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オムロンのロータリエンコーダE6B2-Cの型番はどう読むのか|「2」の正体と、φ40からφ50まで一字一句変わらない出力コード「WZ6C」

読了目安: 11分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の脇、コンベアの回転軸に付いたロータリエンコーダを一つ外す。刻印には「形E6B2-CWZ6C」。予備品の棚を探すと、似たような箱に「形E6B2-CWZ5B」と書かれたものが出てくる。末尾の「6C」と「5B」、たった二文字の違いだ。同じ出力ケーブル、同じ本体サイズに見える。差し替えても動くだろうか。

そう判断したくなる気持ちは分かる。だが、この二文字は出力方式と電源電圧の両方を背負っている。見た目の近さで判断すると、あとで配線をやり直す羽目になりかねない。

オムロンの汎用インクリメンタル形ロータリエンコーダ「形E6B2-C」は、公式サイトの形式一覧・定格表に、電源電圧・出力形式・分解能ごとの型番が整理されている。今回はこの一次資料を軸に、外径違いの兄弟シリーズ(E6A2-C、E6C2-C)とも突き合わせながら型番を分解する。

型番の骨格——8つの区画に分かれている

「形E6B2-CWZ6C」を、公式サイトの形式一覧・定格表・機能仕様一覧セレクションに沿って区切ると、次のようになる。

区画記号意味
E6ロータリエンコーダの製品群共通コード(E6A・E6B・E6C・E6D・E6F・E6Hがすべてこの帯に属する)
B本体サイズ・形状のシリーズ記号(A=φ25、B=φ40、C=φ50、D=φ55、F=φ60、H=中空軸φ40)
2このBシリーズの世代を表すとみられる数字(詳細は後述)
-Cケース仕様を表す記号(A2・B2・C2の各シリーズで共通して使われている)
W出力相の構成の一部(A相・B相の2相を含む)
ZZ相(原点相)を追加していることを示す
6電源電圧のクラス(1=DC5V、3=DC5~12V、5=DC12~24V、6=DC5~24V)
C出力回路の方式(C=NPNオープンコレクタ、B=PNPオープンコレクタ、E=電圧出力、X=ラインドライバ出力)

末尾には別途、コード長を示す「0.5M」「2M」が続く。公式サイトの形式一覧には「形E6B2-CWZ6C (分解能) 0.5M」「例:形E6B2-CWZ6C 10P/R 0.5M」という表記があり、分解能とコード長は型番とセットで指定する仕様になっている。

分解してみる——同じ「WZ」でも兄弟シリーズでは崩れる

⑤⑥の「WZ」を、外径φ25のE6A2-Cシリーズの形式一覧と比べてみる。すると、E6B2-Cでは見えなかった規則が浮かび上がる。

E6A2-Cの形式一覧には、次の3段階が並んでいる。

  • 形E6A2-CWZ3E(A相、B相、Z相)
  • 形E6A2-CW3E(A相、B相)
  • 形E6A2-CS3E(A相のみ)

「WZ」はA相・B相・Z相の3相、無印の「W」はA相・B相の2相(Z相なし)、「S」はA相のみの1相を表している。E6B2-Cの現行ラインアップはCWZ6C・CWZ5B・CWZ3E・CWZ1Xの4種類しかなく、すべて「WZ」で統一されているため、この区画は事実上固定に見える。だがE6A2-Cまで視野を広げると、出力相の構成そのものが型番に組み込まれた可変の区画だったと分かる。

もう一つ、⑦⑧の「6C」「5B」「3E」「1X」を、外径φ50のE6C2-Cの形式一覧と突き合わせてみる。E6C2-Cの形式一覧に並ぶのは、形E6C2-CWZ6C・形E6C2-CWZ5B・形E6C2-CWZ3E・形E6C2-CWZ1X。数字とアルファベットの並びは、E6B2-Cとまったく同じだ。コード長の標準値だけが0.5Mから2Mに変わっている。

驚きの発見——「C」が二回出てくる、そして5Bだけ分解能が細くない

型番を横に並べて眺めると、二つの気づきに突き当たる。

一つめは、「C」という文字が型番の中に二回現れることだ。「E6B2-CWZ6C」——ハイフンの直後のCはケース仕様の記号、末尾のCはNPNオープンコレクタ出力を示す記号で、この二つは互いに無関係な区画にある。同じ文字が離れた位置で別の役割を担っている点は、他の型番でも起こりうる罠であり、この製品でも例外ではなかった。

二つめは、定格表を突き合わせて初めて気づく分解能の非対称だ。E6B2-Cの定格/性能表によれば、CWZ6C(NPN)・CWZ3E(電圧出力)・CWZ1X(ラインドライバ)は10P/Rという細かい分解能から選べる。ところがCWZ5B(PNP)だけは、最小でも100P/Rからしか用意されていない。同じ本体サイズ、同じ出力相構成でありながら、PNPを選んだ瞬間に低分解能側の選択肢が消える。カタログの表を横に読まない限り気づきにくい制約だ。

なぜこうなっているのか

「2」という数字の由来は、今回参照した公式資料のどこにも明記されていなかった。確認できた事実は、無印の「形E6B」というロータリエンコーダが公式サイトに掲載されており、1993年09月に受注終了していること、そして現行品は「形E6B2-C」という別の型番で案内されていることだけだ。無印E6Bの後継として2という数字が振られたのだろう、と推測したくなるが、それを裏づける記述は見つからなかった。ここは推測にとどめ、断定はしない。

一方、⑦⑧の出力コード(6C・5B・3E・1X)がE6B2-CとE6C2-Cで一字も変わらず共通している事実は、単なる偶然とは考えにくい。少なくとも、出力回路の設計をシリーズ間で使い回している、あるいは型番の付け方自体を標準化しているだろうという見立ては成り立つ。ただしこれも、公式資料が「なぜ共通化したか」を説明しているわけではなく、表を突き合わせて確認できた結果からの推測にすぎない。

現場での実務的な注意点

型番を分解できても、それだけで交換作業が終わるわけではない。

一つめは、コード長の延長制限だ。オムロン公式サイトの「ご使用の前に」には、取りつけ時の注意として「コードを延長される場合は、2m以下でご使用ください。それ以上に延長される場合はラインドライバ出力タイプをご使用ください。(最大延長100m)」と明記されている。老朽化した設備でコードが届かず延長したい場合、NPN・PNP・電圧出力の3タイプのままでは想定外の使い方になり、ラインドライバ出力(1X)への選定変更が必要になる。

二つめは、誤配線のリスクだ。公式カタログ(Cat. No. Q085-E1-03A)の結線表によれば、端子の線色は茶=電源(+Vcc)、黒=出力A相、白=出力B相、橙=出力Z相、青=0V(COMMON)と定められている。同カタログの「Precautions for Safe Use」は誤配線が内部回路を破損させうると明記し、公式サイトの安全上の要点も「電源の極性など誤配線をしないでください。破裂したり、焼損する恐れがあります」と警告している。色分けを確認せずに結線すると、交換したその場でエンコーダを壊しかねない。

三つめは、電源投入・しゃ断時のシーケンスだ。使用上の注意には「電源投入時、しゃ断時に誤パルスが発生する場合がありますので、後続の機種は電源の投入より0.1秒後、しゃ断より0.1秒前でご使用ください」とある。エンコーダ単体を交換しても、後続のカウンタ側の電源投入タイミングまで合わせておかないと、原点位置がずれたまま運転を始めてしまう。

四つめは、PNP(5B)への安易な置き換えだ。前述のとおりCWZ5Bは分解能100P/Rからしか選べない。老朽設備が10P/RのNPNタイプで動いていた場合、出力形式をPNPに揃えたいという理由だけで5Bに置き換えると、同じ分解能の品が存在しない。

オムロン製E6B2-Cの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社では、現物に残った形E6B2-CWZ6C・形E6B2-CWZ5Bといった型番の分解から、出力形式・電源電圧・分解能の確認、後継品の照合までのご相談を見積フォームで受け付けている。刻印が読み取りにくい場合は、現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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よくある質問

形E6B2-CWZ6Cと形E6B2-CWZ5Bは何が違いますか?

出力形式と対応する電源電圧が違います。CWZ6CはNPNオープンコレクタ出力でDC5~24V対応、CWZ5BはPNPオープンコレクタ出力でDC12~24V対応です。さらに公式サイトの形式一覧を見ると、選べる分解能の範囲も違い、CWZ6Cは10P/Rから選べるのに対し、CWZ5Bは100P/Rが最小です。出力形式だけでなく分解能のラインアップごと変わるため、単純な出力方式の入れ替えでは済まない場合があります。

型番の中の「2」はどういう意味ですか?

確定的な説明は見当たりませんでした。ただし事実として、無印の「形E6B」というロータリエンコーダが公式サイトに掲載されており、1993年09月に受注終了しています。現行品は「形E6B2-C」で、無印E6Bとは別物として案内されています。「2」が世代を表す数字なのか、別の理由によるものかは公式資料に明記がなく、確実なことは分かりません。

「WZ」という文字はいつも同じ意味ですか?

E6B2-Cの現行ラインアップはすべて「WZ」(A相・B相・Z相の3相出力)で統一されています。ただし外径φ25のE6A2-Cシリーズまで確認範囲を広げると、無印の「W」(A相・B相の2相、Z相なし)や「S」(A相のみの1相)という形式も実在します。E6B2-Cという型番だけを見ていると、WZが唯一の選択肢に見えてしまいますが、シリーズによっては出力相の構成そのものが型番に組み込まれています。

末尾の「6C」「5B」「3E」「1X」はどういう規則ですか?

数字が電源電圧のクラス、アルファベットが出力回路の方式を表しているとみられます。数字は1=DC5V、3=DC5~12V、5=DC12~24V、6=DC5~24Vに、アルファベットはC=NPNオープンコレクタ出力、B=PNPオープンコレクタ出力、E=電圧出力、X=ラインドライバ出力に対応しています。この4文字の組み合わせは、外径φ40のE6B2-Cと外径φ50のE6C2-Cとで一字も変わらず共通しており、シリーズをまたいで使われている規則だと確認できます。

コードを延長したい場合、型番を変える必要がありますか?

はい。オムロン公式サイトの「ご使用の前に」には「コードを延長される場合は、2m以下でご使用ください。それ以上に延長される場合はラインドライバ出力タイプをご使用ください。(最大延長100m)」と明記されています。NPN・PNP・電圧出力の3タイプ(6C・5B・3E)は2m超の延長を前提にしておらず、それ以上の距離が必要な設備ではラインドライバ出力の1Xタイプへ選定し直す必要があります。

参考文献・出典

型番不明でもOK

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