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富士電機のUPS「GX100シリーズ」の型番はどう読むのか|『M-UPS030AD1B-U』と『MUP302GX1AB1T-UPR』、同じ3kVAに二つの骨格がある理由

読了目安: 11分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

冒頭の場面・会話は、内容の理解を助けるための例示です。特定の現場・企業・案件を指すものではありません。

制御盤の裏に据え付けられたGX100の銘板には「M-UPS030AD1B-U」とある。3kVA、自立設置、UL認定——ここまでは型式を目で追えば分かる。同じ型式で1台追加しようとカタログを開くと、3kVAの欄にその型式が見当たらない。並んでいるのは「MUP302GX1AB1T-UPR」という、頭からしてまるで違う並びだ。製品名は変わらず「GX100シリーズ」のままなのに、型式の骨格そのものが別物に入れ替わっている。

これは表記ゆれでも誤植でもない。富士電機の公式ページを確認すると、GX100シリーズの1〜3kVA標準品(M-UPS010AD1B-Uを含む一群)には「廃型」の注記があり、後継機としてリニューアル版への案内が置かれている。つまり同じ3kVAという容量に対して、旧型式と新型式という2つの読み方が存在し、しかも旧型式のほうはもう発注できない。ここでは公式の「形式説明」図と形式一覧に基づいて、この2つの骨格をそれぞれ分解し、あわせて公式資料でも項目化されていない文字がどこに残っているかを確認する。

旧型式「M-UPS」の骨格——今も5〜10kVAで生きている読み方

富士電機の製品ページに掲載された1〜3kVA向けの形式説明図は、型式を「M-UPS・010・AD・1・B − U」という並びで示している。M-UPSがシリーズの固定文字、続く3桁の数字が定格容量を表し、010=1kVA、015=1.5kVA、020=2kVA、030=3kVAという4段階が定義されている。数字が大きいほど容量が大きい、という素直な対応がここでは成立する。

その次に挟まる「AD」は、形式説明図の①〜④のどの項目にも該当しない。①定格容量・②定格電圧・③設置タイプ・④規格対応という4つの枠の外に、固定の2文字として置かれているだけで、この2文字自体が何を表すのかは公式資料からは確認できない。続く1桁の数字は定格電圧で、1=100V系(100・105・110・115・120V)とされる。ハイフン手前の1文字は設置タイプで、B=自立・ラック兼用、C=自立・ラック兼用キャスタ付きの2種類。最後のハイフン以降が規格対応で、U=UL認定、UC=UL認定・CEマーキング、L=抜け止めロック付きコンセントとなる。

5〜10kVA向けには、これとよく似た、しかし枠が1つ多い形式説明図が別に用意されている。定格容量の3桁は050=5kVA、075=7.5kVA、100=10kVAに変わり、定格電圧の1桁は1=入力100V、2=入力200Vと単相200V入力の選択肢が追加される。設置タイプにはS=自立専用キャスタ付きが加わってB・Cとあわせて3種類になり、規格対応はU・UCの2種類。そしてハイフン以降の規格対応の末尾には、括弧書きで外形色を表す1文字が続くことがある——B=黒、というのがその唯一確認できる記号だ。形式一覧の実例を見ると、M-UPS050AD1B-U(B)、M-UPS075AD1S-UC(B)、M-UPS100AD2S-UC(B)のように、末尾の(B)がほぼ全ての型式に付いている。

ここで確認しておきたいのは、この5〜10kVAの形式一覧には廃型の注記が一つもないという点だ。1〜3kVA標準品の形式一覧にはM-UPS010AD1B-U、M-UPS020AD1B-U、M-UPS030AD1B-Uのすべてに「廃型になっております」という但し書きが付いているのに対し、050・075・100の並びにはその但し書きが見当たらない。同じ「M-UPS」という骨格を持ちながら、容量帯によって現行品と廃型品に分かれているということになる。

新型式「MUP…GX1」の骨格——1〜3kVAだけが乗り換えた先

リニューアル版の形式説明図は、旧型式より項目数が多い。型式の並びは「MUP・102・GX1A・B・1・C − U・P・□」という形になっており、頭のMUPが固定のシリーズ文字、続く3桁が①容量を表す。ここで確認できるのは102=1kVA、152=1.2kVA・1.5kVAという2つの対応だけで、実際に形式一覧へ現れる202(2kVA)・302(3kVA)は、この①容量の項目には明記されていない。202・302という数字が2kVA・3kVAの製品仕様表の隣に置かれているのを確認して初めて、100番台の下2桁が容量のkVA値に対応しているらしいと分かる、という順序になる。

3桁の容量コードの次に続く「GX1A」も、旧型式の「AD」と同じ扱いを受ける。GX1という並びはシリーズ名「GX100」の略記として素直に読めるが、続く「A」は形式説明図の①〜⑦のどの項目にも属さない。この4文字のかたまりを過ぎたところから、ようやく②形状(B=自立、ラック兼用)、③定格電圧(1=100V)、④接続(C=コンセント、L=抜け止めロック付きコンセント)という、番号付きの項目が並び始める。

ハイフン以降は⑤規格・⑥バッテリ・⑦通信インタフェースの3文字だ。⑤規格はJ=なし、U=UL*・CEの2種類、⑥バッテリはP=鉛バッテリの1種類が形式説明図に載っている。⑦通信インタフェースはR=RS-232C、U=USBで、この位置に「□」が置かれた型式(MUP102GX1AB1C-UP□など)は、購入時にRとUのどちらかを選ぶという注記のとおり、まだ確定していない1文字を空欄で示したものだ。

⑥バッテリについてはもう一つ確認できる事実がある。1kVAのメンテナンスフリー版「MUP102GX1AB1C-JM□」には「M:長寿命バッテリ」という脚注が個別に付いている。形式説明図の本体にはP=鉛バッテリしか載っていないが、少なくともこの型式に限っては、Mという記号が長寿命バッテリを指すことが脚注から確認できる。

「T」という、形式説明図の外に置かれた1文字

2kVA・3kVAの型式を見ると、MUP202GX1AB1T-UPR、MUP302GX1AB1T-UPRのように、②形状のBと③定格電圧の1に続く位置に「T」という文字が入る。1kVA・1.5kVAの同じ位置にはC・Lという、④接続として定義された記号が入っていたはずの場所だ。ところが形式説明図の④接続にはCとLの2つしか定義がなく、Tという記号はそこに存在しない。

見過ごしていい違いではない。1kVA・1.5kVAではB(形状)・1(電圧)・C/L(接続)という3文字がそれぞれ独立した項目として説明されているのに対し、2kVA・3kVAでは同じ3文字目の位置にTという、形式説明図が触れていない記号が入っている。容量が大きくなったところで接続方式そのものが変わった可能性はあるが、それを裏付ける記号表は公式ページに見当たらない。ここは確認できた範囲だけを記す——Tの意味は、少なくとも今回参照した一次資料からは確定できない。

1つの型式に2つの容量が乗ることもある

リニューアル版の1.5kVAモデル、MUP152GX1AB1C-UP□の定格出力容量欄には「1.2kVA/900W(1.5kVA/1050W)」という2つの数値が並ぶ。大きいほうの数値には脚注が付き、「海外安全規格品として使用しない場合」に1.5kVA/1050Wまで出せるとある。裏を返せば、UL・CEなどの海外安全規格に適合させた状態で使う限り、この型式は1.2kVA/900Wが上限になるということだ。

型式の①容量コードは「152」の1つしかないのに、実際に取り出せる出力は使い方によって2段階に分かれる。型式の文字列は「1.2〜1.5kVA級の本体である」ということまでは確定させるが、目の前の設置環境がどちらの数値を前提にできるかは、規格適合の扱いを別途確認しないと決まらない。容量の数字だけを見て発注すると、この振れ幅を見落とすことになる。

型式から読み取れること、読み取れないこと

ここまでを整理すると、GX100シリーズの型式には、はっきり境界線が引ける。旧型式M-UPSでは①定格容量・②定格電圧・③設置タイプ・④規格対応(5〜10kVAはさらに⑤外形色)が番号付きの項目として定義され、間に挟まる「AD」だけが説明の外に置かれている。新型式MUP…GX1では①容量・②形状・③定格電圧・④接続・⑤規格・⑥バッテリ・⑦通信インタフェースの7項目が定義され、「GX1A」という固定文字と、2kVA・3kVAに現れる「T」という接続コードが、同じく説明の外に置かれている。

型式を見て確定できるのは、シリーズ・おおよその容量帯・設置タイプ・規格対応の有無までだ。正確な出力容量の上限(規格適合状態による振れ幅)や、Tのような未項目化の記号が示す仕様の違いは、型式の文字列だけでは詰め切れない。現物の銘板とあわせて、設置場所・通信インタフェースの選択・海外規格適合の要否を確認してから発注するのが、廃型と現行品が入り混じったこのシリーズでは特に安全な進め方になる。

富士電機GX100の型式確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、現物銘板の型式が旧型式(M-UPS)か新型式(MUP…GX1)かの判別から、設置タイプ・容量・後継品の照合までのご相談を見積フォームで受け付けている。銘板の写真があれば、廃型判定と後継照合がより早い。

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よくある質問

「M-UPS030AD1B-U」という型式で3kVAのGX100を再発注できますか?

できません。富士電機の製品ページでは、GX100シリーズの1〜3kVA標準品(M-UPS010AD1B-Uを含む一群)はすでに廃型と明記されており、後継機として「リニューアル版」への案内があります。同じ3kVAでもリニューアル版の型式は「MUP302GX1AB1T-UPR」のようにまったく違う並びになっているため、旧型式のまま先方に問い合わせても該当品は出てきません。現物銘板の型式とあわせて、設置場所(ラック/自立)・通信インタフェース(RS-232C/USB)・UL/CE認定の要否を伝えて後継照合するのが確実です。

MUP302GX1AB1T-UPRの「T」は何を意味しますか?

富士電機のリニューアル版の形式説明図には、④接続の記号としてC(コンセント)とL(抜け止めロック付きコンセント)の2つしか定義されていません。2kVA・3kVAの型式に現れる「T」はこの一覧に記載がなく、公式資料からは意味を確認できません。同じ位置にB・C・Lという記号が並ぶことは分かっても、Tだけは公式の形式説明の対象外に置かれているというのが、現時点で言えることです。

GX100の5kVA・7.5kVA・10kVAはまだ旧来の『M-UPS』型式のままですか?

富士電機の製品ページを見る限りそうです。1〜3kVA標準品には廃型の注記が付いているのに対し、5kVA(M-UPS050AD1S-UC(B)等)・7.5kVA(M-UPS075AD1S-UC(B)等)・10kVA(M-UPS100AD1S-UC(B)等)の形式一覧には廃型の注記がありません。同じGX100シリーズという製品名のもとで、小容量帯(1〜3kVA)だけが新しい型式体系に切り替わり、中〜大容量帯(5〜10kVA)は旧来の型式体系のまま並行して現行品になっている状態です。

同じ型式なのに定格出力容量が2つ書かれているのはなぜですか?

リニューアル版1.5kVAモデル(MUP152GX1AB1C-UP□)の形式一覧では、定格出力容量が「1.2kVA/900W(1.5kVA/1050W)」と2つ併記され、大きいほうの数値には「海外安全規格品として使用しない場合」という脚注が付いています。UL・CEなど海外の安全規格に適合させた状態で使うと1.2kVA/900Wまでに抑えられ、その適合を外した使い方をすれば1.5kVA/1050Wまで出せる、という規格適合と出力上限の関係を1つの型式が抱えている形です。型式の文字だけを見ても、この2つの数値のどちらが今の設置環境に当てはまるのかは分かりません。

参考文献・出典

  • GX100シリーズ(標準品/メンテナンスフリー版)製品ページ(富士電機株式会社) (1〜3kVA向け「形式説明」図(①定格容量:010=1kVA/015=1.5kVA/020=2kVA/030=3kVA ②定格電圧:1=100V系(100,105,110,115,120V) ③設置タイプ:B=自立・ラック兼用/C=自立・ラック兼用キャスタ付き ④規格対応:U=UL認定/UC=UL認定・CEマーキング/L=抜け止めロック付きコンセント)と、5〜10kVA向け「形式説明」図(①定格容量:050=5kVA/075=7.5kVA/100=10kVA ②定格電圧:1=入力100V/2=入力200V ③設置タイプ:S=自立専用キャスタ付き/B=自立・ラック兼用/C=自立・ラック兼用キャスタ付き ④規格対応:U=UL認定/UC=UL認定・CEマーキング ⑤外形色:B=黒)。1〜3kVAの標準品(M-UPS010AD1B-U等)およびメンテナンスフリー版2kVA・3kVA(M-UPS020AD1B-MF、M-UPS030AD1B-MF)が「廃型」であり後継機(リニューアル版)を参照する旨の注記があること。5kVA・7.5kVA・10kVAの形式一覧(M-UPS050AD1B-U(B)、M-UPS050AD1S-UC(B)、M-UPS075AD1S-UC(B)、M-UPS100AD1S-UC(B)等)にはこの廃型注記がないこと。)
  • GX100シリーズ(リニューアル版)製品ページ(富士電機株式会社) (「形式説明」図(①容量:102=1kVA/152=1.2、1.5kVA ②形状:B=自立、ラック兼用 ③定格電圧:1=100V ④接続:C=コンセント/L=抜け止めロック付きコンセント ⑤規格:J=なし/U=UL*,CE ⑥バッテリ:P=鉛バッテリ ⑦通信インタフェース:R=RS-232C/U=USB)。形式一覧に現れる実機の型式(1kVA:MUP102GX1AB1C-UP□、MUP102GX1AB1L-JP□、メンテナンスフリー版MUP102GX1AB1C-JM□※M:長寿命バッテリの脚注付き/1.5kVA:MUP152GX1AB1C-UP□、MUP152GX1AB1L-JP□/2kVA:MUP202GX1AB1T-UPR、MUP202GX1AB1T-UPU、メンテナンスフリー版MUP202GX1AB1T-JMR、MUP202GX1AB1T-JMU/3kVA:MUP302GX1AB1T-UPR、MUP302GX1AB1T-UPU、メンテナンスフリー版MUP302GX1AB1T-JMR、MUP302GX1AB1T-JMU)。1.5kVAモデルの定格出力容量表に「1.2kVA/900W(1.5kVA/1050W *3)」の併記があり、脚注*3が「海外安全規格品として使用しない場合」であること。通信インタフェースについて脚注「通信インタフェースは、ご購入時にRS-232C/USBを選択いただきます」があること。②形状・④接続の記号は1kVA・1.5kVAの形式一覧欄でB・C・Lとして確認できる一方、2kVA・3kVAの型式に現れる「T」は形式説明図の項目に記載がないこと。増設バッテリ形式(RRAEBM102GX1AB-M)の記載があること。)
型番不明でもOK

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