エスカレーター保守・リニューアルの配線交換と電材|定期検査・必要なケーブル・見積に必要な情報
エスカレーターの配線交換が起きるのは、メーカーが求める配線の外観点検(例えば毎月)で亀裂・破損・劣化・変形が見つかったとき、 絶縁抵抗が告示の判定値(回路電圧300V超は0.4MΩ、150V超300V以下は0.2MΩ、150V以下は0.1MΩ以上)を下回ったとき、 そして制御盤・電動機・電気系統を更新するリニューアルのときです。建築基準法第12条の定期検査(告示第283号 別表第五)には エスカレーターの配線を名指しした検査項目がなく、電気関係は制御器・接触器・ヒューズ・絶縁・接地・電動機・各スイッチの作動で確認されます。 必要な電材は、受電盤・制御盤〜駆動電動機の電源線、安全装置・スイッチ類の信号線、盤内配線のKIV、圧着端子・熱収縮チューブです。 日本エレベーター協会の会員が保守するエスカレーターは全国69,649台(2025年3月末)で、東京都が約23%を占めます。 太陽ケーブルテックの耐油柔軟性キャブタイヤ「SUNLIGHT」は、自動給油の油がかかる固定配線の候補になりますが、 カタログにエスカレーターの記載はなく、適合はメーカー確認が必要です。
数字で見るエスカレーター保守・リニューアル
用語の定義
- エスカレーター(法令上の区分)
- 建築基準法施行令第129条の3第1項第2号に掲げる昇降機で、エレベーター・小荷物専用昇降機と並ぶ独立の区分。構造は同令第129条の12が定める(勾配30度以下、踏段の幅1.1m以下、制動装置と昇降口で踏段を停止させる装置など)。 [2]
- 定期検査(建築基準法第12条第3項)
- 昇降機を含む特定建築設備等の所有者が、定期に建築設備等検査員に検査をさせ、結果を特定行政庁に報告する制度。報告の間隔は施行規則第6条で「おおむね6月から1年まで」の範囲で特定行政庁が定め、実務では年1回で運用されることが多い。 [1]
- 昇降機等検査員
- 建築設備等検査員資格者証の一種で、昇降機と遊戯施設を検査できる者。旧称「昇降機検査資格者」の表記がメーカーの手引きや自治体の仕様書にまだ残る。 [3]
- 告示第283号 別表第五
- 平成20年国土交通省告示第283号が定める、エスカレーターの定期検査の検査項目・方法・判定基準。電気関係は制御器の開閉器・遮断器、接触器・継電器・運転制御用基板、ヒューズ、絶縁、接地、電動機、ブレーキ、各種安全スイッチの作動が対象。 [4]
- POG契約・FM契約
- POG(パーツ・オイル・グリース)契約は定期点検と清掃・給油・調整・簡易消耗部品の取替えを月額固定で行う契約。FM(フルメンテナンス)契約はこれに劣化部品の取替え・修理まで含む契約。点検で見つかった指摘事項の部品取替えは、POGでは別料金の保全業務になる。 [19]
- トラス
- エスカレーターの骨組みとなる構造物。トラス内に制御盤、駆動機、踏段駆動輪、踏段チェーン緊張装置、踏段レールが組み込まれ、その上に踏段と移動手すりが載る。 [9]
- 自動給油装置
- 駆動チェーン・踏段チェーン・手すり駆動チェーンに集中潤滑する装置。ポンプユニット・給油ノズル・配管がトラス内にあり、配線は油のかかる環境に置かれる。 [11]
- 要是正・既存不適格
- 定期検査の判定区分。令和6年国土交通省告示第57号で見直された周辺部の安全基準に満たない既設機は、遡及適用はされないが定期検査で「要是正(既存不適格)」の判定になる。 [7]
- リニューアル(撤去新設・準撤去新設)
- 日本エレベーター協会の台数調査では「完全撤去新設及び準撤去新設」をリニューアルとして集計する。制御盤・電気系統だけを交換する部分更新はこの数字に含まれないと読める。 [6]
- キャブタイヤケーブル
- ゴムまたはビニルの外装(シース)で覆った可とう性のあるケーブル。電気用品安全法の形式記号ではVCT(ビニルキャブタイヤケーブル)・VCTF(ビニルキャブタイヤコード)などに当たる。 [24]
担い手と商流:メーカー系・独立系、契約形態、純正部品と部品供給
昇降機の国内保守台数は、メーカー系が約80%、独立系が約20%とされます(2026年9月の独立系保守会社のIR資料。昇降機全体の数字でエスカレーター単独の内訳ではありません)。 三菱電機ビルソリューションズは全国約280か所のサービス拠点を持ち、エスカレーターのリニューアルも自社で実施しています。 独立系でエスカレーターへの対応を公表しているのは、国内主要メーカー各機種に対応しエスカレーター専門のスペシャリストを置くジャパンエレベーターサービス、 2024年1月にエスカレーターのリニューアル受託を始めたエレベーターコミュニケーションズ、JES系列で約1,700台を保守する三好エレベータなどです。
契約形態は、定期点検と清掃・給油・調整・簡易消耗部品の取替えを月額固定で行うPOG契約と、劣化部品の取替え・修理まで含むFM契約に分かれます。 港区の標準仕様書(POG契約)では、エスカレーターの取替範囲は制御盤・受電盤のヒューズ類、駆動機のギヤ油、電動機の軸受グリス、くしの4項目だけで、 電線・ケーブルの取替えや制御盤・電動機の一式取替えは含まれません。点検で見つかった配線の劣化は、POGでは別料金の保全業務として手配されることになります。
部品はメーカー純正品が基本です。三菱電機は「交換部品はエスカレーターの品質を保つため、当社純正品の使用を推奨」し、同社が供給していない機器・部品の使用に起因する故障・事故は責任範囲外とし、 保守部品の供給は製品出荷後20年間を目処としています。独立系も「交換部品は原則としてメーカーの純正部品を推奨」し、旧型機は純正部品の在庫枯渇に備えて在庫確保・再利用・海外調達を検討すると述べています。 公共の仕様書も、久留米市は純正部品を原則、港区は純正部品「又はこれと同等の部品」の十分なストックを求めます。
一方で、電線・ケーブルが純正部品として供給されるのか、汎用品が使われるのか、保守会社がどこから仕入れるのかを書いた一次資料はありません。 三菱電機の定期交換部品表と長期修繕計画の例には電線・ケーブルが載らない一方、同社の2022年の案内には「電線・ケーブル」の点検ポイントと交換目安があります。 電材商社の立場では、この「部品表に載らないが点検では見る」配線が、保守会社・リニューアル施工会社からの相談が発生する領域だと考えています。
2009年の国土交通省調査(エレベーター等)では、メーカーから保守契約のない注文者へ部品を提供する際の価格について、物流・在庫管理コストや管理費を上乗せするメーカーと、 自社管理物件と同等の価格とするメーカーが分かれていました。電線・ケーブルを名指しした回答はありません。
設備の電気系統:機械室の盤、駆動電動機、トラス内の安全装置へ届く配線
エスカレーターは、トラスの上に駆動装置・踏段・移動手すりが載る構造で、上部の駆動機から踏段チェーンに動力を伝える上部駆動方式が一般的です。 主流は踏段幅0.6m程度のS600形(1人乗り)と1.0m程度のS1000形(2人乗り)で、協会会員が保守する台数ではS1000形(S800形を含む)が51,410台、S600形が18,239台です。
三菱電機の省スペースタイプの保守・点検編によれば、上部・下部の機械室に受電盤、制御盤、インバーター盤、下部中継箱、操作盤、自動給油装置のポンプユニットが置かれます。 電源遮断器は動力電源(ACB)、制御電源(CCB)、自動給油装置用(MTB)、照明電源(LIGHT)などに分かれ、供給電源は電圧変動±5%・電圧不平衡率3%以内を定期的に確認することが求められます。 駆動機まわりには減速機、電動機、プーリー、Vベルト、電磁ブレーキ、調速機センサー、帯電防止ワイヤーがあります。
配線が届く先は安全装置・スイッチ類です。三菱電機の手引きは、ブレーキ、調速機、駆動チェーン安全装置、インレット安全装置、非常停止ボタン、スカートガード安全装置、 踏段異常走行検出装置、手すり遅速検出装置、踏段チェーン安全装置、くし安全装置など14種の安全装置・検出装置を挙げます。 インレットスイッチはインレットガードの内部、スカートガードスイッチは上下乗降口の曲線部分の左右、コムスイッチは乗降口のくし部にあり、 信号線は機械室からトラス内を通って乗降口まで引き回されます。
令和6年国土交通省告示第57号により、令和6年4月1日以降に着工するエスカレーターには、左右どちらかのハンドレールの停止や速度異常を検出して運転を自動停止させる装置の設置が義務づけられました。 安全装置が増えるほど、制御盤に戻る信号線の回路数も増えます。
保守作業での配線の扱いについて、三菱電機の手引きは、上部機械室で作業するときは制御盤・インバーター盤をトラス外に持ち出し、戻す際は「ケーブルが挟まることや踏段と接触する」ことがないよう注意せよと書いています。 配線が踏段の動作範囲に近いことの注意喚起ですが、ケーブルの種類・長さ・固定方法までは記載がありません。
定期検査と配線:告示は配線を名指ししない。起点はメーカーの外観点検と絶縁抵抗
建築基準法第12条第3項の定期検査で用いる告示第283号 別表第五(エスカレーター)には、「配線」「電線」「ケーブル」を名指しした検査事項がありません。 同じ告示の別表第一(エレベーター)などには「移動ケーブル」の検査事項がありますが、別表第五の電気関係は、制御器の開閉器・遮断器の作動、接触器・継電器・運転制御用基板の作動と接点の摩耗、 ヒューズの設置、電動機・制御器等の回路の絶縁、接地、電動機の音・発熱・振動、ブレーキ、昇降起動スイッチや各安全スイッチの作動です。 つまりエスカレーターの配線は、法定検査では絶縁抵抗・接地・スイッチ作動の結果を通じて間接的に確認されると読めます。
絶縁抵抗の判定値は回路電圧で区分され、300V超は0.4MΩ、150V超300V以下は0.2MΩ、150V以下は0.1MΩ以上がないと要是正です(一次側と二次側が電気的に分離され直流60V・交流25V以下の回路は除く)。 三菱電機の手引きは回路の用途で区分し、電動機主回路は300V以下0.2MΩ以上・300V超0.4MΩ以上、制御・信号・照明回路は150V以下0.1MΩ以上・150V超300V以下0.2MΩ以上とし、測定は各電源遮断器を「切」にして行うとしています。
配線そのものを見るのはメーカーの指示です。三菱電機の保守・点検編は「エスカレーター配線の外観を、定期的(例えば毎月など)に亀裂・破損・劣化・変形がないか確認し、発見した場合は速やかに交換」するよう求めています(省スペースタイプ、Zシリーズとも同じ文言)。 同社の2022年の案内は、電線・ケーブルの点検ポイントを「断線、接続端子の接触不良、シースのひび割れ、絶縁抵抗の低下」とし、交換の目安を20年程度としたうえで、記載の年数は製品・部品の寿命を保証するものではないと注記しています。
自治体の保守仕様書にも配線の点検が入ります。港区の標準仕様書(POG契約)は中間部の「ケーブル及び配線類」の劣化の有無を年1回点検し、制御盤・受電盤の端子の緩みとヒューズ、回路の絶縁抵抗・電圧の測定も年1回、 電磁接触器の接点摩耗は毎月、非常停止・インレット・スカートガードの各スイッチの作動は3か月ごとと定めています。岐阜県の仕様書は制御盤・リレー盤・端子箱・調速機の制限スイッチの「端子の緩み、配線状態」、 電動機の端子の緩みと絶縁状態、付加装置の「ケーブルの劣化・破損の有無」を点検項目に置いています。
点検の周期は、法定検査が実務上年1回、保守点検は3か月に1回(岐阜県・箕面市の例。リモート点検に対応しない機種は月1回)や、項目ごとに毎月・3か月・6か月・年1回(港区)といった形です。 三菱電機は点検項目を「1年未満を目安に」専門技術者が確認する安全機能確認項目を主体とし、周期は運転時間・設置環境・使用状況で見直すとしています。
環境要因:自動給油の油、摩耗粉、周囲40℃・湿度90%、屋外型・準屋外型
トラス内は油の環境です。駆動チェーン・踏段チェーン・手すり駆動チェーンは自動給油装置で集中潤滑され、減速機のオイルシールからの油漏れやブレーキ摩擦面への油付着は是正対象、 下部機械室の排水部にオイルトラップがある場合は定期的に油を除去します。電磁ブレーキのスプラインハブ周辺に堆積した摩耗粉はエアブローや刷毛で清掃し、駆動機・Vベルトが油や塵埃で汚れていないことを点検します。 保守会社のオプションにも、踏段の隙間に溜まるほこりや油汚れを清掃するステップクリーニングがあります。
温湿度の前提は、周囲温度40℃、湿度は月平均90%・日平均95%を超えないこと、結露・氷結がないことです。インバーター盤の下部吸気口のエアーフィルターが目詰まりすると温度異常を検出する可能性があり、定期清掃が求められます。
屋内・屋外の区分も明確です。三菱電機の手引きは、屋内をあらゆる角度からの雨水の降りかかりがなく直射日光にほとんどさらされない環境、屋外を屋根はあるが雨水がかかる可能性があり直射日光にもさらされる環境と定義し、 屋外では踏段ローラーの詳細点検が屋内8年のところ3年、自動給油の間隔が48時間のところ24時間と短くなります。 久留米市のJR駅自由通路のエスカレーターは「屋外型」、箕面市の駅前広場は「準屋外型」で発注されており、独立系のリニューアル事業者は野外エスカレーター向けに下部機械室の水位検知を例示しています。
ただし、これらの環境に対してケーブルに耐油・耐熱・耐候・耐摩耗を要求すると定めた法令・規格・メーカー資料は見つかっていません。本ページでは環境の事実と、ケーブルメーカーのカタログ記載値を分けて示します。
交換・更新が起きる場面とリニューアル工法
配線交換の起点は、(1)メーカーの外観点検で亀裂・破損・劣化・変形が見つかったとき、(2)絶縁抵抗が判定値を下回ったとき、(3)制御盤・電動機・電気系統の更新と同時、(4)耐用年数・部品供給の節目、 (5)法令・告示の改正への対応、(6)リレーリード線などの消耗品交換、(7)手すり下照明のLED化や人感センサー追加などの付加的な電気改修です。
耐用年数の目安は資料によって異なります。税法上の法定償却耐用年数は15年、日本エレベーター協会は主要装置の耐用年数を概ね20年(三菱電機の案内による)、三菱電機は標準使用環境下の主要機器を20〜25年で設計し部品供給は製品出荷後20年を目処、 独立系は製造終了後約25年で部品供給がなくなることがほとんどと説明し、三菱電機技報はリニューアルを竣工から25年を目途に実施するとしています。
メーカーのリニューアルでは、営業中の商業施設での長期停止を避けるため、1日の工事を営業時間外の最大10時間に収めて日ごとに復旧する「連続停止ゼロ工法」が開発されました。 この工法の課題だった電気配線作業の分割に対し、配線用分岐箱を新たに開発し、正常動作に必要な配線経路を常時確保して新旧の安全装置が混在する工事途中でも稼働できるようにしています。標準仕様にはインバータ制御が導入されています。
独立系では、旧トラスを活用する工法として、新トラスへのフル交換(EME)、上下のみ新トラス交換(SEMI)、主要機器(減速機・制御盤・モーター・電気系統)のみを交換して外観は変えないECOプランが示され、 ECOプランは「部品供給停止に対応する部品のみを交換する最小限の対策」と説明されています。工期・費用の数字は事業者の自己申告で、電線をどこまで更新するかは資料に書かれていません。
協会会員が工事完了検査を受けた台数では、2024年度の新設は1,024台、撤去新設・準撤去新設のリニューアルは83台です。新設は2000年度の3,892台をピークに減少しており、 制御盤・電気系統だけの部分更新はこの集計に含まれないと読めます。
ケーブルに求められること:一次資料で言えること、言えないこと
エスカレーターの配線に対して「耐油」「柔軟」「難燃」「耐摩耗」といった材料特性を要件として定めた法令・規格・メーカー資料は、今回確認した範囲にはありません。 言えるのは、千葉県建築基準法施行条例第49条が昇降機の電気設備の配線を金属製のコンジット管に収めるか可撓外装電線とし、配線と大地間の絶縁抵抗を表の数値以上とするよう定めていること(他の自治体の条例は未確認)、 告示とメーカーの絶縁抵抗の判定値、そしてメーカーが点検で見る劣化の症状(亀裂・破損・劣化・変形、断線、接続端子の接触不良、シースのひび割れ、絶縁抵抗の低下)です。
JIS C 3408:2014「エレベータ用ケーブル」の適用範囲は「300V以下の主としてエレベータ、小荷物専用昇降機などの昇降機用の配線及び移動電線」で、エスカレーターの語は出てきません。 EVVやEVVFを「エスカレーター用」として書くことはできず、本ページでも品種をエスカレーター向けと断定しません。
そのため、ケーブルの性能はメーカーのカタログ記載値で比較し、エスカレーターへの適合そのものはケーブルメーカーと、メーカー保守物件では昇降機メーカーの純正部品方針に照らして確認します。 太陽ケーブルテックのSUNLIGHTシリーズは、600V電源用の6DX LF・6SX LF(シールド付き)、300V制御用の3DX LF・3SX LF(シールド付き)、計装・信号用のDX LF・SX LFからなり、 いずれも「耐油耐熱難燃柔軟性PVC」のシースで、3SX・3DX・6SX・6DXには絶縁油・潤滑油がA(実用上全く問題がない)、切削油・作動油・グリースがB(劣化もわずか)の耐油性表があります。 用途の原文は「工作機械、建設用機械、ロボット電源回路などの過酷な状況下での用途」で、エスカレーター・トラス・粉じん・振動の語はカタログにありません。
定格温度は3DX・3SX・6DX・6SXが60℃で、エスカレーターの周囲温度の前提40℃に対し、許容電流は周囲温度40℃で0.82、50℃で0.58の減少係数がかかります(空中1条布設・周囲30℃の値に対して)。 6DX・6SXは「耐候性、耐光性、耐寒性PVC」と書いた同じ項に「ケーブルの屋外使用を保証するものではありません」と注記しており、屋外型・準屋外型の露出配線には屋外用途を明示した品種をメーカーに確認してください。
エレベーターとの違い:配線の主役・検査項目・設置環境・規模
エレベーターでは、昇降するかごにつながる移動ケーブル(EVV・EVVF、テールコード)が配線の主役で、JIS C 3408が中心規格、告示別表第一にも「移動ケーブル及び取付部」の検査事項があり、 定期検査で見つかったケーブルの損傷が交換手配のきっかけになります。エスカレーターにはこの構図が当てはまりません。移動ケーブルの検査事項は別表第五になく、JIS C 3408の適用範囲にもエスカレーターの語はありません。
エスカレーターの配線は「エスカレーター配線」「ケーブル及び配線類」と呼ばれ、機械室の受電盤・制御盤・インバーター盤から、トラス内のスイッチ類・操作盤・照明へつながる固定配線です。 設置環境は昇降路・ピットではなく、上下の機械室とトラス内で、自動給油の油、摩耗粉、屋外型なら雨水と日光にさらされます。
点検周期は、エレベーターの保守点検が月1回の例(自治体仕様書)に対し、エスカレーターは3か月に1回の例や項目別の周期が見られます。取替範囲も、エレベーターの仕様書には「移動ケーブル」「かごまわり配線」「その他ケーブル」が載る例がある一方、 港区のエスカレーターのPOG標準仕様書の取替範囲にケーブル類はありません。
規模では、協会会員が保守するエレベーター782,223台に対しエスカレーターは69,649台で、台数は約11分の1です。担い手も、独立系でエスカレーター対応を公表している会社は限られます。 エレベーター保守・改修に必要な電材(EVVF・テールコード・KIV・圧着端子・熱収縮チューブ)は、エレベーター保守のページで扱っています。
調達の流れ:純正方針の確認、既設配線の読み取り、見積が早くなる情報
最初に確認するのは、その物件がメーカー保守か独立系保守か、契約がPOGかFMか、そして交換部品の純正方針です。メーカー保守物件では「当社が供給していない機器・部品類を使用したことに起因する」故障は責任範囲外とされるため、 汎用ケーブルへの置き換えは保守会社・所有者・メーカーの合意が前提になります。独立系保守やリニューアル施工会社が電材を手配する場合、ケーブルは品種・サイズ・芯数で指定して電材商社に見積を依頼する形になります。
既設配線の品種・サイズ・芯数は、ケーブル表面の印字と総結線図から読み取ります。印字が読めない場合は、外径・芯数・敷設区間の長さと経路(機械室〜トラス内〜乗降口)、回路区分(動力・制御・信号・照明)、電源電圧と電動機の定格、インバーター盤の有無、 油のかかる箇所か、屋内型か屋外型かを整理すると候補を選定できます。
電源線は電動機の定格電流とケーブルの許容電流(周囲温度の減少係数を考慮)から、信号線は安全装置・スイッチの回路数に予備芯を加えて芯数を決めます。 令和6年4月以降の着工分や、ハンドレール停止検出装置を後付けする改修では回路数が増えるため、予備芯を多めに見ておくと手戻りが減ります。
ページ下部の「見積に必要な情報」にチェックリストをまとめました。品番が不明でも、現場写真と上記の情報があれば候補を選定できます。 エスカレーターへの適合可否(油・温度・屋外)はケーブルメーカーに現場条件を伝えて確認し、電材商社が適合を保証するものではありません。
規格・法令の根拠
- 建築基準法 第12条第3項(特定建築設備等の定期検査・報告) 出典を見る →
昇降機を含む特定建築設備等の所有者は、定期に建築設備等検査員に検査をさせ、結果を特定行政庁に報告する。 エスカレーターは施行令第129条の3第1項第2号の昇降機として対象。
- 建築基準法施行規則 第6条(報告の時期)・第6条の5・第6条の6(昇降機等検査員) 出典を見る →
報告の間隔は「おおむね六月から一年まで」の範囲で特定行政庁が定める。検査の項目・方法・判定基準は国土交通大臣の定め(告示)による。
- 平成20年国土交通省告示第283号 別表第五(エスカレーターの検査項目・方法・判定基準) 出典を見る →
電気関係は制御器の開閉器・遮断器、接触器・継電器・運転制御用基板、ヒューズ、絶縁(300V超0.4MΩ・150V超300V以下0.2MΩ・150V以下0.1MΩ)、接地、電動機、ブレーキ、各安全スイッチの作動。 配線・電線・ケーブルを名指しした検査事項はない(平成29年4月1日施行時点の版)。
- 令和6年国土交通省告示第57号(エスカレーターの安全基準の見直し) 出典を見る →
令和6年4月1日以降に着工するエスカレーターに、ハンドレールの停止・速度異常を検出して運転を停止させる装置の設置を義務化。周辺部の安全基準と定期検査の判定基準も見直し(日本エレベーター協会リーフレット)。
- 建築基準法施行令 第129条の12(エスカレーターの構造) 出典を見る →
勾配30度以下、踏段の幅1.1m以下、制動装置と昇降口で踏段を停止させる装置を設けることなど。
- JIS C 3408:2014 エレベータ用ケーブル(適用範囲) 出典を見る →
適用範囲は「300V以下の主としてエレベータ、小荷物専用昇降機などの昇降機用の配線及び移動電線」。エスカレーターの語は出てこない。
選び方(判断基準)
回路の区分と定格電圧(動力か、制御・信号・照明か)
なぜ: 受電盤・制御盤から駆動電動機への動力回路と、安全装置・スイッチ類・操作盤・照明への制御・信号回路では、必要な定格電圧と品種が分かれるため。絶縁抵抗の判定値も回路電圧で区分される。
どう見る: 動力回路は600V級(SUNLIGHTでは6DX LF・6SX LF)、制御・信号回路は300V級(3DX LF・3SX LF)または計装用(DX LF・SX LF、UL AWM 150V)から候補を選び、既設の表面印字と総結線図で回路ごとに確認する。[23]
耐油(自動給油の油がかかる箇所か)
なぜ: トラス内はチェーンへの自動給油で油の環境にあり、減速機の油漏れやブレーキへの油付着が是正対象になるほど油がかかる。
どう見る: 3SX・3DX・6SX・6DXは耐油性の表があり、絶縁油・潤滑油がA、切削油・作動油・グリースがB。給油に使う油種を確認して表に照らす。試験条件はカタログに記載がない。[23]
周囲温度と定格温度・許容電流
なぜ: エスカレーターの設置環境の前提は周囲温度40℃で、SUNLIGHTの3DX・3SX・6DX・6SXの定格温度は60℃。周囲温度が上がるほど許容電流の減少係数がかかる。
どう見る: 機械室の実温度を把握し、許容電流は周囲30℃の値に減少係数(40℃で0.82、50℃で0.58)を掛けて余裕を見る。インバーター盤のフィルター清掃で盤内温度を抑える。[11]
シールドの要否(インバーター盤の有無)
なぜ: 新しい機種やリニューアル後の標準仕様にはインバータ制御が入り、信号線がノイズの影響を受けやすくなるため。
どう見る: 信号・計装線はシールド付き(SX LF・SX-E LF・3SX LF・6SX LF)を候補にし、電源線との離隔と接地の取り方は昇降機メーカー・ケーブルメーカーの推奨に従う。[12]
固定配線であること(踏段と接触しない固定、繰り返し曲げの有無)
なぜ: 配線が踏段の動作範囲に近いことへの注意喚起があり、3SX・3DX・6SX・6DXの許容屈曲半径「仕上外径の6倍以上」はリール巻取式・カーテン式のように繰り返し曲げる用途には適用できないため。
どう見る: トラス内の固定配線に用い、可動部の配線には用いない。経路の曲がり箇所で外径×6以上の半径が取れるか、踏段・チェーンとの離隔が取れるかを確認する。[11]
屋内型か、屋外型・準屋外型か
なぜ: 屋外型は雨水と直射日光にさらされ、6DX・6SXのカタログは「ケーブルの屋外使用を保証するものではありません」と注記しているため。
どう見る: 駅自由通路・駅前広場などの屋外型・準屋外型では、屋外用途を明示した品種を含めてケーブルメーカーに確認する。[24]
純正部品の方針(メーカー保守か独立系保守か)
なぜ: メーカーは純正品の使用を推奨し、供給していない部品の使用に起因する故障・事故を責任範囲外としている。公共の仕様書も純正または同等品を求める。
どう見る: 保守契約の相手(メーカー系・独立系)と契約形態(POG・FM)を確認し、汎用ケーブルへの置き換えは保守会社・所有者・メーカーの合意を得てから発注する。[11]
SUNLIGHT各系列のカタログ記載値(エスカレーター・トラス内への適合はカタログに記載なし)
| 項目 | 6DX LF | 6SX LF | 3DX LF | 3SX LF | DX LF / SX LF | ECO120 LF |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 分類 | 電気機器電源用 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤケーブル | 同左(シールド付き) | 電子機器配線用 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤコード | 同左(シールド付き) | 多目的対撚り型計装用ケーブル(SXはシールド付き) | 環境対応型(ノンハロゲン)電源用キャブタイヤケーブル |
| 定格電圧・温度 | 600V・60℃ | 600V・60℃ | 300V・60℃ | 300V・60℃ | 150V・80℃ | 600V・90℃ |
| 規格 | 電気用品安全法(VCT)・RoHS | 電気用品安全法(VCT)・RoHS | 電気用品安全法(VCTF)・RoHS | 電気用品安全法(VCTF)・RoHS | UL AWM・cUL AWM・RoHS | 電気用品安全法・RoHS |
| サイズ・芯数 | 0.75〜38mm²、2〜30C | 0.75〜38mm²、2〜30C | 0.3〜2.0mm²、2〜60C | 0.3〜2.0mm²、2〜30C | 25〜21AWG、1〜50P(DXは3Cあり) | 0.75〜5.5mm²、2〜6C |
| 耐油性(カタログ★と表) | ★5・絶縁油A/潤滑油A/作動油・グリースB | 同左 | 同左 | 同左 | ★5(表なし) | ★2(表なし) |
| 許容電流の減少係数 | 40℃で0.82、50℃で0.58 | 40℃で0.82、50℃で0.58 | 40℃で0.82、50℃で0.58 | 40℃で0.82、50℃で0.58 | 40℃で0.89、50℃で0.77 | 40℃で0.91、50℃で0.82 |
| 許容屈曲半径 | 仕上外径の6倍以上(繰り返し曲げは適用外) | 同左 | 同左 | 同左 | 記載なし | 記載なし |
| 屋外の記載 | 屋外使用を保証しない旨の注記 | 屋外使用を保証しない旨の注記 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
値はいずれも太陽ケーブルテックのカタログ記載。エスカレーター・トラス・粉じん・振動の語はカタログに現れない。適合判断はメーカー確認による。 [23] [24] [25] [26]
必要な電材一覧
| 部位・用途 | 品種 | 代表的な型番 | メーカー | 詳細 | 見積 |
|---|---|---|---|---|---|
| 受電盤・制御盤〜駆動電動機の動力線(トラス内・機械室の固定配線、耐油が要る箇所の候補) | 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤケーブル 600V(候補・適合はメーカー確認) | SUNLIGHT 6DX LF 3.5mm²×4C | 太陽ケーブルテック | 品種詳細 → | |
| 動力線でノイズ対策が要る箇所(インバーター盤〜電動機、候補) | 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤケーブル 600V シールド付き(候補・適合はメーカー確認) | SUNLIGHT 6SX LF 3.5mm²×4C | 太陽ケーブルテック | 品種詳細 → | |
| 安全装置・スイッチ類・操作盤への制御・信号線(候補) | 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤコード 300V(候補・適合はメーカー確認) | SUNLIGHT 3DX LF 0.75mm²×16C | 太陽ケーブルテック | 品種詳細 → | |
| 制御・信号線でシールドが要る箇所(候補) | 耐油柔軟性ビニルキャブタイヤコード 300V シールド付き(候補・適合はメーカー確認) | SUNLIGHT 3SX LF 0.75mm²×16C | 太陽ケーブルテック | 品種詳細 → | |
| センサー・検出装置の計装線(手すり遅速検出・調速機センサーなど、候補) | 対撚り型シールド付き計装用ケーブル UL AWM(候補・適合はメーカー確認) | SUNLIGHT SX LF 23AWG×4P | 太陽ケーブルテック | 品種詳細 → | |
| 制御盤・受電盤内の配線 | KIV | KIV | 古河電工メタルケーブル(FEMC) | 品種詳細 → | |
| 端末処理(圧着端子) | 絶縁被覆付丸形端子 | TGV 2-4 | ニチフ | 品種詳細 → | |
| 端末処理(熱収縮チューブ) | スミチューブA(標準熱収縮チューブ) | スミチューブA 12×0.3 | スミチューブ(住友電工) | 品種詳細 → | |
選定・手配の手順
- 契約と純正方針を確認する
メーカー保守か独立系保守か、POGかFMか、交換部品の純正方針(メーカーの責任範囲)を確認する。POGでは配線の交換は別料金の保全業務になる。
- 交換の起点を記録する
外観点検で見つかった亀裂・破損・劣化・変形の箇所、絶縁抵抗の測定値(回路電圧区分と判定値)、更新対象の機器(制御盤・電動機・電気系統)を整理する。
- 既設配線の品種・サイズ・芯数を読む
表面印字と総結線図から回路ごとに拾う。読めない場合は外径・芯数・区間長・経路(機械室〜トラス内〜乗降口)の写真と実測を用意する。
- 環境条件を整理する
油のかかる箇所か、機械室の温度、屋内型か屋外型・準屋外型か、インバーター盤の有無を書き出し、ケーブルメーカーへの適合確認に使う。
- サイズ・芯数・長さを算定して見積依頼する
動力線は電動機の定格電流と許容電流(減少係数)から、信号線は安全装置・スイッチの回路数+予備芯から決め、長さは実測に端末処理分と余長を加える。型番・サイズ・長さ・数量・納期・納品先をそろえて見積フォームから依頼する。
注意点(現場で間違いやすい点)
メーカー保守物件では純正品以外の使用がメーカーの責任範囲外になる
三菱電機は純正品の使用を推奨し、同社が供給していない機器・部品類の使用に起因する故障・事故には責任を負わないとしている。汎用ケーブルへの置き換えは、保守会社・所有者・メーカーの合意を得てから行う。[11]
定期検査に配線の項目がなくても、点検を省いてはいけない
告示別表第五に配線を名指しした検査事項はないが、メーカーは配線の外観を定期的(例えば毎月)に確認し、劣化を見つけたら速やかに交換するよう求めている。法定検査の合否だけで配線の状態を判断しない。[11]
POG契約の取替範囲に電線は含まれない
港区の標準仕様書(POG)のエスカレーターの取替範囲はヒューズ類・ギヤ油・軸受グリス・くしの4項目で、電線・ケーブルや制御盤・電動機の一式取替えは除外されている。配線交換は別途の保全業務として予算と工期を見込む。[13]
屋外型・準屋外型にPVCキャブタイヤをそのまま使わない
6DX・6SXは「耐候性、耐光性」をうたう同じ項に「ケーブルの屋外使用を保証するものではありません」と注記している。駅自由通路・駅前広場などの屋外型では、屋外用途を明示した品種をメーカーに確認する。[24]
周囲温度40℃の前提と定格60℃・減少係数を忘れない
設置環境の前提は周囲温度40℃まで。SUNLIGHTの許容電流はカタログ上、空中1条布設・周囲30℃の値で、40℃で0.82、50℃で0.58の減少係数がかかる(3DX・3SX・6DX・6SX)。サイズに余裕を見る。[23]
絶縁抵抗の判定値は回路電圧で区分される
告示は300V超0.4MΩ、150V超300V以下0.2MΩ、150V以下0.1MΩ以上。メーカーの手引きは回路の用途で区分し、測定は各電源遮断器を「切」にして行う。測定値は交換の前後で記録に残す。[4]
部品供給の節目で配線も一緒に見直す
部品供給は製品出荷後20年を目処(三菱電機)、製造終了後約25年で供給がなくなることがほとんど(独立系)。制御盤・電気系統のみを交換するECOプランのような部分更新でも、配線をどこまで更新するかを事前に決める。[10]
PSE(電気用品安全法)の適用サイズ表記に食い違いがある
3SX・3DXのカタログは日本語で「0.75〜2mm²は電気用品安全法に適合」、英文で「0.75〜5.5mm²」と書かれている(サイズ表の上限は2.0mm²)。適用範囲はメーカーに確認し、表面印字の<PS>Eマークで現物確認する。[26]
実務ポイント
- 配線の交換は制御盤・電動機・電気系統の更新と同時に発生することが多い。動力線・信号線・盤内配線・端末処理材をまとめて拾うと往復が減る。
- 営業中の商業施設・駅では工事時間が営業時間外に限られる。納期は工事日程から逆算して早めに相談する。
- エスカレーターへの適合可否(油・温度・屋外)はケーブルメーカーに現場条件を伝えて確認する。商社が適合を保証するものではない。
見積に必要な情報
次の項目が揃っていると、見積の往復が減ります。分かる範囲で構いません。
- 設置場所(建物用途・屋内型か屋外型・準屋外型か)と納品先
- エスカレーターのメーカー・機種・形式(S600形・S1000形)・設置年
- 保守契約の相手(メーカー系・独立系)と契約形態(POG・FM)、純正部品の方針
- 交換の起点(外観点検の所見、絶縁抵抗の測定値、更新する機器)
- 既設配線の表面印字(品種名・定格電圧・サイズ・芯数)または外径・芯数の実測値と写真
- 回路区分(動力・制御・信号・照明)ごとの区間長と敷設経路(機械室〜トラス内〜乗降口)
- 電源電圧と駆動電動機の定格(容量kW・定格電流)、インバーター盤の有無
- 油のかかる箇所か、機械室の実温度
- 端末処理材(圧着端子・熱収縮チューブ・盤内配線)もまとめて見積するか
- 希望納期(工事日程)と数量(標準長100m単位の切断販売の可否を含む)
エスカレーター保守・リニューアルの電材をまとめて見積依頼
型番と数量を入力するか、手書きメモや型番リストの写真・PDFを送れます。 日程を決めて相談したい場合は、打ち合わせの枠をその場で押さえられます。
FAX 03-3833-6434 平日 9:00〜17:00
法人・施工業者のお客様向けのご相談窓口です
都道府県別のエスカレーター保守台数(日本エレベーター協会 会員保守分、2025年3月31日現在、上位10都道府県)
| 都道府県 | 保守台数 | 全国比 |
|---|---|---|
| 東京都 | 16,307 | 23.4% |
| 大阪府 | 7,994 | 11.5% |
| 神奈川県 | 5,717 | 8.2% |
| 愛知県 | 4,591 | 6.6% |
| 兵庫県 | 3,449 | 5.0% |
| 千葉県 | 3,345 | 4.8% |
| 福岡県 | 3,228 | 4.6% |
| 埼玉県 | 2,811 | 4.0% |
| 北海道 | 2,378 | 3.4% |
| 京都府 | 1,732 | 2.5% |
| その他37県 | 18,097 | 26.0% |
| 全国合計 | 69,649 | 100% |
出典: [6]
あわせて読みたい解説
関連する用語
よくある質問
エスカレーターの定期検査で、配線はどう点検されますか?
告示第283号 別表第五(エスカレーター)には配線・電線・ケーブルを名指しした検査事項がなく、電気関係は制御器・接触器・ヒューズ・絶縁抵抗・接地・電動機・各安全スイッチの作動で確認されます。 配線そのものは、メーカーが求める外観点検(例えば毎月)と、自治体の保守仕様書の点検項目(港区は年1回のケーブル及び配線類の劣化点検)で見ます。
見積フォームへ進む →配線を交換する判断基準はありますか?
三菱電機は、配線の外観に亀裂・破損・劣化・変形を発見したら速やかに交換するよう求め、電線・ケーブルの点検ポイントを断線・接続端子の接触不良・シースのひび割れ・絶縁抵抗の低下、交換の目安を20年程度としています(寿命の保証ではありません)。 絶縁抵抗は告示の判定値(300V超0.4MΩ、150V超300V以下0.2MΩ、150V以下0.1MΩ以上)を下回れば要是正です。
見積フォームへ進む →エレベーター用のEVVFやテールコードをエスカレーターに使えますか?
JIS C 3408「エレベータ用ケーブル」の適用範囲は「300V以下の主としてエレベータ、小荷物専用昇降機などの昇降機用の配線及び移動電線」で、エスカレーターの語は出てきません。 エスカレーターの配線は機械室〜トラス内の固定配線で、移動ケーブルとは用途が違います。品種はメーカーの純正方針とケーブルメーカーの確認に従ってください。
見積フォームへ進む →SUNLIGHTはエスカレーターのトラス内配線に使えますか?
カタログにエスカレーター・トラス・粉じん・振動の記載はありません。耐油性(3SX・3DX・6SX・6DXは絶縁油・潤滑油がA、作動油・グリースがB)と定格温度60℃、許容屈曲半径(外径の6倍以上)はカタログで確認できます。 本ページでは油がかかる固定配線の候補として載せており、適合はケーブルメーカーに現場条件を伝えて確認してください。メーカー保守物件では純正部品の方針も確認が必要です。
見積フォームへ進む →独立系の保守会社でもエスカレーターの保守・リニューアルはできますか?
独立系でエスカレーター対応を公表しているのは、ジャパンエレベーターサービス(主要メーカー各機種に対応、専門スペシャリストを配置)、エレベーターコミュニケーションズ(2024年1月にリニューアル受託を開始、旧トラスを活用する工法)、三好エレベータ(JES系列)などです。 昇降機全体の保守台数では独立系は約20%とされ、エスカレーター単独の内訳は公表資料にありません。
見積フォームへ進む →屋外型のエスカレーターの配線は何が違いますか?
メーカーの手引きでは、屋外は屋根があっても雨水がかかり直射日光にさらされる環境で、踏段ローラーの詳細点検や自動給油の間隔が屋内より短くなります。 SUNLIGHTの6DX・6SXは屋外使用を保証しない旨の注記があるため、屋外型・準屋外型の露出配線には屋外用途を明示した品種をメーカーに確認してください。
見積フォームへ進む →POG契約なら配線の交換は保守料金に含まれますか?
港区の標準仕様書(POG契約)のエスカレーターの取替範囲は、制御盤・受電盤のヒューズ類、駆動機のギヤ油、電動機の軸受グリス、くしの4項目だけで、電線・ケーブルは含まれません。 点検で指摘された配線の劣化は、別料金の保全業務として手配するのが一般的です(契約内容は物件ごとに確認してください)。
見積フォームへ進む →エスカレーターの耐用年数と、リニューアルの目安は?
税法上の法定償却耐用年数は15年、日本エレベーター協会は主要装置の耐用年数を概ね20年(三菱電機の案内による)、三菱電機は主要機器を20〜25年で設計し部品供給は製品出荷後20年を目処、三菱電機技報はリニューアルを竣工から25年を目途としています。 独立系は製造終了後約25年で部品供給がなくなることがほとんどと説明しています。
見積フォームへ進む →既設配線の型番が読めません。見積はできますか?
できます。回路区分(動力・制御・信号・照明)ごとの外径・芯数・区間長と経路、電源電圧と電動機の定格、インバーター盤の有無、油のかかる箇所か、屋内型か屋外型か、現場写真があれば候補を選定します。 エスカレーターへの適合可否はケーブルメーカーに確認します。
見積フォームへ進む →全国にエスカレーターは何台ありますか?
日本エレベーター協会の会員が保守するエスカレーターは69,649台(2025年3月31日現在)で、エレベーターの782,223台の約11分の1です。東京都が16,307台で全国の23.4%、上位10都道府県で74.0%を占めます。 会員以外の保守会社や自家保守の台数は含まれない可能性があります。
見積フォームへ進む →令和6年の告示改正で、既設のエスカレーターにも工事が必要ですか?
令和6年国土交通省告示第57号で義務化されたハンドレール停止検出装置は、令和6年4月1日以降に着工したエスカレーターに適用され、既設機には遡及しません。 ただし周辺部の安全基準(誘導柵・転落防止柵など)に満たない場合は定期検査で「要是正(既存不適格)」の判定になります。検出装置を後付けする改修では信号線の回路数が増えます。
見積フォームへ進む →リニューアル工事では配線はどこまで更新されますか?
メーカーの「連続停止ゼロ工法」では配線用分岐箱で新旧の配線経路を切り替えながら工事し、独立系のECOプランは減速機・制御盤・モーター・電気系統のみを交換します。 電線をどこまで更新するかは資料に書かれておらず、工事会社との事前の現場調査で範囲を決めるのが実務です。
見積フォームへ進む →参考文献・出典
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第12条
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第16条・第129条の3・第129条の12
- 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第6条・第6条の5・第6条の6
- 平成20年国土交通省告示第283号 別表第五(エスカレーター、平成29年4月1日施行時点)
- 同告示 本文(改正履歴つき)
- ELEVATOR JOURNAL No.55 2024年度昇降機設置台数等調査結果報告
- リーフレット「令和6年4月1日からエスカレーターの安全基準が変わります」
- 昇降機百科「エスカレーターの駆動の仕組み」
- 令和7年度 資料1「エスカレーターが関連する救急事故の傾向及び事例」
- 「主要機器の耐用年数を超えご使用されているお客様へ」(2022年3月18日)
- 三菱エスカレーター 取扱説明書 保守・点検編(省スペースタイプ 2024年3月版、Zシリーズ 2024年4月版)
- 三菱電機技報 2023年 エスカレーターリニューアル(連続停止ゼロ工法・配線用分岐箱)
- 昇降機維持保全業務標準仕様書(POG契約)令和2年度版 別紙4
- 昇降設備保守点検業務仕様書(別表-Ⅰ エスカレーター)
- JR久留米駅東西自由通路エレベーター・エスカレーター保守点検業務委託 仕様書
- エレベータ・エスカレータ保守点検業務委託仕様書(萱野駅前交通広場)
- JIS C 3408:2014 エレベータ用ケーブル(プレビュー・適用範囲)
- 千葉県建築基準法施行条例 第49条(昇降機の電気設備)・第50条
- エレベーターコミュニケーションズ株式会社 有価証券報告書(2026年5月期)・決算説明資料(2026年9月)
- エレベーターコミュニケーションズ株式会社 エスカレーターリニューアル(公式サイト)
- ジャパンエレベーターサービスホールディングス エスカレーターメンテナンス・パーツセンター(公式サイト)
- エレベーター保守管理の実態調査(2009年、メーカー・メーカー系保守会社への調査)
- SUNLIGHT 3DX LF/3SX LF カタログ(電子機器配線用耐油柔軟性ビニルキャブタイヤコード)
- SUNLIGHT 6DX LF/6SX LF カタログ(電気機器電源用耐油柔軟性ビニルキャブタイヤケーブル、p.214〜219)
- SUNLIGHT ECO120 LF 製品ページ
- SUNLIGHT 3SX LF 製品ページ(電気用品安全法の適用サイズ表記)
参考資料(本文で直接引用していない資料)
- 事務連絡「エスカレーターの定期報告制度の運用に係る留意事項について」(令和3年4月1日)
- 資料4 昇降機等の定期報告実施状況及び指定件数(平成21年度)
- 日本エレベーター協会 会員名簿(正会員90社・賛助会員29社、2026年10月取得)