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制御機器電材基礎型番の読み方

Rockwell Automation(Allen-Bradley)のBulletin 700-P制御用リレーの型番はどう読むのか|「700-P400A1」の「400」が接点数×100で、末尾のコイル電圧コードは後から足す前提の記号だった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

輸入設備の制御盤を開けると、見慣れない形のリレーが挟まっていることがある。四角い透明カバーの下に、太い端子が並んだ古風な作り。側面のラベルには「700-P400A1」。三菱電機の型番やオムロンの型番を読み慣れた目には、この並びがどこまでが機種名でどこからが仕様のオプションなのか、見当がつきにくい。「700」は分かる。ハイフンの後の「P」も、たぶん型式の一種なのだろう。だが「400」は接点の話なのか、それとも単なる品番の枝分かれなのか。末尾の「A1」に至っては、電圧なのか色コードなのか、手がかりがない。

Rockwell Automation(Allen-Bradleyのブランドを展開する米国メーカー)は、この「Bulletin 700」という制御用リレーの大きな型番体系の中に、700-N、700-P、700-HA、700-HN、700-DC……と、実に十数種類のサブシリーズを抱えている。今回はその中から、公式の技術資料「Relay and Timer Specifications」(Publication 700-TD552K-EN-P、2025年5月版)が「NEMA Industrial Relays」という章で扱っている「700-P Industrial Relays」——接点カートリッジを差し替えられる、北米の機械制御盤で長く使われてきたヘビーデューティ制御用リレー——に的を絞って、型番の読み方を追っていく。なお「700-HN」という記号は、この資料の中では独立したリレーの型式ではなく、700-Pや700-HAシリーズ用のソケット(700-HN100など)を指す記号として使われている点も、先に触れておく。

型番の骨格——「400」は接点数を100倍しただけの数字だった

公式資料のIn-stock Contact Configurations(在庫構成品の一覧表)を見ると、700-Pの型番は次のように並んでいる。

  • 700-P000A1(N.O.接点0個、4極フレーム)
  • 700-P200A1(N.O.接点2個、4極フレーム)
  • 700-P400A1/A2/A4(N.O.接点4個、4極フレーム。末尾がA1なら120V AC、A2なら240V AC、A4なら480V AC)
  • 700-P800A1(N.O.接点8個、8極フレーム)
  • 700-P1200A1(N.O.接点12個、12極フレーム)

数字だけを抜き出すと、0・2・4・8・12という接点数に対して、型番の中央部分は000・200・400・800・1200になっている。つまり、接点数をそのまま100倍した値が、そのまま型番の桁として現れているというわけだ。400という数字を見て「型式の枝番の一つだろう」と流し読みしてしまうと、この単純な規則を見落とす。逆に言えば、接点をいくつ使いたいかさえ分かっていれば、その数を100倍するだけで型番の中央部分は決まる。

もっとも、この「×100」がそのままフレームの大きさを表しているわけではない。接点数0・2・4はいずれも「4-Pole Relay」という同じ4極フレームに収まっており、フレームそのものは共通のまま、工場出荷時にあらかじめ配線しておく接点の数だけが0個・2個・4個と変わる。8極フレームと12極フレームは、それぞれ8接点・12接点の構成専用に用意されている。中央の数字は「フレームサイズ」ではなく「工場配線済みの接点数」を指している、と読んだほうが正確だ。

末尾のアルファベット——コイル電圧は数式ではなく早見表で決まる

型番の末尾には、A1、A2、A4、A20、A24、A27、A6……とAで始まる記号が並ぶ。これはAC駆動コイルの電圧コードで、公式資料には次のような早見表が載っている。

  • A24:24V、60Hz
  • A1:110V・50Hz、または115〜120V・60Hz
  • A20:200〜208V、60Hz
  • A2:230〜240V、60Hz
  • A27:277V、60Hz
  • A4:460〜480V、60Hz
  • A6:575〜600V、60Hz

一見、数字が大きくなるほど電圧も上がっていくように見える。だがA1とA20を比べると、A1のほうが数字は小さいのにカバーする電圧帯(110〜120V)はA20(200〜208V)より低い、という程度の相関はあるものの、A1が二つの異なる周波数・電圧帯(50Hzの110Vと60Hzの115〜120V)を一つのコードで兼ねている時点で、単純な換算式には収まらない。DC駆動品(700DC-P)ではコードの頭文字がZに変わり、Z24・Z48・Z72・Z1(115〜125V)・Z2(230〜250V)・Z6(575〜600V)という、AC側とは似て非なる区分が使われる。数字の並びから電圧を逆算しようとするより、公式表に載っている組み合わせをそのまま引く早見表として扱ったほうが、読み違いが少ない。

そして公式資料は、この末尾コードについて興味深い注記を添えている。「700-P000」という型番は「as listed is incomplete(このままでは不完全な型番だ)」と明言されているのだ。電圧コードを足してはじめて、700-P000A1という発注可能な型番になる。ベースの型式名だけでは注文が完結しない、後付け前提の設計だということになる。

実機への当てはめ——「700-P000A1」は完成品なのか、部品なのか

ここまでの規則を当てはめると、「700-P400A1」は「N.O.接点4個・4極フレーム・120V ACコイル」の在庫品だと読み解ける。実際、公式資料のIn-stock Contact Configurations表にもそのままの型番で載っており、注文すればそのまま使える完成品として扱われている。

ところが、同じ700-P000A1が、資料の数ページ先ではまったく違う顔で登場する。「Base Blank Relay - Factory Assembled」——工場でコイルだけを組み込んだ「空のベースユニット」という扱いだ。公式の発注例には、35Aのヘビーデューティ回路を4回路分組みたい場合の手順として、次のような組み合わせが示されている。

  • ベースユニット:700-P000A1
  • カートリッジキット:700-PHDKIT × 2(1キットで2回路分)
  • アダダーデッキ:700-PB00
  • コイル:PA254

つまり700-P000A1は、「接点0個の完成品」であると同時に、「自分で接点カートリッジを組み込んでいく出発点」でもある。標準の10Aカートリッジ(700-CP1)で足りない現場——20Aのマスターカートリッジ(700-CPM)を使いたい、35Aのヘビーデューティ構成にしたい、あるいは低容量のロジックリード接点(700-CPR)やオーバーラップ接点が要る——では、この同じ「000」の型番からリレーを組み立て直すことになる。型番の中央部分が同じ「000」でも、それが指す実体は「何も足さない完成品」なのか「これから足していくベース」なのか、発注の文脈によって変わってくる。

現場で間違えやすい点

まず、中央の数字を接点数の100倍だと知らずに読むと、700-P400と700-P1200を見比べたときに「400と1200、ずいぶん離れた型番だな」という程度の印象で終わってしまう。実際には4接点と12接点という、盤の中で組める回路数そのものの違いを表す数字だ。修理や更新で代替品を探すとき、この中央の数字を接点数として読み替える癖をつけておいたほうがいい。

次に、末尾のコイル電圧コードをアルファベット順の並びだけで判断しないことだ。A1が110V/50Hzと115〜120V/60Hzの両方を兼ね、A20(200〜208V)よりむしろ低い電圧帯を指しているように、コードの数字は電圧の大小と単純に比例していない。現物のプレートが読み取りにくいときは、コードそのものを公式の早見表と突き合わせて確認したほうが安全だ。特にAC駆動品の「A」とDC駆動品の「Z」を取り違えると、コイルの駆動方式ごと変わってしまう。

最後に、「700-P000A1」という型番だけを見て、それが完成品なのかベースユニットなのかを型番の文字列だけから判断しようとしないことだ。公式資料でも、この型番はIn-stock Contact ConfigurationsとBase Blank Relayという、二つの異なる表に同じ形のまま登場する。どちらの意味で使われている型番なのかは、それが載っている資料の文脈——在庫品リストなのか、カートリッジキットの組み立て手順なのか——を見て判断する必要がある。

実務上の注意点

輸入設備や海外製の生産ラインでBulletin 700-P系のリレーを扱う場合、まず接点数(中央の数字÷100)とコイル電圧コードの2点を優先して読み取っておきたい。この2つさえ特定できれば、標準の10Aカートリッジ構成である限り、代替品の手配自体は難しくない。

一方で、盤の中のリレーが20Aや35Aといった高容量のマスター接点・ヘビーデューティ接点を使っている場合、あるいはロジックリードやオーバーラップ接点のような特殊な構成になっている場合は、単純に「700-P400A1」のような在庫品の型番だけでは代替が完結しない。ベースユニットとカートリッジキット、アダダーデッキ、コイルを個別に手配して組み立て直す必要が出てくる。現物のリレーを分解する前に、内部のカートリッジの種類(標準・マスター・ヘビーデューティ・ロジックリード・オーバーラップ)を見分けておくことが、手戻りを防ぐ近道になる。

なお、この700-P系のリレーはDIN(#3)対称ハットレールへの搭載も可能だが、専用のリレーレール(700-MP4/MP8/MP12/MP16)やDINレールアダプタ(700-DRA)を介した実装が公式資料に示されており、これらは700-Pだけでなく700DC-P・700S-P・700-N・700-R・700-RTCといった他のNEMA工業用リレーとも共用できる。輸入盤の改修で複数の700系リレーが並んでいる場合、マウント部材はシリーズをまたいで流用できる可能性がある、という点も覚えておいて損はない。

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