天井裏に、長さ30 mの鋼管の蒸気主管を通す。運転前は20℃。蒸気が入って100℃まで温まったとする(仮の数字)。この管は何mm伸びるだろうか。両端を壁にがっちり固定してしまったら、その伸びはどこへ行くのか。
もう1つ。令和8年度の第一次検定(問題B)には、配管及び配管附属品の施工が2問出た。どちらも「適当でないもの」を選ぶ。四つの文から、適当でない文を、どう見分ければよいのだろうか。
まず一言で
配管の施工は、4つの動詞で整理できる。傾ける(勾配)、つなぐ(接合)、支える・止める・逃がす(吊り・固定・伸縮)、確かめる(試験)。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版。以下「標準仕様書」)の第2編第2章「配管工事」が、これを管の種類と用途ごとに数字で定めている。
数字は多いが、どの数字にも「何の上限・下限か」という対象が付いている。数字だけを覚えず、対象と組にして覚える。そのうえで、選択肢の誤りを数字・向き・役割の3点で点検すると、見つけやすい(当サイトの勧め方)。
この章は、配管を現場で通し、つなぎ、支え、確かめる側に絞る。配管材料や弁・継手の種類は「配管材料と附属品」、機器の基礎やアンカーは「機器の据付け」、保温と防振は「保温・保冷と防振の施工」、梁の貫通孔は「鉄筋コンクリート造」で扱う。
傾ける — なぜ配管には勾配があるのか
標準仕様書は、給水管・給湯管・消火管(ガス系消火管を除く)・冷却水管・冷温水管・ブライン管(凍らない液体を流す管)・高温水管・油管に、「水抜き及び空気抜きが容易に行えるように適切な勾配を確保する」と定める(2.6.1(1))。勾配をとる目的が、条文に書かれている。水は低い所へ、空気は高い所へ集まる。傾ければ、集まる場所が決まる。空気だまりには、エア抜弁又は吸排気弁を設ける。これは給水配管の項の規定で、消火管も当該事項による(2.4.7(3)、2.4.10(1))。給湯管は、同じく当該事項によるほか、逆勾配や空気だまりなど、循環を阻害するおそれのある配管をしてはならない(2.4.9(1)(ア))。
排水管は、水が自分の重さで流れる。屋内横走り排水管の最小勾配は、呼び径(管の太さの呼び方)ごとに、原則として次のとおり決まっている(2.6.1(2))。右の列は当サイトの試算(後述)。
| 呼び径 | 最小勾配 | 試算の流速 |
|---|---|---|
| 50 | 1/50 | 0.59 m/s |
| 65 | 1/50 | 0.70 m/s |
| 75 | 1/100 | 0.54 m/s |
| 100 | 1/100 | 0.66 m/s |
| 125 | 1/150 | 0.62 m/s |
| 150 | 1/200 | 0.61 m/s |
太い管ほど勾配が緩い。なぜか。標準仕様書は理由を書いていないので、当サイトで試算した。管を半分だけ水が満たして流れるとし、粗度係数を仮に0.013、呼び径を内径とみなす。流速は、標準的なマニング式で求められる(出典資料にはなく、筆者が適用した)。
は粗度係数、 は径深(水の断面積÷水が管壁に触れる長さ。半分満ちた円管では呼び径の1/4)、 は勾配だ。同じ1/100で比べると、呼び径50は0.41 m/s、100は0.66 m/s、150は0.86 m/sになる。太い管は、同じ傾きでも速く流れる。この仮定のもとでは、太い管ほど緩い勾配で足り、細い管は急にしないと流れが遅くなる計算になる。表の並びは、どの呼び径でも流速が0.54〜0.70 m/sの範囲に収まる。
蒸気管の勾配は別の数字だ。蒸気給気管は、原則として先下り(流れの向きに下る)配管で1/250、先上がり(流れの向きに上る)の場合は1/80。蒸気還管は先下り配管で1/200から1/300(2.6.1(3))。ドレン管の勾配は、原則として1/100以上とする(同(4))。ドレン管は、機器などから出る水を逃がす管の呼び名で、蒸気の凝縮水に限らない(語の定義は条文になく、当サイトの整理)。先上がりが急なのは、蒸気の流れと凝縮水の流れが逆向きになるためと読める(当サイトの読み。標準仕様書は理由を書いていない)。
径が変わる所の段差
横走り順勾配配管(蒸気の流れの向きに下る配管と読める)で径の異なる管をつなぐときは、偏心径違い継手を用いる(2.4.3(2))。偏心とは、中心をずらして、片側の面を平らにそろえる形だ。標準図「蒸気及び冷温水管の配管要領」(e)「継手(蒸気配管)」は、先下りこう配では下面、先上りこう配では上面をそろえる図になっている。(e)には「先上りこう配」「先下りこう配」の表記があるだけで、そろえる面を述べる文はない。
標準図(e)の図は、どちらも流れの向きに管が細くなる向きに描かれている。その向きでは、どちらも凝縮水の流れる向きに「上り段」ができない面のそろえ方、と読める(当サイトの読み。標準図は理由を書いていない)。先下がりでは、凝縮水は蒸気と同じ右へ流れるので、下面がそろっていれば底に段がない。先上がりでは、凝縮水は左へ戻る。上面をそろえると、右の細い管の底が左の太い管の底より高くなり、左へ下る段になる。
やってみよう①:勾配から高低差を出す
標準仕様書の原則どおりに、最小勾配で敷くとして、高低差を求める。
(1) 呼び径50の屋内横走り排水管、水平距離6 m。
呼び径65以下は1/50。6,000 mm÷50=120 mm。
(2) 蒸気給気管、水平距離25 m。先下りと先上がりで高低差はどれだけ違うか。
先下りは1/250で25,000÷250=100 mm。先上がりは1/80で25,000÷80=312.5 mm。先上がりは先下りの3倍強の高低差が要る。
これで、呼び径と距離から排水管の最低の高低差を出し、蒸気管の径違い継手の向きを言える。
動く — 伸びる管は、止める所と逃がす所を分ける
鋼管は、温まると伸びる。伸び量は、管の長さと温度差に比例する。
は伸び、 は線膨張係数、 は管長、 は温度差だ(標準的な式。標準仕様書にはなく、ステンレス協会のステンレス配管マニュアル設計編2.7の式を借りた)。係数を覚えなくても、同マニュアルに表がある。配管用炭素鋼鋼管の10 m当たりの膨張量(0℃を基準)は、20℃で2.3 mm、100℃で11.5 mmだ(表2.7-2。業界団体の資料で、公的な基準ではない)。冒頭の30 m、20℃から100℃なら、(11.5−2.3)×3=27.6 mm。約28 mmだ(温度は仮の数字)。
28 mmは小さく見える。だが、両端を固定して伸びられなくすると、伸びは力に変わる。同マニュアルは、両端を固定した直管には、 の圧縮応力が生じ、固定点に反力がかかると説明する( はヤング率)。この式に管長は入っていない。長い管は、伸び量が大きいので、逃がす量が増える。
標準仕様書は、蒸気管の施工を、温度変化による伸縮を考慮し、膨張時に配管の各部に過大な応力がかからないように、かつ、配管の勾配が確保できるように行うと定める(2.4.3(1))。
では、止める所と逃がす所は、どう分けるのか。伸縮の起点(管が伸び縮みする出発点)を固定で決め、伸びを伸縮管継手で受け止める。標準仕様書と標準図の部品を並べる。
| 部品 | 役割(当サイトの整理) | 条文 |
|---|---|---|
| 固定 | 動かない点をつくる。伸びの起点 | 2.4.1(7) |
| ガイド | 伸びる向きには動かし、横ずれを抑える | 2.4.1(7) |
| 伸縮管継手 | 伸びを受け止める | 2.4.1(7) |
| ローラ金物 | 下から支える管が、動いても滑らかに支えられる | 2.6.2.2(7) |
| 座屈防止用形鋼振れ止め支持 | 伸縮管継手と固定点の中間で、管が横に曲がるのを抑える | 2.6.2.2(8) |
座屈とは、細長い管が縮む力を受けて、横に曲がってしまうことだ。蒸気管の横走り管は、伸縮管継手と固定点との中間に、座屈防止用の形鋼振れ止め支持を設ける(2.6.2.2(8))。標準図は、この支持の例として、ローラー金物とガイドシューを描いている。蒸気管を形鋼振れ止め支持で下方から支持するなら、ローラ金物等を使う(同(7))。
やってみよう②:伸びと応力
(1) 配管用炭素鋼鋼管50 mを、20℃から100℃まで温める。自由に伸びるとして、伸び量は?
10 m当たり9.2 mmなので、50 mは5倍。9.2×5=46.0 mm。
(2) 管の長さを2倍にすると、自由に伸びる量はどうなる? 両端を固定したときの圧縮応力は?
伸び量は管長に比例するので2倍。圧縮応力は で、管長が入っていないので変わらない(完全に固定した理想の場合)。
これで、30 mの管の伸びを表から出し、止める所と逃がす所を部品の名前で言い分けられる。
支える — 吊りと振れ止めと固定(配管側の要点)
支えは3つに分けて考える(当サイトの整理)。吊り金物(重さを受ける)、形鋼振れ止め支持(形鋼を組んで横の振れを抑える)、固定(動かさない)。表2.2.20のうち、鋼管及びステンレス鋼管の行を、呼び径でまとめる。
| 鋼管の呼び径 | 吊り金物 | 形鋼振れ止め支持 |
|---|---|---|
| 40以下 | 2.0 m以下 | 不要 |
| 50〜100 | 2.0 m以下 | 8.0 m以下 |
| 125以上 | 3.0 m以下 | 12 m以下 |
直管部が25 mを超えるときは、25 m以内ごとに直管方向の形鋼振れ止め支持を行う(ただし、表で形鋼振れ止め支持を規定していない呼び径は不要。2.6.2.2(3))。電動弁などの重量物と、可とう性を有する継手(排水鋼管用可とう継手、ハウジング形管継手(可動式)等)を使うときは、表2.2.20に加えて、その直近でも吊る(同(6))。
複数階にわたる立て管は、鋼管・ステンレス鋼管では最下階の床又は最上階の床で固定し(呼び径80以下は不要としてもよい)、形鋼振れ止め支持を各階1箇所に行う(表2.2.21)。床貫通等で振れが防止されている場合は、形鋼振れ止め支持を3階ごとに1箇所としてもよい。なお、排水用可とう継手を使う場合は、最下階の床に1箇所設ける(2.6.2.3(3))。
機器廻りの配管は、地震時等に加わる過大な力、機器の振動、管内流体の脈動等による力を抑えるために、固定又は支持を行う。冷凍機、ポンプ等に接続する呼び径100以上の配管は床より形鋼で固定し、呼び径80以下の配管と、空気調和機・タンク類に接続する配管は形鋼振れ止め支持とする(2.6.2.1(4))。機器の据付けの一般事項(第3編2.1.1(6))は、機器廻り配管を、機器へ荷重がかからないように、この2.6.2.1の固定及び支持で行うと定めている。
ステンレス鋼管と銅管を、鋼製や鋳鉄製の金物で支持・固定するときは、合成樹脂を被覆した金具を使うか、ゴムシート等を介して取り付ける(2.6.2.1(5))。異なる金属が直接触れないようにするため、と読める(当サイトの読み)。
これで、呼び径から吊りと振れ止めの間隔を表で引き、立て管と機器廻りの固定の場所を言える。
つなぐ — 管ごとの接合と、してはいけないこと
鋼管の接合方法は、用途ごとに決まっている(2.5.2.1)。
| 配管 | 接合 | 条件 |
|---|---|---|
| 水配管(排水・通気を除く) | ねじ・フランジ・ハウジング・溶接 | ねじは呼び径100以下に限る |
| 排水・通気 | ねじ又は排水鋼管用可とう継手 | MDジョイント |
| 蒸気給気管・還管 | フランジ又は溶接 | 呼び径50以下の低圧(0.1 MPa未満)はねじも可 |
| 油管・高温水管 | 原則として溶接 | — |
ほかの主な決まりを挙げる。
- ねじ接合: 管用テーパねじ(JIS B 0203)とし、ねじ接合材(ペーストシール剤)は、おねじ部のみ適量塗布する(ただし、消火配管で、シール剤が塗布済みの工場加工の継手を使うときは省略できる)。継手接続後のねじ部の鉄面には、さび止めペイントを2回塗る(2.5.2.2(1)(3))。
- ライニング鋼管等: 塩ビライニング鋼管、耐熱性ライニング鋼管、ポリ粉体鋼管、外面被覆鋼管は、帯のこ盤等で切断し、パイプカッターによる切断は禁止。管端防食管継手の再使用も禁止(2.5.1(2)、2.5.3(2))。標準仕様書は理由を書いていない。管の内面の樹脂を傷めないため、と読める(当サイトの読み)。
- 溶接: 鋼管・ステンレス鋼管の溶接部の管外面の余盛りの高さは3 mm以下(2.5.15.2、2.5.15.12(2))。
- 冷媒管: 接合は原則としてろう付け(微燃性冷媒を使う場合は特記)。ろう付け・溶接は、配管内に不活性ガスを通す等の酸化防止措置をとる。配管完了後に気密試験と真空脱気を行い、保温工事は気密試験の完了後に行う(2.4.6(5)(6)(10))。
- 異種金属: 給水・給湯・開放系の冷温水・冷却水配管で、機器接続部の金属と配管材料のイオン化傾向が大きく異なる(鋼とステンレス、鋼と銅)ときは、絶縁継手で絶縁する。鋼管とステンレス鋼管、銅管と鋼管の接合は絶縁フランジ接合(2.4.1(8)、2.5.16)。腐食の仕組みは「腐食と防食」で扱う。
- 分岐: クロス継手を使わず、T継手を使う。1つのT継手で相対する2方向への分岐や、2方向からの合流に使ってはならない(通気及びスプリンクラー消火配管を除く。2.4.1(4))。
- 洗浄と消毒: 配管完了後は管内を十分に洗浄する。飲料水の管は、末端で遊離残留塩素が0.2 mg/L以上検出されるまで消毒する(2.4.1(11))。
これで、配管の種類を見て、使える接合方法と、してはいけない切断・再使用を言える。
附属品 — どこに何を付けるか
弁や継手の種類は「配管材料と附属品」で扱う。ここでは、付ける場所だけを見る。
| 場所 | 付けるもの | 条文 |
|---|---|---|
| 冷凍機の冷温水管・ブライン管の入口側 | ストレーナ | 2.4.2(2) |
| 冷却塔廻りの冷却水の出入口側と補給水の入口側 | 合成ゴム製フレキシブルジョイント | 2.4.2(3) |
| 鋼板製タンクの接続管(排水・通気管を除く) | ベローズ形フレキシブルジョイント | 2.4.7(5) |
| 揚水ポンプ等の呼び径50以下の逆止弁 | 呼び径15以上のバイパス管と弁 | 2.4.1(12) |
| 給水配管の空気だまり | エア抜弁又は吸排気弁 | 2.4.7(3) |
冷却塔廻り(2.4.2(3))とタンク廻り(2.4.7(5))の配管は、荷重が直接機器本体にかからないように支持する。
排水・通気 — 取り出す向きと連結の高さ
排水と通気は、向きと高さの規則が多い(2.4.8)。
- 排水横枝管等が合流するときは(ドレン管を除く)、必ず45°以内の鋭角をもって、水平に近く合流させる。
- 通気管は、排水横枝管等より垂直ないし45°以内の角度で取り出し、水平に取り出してはならない。
- 各階の通気管を通気立て管に連結するときは、その階の器具のあふれ縁より150 mm以上の所で連結する。
- 3階以上にわたる排水立て管には、各階ごとに満水試験継手を取り付ける。
- 通気管は、全ての立て管に向かって上り勾配をとり、逆勾配や凸凹部のないようにする(2.6.1(2))。
これらは、排水が通気管に流れ込んだり、通気管の途中に水がたまったりしない形にする規則と読める(当サイトの読み。標準仕様書は理由を書いていない)。標準図「排水・通気配管の正しいとり方」は、誤りと正しい例を図で並べる。通気設備の仕組みは「通気設備」で扱う。
確かめる — 試験の圧力と時間
試験は、隠ぺい又は埋戻し、配管完了後の塗装(ねじ部のさび止めペイントを除く)、保温施工のいずれかの前に行う(2.9.1)。覆うと漏れを見つけにくくなるため、と読める(当サイトの読み)。
| 配管 | 試験 | 圧力と時間 |
|---|---|---|
| 蒸気管・高温水管 | 水圧試験 | 最高使用圧力の2倍(下限0.2 MPa)。30分以上 |
| 冷温水・冷却水配管、ブライン管 | 水圧試験 | 最高使用圧力の1.5倍(下限0.75 MPa)。30分以上 |
| 油管 | 空気圧試験 | 最大常用圧力の1.5倍。30分以上 |
| 冷媒管 | 気密試験 | JRA-GL14による。後に高真空蒸発脱水処理 |
| 排水管 | 満水試験 | 30分以上。器具の取付け後に通水試験 |
やってみよう③:試験圧力を出す
(1) 最高使用圧力0.3 MPaの冷温水配管(水配管)。
1.5倍は0.45 MPaだが、0.75 MPa未満なので、0.75 MPa。
(2) 最高使用圧力0.05 MPaの蒸気管。
2倍は0.10 MPaだが、0.2 MPa未満なので、0.2 MPa。
(3) 最高使用圧力0.5 MPaの蒸気管。
2倍は1.0 MPaで、0.2 MPa以上なので、1.0 MPa。
これで、配管の種類から試験の方法と圧力を言える。
現場とつなぐ — 電線管の支持間隔との違い
管の支持間隔は、機械設備と電気設備で、別の仕様書が決めている(機械設備工事編は表、電気設備工事編は条文)。電線管の側は、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版を、上の表と並べて確かめた。
| 管 | 支持間隔 | 出どころ |
|---|---|---|
| 鋼管(呼び径100以下)の吊り | 2.0 m以下 | 機械編 表2.2.20 |
| 塩ビ管(呼び径80以下)の吊り | 1.0 m以下 | 機械編 表2.2.20 |
| 金属管(電線管) | 2 m以下 | 電気編 2.2.3(6) |
| PF管 | 隠ぺい1.5 m以下、露出1 m以下 | 電気編 2.3.3(5)、2.3.4 |
確認した範囲では、電線管の側の間隔は、呼び径ではなく管の種類と施設場所(隠ぺいか露出か)で決まっている。機械設備の配管は、材料と呼び径で決まる。同じ「管」でも、決め方が違う。
電気設備工事編は、硬質ビニル管の支持について、温度変化による伸縮性を考慮して締め付けると定める(2.4.3(6))。機械設備の固定・ガイド・伸縮管継手と、熱による伸縮を考える点で通じると読める(当サイトの読み)。
機械設備の標準図には、建築物導入部の変位吸収を、配管の要領と並べて、電気配管の要領(波付硬質合成樹脂管(FEP方式)、地中箱方式の例)でも示す図がある(方式は特記による)。
試験での出方とワナ
出題の型
令和8年度の問題Bには、配管及び配管附属品の施工が2問出た。No.6は全問解答の範囲(No.1〜9)にあり、4つの記述から適当でないもの1つを選ぶ。No.27は応用能力問題(No.22〜29)で、適当でないものを2つ選ぶ。題材は、蒸気管の支持、冷温水管の枝管の取出し、冷媒管のろう付け、固定支持(No.6)、排水管からの通気管の取出し、通気管の末端の位置、蒸気管の径違い継手、溶接の余盛り(No.27)だった。このうち冷温水管の枝管の取出しは、2.4.2(12)の「立上り、立下り分岐配管要領等」(冷温水主管より。標準図による)に当たると読める(当サイトの読み)。図の読みを確認できておらず、本文では扱わない。No.6で適当でないとされたのは固定支持の記述だった。
初見の記述を点検する3点
- 数字: 呼び径、mm、m、倍率。対象とセットで確かめる(鋼管の余盛り3 mm、ねじ接合は水配管で100以下、通気管の取出しは45°以内)
- 向き: 上面か下面か、先下がりか先上がりか、垂直からか水平からか
- 役割: 固定か、ガイドか、ローラか、振れ止めか。金具の名前ではなく、動きを止めるのか、許すのかで読む
固定支持にUボルトを使うか否かを直接述べた文は、標準仕様書にも標準図にも見つからない。確認できたのは次の2点だ。標準図でUボルト又はUバンドと書かれているのは、吊り金物・形鋼振れ止め支持の図で、立て管の床固定や伸縮管継手の固定の図にその表記はない。標準仕様書本文でUボルトが出るのは、医療ガス設備の配管外観検査(ナットの緩みがないこと。第11編)の1箇所だけだ。正答肢PDFは理由を書いておらず、不適当とされた記述のどの語が誤りの原因かも、公表資料からは分からない。Uボルトは管をつかむだけで軸方向に滑りうる金具なので、動かさない点の金物には向かない、と読むこともできる。標準図の表記の有無とは矛盾しないが、表記がないことは、使わない証拠にはならない(以上、当サイトの読み)。
通気管の末端と窓などの開口部との距離は、配管工事の章に数値が見当たらず、確認できていない。通気設備のトピックで、一次資料に当たる。
冒頭の問いの答え合わせ
30 mの鋼管が20℃から100℃になると、表から、(11.5−2.3)×3=27.6 mm伸びる(温度は仮の数字)。両端を固定すると、伸びは圧縮応力と固定点の反力になる。完全に固定した理想の場合、応力は管長によらない。だから、固定で動かさない点をつくり、ガイドと座屈防止用の振れ止めで向きをそろえ、伸縮管継手で伸びを受け止める。
「適当でないもの」は、数字・向き・役割の3点で点検する。答え合わせは、理解度チェックの問1・8(勾配)、問5(径違い継手)、問7(伸び)、問9・10(支持)、問2〜4・11(接合)、問6(試験圧力)、問12(通気管)でしてみよう。
次の問い
水を運ぶ管は、傾けて流し、決まった方法でつなぎ、伸びを逃がして支え、圧力をかけて確かめた。では、空気を運ぶダクトでは、この4つの考え方はどこまで通用し、どこから変わるのか。次のトピック「ダクト・附属品の施工」で、令和8年度に出題されたダクトの施工の記述と合わせて読む。