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接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)

読み終えると、こうなる

キュービクル内の変圧器やケーブルの図面を見たとき、どの部分にA種〜D種のどの接地工事が必要で、それぞれ何を守っているのかを一目で言い当てられるようになる

  • 対象設備の使用電圧・受電電圧から、A種〜D種のどの接地工事が必要かを仕分けられる
  • B種接地工事の接地抵抗値を、1線地絡電流Igから計算式(150/Ig等)で求められる
  • 高低圧混触事故時にB種接地工事が低圧側電位上昇を抑える仕組みと、高圧側電路の自動遮断装置の動作時間による接地抵抗値基準の緩和を説明できる
  • 配電線路の公称電圧・こう長(電線延長)から、1線地絡電流Igを電気設備技術基準の解釈が示す計算式で概算できる
考えてみよう

キュービクルの中の変圧器を見ると、外箱には太い接地線が、低圧側の配電盤には別の接地線が、それぞれつながっている。同じ「接地」という言葉でも、どちらも同じ抵抗値の基準で施工されているわけではない。

しかも、変圧器の低圧側中性点につながる接地線の抵抗値は、隣の現場の同じ変圧器とは違う数値が基準になっていることがある。同じ機種の変圧器なのに、なぜ抵抗値の基準が現場ごとに変わるのか。

このトピックを読み終えるころには、キュービクルの中のどの接地線が何のためにあり、なぜB種接地工事だけが現場ごとに違う数値を持つのかを、自分で説明できるようになっている。

種明かしは、接地工事がA種からD種までの4種類に分かれ、それぞれ「何を、どんな事故から守るか」が異なる点にある。特にB種接地工事だけは、他の3種とは違う設計思想で数値が決まる。

A種・C種・D種 — 電圧が高いほど、抵抗値は厳しくなる

A種・C種・D種の3つは、対象設備の使用電圧が高いほど接地抵抗値の基準が厳しく(小さく)なる、という分かりやすい関係にある。

種類主な対象接地抵抗値
A種高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器など10Ω以下
C種300Vを超える低圧機器の外箱等10Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内なら500Ω以下)
D種300V以下の機器の外箱、コンセントの接地極等100Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内なら500Ω以下)

A種は高圧・特別高圧という最も危険な電圧を相手にするため、3種の中で最も厳しい10Ω以下が求められる。C種とD種はどちらも低圧の機器が対象だが、300Vという境界を挟んで抵抗値が10Ω以下と100Ω以下に分かれる。300Vを超える機器は感電時のリスクがより大きいため、D種より厳しい基準になる。

A種とC種はどちらも「10Ω以下」で数値が同じだが、対象は別物だ。A種は高圧・特別高圧の機器、C種は300Vを超える低圧の機器を対象にしている。数値の一致だけで種別を判断せず、必ず対象設備の電圧区分から先に確定させる。

いずれも0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合、C種・D種は500Ω以下まで緩和される。遮断器が高速に電路を切ってくれるなら、接地側に求める性能はそのぶん譲ってよい、という交換条件がここにも表れている。

B種接地工事 — 「固定値」ではなく「式」で決まる唯一の種類

ここまでの3種は、対象の電圧区分さえ分かれば抵抗値が一意に決まる。ところがB種接地工事だけは違う。

B種接地工事は、高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点(中性点がない場合は低圧側の1端子)に施す接地工事だ。この接地工事の目的は、高圧側の電線が低圧側の電線と接触してしまう「高低圧混触事故」が起きたとき、低圧側の電位が異常に上昇するのを抑えることにある。

高圧の電気が万一低圧側に混触すると、低圧側の配線・機器には本来より大幅に高い電圧がかかり、感電や火災のおそれが一気に高まる。B種接地工事は、変圧器の低圧側中性点を大地としっかり結び付けておくことで、混触時に低圧側の電位が跳ね上がるのを抑える役目を負っている。

RB150Ig [Ω]R_B \leq \frac{150}{I_g} \ [\Omega]

IgI_g は、その変圧器が高圧側で地絡を起こしたときに流れる1線地絡電流[A]だ。変圧器の容量・電線こう長・系統の構成によって、この IgI_g の大きさは現場ごとに変わる。だからB種接地工事の抵抗値は、他の3種のような固定値ではなく、IgI_g を代入して初めて決まるとして与えられている。冒頭で「同じ機種の変圧器なのに、現場ごとに基準の数値が違う」ことが起きていたのは、この IgI_g が現場の系統条件によって変わるからだ。

150という数字は「感電しても人体に危険が及ばない電位上昇の目安」を1線地絡電流で割ったものだと捉えると覚えやすい。$I_g$ が大きい(地絡時に大量の電流が流れる)系統ほど、$150/I_g$ は小さくなり、より低い抵抗値が要求される。地絡電流が大きいほど、電位上昇を抑えるために接地側はより頑張らなければならない、という関係だ。

遮断が速いほど、基準は緩和される

高圧側電路を自動的に遮断する装置を設けている場合、B種接地工事の抵抗値はさらに緩和される。

1秒を超え2秒以内に遮断:RB300Ig,1秒以内に遮断:RB600Ig1\text{秒を超え}2\text{秒以内に遮断:} R_B \leq \frac{300}{I_g}, \qquad 1\text{秒以内に遮断:} R_B \leq \frac{600}{I_g}

原則の150/Igから、300/Ig、600/Igへと、遮断が速くなるほど分子の数字が大きくなり、基準が緩和されていく。地絡が起きてもすぐに高圧側を切り離せるなら、低圧側の電位上昇にさらされる時間そのものが短くなるため、接地抵抗の側で求める性能を落としてもよい、という考え方だ。

例題

1線地絡電流 IgI_g が5Aの変圧器に、高圧側電路を自動遮断する装置を設けていない場合、B種接地工事の接地抵抗値の基準はいくらか。

RB1505=30 [Ω]R_B \leq \frac{150}{5} = 30\ [\Omega]

同じ変圧器に、1秒以内に高圧側を自動遮断する装置を追加した場合はどうか。IgI_g が3Aなら、

RB6003=200 [Ω]R_B \leq \frac{600}{3} = 200\ [\Omega]

数値だけを見ると「200Ωの方が甘い基準」に見えるが、これは遮断装置という安全側の対策が加わったことで、接地側に求める性能を落としても総合的な安全性が保たれる、という設計だ。

Ig自体も、計算で求めることがある

ここまでの例題は、いずれもIgの値があらかじめ与えられている前提で計算した。だが実務や試験の出題では、Igそのものが与えられず、配電線路の公称電圧とこう長(電線延長)から、Igを先に計算しなければならないことがある。

中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路(電線はケーブル以外を使用)を例にとると、電気設備技術基準の解釈は、1線地絡電流I1I_1を次の式で求めるとしている。

I1=1+V3L100150 [A]I_1 = 1 + \frac{\dfrac{V}{3}L - 100}{150} \ [A]

VVは配電線路の公称電圧を1.1で除いた電圧[kV]、LLは同一母線に接続される架空配電線路の電線延長(こう長の合計)[km]だ。

このVは、絶縁耐力試験の最大使用電圧を求める式(公称電圧×1.15/1.1)とは違う係数(1.1で除するだけ)を使う。どちらも公称電圧から出発する計算だが、目的が違えば係数も違う——式ごとに別物として覚える。

例題(2段階の計算)

公称電圧6,600V、こう長35kmの中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路がある。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧側に施すB種接地工事の接地抵抗値を求める。

まずVを求める。

V=6,6001.1=6.0 kVV = \frac{6{,}600}{1.1} = 6.0\ \text{kV}

これを1線地絡電流の式に代入する。

I1=1+6.03×35100150=1+70100150=10.2=0.8 AI_1 = 1 + \frac{\frac{6.0}{3}\times35 - 100}{150} = 1 + \frac{70-100}{150} = 1 - 0.2 = 0.8\ \text{A}

このI1I_1をB種接地工事の抵抗値の式に代入すると、

RB1500.8=187.5 [Ω]R_B \leq \frac{150}{0.8} = 187.5\ [\Omega]

このように、B種接地工事の接地抵抗値を求める計算は、「配電線路の電圧・こう長からIgを求める」→「IgからR_Bを求める」という2段階になっていることがある。RB=150/IgR_B=150/I_gの式だけを覚えていても、IgI_g自体が問題文に与えられていない出題形式には対応できない。

静電容量から地絡電流を求める、もう1つの計算方法

配電線路のこう長から1線地絡電流Igを求める実務式(I₁=1+((V/3)L-100)/150)とは別に、線路の対地静電容量から理論的に地絡電流を求める計算方法もある。中性点非接地方式の高圧配電線路で一線完全地絡事故が起きたとき、地絡電流Igは、線路の対地静電容量C[F]・線間電圧V[V]・角周波数ω(=2πf)を使って、次の近似式で概算できる。

Ig23πfCVI_g \approx 2\sqrt{3}\,\pi f C V

例題

線間電圧6,600V・周波数50Hzの中性点非接地方式の高圧配電線路で、線路の全対地静電容量が0.15μFのとき、一線完全地絡事故が発生した場合の地絡電流を求める。

Ig=23×π×50×0.15×106×6,6000.54AI_g = 2\sqrt{3}\times\pi\times50\times0.15\times10^{-6}\times6{,}600 \approx 0.54\text{A}
「配電線路のこう長からIgを求める式」と「対地静電容量からIgを求める式」は、どちらも同じ1線地絡電流を表す式だが、出発点になる情報(こう長か、静電容量か)が違う別の計算方法だ。問題文でどちらの情報が与えられているかを見て、使う式を選ぶ必要がある。

地絡電流は、線路側と需要設備側に分流する

需要設備が高圧配電線路につながっている場合、線路には線路自体の対地静電容量C1のほかに、需要設備側の対地静電容量C2も存在する。線路のどこかで一線完全地絡事故が起きると、地絡電流Igは、この線路側C1と需要設備側C2の比に応じて分流する。需要設備の受電点に設置された零相変流器(ZCT)が検出できるのは、Igのうち需要設備側へ分流した分だけであり、おおむね次の割合になる。

I需要設備側Ig×C2C1+C2I_{需要設備側} \approx I_g \times \frac{C_2}{C_1+C_2}
需要設備の対地静電容量C2は、線路側の対地静電容量C1に比べて通常はるかに小さい。つまり需要設備の零相変流器が検出する電流は、地絡電流Igの全量よりずっと小さな割合にとどまる。ところが需要設備構内**以外**(線路側)で地絡事故が起きた場合でも、この分流分の電流は需要設備側の零相変流器を通過してしまうため、地絡継電器(GR)の動作電流の整定が粗いと、自分の構内で事故が起きていないのに不必要に動作してしまうことがある。地絡継電器の整定を考えるとき、この「自構内の地絡ではなくても、分流によって電流が流れ込む」という仕組みを理解しておくことが欠かせない。

なぜB種だけ、この式で決まるのか

A・C・D種は「その機器・電路にどれだけの電圧がかかっているか」という、施設した時点で決まっている条件から抵抗値が決まる。だがB種が守っているのは、混触という事故が起きたときに低圧側へ流れ込む電流の大きさそのものだ。同じ電圧区分の変圧器でも、系統の構成や電線のこう長が違えば、地絡時に流れる電流 IgI_g は変わる。だからB種だけは、施設時点の固定値ではなく、その系統の実際の地絡電流から逆算する式で基準が与えられている。

キュービクルの設計・選定に関わる実務では、変圧器の容量や系統構成が変われば、その都度 IgI_g を計算し直し、B種接地工事の抵抗値が基準を満たしているかを確認する。A・C・D種のように一度覚えれば済む数値ではなく、系統ごとに計算し直す数値だという点が、B種を扱ううえで最も重要な心構えになる。

接地抵抗は、計算で見積もり・現場で測る

ここまでの話は、いずれも「接地抵抗の基準値がいくつか」という話だった。では実際の接地抵抗そのものは、どうやって求めるのか。

棒状の接地棒を大地に打ち込んだときの接地抵抗は、大地抵抗率ρ[Ω・m]と接地棒の長さL[m]・直径d[m]から、次のような式で理論的に近似できることが知られている。

Rρ2πLln ⁣(4Ld)R \approx \frac{\rho}{2\pi L} \ln\!\left(\frac{4L}{d}\right)

この式は、接地極を設計する段階で「このくらいの長さ・太さの接地棒を打てば、おおよそこの程度の抵抗値になりそうだ」という見積もりに使うものだ。実際に施工した接地極の抵抗値は、土質のばらつきや含水率、気温などの影響を受けるため、この式だけで済ませず、現場で実測して確認する必要がある。

電位降下法(E-S-H法)— 現場での測定の基本形

実務で最もよく使われる接地抵抗の測定法が「電位降下法」だ。被測定接地極(E、抵抗を測りたい対象)から離れる方向に、電流を流すための補助接地極(H)と、電位を測るための補助接地極(S)を、E・S・Hの順に一直線上へ配置するのが基本の考え方になる。

E-S-Hという並び順は、「E(測りたい対象)に近い側に電位を測るS、遠い側に電流を流すH」と覚えると位置関係が崩れにくい。Sの位置は、EとHの中間付近に置くのが基本の考え方で、E-H間に電流を流しながらE-S間の電位差を測定し、その比から接地抵抗を求める。

測定の考え方を、自作の数値例で見てみる。E-H間に1Aの電流を流し、E-S間の電位差を測定したところ15Vだったとすると、接地抵抗はオームの法則と同じ考え方で求められる。

R=VI=15 V1 A=15 [Ω]R = \frac{V}{I} = \frac{15\ \text{V}}{1\ \text{A}} = 15\ [\Omega]

この15Ωという値が、実際に大地に打ち込んだ接地極の抵抗値であり、先ほどの理論式で見積もった値とはズレることがある。設計段階の見積もりと、施工後の実測値の両方を押さえておくのが、接地工事を扱う実務の基本になる。E・S・Hの配置間隔や測定条件の細かな数値基準は、現場の状況によって調整が必要になるため、詳細は電気設備技術基準の解釈や測定器メーカーの手順を確認するとよい。

冒頭のキュービクルで、変圧器の低圧側中性点につながる接地線の抵抗値が現場ごとに違っていた理由——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. A種とC種の接地抵抗値がどちらも「10Ω以下」であることを利用して、対象設備を入れ替えさせる

    なぜ引っかかる数値が同じ10Ωのため、種別を正しく判定しないまま数値だけで正誤を判断すると、A種の問題文にC種の対象(300Vを超える低圧機器)を紛れ込ませても気づきにくい

    見破り方抵抗値ではなく、対象設備の電圧区分(高圧・特別高圧か、300Vを超える低圧か)を先に確定させる。数値が一致していても、対象が異なれば別の設問だと考える

  2. B種接地工事の抵抗値を、他のA・C・D種と同じ「固定された1つの数値」だと思わせる

    なぜ引っかかるA種10Ω・D種100Ωのように固定値で覚える癖がつくと、B種にも同様の固定値があるはずだと錯覚する

    見破り方B種だけは対象の変圧器ごとに実際の1線地絡電流Igの大きさが違うため、固定値ではなく150/IgのようにIgを代入して初めて数値が決まる式だと、別枠で覚えておく

  3. 高圧側電路の自動遮断時間の条件(1秒以内・1秒超2秒以内)を読み落とし、300/Igと600/Igを取り違えさせる

    なぜ引っかかる遮断時間が短いほど緩和の度合いが大きくなる(=分子の数字が大きくなる)という対応関係を逆に覚えると、短時間で遮断する好条件のケースで、かえって厳しい数値を選んでしまう

    見破り方「早く切れる(安全な)装置ほど、接地抵抗値の基準は甘くてよい」という一方向の関係を先に固定する。原則150/Ig→1秒超2秒以内に遮断で300/Ig→1秒以内に遮断で600/Igと、遮断が速くなるほど基準が緩和されていく並びで覚える

  4. 電位降下法の補助接地極E・S・Hの並び順を、S(電位極)とH(電流極)で取り違えさせる

    なぜ引っかかる「電流を流す極」と「電位を測る極」のどちらを被測定接地極Eの近くに置くかは、名前だけでは直感的に判断しにくい

    見破り方E・S・Hの順に一直線上へ、Eから離れる方向に並べ、Sの位置はEとHの中間付近になるという配置を、E-S-Hという並び順そのものとセットで覚える

  5. R_B=150/Igの式にだけ気を取られ、そもそもIg自体をどう求めるかという計算のもう一段階を見落とす

    なぜ引っかかるR_B=150/Igの式は覚えていても、Igが「与えられた数値」として問題文に登場することに慣れていると、Ig自体を配電線路の公称電圧・こう長から計算で求めさせる出題形式に対応できなくなる

    見破り方問題文にIgの数値がそのまま与えられていない場合は、公称電圧・電線延長などから先にIgを計算式で求める一段階が挟まっていないか確認する。絶縁耐力試験の最大使用電圧を求める式(公称電圧×1.15/1.1)とは係数が違うため、式ごと別物として覚える

  6. 静電容量から求めた地絡電流Igを、そのままB種接地工事の抵抗値計算(150/Ig)に流用できると考える、あるいは需要設備側の零相変流器が検出する電流をIgそのものと取り違える

    なぜ引っかかる同じ『Ig』という記号が複数の文脈(線路のこう長から求める実務式、静電容量から求める理論式、零相変流器が実際に検出する電流)で登場するため、どの場面のIgかを区別せずに同じ値として扱ってしまいやすい

    見破り方静電容量から求めたIgは高圧配電線路で一線完全地絡が起きたときの全地絡電流であり、需要設備側の零相変流器が検出するのはそのうちC2の分流分だけだと区別する。B種接地工事のIgは施行規則が示す別の実務式(配電線路の公称電圧・こう長から求める式)で計算される値であり、同じ記号でも算出方法・用途が異なる場合があるため、問題文の文脈(何のためのIgか)を必ず確認する

参考文献・出典

理解度チェック(11問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、11問で確認しよう。 内訳は基本4問・応用4問・ひっかけ3問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 11 問正解

覚えておきたいポイント

  1. A種接地工事:高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器等が対象。接地抵抗値は10Ω以下
  2. B種接地工事:高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点(中性点がない場合は低圧側の1端子)が対象。接地抵抗値は150/Ig Ω以下が原則(Ig=1線地絡電流[A])。高圧側電路を自動遮断する装置の動作時間に応じて300/Ig、600/Igに緩和される
  3. C種接地工事:300Vを超える低圧機器の外箱等が対象。接地抵抗値10Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合は500Ω以下)
  4. D種接地工事:300V以下の機器の外箱、コンセントの接地極等が対象。接地抵抗値100Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合は500Ω以下)
  5. A・C・D種は「どれだけ高い電圧の事故が、どれだけ人体に波及しうるか」で抵抗値の厳しさが固定的に決まる。B種だけは、実際に流れる地絡電流の大きさ(Ig)を式に組み込んで抵抗値を逆算する点が他の3種と異なる
  6. 棒状接地極の接地抵抗は、大地抵抗率ρと接地極の長さL・直径dから R≈(ρ/2πL)ln(4L/d) という式で理論的に見積もれる。ただし実際の抵抗値は土質のばらつき等の影響を受けるため、現場での実測が欠かせない
  7. 実務で最もよく使われる接地抵抗の測定法が電位降下法(E-S-H法)。被測定接地極(E)・電位を測る補助接地極(S)・電流を流す補助接地極(H)をこの順に一直線上に配置し、Sの位置はEとHの中間付近になる
  8. 1線地絡電流Igが問題文にそのまま与えられない場合、配電線路の公称電圧・こう長(電線延長)から先にIgを計算しなければならないことがある。中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路(電線はケーブル以外)では、電気設備技術基準の解釈が示す式I₁=1+((V/3)L-100)/150 [A](V:公称電圧を1.1で除いた電圧[kV]、L:同一母線に接続される架空配電線路の電線延長[km])で概算できる
  9. 中性点非接地方式の高圧配電線路で一線完全地絡事故が起きたときの地絡電流Igは、線路の対地静電容量C[F]・線間電圧V[V]・周波数f[Hz]から、Ig=2√3πfCVという近似式でも求められる(電線こう長から求める上記の実務式とは別の、静電容量に基づく計算方法)。線路側の対地静電容量C1と需要設備側の対地静電容量C2に分かれている場合、地絡電流はこの比に応じて分流し、需要設備側の零相変流器が検出する電流はおおむねIg×C2/(C1+C2)になる。需要設備の対地静電容量が線路側に比べて小さいほど、需要設備側で検出される電流の割合も小さくなる
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