たとえば、工事会社に17歳の見習いが入ってきた。現場の係は考える。夕方まで仕事が押しそうだ。この子に定時後の残業を頼んでよいか。夜の作業に回してよいか。そもそも、どんな仕事なら任せてよく、どれは任せてはいけないのか。さらに、ほかの社員が残業したとき、残業代は何割増しで払うのか。
この4つの問いは、労働基準法の物差しで答える。最初の3つ(残業、夜、仕事)は「18歳未満の線」、4つ目(残業代)は「賃金の率」。「時間の枠」は、ほかの社員の残業の上限を見るときに使う。このトピックを読み終えるころには、条文の番号から、4つの答えを引ける。
まず一言で
労働基準法は、現場の問いに3つの物差しで答える。
- 18歳未満の線: 満18歳に満たない者には、36協定による時間外労働の規定が適用されない(60条1項)。午後10時から午前5時まで使用できない(61条1項。交替制で使う満16歳以上の男性は例外)。就かせてはならない業務は、年少者労働基準規則8条に46号まで並ぶ。
- 時間の枠: 休憩を除き1週40時間・1日8時間が原則(32条)。時間外・休日の労働をさせる主な扉は、36協定(36条)と、災害等の臨時の必要(33条)。36協定にも上限がある(月45時間・年360時間。特別条項でも年720時間以内、単月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内)。
- 賃金の率: 延ばした時間や休日の労働には割増賃金。時間外25%以上、休日35%以上、深夜25%以上、月60時間を超えた時間外50%以上。
条文は、2026年11月4日に e-Gov で確かめた現行の版による(労働基準法は令和8年7月17日施行の版)。労働安全衛生法の就業制限(免許・技能講習)や、建物の規制は、このトピックの外。安全衛生管理の体制は、別のトピック労働安全衛生法①で扱った。
条文の組み立て — 原則、扉、枠、値段
労働基準法の時間の条文は、4つの段で読むと迷わない(当サイトの整理)。
- 原則(32条): 休憩を除き1週40時間、1日8時間を超えて働かせない。
- 扉: 原則を超えて時間外・休日の労働をさせる扉のうち、このトピックで扱うのは2つ。災害その他避けることのできない事由で臨時の必要があるとき(33条。行政官庁の許可を受ける。事態が急迫なら、事後に遅滞なく届け出る)と、36協定を結んで届け出たとき(36条1項)。変形労働時間制(32条の2〜5)、週44時間の特例(労基則〔労働基準法施行規則〕25条の2)、40条の特例のように、原則の枠そのものを変える仕組みは別にあり、ここでは詳しく扱わない。
- 枠: 36協定に書ける時間にも、条文が上限をはめている(36条3〜6項)。
- 値段: 扉を通って延ばした時間と休日の労働には、割増賃金を払う(37条1項)。
「なぜ」を3つ掘っておく。条文は理由を書かないので、構造から読んだ説明である。
- なぜ、協定があっても17歳に残業を頼めないのか。 60条1項が、36条を満18歳に満たない者に適用しないと書くからだ。2の扉のうち、36条の扉が年少者にはない。
- なぜ、単月の「100時間未満」のほかに「平均80時間」の上限があるのか。 単月の上限だけなら、毎月99時間でも通ってしまう。連続する月の平均にも上限があるので、高い月を続けられない。
- なぜ、割増は階段なのか。 37条1項ただし書が、月60時間を超えた部分だけ率を50%以上に上げる。延ばすほど、超えた部分の値段が上がる作りだ。
この法律の基準は、労働条件の最低のものだ(1条2項)。基準に達しない労働条件を定める契約は、その部分が無効となり、法の基準になる(13条)。
労働時間・休憩・休日
- 労働時間(32条): 休憩を除き、1週40時間・1日8時間。週44時間の特例(労基則25条の2)は、別表第一の第八号・第十号(映画の製作を除く)・第十三号・第十四号(物品の販売、興行、保健衛生、旅館・飲食などの事業)のうち、常時10人未満のものに限る。建設(第三号)には使えない。
- 休憩(34条): 労働時間が6時間を超えるなら少なくとも45分、8時間を超えるなら少なくとも1時間を、労働時間の途中に与える。一斉に与える(過半数組合・過半数代表者との書面の協定があれば例外)。自由に利用させる。
- 休日(35条): 毎週少なくとも1回。4週間を通じて4日以上与える使用者は、毎週1回でなくてよい。
36協定の枠 — 休日労働を含む数字と、含まない数字
36協定(36条にもとづく協定の通称)は、労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは、労働者の過半数を代表する者)と書面で協定し、行政官庁に届け出るものだ(36条1項)。過半数代表者は、監督又は管理の地位にある者でなく、投票・挙手等の手続で選ばれ、使用者の意向で選ばれた者でない者とされる(労基則6条の2第1項)。協定には、対象の労働者、対象期間(1年)、延ばせる場合、1日・1か月・1年の延長時間などを書く(36条2項)。
休日労働を数えるかで仕分ける上限の数字は、次の4つだ。どれが休日労働を数えるかが、試験の分かれ目になる。
| 上限 | 数字 | 休日労働 |
|---|---|---|
| 限度時間(4項) | 1か月45時間・1年360時間 | 含まない |
| 特別条項の年(5項) | 1年720時間以内 | 含まない |
| 特別条項の単月(5項・6項2号) | 1か月100時間未満 | 含む |
| 連続する月の平均(6項3号) | 2〜6か月のどの平均も80時間以内 | 含む |
特別条項(5項。通称)は、通常予見できない業務量の大幅な増加などで、臨時的に限度時間を超える場合の定めだ。月45時間を超えられるのは、1年のうち6か月以内(5項後段)。1年単位の変形労働時間制で対象期間が3か月を超えるときは、限度時間は42時間・320時間になる(4項かっこ書)。新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務は、3〜5項と6項2号・3号が適用されない(11項)。
やってみよう ①:連続する月の平均を見る
特別条項つきの協定がある事業場で、時間外労働と休日労働の合計が、4月62時間、5月98時間、6月70時間、7月48時間だった。3月以前は考えない。どの上限が守られていないか。
- 単月は、どの月も100時間未満(5月も98時間)。
- 4月と5月の平均は(62+98)÷2=80時間。「80時間を超えない」なので、ちょうど80時間は可。
- 5月と6月の平均は(98+70)÷2=84時間。80時間を超える。6月に、6項3号に反する。
単月ごとに見るだけでは、見つからない違反だ。
建設事業の特例は、どこまで残っているか
建設事業は、36条の上限の適用に猶予があった。139条2項は、令和6年3月31日(同日及びその翌日を含む期間を定めている協定は、協定期間の初日から1年を経過する日)までの間、36条3〜5項と6項2号・3号を適用しないとしていた。この期間は過ぎている。
今も残るのは139条1項だ。「工作物の建設の事業(災害時における復旧及び復興の事業に限る。)」などについて、当分の間、5項の「100時間未満」の定めと、6項2号・3号を適用しない。5項で外れるのは「100時間未満」だけ(ほかは「同号」を「第二項第四号」と言い換えるのみ)なので、年720時間、月45時間超は年6か月以内、4項の限度時間は、そのまま適用される。「その他これに関連する事業として厚生労働省令で定める事業」は、労基則69条1項が別表第一第三号の事業などと定める。かっこ書が、この関連する事業にまで及ぶかは、条文の文言だけでは読み切れないので、ここでは書かない。
賃金 — 払い方の決まりと、割増の階段
払い方(24条)
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払う(1項)。毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う(2項。臨時に支払われる賃金、賞与などは除く)。例外は原則ごとに違う。控除して支払えるのは、法令に別段の定めがある場合か、過半数組合(ないときは過半数代表者)との書面による協定がある場合。通貨以外で払えるのは、法令・労働協約に別段の定めがある場合などで、過半数組合・過半数代表者との協定は要件に書かれていない。
割増の階段(37条)
| 区分 | 最低の率 | 根拠 |
|---|---|---|
| 時間外 | 25% | 37条1項、政令 |
| 休日 | 35% | 37条1項、政令 |
| 月60時間を超えた時間外 | 50% | 37条1項ただし書 |
| 深夜(午後10時〜午前5時) | 25% | 37条4項 |
休日の割増がかかるのは、33条1項が「35条の休日」、36条1項が「前条の休日」(どちらも毎週少なくとも1回など)と書く休日の労働だ。それ以外の休みの日の労働は、週40時間を超えれば時間外の率の対象になる(条文の読み。通達は確認していない)。
かつては138条が、中小事業主の事業について、60時間超の率(37条1項ただし書)を当分の間適用しないとしていた。2023年3月31日時点の版にはあり、現行の版にはない。改正の施行は令和5年4月1日(平成30年法律第71号附則1条3号)。
重なるときは、労基則20条が決める。時間外が深夜に及ぶなら50%以上(うち月60時間超に係る分は75%以上)、休日労働が深夜に及ぶなら60%以上だ。
<text x="6" y="70">時間外</text>
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<rect x="182" y="59" width="22.5" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="208" y="70">125</text>
<text x="6" y="94">深夜のみ</text>
<rect x="92" y="83" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="83" width="22.5" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="208" y="94">125</text>
<text x="6" y="118">休日</text>
<rect x="92" y="107" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="107" width="31.5" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="217" y="118">135</text>
<text x="6" y="142">時間外+深夜</text>
<rect x="92" y="131" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="131" width="45" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="231" y="142">150</text>
<text x="6" y="166">休日+深夜</text>
<rect x="92" y="155" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="155" width="54" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="240" y="166">160</text>
<text x="6" y="190">60時間超の時間外</text>
<rect x="92" y="179" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="179" width="45" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="231" y="190">150</text>
<text x="6" y="214">60時間超+深夜</text>
<rect x="92" y="203" width="90" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.12" stroke="var(--color-text, #15140f)" stroke-width="1"/>
<rect x="182" y="203" width="67.5" height="14" fill="var(--color-text, #15140f)" fill-opacity="0.65"/>
<text x="253" y="214">175</text>
割増賃金の最低の率の積み上げ(自作の概念図。労働基準法37条、割増率の政令、労働基準法施行規則20条にもとづく。条文は「以上」と書く。濃い部分が割増分)
割増の基礎賃金と、例題
割増の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金を入れない(37条5項、労基則21条)。月給は、月の所定労働時間数(月で異なれば、1年間の1か月平均)で割って時間単価にする(労基則19条1項4号)。
例題(数値はオリジナル)。基本給262,000円、職務手当32,000円、住宅手当28,000円、通勤手当11,000円(手当は名称どおりの性質とする)。月平均所定労働時間は168時間。その月の時間外労働は16時間(月60時間以内、深夜なし)。
- 基礎賃金は、住宅手当と通勤手当を除いて、262,000+32,000=294,000円。
- 時間単価は、294,000÷168=1,750円。
- 割増賃金は、1,750×0.25×16=7,000円。
37条1項は、割増賃金を、通常の労働時間の賃金の計算額に率を乗じて計算するものとして書く。時間外の16時間分の通常の賃金(1,750×16=28,000円)は、月給の対象になっていない時間の賃金なので、割増とは別に払う(当サイトの読み)。
やってみよう ②:60時間を超え、深夜にもかかる
時間単価1,200円の労働者が、ある月に時間外労働を66時間行った。60時間を超えた6時間のなかに、深夜にあたる4時間が含まれる。割増賃金の最低額は?
最初の60時間は25%、超えた6時間のうち深夜でない2時間は50%、深夜の4時間は75%。割増の時間換算は 60×0.25+2×0.5+4×0.75=15+1+3=19 時間分。1,200×19=22,800円。
年少者 — 18歳未満の線と、就かせてはならない業務
年齢の線
条文は「年少者」を定義せず、第六章の名、57条の見出し、70条の本文に使う。57条1項と60〜64条の主な規定は「満18歳に満たない者」、56条は「児童」、58条・59条は「未成年者」と書く。このトピックの主な線は3本ある。
| 条 | 内容 |
|---|---|
| 57条1項 | 満18歳に満たない者の年齢を証明する戸籍証明書を、事業場に備え付ける |
| 60条1項 | 32条の2〜32条の5、36条、40条、41条の2を、満18歳に満たない者に適用しない |
| 61条1項 | 午後10時〜午前5時の使用禁止。例外は、ただし書(交替制で使う満16歳以上の男性)と2〜4項 |
| 62条 | 危険な業務・有害な業務・重量物に就かせてはならない |
| 63条 | 坑内で労働させてはならない |
60条1項は、36条を挙げるが、33条は挙げていない。災害等の臨時の必要(33条)は、条文の上では年少者にも使える。61条4項も、33条1項による場合は深夜業の禁止を適用しないと定める。
就かせてはならない業務 — 62条と年少者労働基準規則8条
62条は、1項で危険な業務と重量物、2項で有害な業務を挙げ、範囲を厚生労働省令に委ねる(1項・3項)。その省令が、年少者労働基準規則8条(1号〜46号)と、7条(重量物)だ。数字が付く号のうち、主なものを並べる。
| 号 | 業務 | 数字の読み |
|---|---|---|
| 5号 | 人荷共用・荷物用のエレベーターの運転 | 最大積載荷重2トン以上 |
| 6号 | 軌条運輸機関・乗合自動車・貨物自動車の運転 | 貨物自動車の最大積載量2トン以上 |
| 8号 | 充電電路の点検・修理・操作 | 直流750V・交流300Vを超える |
| 23号 | 地穴での業務 | 深さ5メートル以上 |
| 24号 | 墜落のおそれのある場所の業務 | 高さ5メートル以上 |
| 26号 | 立木の伐採 | 胸高直径35センチメートル以上 |
数字のない号もある。3号はクレーン、デリック又は揚貨装置の運転で、つり上げ荷重などの数字の条件は書かれていない。12号は、動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転だ。10号は玉掛けで、二人以上で行う玉掛けの補助作業は除く。25号は足場の組立・解体・変更で、地上又は床上の補助作業を除く(労働安全衛生規則36条39号は「地上又は堅固な床上」と書くが、25号に「堅固な」はない)。41号(病原体)だけには、看護師等を除くただし書がある。46号は、前各号のほか、厚生労働大臣が別に定める業務で、その中身は確認していない。
重量物(7条)は、年齢と性、作業の形で数字が変わる。
- 満16歳未満: 女は断続12キログラム・継続8キログラム、男は断続15キログラム・継続10キログラム。
- 満16歳以上満18歳未満: 女は断続25キログラム・継続15キログラム、男は断続30キログラム・継続20キログラム。
いずれも、その重量以上の重量物を取り扱う業務だ。
やってみよう ③:17歳の見習いに頼めるか
満17歳の男性の見習いに、次の仕事を頼みたい。8条の号に当たるか。
- (a) 地上で、足場の部材を渡す補助作業
- (b) 高さ6メートルの、墜落により危害を受けるおそれがある場所での作業
- (c) 交流200ボルトの分電盤の、充電部の点検
- (d) 電圧が交流400ボルトの回路の、充電部の点検
(a) 25号は、地上又は床上の補助作業を除くので、25号には当たらない。(b) 24号の「高さが5メートル以上」に当たる。(c) 8号は交流300ボルトを超えるものなので、200ボルトは当たらない。(d) 300ボルトを超えるので、8号に当たる。
当たらないと分かっても、ほかの号や、労働安全衛生法の資格・教育の定めは、別に確かめる。
周辺の数字
| 条 | 定め |
|---|---|
| 15条1項 | 労働契約の締結に際し、賃金・労働時間などの労働条件を明示する |
| 20条1項 | 解雇は少なくとも30日前に予告する。しないときは30日分以上の平均賃金(天災事変、労働者の責に帰すべき事由などは例外) |
| 26条 | 使用者の責に帰すべき事由による休業は、平均賃金の60%以上の手当 |
| 39条1項 | 6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した者に、10労働日の年次有給休暇 |
| 39条7項 | 有給休暇が10労働日以上の者には、うち5日を基準日から1年以内に、使用者が時季を定めて与える(8項に例外) |
| 64条の3第1項 | 妊産婦(妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務などに就かせてはならない(範囲は省令。3項) |
| 89条 | 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して届け出る |
| 91条 | 減給の制裁は、1回の額が平均賃金の1日分の半額以内、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1以内 |
現場とつなぐ
電圧の物差しは2つある。 年少者労働基準規則8条8号の直流750ボルト・交流300ボルトを超える電圧は、電気設備に関する技術基準を定める省令(電気設備技術基準)2条の低圧(直流750ボルト以下、交流600ボルト以下)と、直流の数字は同じで、交流が違う。たとえば交流400ボルトの回路は、低圧の区分に入るが、8号の300ボルトを超える。年少者に任せられるかは、低圧か高圧かの区分でなく、8号の数字で判断する。電圧をどこで測るかは、条文に書かれていない(確認できていない)。
見習いを受け入れる前の確認(当サイトの考え方。各社の就業規則や安全衛生の定めを置き換えるものではない)。
- 年齢を証明する戸籍証明書を備え付ける(57条1項)。
- 任せる仕事を、8条の号と、7条の重量物の表に照らす。
- 午後10時から午前5時の間は、原則として入れない(61条1項)。
- 36協定にもとづく残業を頼まない(60条1項。33条の災害等は別)。
試験での出方
令和8年度の問題Bでは、労働基準法はNo.12の1問だった。形は、満18歳に満たない者を就かせてはならない業務として、定められていないものを選ぶ。解き方は、選択肢の業務を8条の号に当て、数字の付く号は「以上」か「超える」か、かっこ書きの除外がないかを確かめる。
冒頭の問いの答え合わせ
- 定時後の残業: 36協定は、満18歳に満たない者に適用されない(60条1項。33条の災害等は別)。
- 夜の作業: 午後10時から午前5時は使用できない(61条1項。交替制で使う満16歳以上の男性などは例外)。
- 任せる仕事: 8条の号と7条の重量物の表で、「以上」「超える」とかっこ書きを読んで判定する。
- 残業代: 時間外は25%以上、月60時間を超えると50%以上、深夜は25%を加える。重なる分は労基則20条。
答え合わせは、理解度チェックの問1〜5(年少者)、問6〜9(時間)、問10〜12(賃金)でしてみよう。
次の問い
人と時間の法律は、ここまでだ。高い所の作業と足場の措置は、労働安全衛生法②で見た。年少者の就業制限にも、同じ領域が8条の24号(高さ5メートル以上)と25号(足場)として出てきた。作業床を求める高さ2メートル(労働安全衛生規則518条)とは、別の物差しだ。
では、建物そのものの決まりは何か。屋上の塔屋は何階に数えるのか。床が地面より下がった階は、どこから地階になるのか。確認申請は、何階建て・何㎡から要るのか。ロードマップでは、次は建築基準法①(建築物の言葉と数字)の予定だ。