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三菱電機MELSEC iQ-RシリーズPLCの型番はどう読むのか|R04CPUとR32CPUの数字が語らない処理速度の壁、R33BとR65Bを分ける一文字

読了目安: 11分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の改修現場で、外した基本ベースユニットのラベルに「R04CPU」、その隣のベースユニットに「R33B」とある。三菱電機のMELSEC iQ-Rシリーズだと聞かされて資料を開くと、CPUユニットにはR00CPUからR120CPUまで、ベースユニットにはR33BからR612Bまで、似た形の型番がずらりと並んでいる。数字はいったい何の大小を表しているのだろうか。

三菱電機の公式仕様ページを一つひとつ突き合わせると、CPUユニットの数字は思いのほか素直な規則の上にある。ところがその素直さの内側に、数字だけでは絶対に読み取れない段差が隠れていた。以下、公式資料に基づいてこの型番を分解していく。

型番の骨格——CPUユニットは「数字×10Kステップ」、ベースユニットは「基本か増設か+スロット数」

MELSEC iQ-RシリーズのCPUユニットの形名は、「R」+数字+「CPU」というごく単純な並びをしている。三菱電機FAサイトの各仕様ページを確認すると、R04CPUのプログラム容量は40Kステップ(160Kバイト)、R08CPUは80Kステップ(320Kバイト)、R16CPUは160Kステップ(640Kバイト)、R32CPUは320Kステップ(1280Kバイト)、R120CPUは1200Kステップ(4800Kバイト)と記載されている。並べてみればわかるとおり、型番中の数字を10倍すると、そのままプログラム容量のKステップ数になる。

ベースユニットの規則はCPUユニットとは別の軸を持つ。三菱電機FAサイトの「基本システム構成 ベースユニット/電源ユニット」ページによれば、基本ベースユニットはR33B(3スロット)・R35B(5スロット)・R38B(8スロット)・R312B(12スロット)と「R3」で始まり、増設ベースユニットはR65B(5スロット)・R68B(8スロット)・R612B(12スロット)と「R6」で始まる。頭の一文字がユニットの役割(基本か増設か)を、末尾の数字がスロット数を運んでいる。

「×10K」がきれいに成立するのはR04CPUから上だけ

型番の数字がそのままプログラム容量を10倍した値になる——この規則を知ると、次に目が行くのはラインアップの下端、R00CPU・R01CPU・R02CPUだ。同じ規則が当てはまるなら、R00CPUは0K、R01CPUは10Kになるはずである。

三菱電機のR00CPU仕様ページを見ると、プログラム容量は10Kステップ(40Kバイト)。0Kではない。R01CPU仕様ページはプログラム容量15Kステップ(60Kバイト)で、10Kでもない。唯一R02CPUだけが20Kステップ(80Kバイト)と、数字通りの値に一致している。R04CPU以降では例外なく成立していた「数字×10K」という規則が、下端の2機種でだけ崩れているということだ。

驚きのある発見——数字が1つ増えただけなのに、演算エンジンごと切り替わっている

数字のずれだけなら、単なる命名の慣習の違いで済む話かもしれない。だが三菱電機が2017年10月に発行した「汎用シーケンサ エントリーモデルCPUユニット」というカタログの裏表紙には、R00CPU・R01CPU・R02CPU・R04CPU(既存CPU)を並べた性能仕様表が載っている。この表を追うと、話はプログラム容量だけでは終わらない。

LD命令の処理時間は、R00CPUとR01CPUがどちらも31.36ns。プログラム容量が10Kと15Kで違う2機種が、演算速度に関してはまったく同じ数値を並べている。ところがR02CPUになると3.92nsに跳ね上がる。R01からR02への数字の変化はたった1だが、処理速度は約8倍。さらにR04CPU以降を見ると、R04・R08・R16・R32・R120のすべてが0.98nsで並んでいる。同じ資料のPC MIX値(1μsあたりの平均命令実行数、数値が大きいほど高速)でもR00・R01が19、R02が146、R04が419と、この2箇所で大きな段差がついている。

つまりMELSEC iQ-RシリーズのCPUユニットには、型番の数字の並びとは別に、3段階の演算エンジンの壁がある。R00・R01は遅いエンジンを共有し、R02だけが中間のエンジンを積み、R04からR120までは容量こそ40Kから1200Kまで30倍の開きがありながら、演算エンジンそのものは0.98nsで統一されている。型番の数字はプログラム容量というものさし一本で並んでいるように見えて、実際にはハードウェアの世代がその下にもう一本、別の切れ目を持っている。

それでいて、R00CPUとR01CPUが完全に同一の製品というわけでもない。同じカタログの表を見ると、SDメモリカードスロットの対応欄はR00CPUだけが「―」(非対応)で、R01CPU以降は「●」(対応)になっている。ファームウェアアップデート機能も同様に、R00CPUの欄だけが「―」だ。処理速度という一点ではR01CPUと肩を並べながら、周辺機能では最下位に据え置かれている——R00CPUは、この製品群の中でも独立した立ち位置にいる。

なぜこうなっているのか——エントリーモデルは後から追加された

なぜR00・R01・R02という3機種だけが、この段差の中に押し込められているのか。三菱電機のエントリーモデルCPUユニットのカタログを読むと、この3機種は「MELSEC iQ-RシリーズにエントリーモデルCPUユニットが加わりました」という一文とともに、既存のR04CPU以降のラインアップに対する追加製品として案内されている。同カタログは、不揮発性メモリを内蔵してバックアップ用バッテリを不要にしたこと、MELSEC-Qシリーズでは複数ユニットが必要だったEthernet通信機能とデータロギング機能を1台のCPUユニットに統合したことを、エントリーモデルの主な価値として説明している。

ここから読み取れるのは、この3機種が「大規模なR04CPU以降のラインアップを単純に小さくした廉価版」ではなく、「小中規模の制御システム向けに、コストを抑えて別に企画された製品群」だったらしいということだ。ただし、なぜR00・R01が同じ遅いエンジンを共有し、R02だけがその中間に置かれたのかという設計判断の理由そのものは、今回参照した公式資料には明記されていない。この点は正直に、わからないとしておく。

ベースユニットの「R3=基本」「R6=増設」という頭の数字についても同様だ。三菱電機FAサイトの一覧表からは、基本ベースユニットが一貫して3、増設ベースユニットが一貫して6で始まるという規則性は明確に読み取れる。だが、なぜ3と6という数字が選ばれたのかを説明する記述は見当たらなかった。読み取れる範囲の事実と、読み取れない部分を分けて書いておく。

現場での実務的な注意点

制御盤の選定・見積りの場面では、この型番の性質が2つの落とし穴を作る。

一つ目は、CPUユニットの型番だけを見て処理速度まで比例的に判断してしまうことだ。R01CPUからR02CPUへの更新は、型番の数字上はプログラム容量が15Kから20Kへ小さく増えるだけに見える。だが実際には演算エンジンが切り替わり、処理速度が約8倍になる更新でもある。逆にR04CPUからR32CPUへの更新は、プログラム容量が8倍に増える大きな変更に見えて、演算エンジン自体の速度は据え置きだ。型番の数字の大小と、体感できる処理性能の向上幅は、常に一致するとは限らない。

二つ目は、ベースユニットの発注段階での取り違えだ。R35BとR65Bはどちらも5スロットだが、R35Bは基本ベースユニット、R65Bは増設ベースユニットで、役割がまったく異なる。制御盤の増設段だけを追加するつもりでR35Bを発注すると、CPUユニットや電源ユニットの装着位置を前提にした構成が二重にできてしまい、盤内のレイアウトが想定と食い違う。スロット数の一致だけで型番を選ばず、頭の数字が3か6かを必ず確認したい。

MELSEC iQ-RシリーズPLCの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、制御盤に残ったCPUユニット・ベースユニットの型番から、後継機種の確認、基本ベース/増設ベースの区別まで対応している。型番の一部が判読できない場合は、現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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