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電気に関する基礎理論 ・ 3 / 10

複数の電源が並列につながる回路 ― キルヒホッフとミルマンの定理

読み終えると、こうなる

バッテリー上がりの車にブースターケーブルをつないだ瞬間、2つの電池の間を何アンペアがどちら向きに流れるかが、つなぐ前から見えるようになる

  • 起電力と内部抵抗が異なる電池が並列につながった回路の端子電圧を、方程式1本で計算できる
  • 各電池の電流を符号込みで求め、負の値が出たら『この電池は充電されている』と読み取れる
  • ミルマンの定理の式を、丸暗記ではなくキルヒホッフの電流則から自分で導き直せる
考えてみよう

バッテリーの上がった車に、救援車をブースターケーブルでつなぐ。エンジンをかける前、ケーブルの2本目を留めたその瞬間から、実はもう電流が流れ始めている。弱った電池の起電力は12V、救援車の電池は12.6V。このとき2つの電池の間の電圧は何Vに落ち着き、何アンペアがどちら向きに流れるのか。

オームの法則で計算しようにも、手が止まるはずだ。電圧はどっちの電池の値を使う? 抵抗はどこにある?

見当がつかなくて当然だ。このトピックを読み終えるころには、この電圧と電流を、つなぐ前から自分で計算して出せるようになっている。

二種の基礎理論から、ここまでの直流回路の計算には、実は隠れた前提が1つあった。電源は、回路にいつも1つだけという前提だ。一種の学科では、この前提が崩れた回路――起電力と内部抵抗を持つ電池(電源)が2つ以上、並列につながった回路が出題される。

なぜ電源が2つになると、急に解けなくなるのか

オームの法則 I=V/R は、「1つの電圧が、1つの抵抗に電流を流す」という形の道具だ。直列・並列の合成抵抗の計算も、回路のどこかに電源が1つだけあって、残りが全部抵抗だからこそ、抵抗側をひとまとめにできた。

ところが電池が2つ並ぶと、この段取りが根元から崩れる。12Vの電池と12.6Vの電池が同じ2点間につながっているのだから、「回路の電圧」をどちらか一方に決めることができない。しかも各電池は内部抵抗を持っていて、起電力と抵抗が同じ枝の中に直列に混ざっている。抵抗だけを取り出して合成しようにも、電源が抵抗の列に割り込んでいて、まとめようがない。

道具がないのではない。未知数の置き方を変える必要があるのだ。

キルヒホッフの電流則で、素直に立式する

使う法則は、キルヒホッフの電流則(KCL)――「1つの接続点に流れ込む電流の合計と、流れ出す電流の合計は等しい」だけでいい。

並列回路のいいところは、すべての枝が同じ2点(端子)につながっていることだ。そこで、この端子間の電圧Vを、ただ1つの未知数に置く。すると各電池の枝を流れる電流は、枝の中だけのオームの法則で書ける。起電力Eから端子電圧Vを引いた残りが、内部抵抗rにかかる電圧だから、

I=EVrI = \frac{E - V}{r}

具体的な数値で最後まで追ってみる。起電力105V・内部抵抗1Ωの電源1と、起電力95V・内部抵抗1Ωの電源2を並列にし、2Ωの負荷抵抗Rをつないだ回路だ。

電源2つ+負荷の並列回路(数値例) E1 105V r1 1Ω E2 95V r2 1Ω R 2Ω I1=25A I2=15A I=40A 端子電圧 V=80V 端子電圧Vを1つ決めれば、3本の枝の電流がすべて (E−V)/r と V/R で書ける

電源1の枝の電流は (105−V)/1、電源2の枝は (95−V)/1。負荷Rに流れ出す電流は V/2。上の端子に流れ込む電流の合計が、流れ出す電流と等しい――これがKCLの式だ。

105V1+95V1=V2\frac{105 - V}{1} + \frac{95 - V}{1} = \frac{V}{2}

左辺を整理すると 200−2V。両辺を並べて 200−2V=0.5V、つまり 2.5V=200 で V=80V。あとは各枝に戻すだけだ。I1=(105−80)/1=25A、I2=(95−80)/1=15A、負荷電流は 80/2=40A。流れ込む合計25+15=40Aが流れ出す40Aと一致して、検算まで済んでいる。

解けなかった原因は、法則の不足ではなく**未知数の選び方**だった。枝ごとの電流I1、I2、…を未知数にすると、電池の数だけ連立方程式が増えていく。だが並列回路では全部の枝が同じ2点につながっているのだから、**端子電圧Vをただ1つの未知数に置けば、電池が何個並んでいても方程式は1本で済む**。「電流を求めたいのに、まず電圧を未知数にする」――この一歩引いた置き方が、複数電源の回路を解く鍵だ。

ミルマンの定理 ― さっきの式を、文字のまま整理しただけ

いま数値でやった手順を、文字のまま最後まで進めてみる。起電力E1・内部抵抗r1、起電力E2・内部抵抗r2、…の電池が並列につながり、負荷Rがあるとき、KCLの式は

E1Vr1+E2Vr2+=VR\frac{E_1 - V}{r_1} + \frac{E_2 - V}{r_2} + \cdots = \frac{V}{R}

Vを含む項を右辺に集めてくくり出すと、

V=E1r1+E2r2+1r1+1r2++1RV = \dfrac{\dfrac{E_1}{r_1} + \dfrac{E_2}{r_2} + \cdots}{\dfrac{1}{r_1} + \dfrac{1}{r_2} + \cdots + \dfrac{1}{R}}

これがミルマンの定理(帆足・ミルマンの定理)と呼ばれる式だ。分子は各枝の E/r の合計、分母は各枝の 1/r の合計に負荷の 1/R を加えたもの。負荷がなければ 1/R の項を除くだけでいい。先ほどの数値例で確かめると、V=(105/1+95/1)/(1/1+1/1+1/2)=200/2.5=80V。KCLで解いた値と、当然ながら一致する。

名前は付いているが、新しい法則ではない。KCLの式を、Vについて解いた形に整理しただけのものだ。だから試験会場で式の形を忘れても困らない。端子電圧を未知数に置いてKCLを書けば、この式は自分の手からもう一度出てくる。

式の形からは、端子電圧の性質も読み取れる。分子・分母の形は、各起電力Ekを重み1/rkで平均した「重み付き平均」そのものだ。だからVは必ず一番大きい起電力と一番小さい起電力の間に収まり、内部抵抗の小さい(=重みの大きい)電池の起電力側に引き寄せられる。単純平均になるのは、すべての内部抵抗が等しい特別な場合だけだ。

電流が負になったら ― その電池は「充電されている」

端子電圧Vが求まったら、各枝の電流は

Ik=EkVrkI_k = \frac{E_k - V}{r_k}

で符号込みで出てくる。ここで負の値が出ることがある。たとえば先ほどの2つの電源から負荷を外して並列のままにすると、V=(105+95)/(1+1)=100Vとなり、電源2の電流は I2=(95−100)/1=−5Aになる。

これは計算ミスではない。放電の向きに正を取って立式したのだから、負の答えは「電流が逆向きに、つまり電池へ流れ込んでいる」ことを意味する。起電力が端子電圧より低い電池は、他の電池から押し込まれる形で充電されているのだ。実際、電源1は+5Aで放電し、その5Aがそっくり電源2に流れ込んで、電流則はきちんと成立している。

この「起電力の高い電源が、低い電源を充電しながら支える」という形は、机上の例題ではない。キュービクルの中の直流電源装置では、整流器(充電器)と蓄電池が並列につながれ、普段は充電器が負荷に電流を供給しながら蓄電池を充電し続けている。停電すると今度は蓄電池側が放電に転じる。どちらの向きに何アンペア流れるかを決めているのは、まさにこのトピックで解いた回路そのものだ。

通しで解く — 枝電流ひとつから、未知抵抗の消費電力まで

混合回路の問題は、与えられた1つの数字から順にたどると最後まで行ける。 公式を探すのではなく、分かるところから1つずつ確定させる

:電源100V。直列に4Ωがあり、その先が3ΩとR(未知)の2枝に分かれている。 3Ωの枝に10Aが流れているとき、Rの消費電力はいくらか。

手順計算得られるもの
① 分かっている枝から並列部の電圧を出す10A × 3Ω30V
② 電源電圧から引いて直列部の降下を出す100 − 3070V
③ 直列部の抵抗で割って全電流を出す70 ÷ 417.5A
④ 全電流から既知の枝を引いてR枝の電流を出す17.5 − 107.5A
Rの消費電力を出す30V × 7.5A225W

(Rの値そのものは 30V ÷ 7.5A = 。消費電力は I2R=7.52×4I^2R = 7.5^2 \times 4 でも VI=30×7.5VI = 30 \times 7.5 でも同じ225Wになる)

渡り廊下は**手順①**にある。**並列部分は電圧が共通**なので、 片方の枝の「電流×抵抗」がそのまま**もう片方にかかる電圧**になる。ここでは 10A×3Ω=30V が、R枝にもそのままかかっている。 ここを渡って、分かっている側から分からない側へ移る。

そして直列部分には全電流が流れる。だから②③で全体の電流が確定し、 ④で引き算すれば未知の枝の電流が出る。

直列は電流が共通、並列は電圧が共通——この2つを行き来するだけで、 未知が2つ3つあっても順に確定していく。公式は増えない。

なお⑤で「Rの値を出してから I²R」でも「電圧×電流」でも答えは同じだ。 Rを聞かれていないなら、Rを出さずに VI で済ませるほうが速い。

まず数える — 直列と並列が混ざった回路の分解

混合回路は、内側の並列をまとめて1本の抵抗に置き換えるところから始める。 置き換えれば、残りは直列の足し算になる。

:電源に4Ωが直列でつながり、その先が3ΩとRの2枝に分かれている。

  1. 並列部分を1本にまとめる … 3ΩとRの合成 = 3R/(3+R)
  2. 直列に足す … 全体 = 4 + 3R/(3+R)
  3. 必要ならここから電流・電圧を出す

見分け方は「枝分かれして、また合流しているか」の1点だ。 合流していれば並列、1本道なら直列。内側から外側へという順序を守れば、 抵抗が5個でも6個でも同じ手順で解ける。

電源電流だけが与えられたとき — 並列部の電圧を経由して枝に降りる

もう1つ、頻出の形がある。電源から流れ出る全電流だけが分かっていて、並列部のある1枝に流れる電流を問われるという出題だ。求めたいのは奥にある枝の電流なのに、手がかりは入口の電流しかない。

この形は、並列部にかかっている電圧を経由すれば一本道で解ける。並列につながれた枝は、どれも同じ電圧を受けている——それが渡り廊下になる。

電源120V、直列に5Ω、その先に10Ω・15Ω・30Ωの3枝が並列につながれた回路で、電源から12Aが流れているとする。30Ωの枝に流れる電流を求めてみる。

  1. 直列部での電圧降下を出す — 直列の5Ωには全電流12Aがそのまま流れる。12×5=6012 \times 5 = 60〔V〕
  2. 並列部にかかる電圧を出す — 電源の120Vから、直列で失われた60Vを引く。12060=60120 - 60 = 60〔V〕
  3. 枝に降りる — 並列部はどの枝も60V。60÷30=260 \div 30 = 2〔A〕
手順の要は**②**だ。並列部の電圧は、直接は与えられていない。しかし「電源電圧 − 直列部の電圧降下」で必ず作れる。**直列部には全電流が流れる**という当たり前の事実が、入口の情報を奥まで運ぶ橋になっている。

検算もしておこう。10Ωの枝は 60÷10=660 \div 10 = 6〔A〕、15Ωの枝は 60÷15=460 \div 15 = 4〔A〕、30Ωの枝は2A。合計12Aで、電源電流と一致する。並列部の枝電流の和は必ず全電流に戻る——この確認を最後に入れておくと、途中の計算違いがその場で分かる。

逆に、全体抵抗から入る道もある。並列合成は 1/(1/10+1/15+1/30)=51/(1/10+1/15+1/30) = 5〔Ω〕なので、全体は 5+5=105+5=10〔Ω〕。120÷10=12120 \div 10 = 12〔A〕で、確かに電源電流と合う。与えられているものが「電圧と抵抗」なら全体抵抗から、「電流と抵抗」なら電圧降下から——入口が違うだけで、通る場所は同じだ。

橋が架かった回路 — ブリッジは、まず平衡かどうかを疑う

4つの抵抗が四角形に並び、その対角線(中央)にもう1つ抵抗や電流計が渡してある回路がある。ブリッジ回路だ。これを見た瞬間、直列とも並列とも言えないので手が止まる。

だが、まず1つ確かめることがある。平衡しているかどうかだ。

四角形の**向かい合う辺(対辺)の抵抗の積が等しい**とき、ブリッジは平衡している。

R1R4=R2R3R_1 R_4 = R_2 R_3

平衡しているとき、中央の枝には電流が流れない。両端の電位が同じになるからだ。電位差が無ければ、そこに何がぶら下がっていても電流は動かない。

これが分かると、回路がいきなり簡単になる。電流が流れない枝は、切り離しても短絡しても、残りの回路の計算に影響しない。 だから中央の枝を消してしまえば、残るのは見慣れた直並列回路だ。(R1+R2)(R_1 + R_2)(R3+R4)(R_3 + R_4) の並列、というように合成できる。

手順にすると3つ。

  1. 対辺の積を比べる — 等しければ平衡
  2. 平衡なら中央の枝を消す — 電流0なので、あってもなくても同じ
  3. 残った直並列回路を合成する — いつもどおり

平衡していないブリッジは、どう解くか

ブリッジの形に描いてあるからといって、平衡しているとは限らない。 積を比べて等しくなければ、中央の枝には電流が流れる。ではお手上げかというと、そうではない。中央に何がぶら下がっているかで場合が分かれる。

**中央が開放(a-b間が測定端子で、何もつながっていない)なら、平衡かどうかに関係なく解ける。** 電流が流れる道が左右の枝しかないので、**左の枝と右の枝を、それぞれ独立した分圧回路として計算する**だけでいい。
  1. 左の枝で、a点の電位を分圧で出す
  2. 右の枝で、b点の電位を分圧で出す
  3. a-b間の電圧=2つの電位の差

「ブリッジだから平衡条件を探さなければ」と身構えると、この一本道を見落とす。まず中央に電流の通り道があるかを見る——開放なら平衡の話は要らない。

中央に抵抗や電流計が実際につながっていて、しかも平衡していない場合は、キルヒホッフの法則を連立させるか、Δ-Y変換で置き換えることになる。この形は第一種の試験ではまず出ないので、「積が等しいか」「中央は開放か」の2つを確認して、どちらでもなければ設問の読み違いを疑うくらいの構えでよい。

この性質は測定にも使われている。抵抗を精密に測るホイートストンブリッジは、既知の抵抗を調整して検流計の針が0を指す点を探す装置だ。0を指したということは平衡したということで、そこから未知の抵抗が計算で出る。ケーブルの故障点を探すマーレーループ法も、同じ原理を距離の測定に応用したものだ。「電流が流れないこと」を手がかりにする——ブリッジは、ゼロを読む道具でもある。

抵抗は、長さに比例して増える

もう1つ、当たり前すぎて飛ばされがちな関係を確認しておく。導体の抵抗RRは、抵抗率ρ\rho・長さLL・断面積AAから決まる。

R=ρLAR = \rho \frac{L}{A}

長さに比例し、断面積に反比例する。 太い電線ほど抵抗が小さく、長く引くほど抵抗が大きい——電圧降下の話の土台がここにある。

この関係が効いてくるのが、電熱線が途中で断線して短くなったという設定の問題だ。

電熱線が短くなると、**長さが減るので抵抗が下がる**。そこに同じ電圧をかけると——$P = V^2/R$ より、**抵抗が下がるほど電力は増える**。半分の長さになれば抵抗は半分、電力は2倍だ。

「切れたのだから弱くなるはず」という直感と逆になる。断線して短くなった電熱線をそのままつなぎ直して使うと、設計より大きな電力が流れて過熱する——実務でそれが危険とされる理由が、この2つの式の組合せに書かれている。

発生する熱量は Q=Pt=I2RtQ = Pt = I^2Rt〔J〕で、電力に時間を掛けたものだ。電力が2倍になれば、同じ時間で発生する熱量も2倍になる。

ブースターケーブルの1本目から、蓄電池盤まで

今日試せることを1つ。車の取扱説明書やバッテリー上がりの救援手順を見る機会があれば、「つなぐ順番」が細かく指定されていることを確かめてみてほしい。ケーブルを留めた瞬間から電流が流れ始めることを、手順を作った側は知っている。つなぐ前は「12Vの電池が2つ」にしか見えなかったものが、学んだあとは「起電力と内部抵抗が4つ並んだ、端子電圧がまだ決まっていない回路」に見えてくるはずだ。

そしてこの回路の形は、これからむしろ増えていく。太陽光発電、蓄電池、EVの電池――電気を「使う側」だけでなく「出す側」が建物の中に複数並ぶ時代の配線は、電源の並列そのものだ。どの電源が何アンペア分担し、どれが充電に回っているのか。それを数字で言える人と、感覚でしか言えない人の差は、この端子電圧の一手で決まる。

冒頭のブースターケーブルの瞬間に流れていた電流が何アンペアだったのか、答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 並列につないだ電池の端子電圧を、起電力の単純平均で出させる

    なぜ引っかかる12Vと12.6Vの電池を並列にすれば12.3V、と平均したくなる。しかし端子電圧は内部抵抗の逆数(1/r)で重み付けした平均になるため、内部抵抗が等しい特別な場合にしか単純平均とは一致しない

    見破り方各枝についてE/rと1/rを先に計算し、ミルマンの定理の分子・分母に入れてから割り算する。内部抵抗が枝ごとに違う問題で、起電力の単純平均と同じ値の選択肢があったら、それは用意された誤答だと疑う

  2. 枝電流の計算で負の値が出たとき、立式ミスだと思わせて手を止めさせる

    なぜ引っかかるIk=(Ek−V)/rkが負になるのは異常ではなく、その電池に電流が流れ込んでいる=充電されている状態を表す正常な答えだ。負の値を見た瞬間に計算をやり直したくなり、時間を失う

    見破り方計算の前に端子電圧Vと各起電力Ekの大小を見比べておく。Ek<Vの電池は必ず負(充電)になるはずだ、と分かっていれば、符号はミスの兆候ではなく検算の材料になる

  3. 負荷抵抗Rがあるのに、ミルマンの定理の分母に1/Rを入れ忘れさせる(または無負荷なのに入れさせる)

    なぜ引っかかる式を丸暗記していると、負荷の有無で分母の項の数が変わることに気づけない。分母の項が1つ違うだけで端子電圧は大きくずれる

    見破り方公式ではなくキルヒホッフの電流則に戻る。端子につながる枝を電池も負荷も全部数え、枝の数と分母の項の数が一致しているかを確認する(起電力のない負荷の枝は、分子には現れず分母の1/Rにだけ現れる)

参考文献・出典

理解度チェック(5問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、5問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 5 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 電源が複数ある回路にはオームの法則を1回では適用できない。端子電圧Vをただ1つの未知数に置き、各枝の電流をIk=(Ek−V)/rkと書けば、キルヒホッフの電流則(KCL)1本で解ける
  2. 並列電源の端子電圧はミルマンの定理 V=(E1/r1+E2/r2+…)/(1/r1+1/r2+…+1/R) で一撃で求まる(無負荷なら1/Rの項を除く)。この式はKCLの式を変形しただけで、新しい法則ではない
  3. 各枝の電流はIk=(Ek−V)/rk。負の値が出たら、その電池は放電ではなく充電されている
  4. 端子電圧Vは各起電力の間に収まり、内部抵抗の小さい電池の起電力側に引き寄せられる(1/rで重み付けした平均になる)
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