在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付
電材基礎制御盤保護機器

サーキットプロテクタと配線用遮断器(ブレーカー)の違い|なぜ制御盤の二次側では小容量の専用機器が選ばれるのか

・ 読了目安: 11分 ・ 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)

この記事の結論

サーキットプロテクタは配線用遮断器の小型版ではなく、配線用遮断器では保護できない小容量の制御回路や電子機器を守る別カテゴリの機器。富士電機の品種は定格電流0.05〜30Aの細かい刻み、定格遮断容量1,000〜2,500A、1極幅17.5mmの薄形やDC60V対応があり、PLC電源・センサー電源など制御盤二次側の小容量回路に向く。一次側の主幹・分岐は配線用遮断器・漏電遮断器、二次側はサーキットプロテクタと住み分け、互いの転用は避ける。

制御盤の二次側、PLCの電源回路にDC24Vのちいさなブレーカーを入れようとしたことがある人なら、あの手詰まり感を知っているはずだ。一次側の主幹に使っていたのと同じ配線用遮断器のカタログを開き、定格電流をいちばん小さい2Aや3Aまで絞り込んでみる。ところが型番がまともに出てこない。無理に一段上の5Aや10Aで妥協すれば、今度は端子台の幅やDINレールへの取り付け寸法が、狭い制御盤の中でどうにも収まりが悪い。

現場の配線担当に相談すると、答えは意外にあっさりしている。「それ、ブレーカーじゃなくてサーキットプロテクタだよ」。

聞き慣れない名前ではない。制御盤を開けたことがあれば、端子台の並びの隅に小さな黒いスイッチ状の部品が刺さっているのを見たことがあるはずだ。だがそれが配線用遮断器と何が違うのか、なぜわざわざ別の名前を持つ別の部品として存在しているのかは、「ブレーカー」という言葉の広いイメージの中に埋もれたままになっていることが多い。容量さえ合えばどちらでもいいのではないか、という感覚のまま現場に出ると、今回のように「入らない」「選べない」という形で足を止められる。

サーキットプロテクタとは何か

結論から言うと、サーキットプロテクタは配線用遮断器を小さくしただけの製品ではない。守る対象がそもそも違う。

富士電機機器制御のサーキットプロテクタ製品ページは、この機器の役割を「配線用遮断器(サーキットブレーカ)では保護できない小容量の制御回路や電子機器を保護」するものと説明している。配線用遮断器が「配線」という電路そのものを守る機器であるのに対し、サーキットプロテクタが最初から想定しているのは、制御盤の中に収まった小容量の制御回路や電子機器という、もっと小さな保護対象だ。分電盤の主幹や動力回路のような、電路の「入口」を守る仕事は最初から範囲に入っていない。

この違いはカタログの数字にもそのまま表れる。富士電機のCP-Pシリーズの定格電流は0.3・0.5・0.75・1・2・3・5・7.5・10・15・20・25Aという並びで、CP-E・CP-Vシリーズにいたっては0.05〜30Aの間に16段階もの刻みが用意されている。一般的な配線用遮断器のカタログでは10A・15A・20A・30A……という規格値が主戦場になる。1A未満、しかも最小0.05Aを含む16種類の定格という世界は、配線用遮断器の設計思想の延長線上にはもともと出てこない数字だ。

配線用遮断器との構造上の違い――定格電流・遮断容量・サイズ

数字の並びだけを見ると「刻みが細かいだけの兄弟製品」に見えるかもしれない。だがこの細かさを実現するために、内部の作りはかなり違う方向に振られている。

小容量の負荷電流と、故障時に設置点へ流れうる短絡電流は別に確認する。二次側であることだけを理由に必要な遮断容量を小さく見積もらず、回路のAC/DC・使用電圧・推定短絡電流を、候補機器の遮断容量と上位保護機器との協調条件に照合する。

サイズの差はもっと直接的だ。CP30Fシリーズは1極あたり幅17.5mmという薄形ボディを実現しており、CP-E・CP-Vシリーズも厚さ19mmに収められている。配線用遮断器を無理に小容量側へ振っても、内部の熱動素子・電磁素子や消弧装置の機構寸法はそう簡単には縮まらない。制御盤の中で端子台やリレーソケットと肩を並べて何十点も並ぶことを前提に設計されたサーキットプロテクタと、電路そのものを遮断する機構を内蔵した配線用遮断器とでは、「小さくする」ときにそもそも許されている設計の自由度が違う。

なぜ制御盤内でサーキットプロテクタが選ばれるのか

省スペース性・電流値の刻み・DC対応――ここまで並べた性質は、バラバラの利点として眺めるより、同じ一つの用途に向けて最適化された結果として理解した方が見通しがいい。

制御盤の二次側には、PLCの電源回路やセンサー・アクチュエータへの分岐回路のように、数百mA〜数A程度の電流しか流れない小容量の回路が何十本と並ぶ。ここに配線用遮断器を使おうとすると、まず定格電流の選択肢が粗すぎて負荷に見合わない。次に、機器一つあたりの専有スペースが大きすぎて、限られた盤内のDINレール上に必要な数だけ並べきれない。

富士電機のCP-Pシリーズが従来のCP-E形に対して占有スペースを約30%削減したとカタログで謳っているのも、この「何十点も並ぶ」という使われ方を前提にした改良だ。配線用遮断器の世界では数点単位の話が、サーキットプロテクタの世界では盤全体のレイアウトを左右する数十点単位の話になる。

DC対応も見逃せない性質だ。CP-PシリーズはAC240Vだけでなく DC60Vまでの遮断容量を持ち、CP30FシリーズはAC/DC両用(1・2極)の品種を用意している。PLCやセンサーの多くはDC24Vで動く。配線用遮断器のラインナップはAC電路を主戦場に設計されたものが中心で、DC回路への正式な対応をうたう品種は限られる。二次側のDC制御回路を守るという役割において、サーキットプロテクタは最初からその土俵に立って設計された機器だ、という言い方ができる。

さらにCP-E・CP-Vシリーズには半導体向け(瞬時)・半導体向け(高速)・一般用途(中速)・重負荷用途(低速)という4種類の動作特性が用意されている。半導体を含む電子回路はごくわずかな過電流でも一瞬で壊れることがある一方、モーターを含む回路は始動時に一時的な突入電流が流れる。保護したい対象の性質に応じてトリップの速さそのものを選べるという発想も、電路全体をひとまとめに守る配線用遮断器のカタログには、ここまで細かい形では出てこない。

配線用遮断器を代用できない・すべきでない理由

ここまでの話を、単に「サーキットプロテクタの方が小さくて便利」という程度に受け取ると、選定の順番を間違える。

配線用遮断器を無理に小容量側へ振って二次側に転用した場合、まず物理的に収まらないという問題が起きるが、それだけでは済まない。定格電流の刻みが粗いぶん、実際の負荷電流に対して過大な定格を選ばざるを得ないケースが出てくる。過大な定格のブレーカーは、本来トリップしてほしい小さな異常電流では動作せず、電子回路が焼損してから初めて遮断するという本末転倒を招きかねない。逆にサーキットプロテクタを電路の分岐や主幹側に転用する発想も同様に危うい。定格遮断容量が千A台にとどまる機器を数kA以上の短絡電流が想定される電路に置けば、遮断能力を超えた電流に耐えられず、機器自体が壊れる側に回ってしまう。

米国規格では、UL 489の分岐回路保護とUL 1077の補助保護を区別する。UL 1077の公開Scopeは、分岐回路の過電流保護が既に設けられているか不要な機器内での保護を対象とし、個別用途では機器側の要求や実使用条件による追加評価も必要としている。「盤内なら使用可、盤外なら一律不可」という場所だけの区分に置き換えず、必要な分岐回路保護を補助保護器だけで代用しない。

使い分けの実務的な基準

結局のところ、選定で迷ったときに立ち返るべき問いは一つしかない。「守ろうとしているのは、電路そのものか、それとも盤内の小容量回路か」。

保護対象選ぶべき機器役割
一次側の主幹・分岐(受電・幹線・動力系統)配線用遮断器(MCCB)・漏電遮断器(ELCB)電路そのものを、大きな短絡電流から守る
二次側の細かい制御回路(PLC電源・センサー電源・電子回路への分岐)サーキットプロテクタ盤内の小容量回路・機器を、細かい電流値ときめ細かい動作特性で守る

既設の制御盤を改修する場合は、まず二次側のどの部品にどの電流が流れているかを現物で確認するところから始めるのが早い。銘板やカタログに定格電流・定格電圧(特にDCかACか)・極数が明記されているので、それをそのまま新しい機器の選定条件として引き継げば、サイズが合わない・容量が過大という失敗はほぼ避けられる。富士電機のほかIDECなど複数のメーカーがサーキットプロテクタを製造しており、既設更新では現物の型番をそのまま照合するのが最も確実だ。

よくある質問

サーキットプロテクタと配線用遮断器(ブレーカー)は何が違うのですか?

守る対象が違います。配線用遮断器は電気の使いすぎや短絡で生じる過大な電流から配線(電路)そのものを保護する機器です。一方サーキットプロテクタは、配線用遮断器では保護できない小容量の制御回路や電子機器を保護する機器で、制御盤内のPLC電源・センサー回路のような二次側の小容量回路を対象にしています。単に定格電流が小さい配線用遮断器、という関係ではありません。

制御盤の二次側にはなぜサーキットプロテクタが使われるのですか?

3つの理由があります。1つ目は定格電流の刻みの細かさで、0.05〜30Aの間に16種類もの定格が用意されている品種もあります。2つ目は省スペース性で、1極あたり幅17.5mmの薄形設計の品種もあります。3つ目はDC対応で、DC60Vまでの遮断容量を持ちPLCやセンサーが使うDC24V回路に正式対応する品種があります。制御盤内に何十点も並ぶ小容量回路を、限られたスペースで細かく保護するために最適化された機器だからです。

サーキットプロテクタでも短絡電流はきちんと遮断できますか?

使用するAC/DC・電圧での定格遮断容量と、設置点の推定短絡電流、上位保護機器との協調を照合します。小容量の負荷であることだけでは必要な遮断容量を小さく見積もれません。富士電機CP-Pの例ではAC240V・DC60Vで1,000Aと記載されていますが、シリーズ・型式や適用条件を混在させず、対象機器の仕様で確認してください。

配線用遮断器を小容量品に絞ってサーキットプロテクタの代わりに使えませんか?

推奨されません。配線用遮断器は定格電流の刻みが粗く、二次側の小さな負荷電流に対して過大な定格を選ばざるを得ない場合があり、本来トリップしてほしい微小な異常電流で動作しないおそれがあります。また物理的なサイズも制御盤内の実装密度に見合わないことが多く、DC回路への正式対応も限定的です。逆にサーキットプロテクタを主幹や動力回路に転用することも、定格遮断容量の不足につながるため避けるべきです。

サーキットプロテクタは配線用遮断器と国際的にも別の区分として扱われているのですか?

米国ではUL 489の分岐回路保護とUL 1077の補助保護を区別します。UL 1077の公開Scopeは、分岐回路の過電流保護が既に設けられているか不要な機器内での保護を対象とし、個別の機器や実使用条件による評価も必要としています。盤内外という場所だけで可否を分けず、必要な分岐回路保護を補助保護器だけで代用しないでください。


冒頭の制御盤に話を戻すと、あのときサイズが合わなかったのは、選び方が下手だったからではない。配線用遮断器という道具そのものが、そこで求められていた仕事のために作られていなかっただけだ。電路を守る機器と、盤内の小容量回路を守る機器は、名前の響きが似ているぶん同じ延長線上にあるように見えてしまうが、定格電流の刻み方も、遮断容量の桁も、内部の作りも、最初から別の仕事に向けて設計されている。次に制御盤の二次側で「サイズが合わない」「型番が出てこない」という壁にぶつかったときは、容量を探す前に、まずどちらの機器を探しているのかを確かめた方が早い。

見積もり依頼をする →

あわせて読みたい

関連するサーキットプロテクタ・配線用遮断器・違いの品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

よくある質問

サーキットプロテクタと配線用遮断器(ブレーカー)は何が違うのですか?

守る対象が違います。配線用遮断器は電気の使いすぎや短絡で生じる過大な電流から配線(電路)そのものを保護する機器です(Panasonicの解説による)。一方サーキットプロテクタは、富士電機の製品ページによれば「配線用遮断器では保護できない小容量の制御回路や電子機器を保護」する機器で、制御盤内のPLC電源・センサー回路のような二次側の小容量回路を対象にしています。単に定格電流が小さい配線用遮断器、という関係ではありません。

制御盤の二次側にはなぜサーキットプロテクタが使われるのですか?

3つの理由があります。1つ目は定格電流の刻みの細かさで、富士電機CP-E・CP-Vシリーズは0.05〜30Aの間に16種類もの定格を用意しています。2つ目は省スペース性で、CP30Fシリーズは1極あたり幅17.5mmの薄形設計です。3つ目はDC対応で、CP-PシリーズはDC60Vまでの遮断容量を持ち、PLCやセンサーが使うDC24V回路に正式対応しています。制御盤内に何十点も並ぶ小容量回路を、限られたスペースで細かく保護するために最適化された機器だからです。

サーキットプロテクタは配線用遮断器と国際的にも別の区分として扱われているのですか?

米国ではUL 489の分岐回路保護とUL 1077の補助保護を区別します。UL 1077の公開Scopeは、分岐回路の過電流保護が既に設けられているか不要な機器内での保護を対象とし、個別の機器や実使用条件による評価も必要としています。盤内外という場所だけで可否を分けず、必要な分岐回路保護を補助保護器だけで代用しないでください。

参考文献・出典

確認・変更の記録

出典照合日: (AIによる照合補助)

富士電機CP-P/CP-E・V/CP30F公式製品情報でシリーズ別定格を再確認。定格の刻みの誤記を最小0.05Aを含む16種類へ訂正。小容量負荷と短絡電流を分け、遮断容量は電圧・AC/DC・設置点の推定短絡電流・上位保護協調との照合が必要と明記。UL公式1077公開Scope 1.1・1.2へ出典を変更し、盤内外だけで可否を分ける説明を是正。

個別設備の適合判定・技術者による承認を示すものではありません。

型番不明でもOK

この記事の内容で、製品選定から相談できます

「サーキットプロテクタと配線用遮断器(ブレーカー)の違い|なぜ制御盤の二次側では小容量の専用機器が選ばれるのか」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

AIと状況を整理してから相談する

普段お使いのChatGPT・Gemini・Perplexity等に貼り付けられる質問文をコピーできます。 自分の状況を伝えて相談すると、最後に電材サーチへの見積依頼文もまとめてもらえます。