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キーエンスのファイバーセンサーFS-Nの型番はどう読むのか|FS-N11N・FS-N12Nが並べる親機・子機、出力形態、接続方式の規則

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤のDINレールに、見た目がほぼ同じ黒い小箱が2つ並んでいる。刻印を見ると、片方は「FS-N11N」、もう片方は「FS-N12N」。末尾のアルファベットまで同じ「N」だ。予備品を1台だけ倉庫から出して机の上で単独に通電してみる。電源は来ているはずなのに、検出用のファイバーを挿しても出力が反応しない。型番の1文字違いだから、てっきり出力形式か何かの違いだろうと当たりを付けていた。だが、その予想は外れる。

キーエンスのデジタルファイバーセンサー「FS-N」シリーズは、光電センサーのように投光部・受光部を本体に内蔵しない。検出そのものを担うのは光ファイバーでできた「ファイバーユニット」という別部品で、FS-Nの型番が指しているのはあくまで信号を処理して出力するアンプユニットの側だ。そして、そのアンプユニットの型番には、単なる出力形式の違いだけでなく、単体では完結しない「親機」「子機」という構造上の役割分担が組み込まれている。今回はキーエンス公式サイトの型式一覧・個別仕様表という一次資料に沿って、FS-Nの型番を数字部分(出力数・親機子機)と末尾のアルファベット(接続形態)に分解し、あわせてファイバーユニットとの別体構造を確かめていく。

「FS-N」のあとの数字が決めているのは、出力数と親機・子機の別

型番の骨格を決めるのは、「FS-N」に続く2桁の数字だ。キーエンス公式の型式一覧を通して見ると、この位置には次の6種類が並んでいる。

数字種類親機/子機制御出力
10ゼロライン子機(出力線なし)無し
11標準1出力親機1出力
12標準1出力子機(出力線あり)1出力
13高機能2出力親機2出力
14高機能2出力子機(出力線あり)2出力
151出力タイプ親機(増設不可)1出力

表を横に読むと、11と12、13と14がそれぞれ対になっていることに気づく。標準1出力の系列は親機がFS-N11、子機がFS-N12。高機能2出力の系列は親機がFS-N13、子機がFS-N14。同じ「1出力」でも、11と12では親機か子機かが違うだけで、制御出力の仕様そのものはほぼ同一だ。両方とも公式仕様表に「制御出力:1出力 NPNオープンコレクタ24V」と書かれている。

冒頭のFS-N11NとFS-N12N、単体で通電しても反応しなかったのはFS-N12Nの方だったはずだ。子機の仕様表には「子機増設:16台まで可能(親機合計17台接続)」と明記されている。子機は親機に対して増設する位置づけの型式であり、型式一覧の分類軸そのものが「親機/子機」という対で並んでいる。子機の型番だけを見て、単独で動く検出ユニットとして注文してしまうと、肝心の親機が発注に含まれていない、という事態になりかねない。

例外の15と10——増設できない親機、出力を持たない子機

数字の並びには、この対称性から外れる型式が2つ混じっている。

FS-N15は「1出力タイプ」という名の通り、公式仕様表の干渉防止台数の欄に「0台(増設不可)」、子機増設の欄にも「0台(増設不可)」とある。親機ではあるものの、子機を増設する前提そのものを持たない、単独完結型の型式だ。保護構造もIP66とFS-N11系列より高く、質量は約30gとFS-N11CNの約22gよりやや重い。増設しない代わりに防水性を上げた、系列の中でも独立した立ち位置だとわかる。

FS-N10は逆に、子機でありながら「制御出力:無し」という型式だ。種類欄には「ゼロライン」とあり、脚注には「ネットワーク通信ユニットNUシリーズに増設した場合、1出力としてカウントされます」という条件が付く。単体の出力を持たない代わりに、親機の系列に台数だけを追加する、数合わせのための子機と言えるだろう。

末尾のアルファベットが決めているのは、接続形態

数字のあとに続く1文字。ここが接続方法を決めている。公式仕様表を横断すると、次の対応が見えてくる。

末尾記号接続形態ケーブル長の制約
(なし)ケーブルタイプ特に制約の記載なし
CM8コネクタタイプ30m以下
Ee-CONコネクタタイプ30m以下
Mモニタ出力付ケーブルタイプ特に制約の記載なし

そのあとにN(NPN)かP(PNP)が続く。FS-N11CNなら「11=標準1出力・親機」+「C=M8コネクタ」+「N=NPN」という組み立てだ。質量にも接続形態の違いが表れていて、ケーブルタイプのFS-N11Nが約75gなのに対し、コネクタタイプのFS-N11CN・FS-N11ENはいずれも約22g。コネクタの先に別売のケーブル(OP-73864等)を継ぎ足す前提だから、本体側は軽い。

Mが付くFS-N11MNだけは毛色が違う。種類欄は「モニタ出力 ケーブル」で、他の型式が「モニタ出力(1-5V):―」となっているところが「1出力」に変わり、代わりに外部入力の欄が「―」に変わる。受光量をアナログの1-5V信号として盤側のPLCやレコーダーに渡したいときの型式で、外部からのチューニング入力とは引き換えの関係にあるようだ。

型式一覧に残る非対称——e-CONにPNPがなく、2出力のM8にNPNがない

ここまでの規則を当てはめれば、11・12の系列にはC・E・M×N・Pの組み合わせがひと通り揃っていそうなものだ。ところが公式の型式一覧を実際に数えてみると、そうなっていない箇所が2つある。

ひとつは、e-CONコネクタタイプ。型式一覧に載っているのはFS-N11EN・FS-N12ENの2つだけで、FS-N11EP・FS-N12EPというPNP版は存在しない。もうひとつは、高機能2出力タイプのM8コネクタ。型式一覧に載っているのはFS-N13CP・FS-N14CPの2つだけで、FS-N13CN・FS-N14CNというNPN版は存在しない。理由についての説明は公式資料に見当たらないが、規則的に埋まっているように見える型番の升目に、実際には空欄が混じっているという事実は、型式一覧を検索してみないとわからない。

マルチ出力ユニットFS-MC8——増設の器そのものを1台にまとめる型式

親機1台に子機を並べる増設方式とは別に、FS-MC8N・FS-MC8Pという「マルチ出力ユニット」という型式もある。公式仕様表には「入出力数:個別制御出力:8、共通出力:1、共通入力:1」とあり、子機を8台まで接続できる。親機と子機を1台ずつDINレールに積み増していく方式に対して、こちらは1台の筐体に8チャンネル分の出力をまとめて持たせる方式だ。許容通過電流は1,200mA以下と明記されており、多点検出を1系統に集約したい設備では、この型式を起点に子機を選ぶ発注になる。

型番の外側にあるファイバーユニット——検出方式も検出距離もここでは決まらない

ここまで見てきたFS-Nの型番は、出力数・親機子機・接続形態・出力タイプを言い当てているが、実際に光を出して物を検出する部分——投光ファイバーと受光ファイバー——はこの型番に含まれていない。キーエンス公式サイトの商品一覧ページには「『FUシリーズ』は、ファイバセンサ『FSシリーズ』の光源に接続して使用するファイバユニットです」とあり、検出方式は透過型・反射型・限定反射型・回帰反射型に分かれ、FU-38やFU-63といった別の型式で提供される。

FU-38の個別仕様表を見ると、種類は「反射型 透明体検出タイプ 限定反射」、そして脚注には「検出距離についてはファイバアンプのカタログを参照して下さい」と書かれている。つまり検出距離という、現場でいちばん知りたい数値は、ファイバーユニット単体の仕様表にも、FS-Nアンプの仕様表にも単独では載っておらず、両者を組み合わせて初めてカタログ値が定まる。FU-38には¥18,700という独立した価格も掲載されており、アンプとファイバーユニットは別部品として、それぞれの型番を指定して発注する必要がある。既設の設備を更新するときは、アンプの型番だけでなく、その先につながっているファイバーユニットの型番まで現物で確認しておきたい。

キーエンス製FS-Nの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、制御盤に残ったFS-N11N・FS-N12Nといったアンプ本体の型番の分解から、親機・子機の組み合わせ確認、接続先のファイバーユニット型番の照合、廃番品の代替機種の確認までのご相談を見積フォームで受け付けている。型番の一部が判読できない場合は、現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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掲載のない型式を確認するとき

公式サイトのページが404になっていることだけでは、生産終了や型式の不存在を判断できない。国内向けの型式一覧・生産終了表示と、使用中の機器の銘板を照合し、掲載が見つからない型式はメーカーに確認する。

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よくある質問

キーエンスFS-Nの型番の数字部分(10・11・12・13・14・15)は何を表していますか?

出力数と、親機か子機かの区分です。キーエンス公式仕様表によれば、10はゼロライン(制御出力なしの子機)、11は標準1出力の親機、12は標準1出力の子機、13は高機能2出力の親機、14は高機能2出力の子機、15はM8コネクタ専用・増設不可の1出力タイプです。同じ『1出力』でも11と12では親機か子機かが違い、13と14の関係も同様です。

親機と子機の違いは何ですか?子機だけを注文してもよいのでしょうか?

公式仕様表では、FS-N11N(親機)とFS-N12N(子機・出力線あり)はともに制御出力を持ちますが、子機増設の欄には『16台まで可能(親機合計17台接続)』と明記されています。子機はあくまで親機に対して増設する位置づけの型式であり、型式一覧の分類上も『親機/子機』という対の軸で並んでいます。子機の型番だけを見て単独の検出ユニットとして注文すると、親機を含まない発注になってしまうため注意が必要です。

型番末尾のC・E・Mは何を表していますか?

接続形態です。公式仕様表では、何も付かない型式(FS-N11N等)はケーブルタイプ、Cが付く型式(FS-N11CN等)はM8コネクタタイプ、Eが付く型式(FS-N11EN等)はe-CONコネクタタイプ、Mが付く型式(FS-N11MN)はモニタ出力(1-5V)を備えたケーブルタイプです。M8コネクタタイプとe-CONコネクタタイプは、脚注に『ケーブル長を30m以下としてください』という共通の制約が明記されています。

e-CONコネクタタイプにPNP品番がない、2出力タイプのM8コネクタにNPN品番がないのはなぜですか?

理由は公式資料に説明されていませんが、事実としてキーエンス公式の型式一覧には、e-CONコネクタタイプはFS-N11EN・FS-N12EN(いずれもNPNのみ)しか掲載されておらずPNP品番は存在しません。同様に、高機能2出力タイプのM8コネクタはFS-N13CP・FS-N14CP(いずれもPNPのみ)しか掲載されておらずNPN品番は存在しません。ケーブルタイプ・M8コネクタタイプ(1出力)ではNPN・PNPの両方が用意されているため、この2箇所だけが型式一覧上の非対称な例外になっています。

ファイバーユニット(投光・受光部分)は型番のどこに入っていますか?

入っていません。キーエンス公式サイトの商品一覧ページには『「FUシリーズ」は、ファイバセンサ「FSシリーズ」の光源に接続して使用するファイバユニットです』と明記されており、FS-Nはあくまでアンプユニット(信号処理・出力部分)の型式です。検出方式(透過型・反射型・限定反射型・回帰反射型)や検出距離はファイバユニット側のFU-〇〇という別の型式で決まり、たとえばFU-38の仕様表には『検出距離についてはファイバアンプのカタログを参照して下さい』という注記と、単独の価格(¥18,700)が掲載されています。アンプとファイバユニットは別部品として、それぞれ型番を指定して発注する必要があります。

参考文献・出典

型番不明でもOK

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「キーエンスのファイバーセンサーFS-Nの型番はどう読むのか|FS-N11N・FS-N12Nが並べる親機・子機、出力形態、接続方式の規則」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

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