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電材基礎制御盤

日東工業の屋外用ステンレスキャビネットの型番はどう読むのか|SOR・SORBが示すフカサ・ヨコタテ寸法と片扉/両扉の境界

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

現場に着いて、屋外に置かれたステンレスの空き箱を見上げる。中身はこれから組み込む予定で、今はまだ扉だけが付いた「箱」の状態だ。銘板には「SOR20-108-2」とある。別の現場で見た箱には「SOR16-75-1」。どちらも人の背丈より少し低いくらいの、似たような大きさに見える。ところが片方は扉が真ん中から左右に開き、もう片方は片側だけしか開かない。末尾の「-2」と「-1」、この一文字違いが、扉の枚数を分けているらしいと当たりは付く。だが、なぜこの数字なのか、他の数字ではいけなかったのかは、現物を見比べただけではわからない。

日東工業の屋外用ステンレス制御盤キャビネット、SOR・SORBシリーズの品名記号を、公式価格表に基づいて分解する。

型番の骨格——フカサが先頭、ヨコとタテが後ろに続く

結論から言うと、SOR・SORBの品名記号は「頭文字+フカサ(奥行き)÷10+ハイフン+ヨコ÷100とタテ÷100を並べた数字」という構造をしている。SOR12-34であれば、フカサ120mm、ヨコ300mm、タテ400mm。公式価格表の寸法欄と突き合わせると、寸分違わずこの数字に一致する。

フカサの数字は12・16・20・25・30の5段階しかない。それぞれ120mm・160mm・200mm・250mm・300mmに対応し、10で割った値がそのまま頭文字の直後に置かれる。奥行きが浅い盤ほど数字が小さい、という直感通りの並びだ。

ハイフンの後ろは、ヨコとタテを100で割った数字を、ヨコ→タテの順に並べたものになる。SOR20-53はヨコ500・タテ300、SOR12-49はヨコ400・タテ900——価格表を何行たどっても、この規則から外れる品番は見当たらない。ヨコとタテのどちらが先に来るかを覚えておけば、盤の縦横比は品名記号だけでおおよそ推測できる。

分解——SORとSORBを分けるのは、本体の材質ではない

もう一つ、頭文字の直後に付くか付かないかで揺れる「B」がある。SORとSORB、この一文字だけを見ると、Bが「Box」の略で本体の違いを表すように思える。ところが公式仕様欄を確認すると、本体・扉の材質はSORもSORBもステンレスで同一、外側の塗装もライトベージュ塗装(5Y7/1)で共通している。違うのは、内部に機器を取り付けるための基板だけだ。SORは鉄製基板(2.3mm、クリーム塗装)、SORBは木製基板(15mm)。Bは箱の材質ではなく、中の板の材質を指す記号だった。

価格を確認すると、SOR12-34もSORB12-34も標準価格は同額の50,000円。質量だけがSORB側でわずかに軽い(8.1kgと7.3kg)。同じ外形の箱に、鉄板を張るか木板を張るかという選択肢が、価格を変えずに用意されている格好になる。

品名記号のヨコ・タテの数字は、そのまま外形寸法になるわけでもない。SOR12-34の寸法欄はヨコ300・タテ400だが、外形寸法欄を見るとタテは430mmと、公称値より30mm大きい。ヨコ側には別段の外形数値が示されていないので、屋根状の水切りが上に張り出す分だけ、タテ側にだけ余尺が乗っている、と読むのが妥当だろう。もう一つ、基板寸法欄はヨコ220・タテ320。公称のヨコ300・タテ400からそれぞれ80mmずつ小さい。この80mmという差は、SOR16-54(ヨコ500・タテ400、基板420・320)でもSOR20-53(ヨコ500・タテ300、基板420・220)でも変わらない。フカサや扉形式が違っても、公称寸法から基板寸法を引くと必ず80mmになる。現場で機器のレイアウトを組む際は、この80mmを差し引いた寸法を実装可能領域の目安として使える。

驚きのある発見——900という数字だけが存在しない

ここまでは素直な10進変換の話だった。ところが公式価格表に載っている品番をヨコの寸法コード順に並べていくと、途中で規則が崩れる。

ヨコの寸法コード実寸扉形式枝番
3・4・5・6300〜600mm片扉なし
7・8700・800mm片扉-1
10・121,000・1,200mm両扉-2

見ての通り、ヨコの寸法コードには「9」、つまりヨコ900mmという選択肢がまるごと存在しない。タテの寸法コードには900mm(SOR12-49のタテなど)がふつうに出てくるので、900という数字自体が忌避されているわけではない。存在しないのはヨコの900mmだけだ。ヨコが800mmから1,000mmへ、200mm刻みを飛び越えて跳んでいる。

もう一つ気づくのは、枝番の意味だ。「-1」は片扉のまま、「-2」は扉形式の欄に「両扉」と明記される。つまりこの枝番は単なる型式改訂の通し番号ではなく、扉が1枚か2枚かという構造そのものの切り替わりに対応している。SOR20-108-2の扉形式欄には確かに「両扉」とあり、SOR16-75-1の欄には「片扉」とある。現物を見比べたときに感じた違和感は、この一文字にそのまま裏付けを持っていたことになる。

なぜそうなっているのか——推測できる理由と、資料が答えない部分

ヨコ700〜800mmで枝番「-1」が付き始める理由は、ある程度推測がつく。有効フカサの欄を見ると、フカサ200mmの品番では、ヨコ300〜600mm帯の有効フカサが183mm、ヨコ700mm以上の帯では176mmと、わずかに数字が変わる。ヨコ幅が広がるにつれて扉やパッキンの取り回しが変わり、内部の有効寸法にも影響が出る——その仕様上の区切りとして、ある時点で番号を分けた、という見方は成り立つ。

ヨコ1,000mm以上で両扉に切り替わる理由は、もっと単純に説明がつく。片扉のまま1,000mmを超える扉を作ると、蝶番側にかかる荷重も、開閉に必要な手前のスペースも現実的でなくなる。屋外の限られた設置面積で、片側に大きく開く扉を確保するより、中央から左右に開く両扉のほうが施工性がよい。この判断自体は妥当に思える。

ただし、なぜヨコ900mmという中間の寸法がまるごと省かれているのか、そしてなぜ枝番として「-1」「-2」というこの数字を選んだのかは、公式資料のどこにも説明がない。800mmまでを片扉、1,000mmからを両扉と決めた時点で、900mmという寸法帯を作る需要がなかったのか、それとも構造上900mm幅では片扉・両扉のどちらの設計にも収まりが悪かったのか——ここから先は価格表を読むだけではわからない。

現場での実務的な注意点

見積書や銘板に書かれた品名記号から現物の姿を思い浮かべるとき、まず扉形式に注目する必要がある。ヨコの寸法コードが「10」以上(枝番「-2」)であれば両扉、それより小さければ枝番の有無にかかわらず片扉、という対応関係は価格表全体で一貫している。設置スペースを検討する段階でこの対応を誤ると、片扉前提で確保していた開閉スペースに両扉の盤が届き、扉が壁や隣接設備に干渉するという事態になりかねない。

もう一点、有効フカサの数値をそのまま機器の実装スペースとして使わないことも重要だ。公式資料には「有効フカサはハンドル部などにより減少する」「両扉の合わせ部の有効フカサは、記載の有効フカサより43mm差し引いた寸法になる」という注記がある。カタログ値の有効フカサぎりぎりで機器レイアウトを組むと、ハンドル裏や扉の合わせ部にあたる位置だけ、実際には収まらないという事態が起こり得る。両扉品番を選ぶときは特に、この43mmの目減りを見込んだ上で内部レイアウトを検討したい。

設置環境そのものについても、一つ確認しておきたい数字がある。SOR・SORBのIP規格はIP44。防塵等級4(直径1mm以上の固体の侵入を防止)と防水等級4(あらゆる方向からの飛沫に対する保護)の組み合わせで、水切り・防塵防水パッキン付という構造がこの等級を支えている。ただしIP44はあくまで塵と水に対する等級であって、塩分に対する等級ではない。沿岸部など重塩害が想定される地域に設置する場合は、IP44という数字だけで判断せず、別途、耐塩仕様の要否を確認したほうがよい。

なお、日東工業には型番の似た製品として、電線管・ケーブルの接続分岐点に設置するプルボックス(PBシリーズ)や、屋内向けの窓付自立制御盤キャビネット(EM-Aシリーズ)もある。どちらもSOR・SORBとは設置場所・用途が異なる別製品なので、屋外の完成された空き箱を探している場面で取り違えないようにしたい。

冒頭のSOR20-108-2とSOR16-75-1に戻る。前者はヨコ1,000mm・両扉、後者はヨコ700mm・片扉——現物を見比べただけで気づいた扉の違いは、品名記号のヨコの寸法コードと枝番を読めば、発注前の見積書の段階で判別できたことになる。逆に言えば、この読み方を知らないまま品名記号だけで発注すると、設置スペースの図面を引いた後になって、扉の開き方が想定と違っていたと気づく場面も起こり得る。

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