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インバータ・制御機器電材基礎型番の読み方

ABB ACS580シリーズインバータの型番はどう読むのか|『ACS580-01』と『-04』は単相・三相の違いではなかった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

冒頭の場面・会話は、内容の理解を助けるための例示です。特定の現場・企業・案件を指すものではありません。

「ACS580-01-025A-4」。銘板の型式をハイフンで割っていくと、途中に浮く2桁の数字がある。「01」だ。同じシリーズの別の設備には「ACS580-04-505A-4」とある。「04」。

単相入力と三相入力の違いだろうか、と最初は考える。実際、この2桁の直後には見慣れた電流らしき記号が続き、末尾には電圧クラスらしき数字も控えている。型式の構造としては、いかにもそういう役割を割り振られていそうな位置にある。

ABBの総合カタログ(文書番号3AUA0000145061 REV G、EN、発行日28.11.2016)の「Type designation」の図を開くと、答えはあっさり出てくる。図が示すブロックは「Product series」「Types and construction」「Rating」「Voltage」「Options」の5つ。「01」「04」が属するのは「Types and construction」――構造区分だ。相数の区分ではない。

型式の骨格――「01」「04」は構造区分であって、相数区分ではない

カタログ3ページの説明文はこう書いている。「01」は壁掛け形(wall-mounted drives)。EMCフィルタやブレーキチョッパー、Modbus RTUフィールドバスインターフェースを内蔵した、単体で使う汎用ドライブだ。「04」はキャビネット組込み用のドライブモジュール(drive modules for cabinet installations)で、標準の構造はIP00。盤の中に組み込んで使うことを前提にした、いわば「部品としてのドライブ」である。もう一つ、「07」はキャビネット組込み完成品(cabinet-built drives)――ABB自身が盤に組み上げた状態で納入するタイプを指す。

つまり「01」と「04」の違いは、電源の相数ではなく、壁に直接掛けて使うか、盤の中に組み込んで使うかという設置形態の違いだった。この点だけでも、型式を眺めて「01は単相、04は三相」と決め打ちすると、実務では的を外す。

では、担当する出力レンジはどう分かれているのか。ここで、もう一つ訂正しておきたい数字がある。ACS580-01は0.75kW止まりではない。カタログ16〜17ページの定格表を最後まで追うと、ACS580-01は型式「02A6-4」の0.75kW(フレームR0)から、型式「430A-4」の250kW(フレームR9)まで届く。一方のACS580-04は、型式「505A-4」の250kW(フレームR10)から「880A-4」の500kW(フレームR11)まで。250kWという同じ数字のところで、壁掛け形とドライブモジュールの守備範囲がぴたりと重なっている。カタログ本文にも「ACS580-04 drive modules with IP00 protection class extend the power range from 250 to 500 kW」とあり、04は01の上限からさらに範囲を延長する存在として明記されている。上限が22kWで切り替わるような境界線は、少なくともこのカタログのどこにも見当たらなかった。

IP21とIP55――型式の桁には現れない防護等級

構造区分の次に確かめておきたいのが、設置環境を左右する防護等級だ。屋外や粉じんの多い現場では、IP21ではなくIP55の指定が必要になる場面がある。ならば型式のどこかに、その違いを示す桁があるはずだ、と当たりを付けてみる。

カタログ14ページの「Degree of protection」欄を読むと、そこにはこう書いてある。「ACS580-01: IP21 as standard, IP55 as an optional variant」。標準はIP21で、IP55はオプション。型式の基本ブロックには、防護等級を示す桁は用意されていない。

ではIP55を指定するとき、型式はどう変わるのか。15ページの寸法表を見ると、そこに載っている型式表記は「ACS580-01+B056」。基本の型式「ACS580-01-088A-4」のような文字列に、「+B056」というオプションコードがそのまま足し算されている形だ。フレームサイズ・出力の違いを示すブロックは変わらず、末尾に一塊のコードが追加されるだけ。ACS580-04の側でも同様で、標準のIP00に対してIP20を選ぶ場合はオプションコード「+B051」(IP20 shrouds for finger safe operation)を足す。

型式の基本ブロックだけを見て、この個体がIP21なのかIP55なのかを判定することはできない。防護等級は、型式のどこかの桁ではなく、末尾に付くか付かないかの「+」記号の有無で管理されている。これは電源仕様や構造区分とは、まったく別の管理軸だ。

実機への当てはめ――025A-4と088A-4

ここまでの規則を、yamlに載っている実型式に当てはめておく。「ACS580-01-025A-4」は、定格表と照合するとIN=25A・PN=11kW・フレームR2に対応する。「ACS580-01-088A-4」はIN=88A・PN=45kW・フレームR5。どちらも、Ratingブロックの数字が定格出力電流(A)をおよそ10倍して桁をそろえた値になっている。

この「電流を基準にサイズコードを決める」という発想は、実は目新しいものではない。当サイトで別途扱っているABB ACS880シリーズの型式規則も、まったく同じ考え方――サイズコードは電流(A)の10倍値――で作られている。ACS580とACS880は型式の見た目こそ似ているが別シリーズであり、外形の桁の数もIP等級の扱いも一致しない部分がある一方で、「サイズコードは電流で決める」という設計思想だけは、シリーズをまたいで共有されている。ABBの汎用ドライブに広く通じる、いわば設計文化の一部と見てよさそうだ。

もう一つ、電圧クラスを示す末尾の数字にも触れておく。カタログの定格表は「3-phase, UN = 380, 400, 415 V」の表と「3-phase, UN = 440, 460, 480 V」の表を別に載せているが、025A-4や088A-4を含む全型式は、両方の表に同一の電流値(IN・Imax)のまま重複して登場する。違うのは、後者の表がPLd・PHdをhp単位で併記している点だけだ。つまり末尾の「-4」は、380Vから480Vまでという一つの電圧の帯をまとめて表す記号であって、単一の電圧を確定させる記号ではない。北米向けの技術カタログ(ACS580-PHTC01U-EN REVF、発行日10/16/2019)まで手を広げると、この末尾の数字には「-2」(208〜240V)、「-6」(500〜600V)という兄弟もあることが分かる。同じ「Voltage」ブロックの中に、複数の電圧レンジが並んでいるわけだ。

現場で間違えやすい点

「01」「04」を相数の違いだと思い込まない。 壁掛け形かキャビネット組込みモジュールかという構造の違いであり、単相・三相の違いではない。供給電源の相数は、型式ではなく仕様書・銘板の別の記載欄で確認する必要がある。

IP55を型式の桁の中に探さない。 防護等級はオプションコード「+B056」(IP55)や「+B051」(IP20 shrouds)の有無で決まる。既設品の銘板に「ACS580-01-088A-4」とだけ書かれていて「+B056」の記載がなければ、それは標準のIP21である可能性が高い。屋外設置や高いIP等級が必要な現場では、型式本体だけでなくオプションコードの有無まで確認したほうがいい。

型式の一桁違いを、公式資料同士で突き合わせる。 今回、1.5kW・4Aという同一の定格に対して、2016年版カタログでは「ACS580-01-04A0-4」、ABB公式サイトの製品ページでは「ACS580-01-04A1-4」という、末尾一桁だけ食い違う表記を確認した。どちらも同じABBの公式情報源でありながら、発行時期の異なる資料の間でこの種のずれが起き得るという実例だ。既設品の型式を控えるときは、可能な限り現行の公式情報源で裏取りしたほうが安全だろう。

実務上の注意点

見積りや更新提案の場面では、この記事で確認した3点を合わせて伝えるのが早い。第一に、壁掛け形(01)かキャビネット組込みモジュール(04)かという設置形態。第二に、IP21で足りるのか、IP55やIP20のオプションコードが必要なのか。第三に、供給電圧が380〜415Vの帯にあるのか、440〜480Vの帯にあるのか。型式の文字列だけをそのまま伝えるよりも、この3点を添えたほうが、対応する型式・オプションの確認が速く進む。

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ABB ACS580インバータの型式確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、盤に残ったACS580の型式から、構造区分(01/04/07)・サイズコード・防護等級のオプションコードを照合し、代替品・後継品の確認に対応している。銘板の型式が判読しにくい場合や、IP55指定の要否が不明な場合は、写真を添えてもらえれば照合が早い。

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よくある質問

『ACS580-01』と『ACS580-04』の違いは、単相入力と三相入力の違いですか?

違います。ABB公式の総合カタログ(文書番号3AUA0000145061 REV G、EN、発行日28.11.2016)の説明によれば、『01』は壁掛け形(wall-mounted drives)、『04』はキャビネット組込み用のドライブモジュール(IP00構造が標準)という、設置形態・構造の区分です。単相/三相といった入力相数を表す桁ではありません。なお同カタログおよび北米向け技術カタログ(ACS580-PHTC01U-EN REVF、発行日10/16/2019)で確認できた電圧レンジ表はいずれも『3-phase』の表のみで、単相入力に関する記載は見当たりませんでした。

ACS580-01は0.75〜22kW、ACS580-04は18.5〜250kWという情報を見たのですが、正しいですか?

ABB公式カタログの定格表と照合する限り、この数字は正確ではありません。カタログの16〜17ページによれば、ACS580-01は0.75kW(型式02A6-4、フレームR0)からフレームR9・250kW(型式430A-4)までをカバーし、ACS580-04はフレームR10・250kW(型式505A-4)からフレームR11・500kW(型式880A-4)までを担います。250kWという1点で両シリーズの守備範囲が重なっている、というのがカタログから読み取れる実際の姿です。

銘板の『IP21』『IP55』は、型式のどの桁を見れば分かりますか?

型式の桁だけでは分かりません。カタログの『Degree of protection』欄には、ACS580-01はIP21が標準でIP55はオプション、ACS580-04はIP00が標準でIP20はオプションと明記されています。実際にIP55仕様の寸法表を見ると、型式は『ACS580-01+B056』のように、基本型式にオプションコード『+B056』を足した表記になっており、注記には『Valid for the type codes ACS580-01-088A-4 and ACS580-01-106A-4』ともあります。防護等級は型式の基本ブロックではなく、末尾に加わるオプションコードの有無で確認する必要があります。

『025A-4』『088A-4』のような英数字は、何を基準にした表記ですか?

定格出力電流(IN、A)を基準にした表記です。カタログを突き合わせると、『025A-4』はIN=25A・PN=11kW・フレームR2、『088A-4』はIN=88A・PN=45kW・フレームR5に対応しており、電流値をおおよそ10倍して桁をそろえた数字になっています。この『電流を基準にサイズコードを決める』という考え方は、当サイトで別途扱っているABB ACS880シリーズの型式規則と共通しており、ABBの汎用ドライブ・産業用ドライブに広く通じる設計思想だと考えられます。

ABB ACS580インバータの型式確認・見積りはどこに依頼すればいいですか?

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームからご依頼いただけます。銘板の型式に加えて、IP21かIP55かといった防護等級、単相・三相を含む供給電圧の仕様を併せてお伝えいただくと、対応する型式・オプションの確認がより早くなります。

参考文献・出典

  • ABB「ABB general purpose drives ACS580 0.75 to 500 kW Catalog」(文書番号3AUA0000145061 REV G、EN、発行日28.11.2016) (13ページ「How to select a drive」内のType designation図「ACS580 – 01 – 03A3 – 4 + L501」で、型式のブロック構成が「Product series」「Types and construction」「Rating」「Voltage」「Options」の5つであることを確認。3ページ「The all-compatible ACS580 general purpose drives」の本文で、『01』は壁掛け形(wall-mounted drives)、『04』はキャビネット組込み用のドライブモジュール(drive modules for cabinet installations、標準でIP00構造)、『07』はキャビネット組込み完成品(cabinet-built drives)を指すという説明を確認。16〜17ページ「Ratings, types and voltages」の定格表で、ACS580-01は0.75kW(型式02A6-4)からフレームR9・250kW(型式430A-4)まで、ACS580-04はフレームR10・250kW(型式505A-4)からフレームR11・500kW(型式880A-4)までを担い、250kWの帯で両シリーズが重なっていることを確認(12ページの本文にも『ACS580-04 drive modules with IP00 protection class extend the power range from 250 to 500 kW』と明記)。同じ16〜17ページで、型式ACS580-01-025A-4がIN=25A・PN=11kW・フレームR2、ACS580-01-088A-4がIN=88A・PN=45kW・フレームR5であることを、また『3-phase, UN = 380, 400, 415 V』の表と『3-phase, UN = 440, 460, 480 V』の表の両方に同一型式・同一電流値(IN/Imax)で重複掲載されていることを確認(後者はPLd・PHdがhp単位で併記)。定格1.5kW・4Aの型式は本カタログでは『ACS580-01-04A0-4』と表記されていることを確認。)
  • 同カタログ14ページ「Technical data」の「Degree of protection」欄、15ページ「Dimensions」、24ページ「Drive construction options」 (14ページ「Degree of protection」欄に『ACS580-01: IP21 as standard, IP55 as an optional variant (frames R0 to R9)』『ACS580-04: IP00 as standard, IP20 with option (frames R10 to R11)』『ACS580-07 (R6 to R9): IP21 as standard, IP42 and IP54 as options』と明記されていることを確認。15ページのDimensions欄で、IP55仕様の寸法表の型式表記が『ACS580-01+B056』という、基本型式にオプションコードを足した別表記になっていること、および注記『* Valid for the type codes ACS580-01-088A-4 and ACS580-01-106A-4』(フレームR5は奥行きのみ増加)を確認。24ページ「Drive construction options」の表で、オプションコード『+B051』が『IP20 shrouds for finger safe operation』としてACS580-04向けに掲載されていることを確認。)
  • ABB公式製品ページ「ACS580-01-04A1-4」(品目コード3ABD50000038939) (ページタイトルおよび本文の説明文に『ACS580-01-04A1-4』『LV AC general purpose wall-mounted drive, IEC: Pn 1.5 kW, 4 A』と記載されていることを確認。上記2016年版カタログの同一定格(1.5kW・4A)の型式表記『ACS580-01-04A0-4』と末尾の英数字(A0とA1)が一致しないことを、2つの独立したABB公式ソースの突き合わせで確認。)
  • ABB「ABB general purpose drives, ACS580, Catalog」北米向け技術カタログ(文書番号ACS580-PHTC01U-EN REVF、発行日10/16/2019) (16ページのType designation図で、同一のブロック構成(Product series/Types and construction/Rating/Voltage/Options)を確認。20〜21ページ「Ratings, types and voltage」の定格表で、電圧レンジコードの末尾が『-2』(3-phase, UN=240V、range 208 to 240V)・『-4』(3-phase, UN=480V、range 380 to 480V)・『-6』(3-phase, UN=600V、range 500 to 600V)の3種類であることを確認。同ページの技術データ欄に『Horsepower ACS580-01: 1 to 350HP』『ACS580-07: 200 to 700HP』『ACS580-0P: 1 to 200HP』とあり、北米向け資料では盤内組込み用モジュールの区分表記が『04』ではなく『0P』になっていることを確認。掲載された電圧レンジ表(208〜240V・380〜480V・500〜600Vの3種)はいずれも『3-phase』の表としてのみ掲載されており、単相入力に関する記載は本カタログ中に見当たらなかった。)
型番不明でもOK

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