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一般用電気工作物等の検査方法 ・ 2 / 9

導通試験の方法

読み終えると、こうなる

図面上は正しく見える配線でも、テスタを当てるだけで断線や誤配線を見つけ出せるようになる

  • スイッチの「入」「切」に対して導通の有無が設計どおり切り替わるかを確認できる
  • 停電状態で行う導通試験と通電状態で行う検電・電圧測定を、計器が自前の電源を使うかどうかで仕分けられる
  • 回路計の×10レンジで20Ωと読めたら実際は200Ωと、倍率を乗じた実際の抵抗値を検算できる
考えてみよう

2階建て住宅の階段照明を、1階と2階どちらのスイッチからも点灯・消灯できるようにする「3路スイッチ」の配線を終えた。1階のスイッチを操作すると廊下灯は問題なく点滅する。ところが2階のスイッチをどれだけ操作しても、廊下灯はうんともすんとも反応しない。

配線図を何度見返しても、間違いは見当たらない。電源を切った状態でテスタ(回路計)を該当の端子に当ててみると、本来ならスイッチの「入」「切」に応じて導通あり・導通なしが切り替わるはずの区間が、スイッチをどちらに動かしても導通なしのままだった。

図面上は正しく見えるのに、なぜテスタは「通じていない」と示し続けるのか。このトピックを読み終えるころには、導通試験が何を調べる検査なのか理解できているはずだ。

導通試験は、回路計(テスタ)や導通チェッカーを使って、配線に断線がないか、誤配線(結線ミス)がないかを確認する試験だ。

  • 抵抗レンジまたは導通確認用のブザーレンジを使い、配線の両端を当てて電気が通じているかを確認する
  • 電源を必ず遮断した状態(停電状態)で行う。通電中に導通試験を行うと、テスタの故障や感電の原因になる
  • スイッチの結線が正しいかどうかは、スイッチを「入」「切」それぞれの状態にしたときに、導通の有無が設計どおりに切り替わるかで確認できる
  • コンセントでは、接地側(W表示)と非接地側(対地電圧側)が図面・器具の極性表示どおりに結線されているかの確認にも使われる
回路計が示す「導通あり」と「導通なし」。この2つの状態が、設計図どおりに切り替わるかどうかを確かめること——それが導通試験のすべてだ。[絶縁抵抗](/terms/insulation-resistance/)測定や接地抵抗測定と違い、明確な数値基準があるわけではない。

配線図が正しく見えても、実際の結線を間違えていたり、途中で線が断線していたりすることは現場でしばしば起こる。目視だけでは分からないこうした問題を、テスタを当てるだけで見つけ出せるのが導通試験の役割だ。

テスタ1本で、目に見えない断線を言い当てる

導通試験は、道具の敷居がいちばん低い検査だ。回路計(テスタ)は数千円から手に入り、抵抗レンジとブザーレンジさえ使えれば今日から練習できる。しかも練習台は身のまわりにいくらでもある。使っていない延長コード、断線が疑わしいイヤホン、切れているか分からないヒューズ、押しても反応しないスイッチ付きタップ。コンセントから抜いた状態で両端に当てれば、ブザーが鳴るか鳴らないかで答えが出る。

これを繰り返すと、原因の切り分けができるようになる。「照明が点かない」という同じ症状に対して、器具が悪いのか、配線が切れているのか、結線が違うのかを、推測ではなく試験結果で分けられる。家族から不調の相談を受けたときに、まず何を確かめるかを言える人は強い。

数値基準がないことを、物足りなく感じるかもしれない。だが導通試験が問うているのは「設計どおりか」であって、性能の良し悪しではない。図面のとおりに現実ができているかを、自分の手で確かめる作業だ。3路スイッチの渡り線1本の入れ違いは、目でいくら追っても見つからず、通電すれば「なぜか片方から消せない」という不可解な症状になって現れる。それがテスタを当てた瞬間に確定する。この気持ちよさは、道具を握った人にしか分からない。

冒頭の廊下灯で何が起きていたのか、答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 導通試験に使う計器を、回路計(テスタ)から検電器に差し替える

    なぜ引っかかるどちらも「当てるだけで分かる」手軽な器具という印象が重なるため、組合せ問題で入れ替えられても違和感が出にくい。しかし検電器は電圧の有無を音と光で知らせるだけの器具で、通じているかどうかは何も教えてくれない。

    見破り方その器具が数値や状態のどちらを返すかで仕分ける。検電器の出力は「音と光」だけ、回路計は抵抗値。導通の有無は抵抗レンジかブザーレンジでしか判定できない、と器具の出力側から考える。

  2. 停電で行う試験と通電で行う試験を、1つだけ入れ替えて並べる

    なぜ引っかかる組合せ問題は、4つの記述のうち3つを正しく作り、1か所だけ状態を裏返してくる。導通試験・絶縁抵抗測定は停電、検電・電圧測定・漏れ電流測定は通電——この軸を持っていないと、正しい記述が3つ並んだ安心感でそのまま選んでしまう。

    見破り方計器が自前の電源で電気を送り込む試験(導通・絶縁抵抗)は停電、いま流れている電気を見る試験(検電・電圧・漏れ電流)は通電、と1本の軸で仕分ける。導通試験を活線で行う記述が混じっていたら、その時点で誤りだ。

  3. 回路計(テスタ)の倍率表示を「乗じる」ではなく「割る」と書く

    なぜ引っかかる回路計の使い方を問う問題では、零点調整(赤黒の測定端子を短絡して指針が0Ωを指すよう調整する)などの正しい記述に混ぜて、「測定レンジに倍率表示がある場合は、読んだ指示値を倍率で割って測定値とする」という一文が置かれる。倍率という言葉の印象で、掛けるのか割るのかが一瞬で決められなくなる。

    見破り方倍率は「目盛を何倍に読み替えるか」の指定だと考える。×10レンジで20Ωを指したなら実際は200Ω——大きい方へ動くのだから乗じるのが正しい。割ると答えが目盛より小さくなり、レンジを切り替えた意味がなくなる。

参考文献・出典

理解度チェック(6問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、6問で確認しよう。 内訳は基本4問・応用1問・ひっかけ1問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 6 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 導通試験は回路計(テスタ)や導通チェッカーで、配線が「通じるべきところが通じているか/通じてはいけないところが通じていないか」を確認する試験
  2. 絶縁抵抗測定・接地抵抗測定と違って明確な数値基準はなく、設計どおりに導通(0Ω)・非導通(∞Ω)が切り替わるかを見る
  3. 必ず電源を遮断した停電状態で行う。通電中に行うとテスタの故障や感電の原因になる
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