この科目で問われること
「電気に関する基礎理論」は、第一種電気工事士 学科試験9科目のうち最初に位置する土台の科目だ。電気技術者試験センターの公式区分では、電流・電圧・電力及び電気抵抗、導体及び絶縁体、交流電気の基礎概念、電気回路の計算の4分野をカバーする。範囲名だけを見ると、第二種電気工事士の同名科目とまったく同じに見える。
だが中身は同じではない。第二種はこの科目を「一般住宅の配線を計算できる」水準で問うのに対し、第一種は自家用電気工作物まで扱えることを前提にしているため、高圧回路・三相回路の計算がより深くなる。 単相回路の延長として三相を扱うのではなく、Y結線・Δ結線の使い分けや、高圧側での電力・電流の計算まで踏み込んで問われる。
第二種の基礎理論をすでに学んだ人であれば、公式そのものを覚え直す必要はない。オームの法則や電力の計算といった土台は共通しているので、「同じ道具を、より複雑な回路に当てはめる練習」だと捉えて進めるとよい。
具体的に一種で新しく加わるのは、静電気・磁気という第二種にはまるごと存在しない分野、RLC回路の共振、そして三相回路をY-Δ変換で1相分の等価回路に落とし込む計算、単相3線式の中性線が断線したときの電圧配分、そして%インピーダンス法による三相短絡電流の計算だ。特に%インピーダンス法は、高圧受電設備(キュービクル)の遮断器がどれだけの事故電流に耐えられるよう選定されているかを裏付ける、一種学科でもっとも実務に直結する計算になる。
このサイトでは、第二種・第一種それぞれの「電気に関する基礎理論」の科目別トピック解説を公開している。第一種は静電気・磁気からRLC共振、三相の等価回路変換、単相3線式の断線、%インピーダンス法まで、全8トピックで構成している。