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IDECのRUリレーの型番はどう読むのか|RU2S-D24とRU2S-C-D24を分ける「C」の一文字とラッチングレバー・コイルサージ対策の規則

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の中古在庫を整理していて、同じ「RU2S」という頭を持つリレーが二つ並んで出てくることがある。片方の側面からは小さなレバーが飛び出している。もう片方にはそれがない。型番を見比べると、レバーのない方にだけ「C」の一文字が挟まっている——RU2S-D24とRU2S-C-D24。文字数で言えば、Cの付いた方が一文字長い。だから何か機能が足されているのだろう、と思いたくなる。ところが実物を並べると、機能が足されているのはCの付かない方だ。文字が増えるほど部品としては簡素になる——この逆転こそが、IDECのRUシリーズユニバーサルリレーの型番を読み解く最初の関門になる。

骨格——「極数」と「端子構造」がまず決まる

型番の一番外側から見ていく。IDEC公式カタログの品番一覧表によれば、「RU」に続く数字が極数を表し、2(RU2形)・4(RU4形)・42(RU42形)の三種類がある。続くアルファベット一文字は端子構造で、S(ソルダ端子)とV(プリント基板端子)に分かれる。RU2Sなら「2極・ソルダ端子」、RU4Vなら「4極・プリント基板端子」——この二文字だけで、リレーの物理的な骨格の大半が決まる。ここまでは他メーカーのリレーとも似た発想と言っていい。

問題は、この骨格の直後にどんな記号が続くかだ。

「C」が消しているのはラッチングレバーという可動部品

RU2Sの直後、ハイフンより前に「C」が挟まるかどうか——これがラッチングレバーの有無を分ける記号だ。IDEC公式カタログの型式一覧表を見ると、ラッチングレバー有の標準形はRU2S-□(Cなし)、ラッチングレバー無の標準形はRU2S-C-□とはっきり書き分けられている。実際にIDEC公式サイトのRU2S-D24の製品ページには「ラッチングレバー有 標準形」、RU2S-C-D24のページには「ラッチングレバー無 標準形」という表記があり、この対応は型番の推測ではなく公式の製品情報として確認できる。

ラッチングレバーとは何をする部品か。カタログの特長欄によれば、コイルに電圧を印加することなく接点の開閉状態を手動で確認できる機構で、AC品はオレンジ色、DC品は緑色にレバーの色分けがされている。制御盤の点検で、通電せずに接点回路の導通だけを確かめたいとき、このレバーを操作すれば済む。ただし公式カタログの「安全に関するご注意」には、レバーをスイッチとして常用しないこと、開閉寿命は100回以上であることが明記されている。あくまで点検用の機構であって、日常的な入切用のスイッチとして使う設計ではない。

Cが挟まると、この点検用レバーごと本体から取り除かれる。型番の文字数が増えているのに、部品としては可動部が一つ減る——最初に感じた違和感の正体はここにある。

「D」「D1」「R」——コイルサージ対策は対応コイルで記号が分かれる

Cの有無が決まった位置のさらに後ろ、あるいはCがない場合は骨格の直後に、コイルサージ対策の記号が続くことがある。コイルへの通電を止めた瞬間に発生する逆起電圧を吸収する素子の有無と種類だ。IDEC公式カタログの型式一覧表によれば、Dは順極性ダイオード付、D1は逆極性ダイオード付で、いずれも「DCコイルのみ」という注記が付く。Rは CR付で、こちらは「ACコイルのみ」だ。

この並びには意味がある。ラッチングレバー有の系統ではRU2S-D-□・RU2S-D1-□・RU2S-R-□、レバー無の系統ではRU2S-CD-□・RU2S-CD1-□・RU2S-CR-□——CがあるかないかでD・D1・Rの直前の文字列が変わるだけで、記号そのものの意味は変わらない。実際にIDEC公式サイトのRU2S-D1-D12のページには「逆極性ダイオード付 DC12V」という表記があり、D1がDC24V専用ではなくDCコイル全般に対応する記号であることが確認できる。ダイオード形には+-の極性があるため、DC電源の配線を逆にすると意図した向きで働かない点は、現場配線時に見落としやすい注意点だ。

極数記号の「4」と「42」——同じ4極でも中身が違う

型番の先頭に戻る。RU4形とRU42形はどちらも4極だが、カタログの接点定格表を見ると、この二つは接点の作り自体が別物だとわかる。RU4形の接点材質はAg(Auクラッド)、RU42形はAgNi(Auクラッド)のツイン接点で、最小適用負荷はRU4形がDC1V・1mA(参考値)であるのに対し、RU42形はDC1V・0.1mA(参考値)まで下がる。より微小な信号でも確実に導通させたい回路にはRU42形が向く、という設計思想の違いだ。

その代わり最大接点定格はRU4形の6AがRU42形では3Aに下がる。接点を高信頼性クラスに振った分、通せる電流の上限を犠牲にしている——極数という同じ「4」の裏で、電流を重視するか微小信号の確実性を重視するかが分かれているわけだ。

この極数の違いは、型番の外——組み合わせるソケットにも影響する。カタログの適合ソケット表によれば、RU2形が対応するのはSM2S系のソケット、RU4形・RU42形が対応するのはSY4S系のソケットで、この二系統は互換性がない。型番の先頭で「2」と「4」「42」が分かれている以上、ソケットの型番も別系統になるのは当然と言えば当然だが、盤の増設で「同じRUシリーズだから」と手元のソケットを流用しようとすると、ここで手が止まることになる。

コイル電圧記号——一つの記号が一つの電圧帯を指す

型番の最後、ハイフンの先に置かれるのがコイル電圧の記号だ。カタログのコイル定格表によれば、ACはA24(AC24V)・A100(AC100-110V)・A110(AC110-120V)・A200(AC200-220V)・A220(AC220-240V)、DCはD6・D12・D24・D48・D100・D110の各電圧値そのままの6段階が用意されている。いずれも50Hz・60Hz共用だ。他メーカーのリレーに見られるような、括弧の有無で対応周波数の範囲が変わるといった込み入った規則はここにはない。一つの記号が一つの電圧帯にそのまま対応する、という点ではRUシリーズの型番の中でもっとも単純な階層と言える。

もう一つ、現場で役立つ情報がある。カタログの「使用上のご注意」には、コイル定格電圧ごとにコイルへ巻くテープの色を変えている旨の記載があり、AC24Vは白、AC100-110Vは透明、AC200-220Vは黒、DC24Vは緑、といった対応が一覧になっている。型番の刻印が摩耗して読み取れなくなったリレーでも、このテープ色を見れば、少なくともコイル電圧の見当を付けることはできる。

型番だけでは決まらないもの

ここまでの規則を積み上げれば、RU2S-C-D24もRU2S-D1-D12も、極数・端子構造・ラッチングレバー・コイルサージ対策・コイル電圧という五つの層に分解して読めるようになる。ただし、記号の意味が分かることと、その組み合わせが実在することは別の話だ。カタログの型式一覧表では、CR付(R)はA100・A110・A200・A220の各コイルに設定がある一方、A24コイルの欄にはRの設定がない。低い電圧帯のACコイルにはCR回路付というオプション自体が存在しない、ということだ。

プリント基板端子タイプ(V)にも制約がある。カタログの注記によれば、Vタイプにはラッチングレバー・動作表示LED・メカニカルインジケータのいずれも装備されておらず、用意されているのは標準形(RU2V-NF-□等)のみで、ダイオード付やCR付のバリエーションは選べない。もう一つ、4極タイプ全般に関わる制約として、電気用品安全法上AC150Vを超える電圧での使用ができないこと、隣接する極の通電電流の合計が6Aを超えないようにする必要があることも、カタログの注意書きに明記されている。型番を読み解いた先で、最後にもう一段、実在の品番一覧または見積り時の確認が必要になる場面は残る。

IDEC製RUリレーの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、現物に残ったRU2S・RU4S・RU42Sの型番の分解から、ラッチングレバーの有無・コイルサージ対策記号・コイル電圧の確認、ソケット(SM2S/SY4S系)との組み合わせ照合、後継品の照合まで対応している。型番の一部が判読できない場合は、コイルのテープ色や現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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