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高圧受電設備電気料金省エネ

デマンド監視装置とは何か|30分デマンド値が電気料金の基本料金を決める仕組みとピークカット制御の考え方

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

真夏の午後、空調をフル稼働させたまま、たまたま止まっていた設備が次々と立ち上がったことがあった。担当者は特に気にも留めなかった。ほんの30分ほどの重なりだったし、その後はいつもどおりの稼働に戻ったからだ。

ところが数か月後、電気料金の請求書を見て担当者は首をかしげることになる。使用量はいつもと変わらないのに、基本料金だけが以前より高い。しかもその高さは一度きりではなく、毎月の請求のたびに繰り返し出てくる。設備は元通り動いているのに、なぜ料金だけが高いままなのか。

高圧受電で実量制契約を結んでいる需要家であれば、この戸惑いにはかなり明快な理由がある。犯人は、あの午後にあった、たった30分間の電力使用のピークだ。

この記事でわかること

  • 実量制契約で、何が基本料金(契約電力)を決めているのか
  • 一度出したピークが、なぜすぐには消えず「後を引く」のか
  • デマンド監視装置とは何をする機器なのか、監視とコントローラーの違い
  • 30分が終わる前に、どうやって結果を予測しているのか
  • ピークカット制御を導入するときに整理しておくべき考え方

契約電力を決めているのは「今月」ではなく「直近1年間の最高記録」

高圧受電の契約には、主開閉器契約・負荷設備契約・実量契約という複数の方式があるが、契約電力500kW未満の需要家の多くは実量制で契約を結んでいる。ここでの基準になるのが、30分デマンド値だ。

30分デマンド値は、瞬間的な電力の大きさではない。J-Net21の解説によれば、30分最大需要電力計が30分ごとの電力使用量(kWh)を計測し、それを平均して算出した値がこれにあたる。瞬間的に大きな電流が流れても、30分間の平均としてならされれば数値は抑えられる。逆に、瞬間値がそれほど大きくなくても、複数の設備が重なって30分間ずっと高い状態が続けば、デマンド値はじわじわと上がっていく。

この30分デマンド値のうち、1か月間で最も大きかったものが「月間最大需要電力」になる。東京電力の解説では、当月の最大需要電力がそのまま契約電力となり、以降の月でそれを上回る当月最大需要電力が出れば、契約電力はその新しい値に更新されるとされている。つまり契約電力は、今月の使用状況だけを見て決まる数字ではなく、直近1年間に打ち立てられた「最高記録」を見て決まる数字である。

なぜ「後を引く」のか——消えたピークが請求書に残り続ける理由

冒頭の担当者が抱いた疑問——設備は元に戻っているのに、なぜ料金だけ高いままなのか——への答えは、J-Net21の解説の中に、かなり具体的な形で書かれている。契約電力500kW未満の需要家については「その月と過去11ヵ月の月次最大電力値の中で最も大きい値を契約電力とする」というルールがあり、これはつまり、1回でも大きな30分デマンド値が出れば、およそ1年間、そのデマンド値が契約電力として適用され続けることを意味する。greenoteの解説でも、一度記録した月間最大値は最大12か月間、契約電力に反映され続けるとされている。

真夏の午後にあった、あの30分間の重なりは、その日のうちに解消された。しかし記録としての数値は、直近1年間という枠の中に居座り続ける。翌月以降にどれだけ丁寧に電力を使っても、その1回の記録が「過去1年間の最大値」であり続ける限り、契約電力は下がらない。実量制契約というルールが持つ、この後を引く性質を理解していないと、「なぜ改善したはずなのに料金が下がらないのか」という次の疑問に行き着いてしまう。

デマンド監視装置とは何か——警報を出す機器と、自ら制御する機器

ここまでの話を踏まえると、次に検討したくなるのは「では、ピークをそもそも出さないようにするにはどうするか」だろう。その役割を担うのがデマンド監視装置だ。

関西電力の解説では、デマンド監視装置は24時間体制で電力使用状況を監視し、あらかじめ設定した目標値を超過する危険を察知するシステムとされている。目標値に近づくと、警報ランプやブザー、メールといった形で管理者に知らせる。パナソニックの「エマネージ」の解説を見ると、実際の仕組みはパルス検出ユニットで受電点の電力を計測し、目標値に従って警報機とメールで知らせるという構成になっており、警報が出たあとは「手動」で機器を止めるといった対応をとる運用が紹介されている(14kWの削減で月額約2万円の効果が出た例も示されている)。

一方で、警報を出すだけでなく、設定済みの機器を自らの判断で自動的に制御するタイプの機器もある。関西電力の解説はこれを「デマンドコントローラー」と呼び、監視装置との違いを、対応が人間による手動か、機器による自動かの差として整理している。大崎電気工業の製品ページでも、デマンド監視装置が最大需要電力を監視して警報で知らせるだけでなく、設備を自動で停止・復帰させる制御機能を備えていることが紹介されている。現場や製品カタログでは両者をまとめて「デマンド監視装置」と呼ぶことも多いため、警報どまりの機種なのか、自動制御まで踏み込む機種なのかは、導入前に仕様として確認しておく必要がある。

どうやって「30分間の結果」を、終わる前に知るのか

ここで一つ、素朴な疑問が残る。デマンド値は30分間の平均だとすれば、その30分が終わってみないと結果はわからないはずだ。それなのに、なぜ「超過が予測される」時点で警報を出せるのか。

答えは、30分の途中経過を利用する考え方にある。施工管理の教科書の解説によれば、電力量計にパルス出力を取り付け、デマンドコントローラがそのパルスをカウントすることで、電力使用量をリアルタイムに把握している。つまり、30分の区切りが始まってから現在までに、すでにどれだけの電力量を使ったかは、区切りの途中でも常にわかる状態にある。その途中経過をもとに、このままのペースで残り時間を使い続けたら30分間の平均はどうなるかを見積もり、目標値に近づいていれば、区切りが終わる前の段階で警報や制御を発動する——これが、デマンド監視装置が「終わる前に知る」ことができる理由だ。区切りの終盤になるほど、残り時間を使ってできる調整の余地は小さくなる。だからこそ、警報はできるだけ早い段階で出ることに意味がある。

ピークカット制御の考え方——優先順位という運用側の設計

自動制御タイプの機器がしきい値超過を予測したとき、実際に何を止めるのかは、機器が自分で決めているわけではない。施工管理の教科書の解説にあるとおり、デマンドコントローラーはあらかじめ決めておいた優先度に従って、負荷を順番に遮断していく。装置が担うのは「予測して、順番に実行する」という執行の部分であり、「何を、どの順番で、どこまで落としてよいか」という優先順位そのものは、導入側が事前に設計しておく判断事項だ。

この優先順位の組み方には、現場ごとの事情が色濃く出る。生産ラインへの影響が小さい休憩室の空調から始め、事務所の空調、それでも足りなければ一部の照明へと段階を広げ、サーバー室の空調や安全上必要な設備は制御の対象から外しておく、といった組み方が一般的とされる。逆に言えば、この優先順位の設計を誤ると、たとえば止めてはいけない設備まで対象に含めてしまったり、逆に影響の小さい設備しか対象にしなかったために、しきい値超過を防ぎきれないまま導入コストだけがかかったりする。ピークカットは、機器を据え付ければ自動的に成立する対策ではなく、優先順位という運用設計とセットで初めて機能する対策である。

導入を検討するときに整理しておきたいこと

まず確認すべきは、自社の契約方式だ。デマンド監視装置による基本料金対策としてのメリットが最も大きいのは、直近の使用実績が契約電力に反映される実量制契約の需要家である。主開閉器契約や負荷設備契約のように、過去の実績値を基準にしない契約方式では、デマンド値そのものが契約電力の算定に直接使われないため、期待できる効果の性質が変わってくる。

次に、警報どまりでよいのか、自動制御まで必要なのかの見極めがある。パナソニックのエマネージの例のように、警報を受けて担当者が手動で対応する運用でも、削減効果は十分に出せる。一方で、夜間や無人の時間帯にもピークが発生しうる現場では、人が気づいて対応するまでのタイムラグがそのままリスクになるため、自動制御タイプの検討価値が高まる。そのうえで、対象にする設備が遠隔からの停止・復帰指令に対応できる仕様かどうか、優先順位をどう組むかという運用設計を、機器選定と同時に詰めておく必要がある。

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「実量制契約になっているが、デマンド監視装置を入れるべきか判断したい」「盤内にパルス検出ユニットを組み込みたいので、対応する電材をまとめて確認してほしい」——電気工事店・設備管理担当者様からいただくご相談です。

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