現場でEV充電器の設置見積もりを組んでいると、施主から渡された古い図面に「WK4322S」と書いてある一方、今回の現場は集合住宅の共用駐車場だという。この二つの情報だけで、本当にWK4322Sのままでいいのか、判断がつくだろうか。
答えを先に言うと、つかない。パナソニックのEV・PHEV充電用屋外コンセントには、見た目も定格もよく似ているのに、たった一桁で「鍵がかかるかどうか」が入れ替わる品番のペアが存在する。WK4322SとWK4422S――数字が一つ違うだけの二つの品番を並べて、その規則を追ってみる。
品番は「無印かカバー付か」「200Vか100Vか」「何色か」の三段で積み上がる
パナソニックの公式サイトに掲載されている「商品ラインアップ」表を見ると、[EV・PHEV充電用]屋外コンセントは次の8品番で構成されている。
200V用(定格20A 250V AC、15A・20A兼用接地屋外コンセント、露出・埋込両用)は、ホワイトシルバーのWK4322S、シャンパンブロンズのWK4322Q、ホワイトのWK4322W、ブラックのWK4322Bの4色。100V用(定格15A 125V AC、接地屋外コンセント、露出・埋込両用)は、同じ並びでWK4311S・WK4311Q・WK4311W・WK4311Bの4色だ。
もう一段別のページには、カバー付屋外コンセントのラインアップ表がある。こちらは「保護カバー」と「簡易鍵」を備えた製品で、200V用がWK4422S/Q/W/B(定格20A 250V AC)、100V用がWK4411S/Q/W/B(定格15A 125V AC)となっている。品名はそれぞれ「カバー付15A・20A兼用接地屋外コンセント(簡易鍵付)(露出・埋込両用)」「カバー付接地屋外コンセント(簡易鍵付)(露出・埋込両用)」だ。
四つの品番を並べると、規則の輪郭が見えてくる。WK・4322・4311・4422・4411――先頭のWKに続く1桁目はどれも「4」で共通。2桁目が「3」ならカバーなし、「4」ならカバー付。3桁目・4桁目が「22」なら200V・20A兼用、「11」なら100V・15Aのみ。末尾のS/Q/W/Bは4シリーズすべてに共通する色記号で、Sがホワイトシルバー、Qがシャンパンブロンズ、Wがホワイト、Bがブラックにあたる。
3桁目と4桁目は、独立していない
ここまでなら「4桁の数字それぞれに意味がある」という、よくある積み上げ式の品番に見える。ところが実際の8品番を見比べると、少し違うことに気づく。
3桁目・4桁目は、常にペアで動いている。「22」(カバーなしまたはカバー付の200V・20A兼用)と「11」(同じく100V・15Aのみ)の二種類しか、公式ラインアップには存在しない。WK4321やWK4312、つまり200Vなのに15Aだけ、あるいは100Vなのに20A兼用、というような組み合わせの品番は、少なくとも現在パナソニックが公開しているラインアップ表には現れない。
数字が一桁ずつ独立した意味を持つのではなく、定格そのものが「22」か「11」かという一つのブロックとして、品番の中に埋め込まれている――そう見たほうが、実際の品番の並びには合っている。
なぜこうなっているのか、パナソニックの公式ページはそこまで説明していない。推測するなら、JWDS-0033(日本配線システム工業会規格)に準拠した専用電源プラグは、定格ごとに形状や勘合が決まっているはずで、コンセント側の受け口もその定格にひもづいて一体で設計される。だから「電圧」と「電流」を品番上でも分けて選ばせるのではなく、定格そのものを一つのまとまりとして扱うほうが、発注ミスを防げるのかもしれない。ただしこれはあくまでこちらの推測であり、パナソニックが品番設計の意図としてそう述べているわけではない。
オプション品番は、この規則の外側にある
もう一つ、混同しやすい落とし穴がある。屋外コンセントには、配線スペーサ(WK9805)、1コ用露出ボックス(WK9801)、スイッチ併設用露出ボックス(WK9802)、6kW充電用ケーブル収納型露出ボックス(NEWWK98011)というオプションが用意されている。
これらはWK98で始まる、まったく別の採番だ。WK9801の説明には「上面・下面ノックアウト Φ27.1 背面ノックアウト Φ34.0」、WK9802には「上面・下面ノックアウト Φ27.1 背面ノックアウト Φ34.0×2」とあり、末尾の数字の違いはノックアウト穴の数を表しているように読めるが、これはWK43・WK44系で見た「定格ペア」の規則とは関係がない。NEWWK98011は「3kWからの将来的な6kW充電設備への変更に対応できる端子台付き先行配線ボックス」で、末尾に「1」が付いた通し番号に近い。WK98という接頭辞を見て、うっかりWK43・WK44と同じ規則で読もうとすると、噛み合わない。
現場で効いてくるのは「鍵の有無」の見落とし
型番の規則を追ってきてわかるのは、実務上いちばん見落としやすいのが2桁目、つまりカバーと簡易鍵の有無だという点だ。
パナソニックのカバー付屋外コンセントのページには、「保護カバーを閉め、簡易鍵を施錠すれば、コンセントの差込み口や充電中のケーブルへのいたずら防止に効果があります」とあり、続けて「鍵取付穴があるので、南京錠(市販品)を施錠することが可能です」とも説明されている。集合住宅の共用駐車場や、来客が出入りするホテル・商業施設の駐車場のように、不特定多数がコンセント周辺を通る現場では、いたずら防止のニーズが強く、WK4422・WK4411系のカバー付が選ばれやすい。一方、戸建ての専用車庫のように施主本人しか近づかない現場では、簡易鍵を毎回開け閉めする手間のほうが煩わしく、WK4322・WK4311系の無印で十分というケースも多いはずだ。
図面や見積書にWK4322Sとだけ書かれていた場合、それが「カバーなしでよい」という判断の結果なのか、単に古いテンプレートを流用しただけなのかは、品番だけでは分からない。設置場所の使われ方まで確認したうえで、2桁目を4のシリーズに変えるべきかどうかを判断する必要がある。
電圧の取り違えにも注意が要る。WK4322系は200V用、WK4311系は100V用で、定格もそれぞれ20A 250V AC、15A 125V ACと明確に分かれている。パナソニックの公式ページには、2017年発売のプリウスPHVを車両付属の充電ケーブルで充電する際、電源プラグを100V用にした場合は「通電は可能ですがロック機能は働きません」という注記もある。通電してしまう分、電圧の取り違えに気づきにくいという意味で、これもまた見落としやすい落とし穴になる。
設置位置も、品番選定と同じくらい図面上で軽視されがちだ。パナソニックの公式ページは「毎日のご使用を考慮し、90~120cmの高さに設置することをおすすめします」としており、防水性能については「防水保護等級:JIS C 0920 [IP44] 相当(コンセントカバーが閉まっている状態、電源プラグ接続状態)」と明記している。IP44相当という等級も、90~120cmという高さの目安も、WK4322・WK4311・WK4422・WK4411のどのシリーズにも共通する条件であり、品番の違いとは別に、施工段階で守るべき前提として押さえておく必要がある。
将来の増設まで見込むなら、露出ボックスの品番も見ておく価値がある。「3kWからの将来的な6kW充電設備への変更に対応できる端子台付き先行配線ボックス」と説明されるNEWWK98011は、いま3kW用のコンセントを設置する現場でも、あとから6kWへ引き上げる可能性がある場合に、先行して配線だけ済ませておくための部材だ。品番の採番規則こそWK43・WK44系とは別物だが、選定の判断軸としては、現在の充電容量だけでなく将来の増設計画まで施主に確認したうえで組み合わせる部材、と捉えたほうがよい。
パナソニックEV・PHEV充電用コンセントの品番確認・見積りについて
電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、パナソニックのEV・PHEV充電用屋外コンセント・カバー付屋外コンセントについて、設置場所の用途に応じた品番選定から、既存図面に記載された品番の照合まで対応している。集合住宅・商業施設など不特定多数が使う現場か、専用車庫のような限定利用の現場かを伝えてもらえれば、カバー付・無印どちらが適しているかも含めて確認できる。
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