気づけるはずだ。

この区別と定期自主検査が厳格に定められているのは、絶縁用保護具の劣化や損傷を見逃した結果として起きた感電事故の記録があるからだ。6月ごとの検査という頻度も、思いつきの数字ではなく、事故と保守の歴史の上に決められている。

高圧の活線作業・活線近接作業は、太陽光発電や蓄電池設備の高圧連系工事でも避けて通れない場面だ。保護具と防具を正しく使い分け、定期自主検査を怠らないという基本が、その現場に立つための土台になる。

冒頭の「なぜゴム手袋の上に皮手袋を重ねるのか」。答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 絶縁シート・絶縁管・がいしカバーを絶縁用保護具だと誤答させる

    なぜ引っかかるどちらも絶縁性の資材で見た目も似ており、まとめて『保護具』と呼んでしまいやすい

    見破り方人体に着けるか(保護具)、充電部側に取り付けるか(防具)で仕分ける。絶縁シート・絶縁管・がいしカバーは充電電路側に取り付ける絶縁用防具である

  2. 絶縁用保護具が特別高圧まで含めて広く使えると誤答させる

    なぜ引っかかる『高圧用』という言葉の括りから、電圧の上限を漠然と高く見積もりやすい

    見破り方高圧用絶縁ゴム手袋等は使用電圧7000V以下が対象で、告示144号の耐電圧試験電圧も電圧区分ごとに定められている点を確認する

  3. 定期自主検査(安衛則351条)の頻度と、耐電圧試験の電圧値(告示144号)を1つの条文の話としてまとめて覚えさせる

    なぜ引っかかるどちらも『絶縁用保護具の点検』というくくりで語られるため、出典が同じに見えてしまう

    見破り方6月以内ごとに1回・記録3年保存という頻度と記録の話は安衛則351条、耐電圧試験の具体的な電圧値は告示144号(第3条)と、出典を分けて覚える

  4. 定期自主検査で異常が見つかっても、次の検査までそのまま使用を続けてよいと誤答させる

    なぜ引っかかる検査は次回検査までの期間を保証するものだと誤解しやすい

    見破り方異常があれば補修その他必要な措置をとった後でなければ使用してはならないと定められている点を確認する

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 絶縁用保護具は作業者の身体に着けるもの(ゴム手袋、絶縁衣・絶縁ズボン、電気用保護帽など)。絶縁用防具は充電電路側に取り付けて充電部を覆うもの(絶縁シート、絶縁管、がいしカバーなど)
  2. 高圧用絶縁ゴム手袋は使用電圧7000V以下が対象で、単独では傷みやすいため保護革手袋(外側にはめる皮手袋)の併用が必要
  3. 絶縁用保護具等の規格(昭和47年労働省告示第144号)は、使用電路3500V超〜7000V以下用に20000V・1分間の耐電圧試験を要求する(600V超〜3500V以下用は12000V)
  4. 労働安全衛生規則第351条は、絶縁用保護具等について6月以内ごとに1回の定期自主検査を義務づけ、記録を3年間保存する。異常があれば補修等の措置をとった後でなければ使用してはならない
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