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オムロンのG2Rリレーの型番はどう読むのか|G2R-2とG2R-1-SNDを分ける「-S」の有無と、二つの型式基準の規則

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の予備部品箱を漁っていると、同じ「G2R」で始まる型番が二つ、並んで出てくることがある。一方は「G2R-2」。ハイフンのあとに数字が一つ続くだけで、あとは何もない。もう一方は「G2R-1-SND」。ハイフンを二回挟み、英字が三つも連なっている。オムロンのMYリレーの型番を読み解いたことがある人なら、ここで一つの仮説を立てるはずだ。同じメーカーの同じリレー系列なのだから、G2R-2もG2R-1-SNDも、根っこは同じ規則の上に乗っているに違いない、と。

ところが、この仮説はオムロン自身が公開している資料の時点で崩れる。G2R-2とG2R-1-SNDは、そもそも別々の形式基準表の上で作られた型番なのだ。

「G2R」は一つの型式基準ではなく、二つの型式基準を抱えている

オムロンが公開しているG2Rシリーズのデータシートは、実は2種類ある。ひとつは「形G2R パワーリレー」(プリント基板用端子形)、もうひとつは「G2R-□-S ミニパワーリレー プラグイン端子タイプ」だ。それぞれが独立した「形式基準」の図を持っている。

プリント基板用端子形の形式基準は「形G2R①②-③④⑤-⑥⑦」という並びで、G2R-2やG2R-1Aはここに属する。一方のプラグイン端子形は「形G2R-□-S□□□ □」という別の並びで、G2R-1-SNDやG2R-2-SNI(S)はこちら側に属する。見た目こそ同じ「G2R」を頭に持つが、①から⑦までの位置が何を意味するかは、この二つの表でまったく別物になっている。電材商社の棚で両者が隣り合うのは偶然ではない——同じ小形パワーリレーという役割を、基板に直付けするか、ソケットに挿して抜き差しできるようにするかで、メーカーが最初から型番の設計図を分けていたからだ。

どちらに属するかを見分けるのは難しくない。型番の頭、極数を表す数字のすぐあとに「-S」が続いていればプラグイン端子形、続いていなければプリント基板用端子形だ。この一文字の有無が、この先すべての記号の読み方を決める分岐点になる。

プリント基板用端子形——「無表示」が既定値になっている型番

まずはハイフンを持たないG2R-2の系統から見ていく。オムロン公式データシート「形G2R パワーリレー」の形式基準表によれば、この系統は①リレーの機能、②接点極数、③接点構成、④接点接触機構、⑤保護構造、⑥端子形状、⑦形状・取りつけ構造・特殊機能という7つの位置で構成されている。

面白いのは、7つの位置のうち5つまでが「無表示」を既定値として持っている点だ。①は無表示なら標準リレー、Kが付けば2巻線ラッチング形(通電しなくても接点状態を保持する機構)。③は無表示ならc接点(切替接点)、Aが付けばa接点(メーク接点のみ)。④は無表示ならシングル接点、Zが付けばツイン接点。⑤は無表示なら耐フラックス形、4が付けばプラスチック・シール形。⑥は無表示ならプリント基板用端子、Tが付けばタブ端子。この系統の型番が短く見えるのは、実装が省略されているからではなく、標準仕様がそもそも「何も書かない」という記号で表現されているからだ。G2R-2という4文字だけの型番は、①〜⑦のうち②(2極)以外がすべて無表示——つまりすべて標準仕様だと申告している、ということになる。

対してG2R-2Aは③にAが入り、a接点仕様だと分かる。データシートの構成表を見ると、実際にG2R-1・G2R-1A・G2R-1A4・G2R-14・G2R-1AZ・G2R-1Z・G2R-1A-E・G2R-1-E・G2RK-1A・G2RK-1・G2R-1A-T・G2R-1-T・G2R-1A-Z・G2R-1-Z・G2R-1A4-U・G2R-14-Uといった型番が、この①〜⑦の組み合わせとしてそれぞれ実在の品番一覧に並んでいる。

同じ「Z」が、位置ひとつで別のリレーを指す

ここに、うっかり読み違えると危険な罠がある。データシートの構成表には「形G2R-1Z」と「形G2R-1-Z」という、一文字違いどころかハイフンの有無しか違わない二つの型番が、別々の分類として載っている。

形G2R-1Zは、④接点接触機構の位置にZが入った「ツイン接点形」だ。接点を二重化して接触信頼性を高めたタイプで、実装上は③④⑤の並びの中に直接くっついている(ハイフンを挟まない)。一方の形G2R-1-Zは、⑦形状・取りつけ構造・特殊機能の位置にZが入った「全波整流対応形」で、こちらは⑥⑦のブロックとして二つ目のハイフンの先に置かれる。ツイン接点と全波整流対応は機能としてまったく関係がないのに、記号だけを見ればどちらも「Z」だ。区別しているのは、Zの前にハイフンがあるかどうか、それだけである。型番を現物と照合するとき、この一文字の位置を読み飛ばすと、まったく別の仕様のリレーを注文しかねない。

プラグイン端子形——「-S」のあとに積み上がる記号

続いて、G2R-1-SNDが属するもう一方の系統を見る。オムロン公式FAQ(FAQ02791)と、プラグイン端子タイプの公式データシートによれば、この系統の形式基準は「形G2R-□-S□□□ □」——①接点極数、②端子形状(Sで固定、プラグイン端子であることを示す)、③形状・取りつけ構造・特殊機能、④ラッチングレバー、⑤定格電圧、⑥メカニカルインジケータの並びだ。

③の位置は無表示なら基準形、Nが付けば動作表示灯内蔵形(FAQによればACコイルは赤色、DCコイルは緑色に点灯する)、Dが付けばコイルサージ吸収用ダイオード内蔵形、そしてN・D両方を持つ場合はNDとそのまま連結される。ここはMYリレーの型番と読み比べると分かりやすい対照がある。MYシリーズでは動作表示灯とダイオードを両方持つ型番が「D2」という専用記号に変わったが、G2Rの場合はそうした特殊な合成記号を使わず、NとDを並べるだけの単純な連結で済ませている。同じオムロンのリレーでも、記号の設計思想がシリーズによって違う、という事実がここに表れている。

もうひとつ、公式の形式一覧を見渡して気づくことがある。MYシリーズにあった「CR回路内蔵形」(ACコイル専用のコイルサージ対策)に相当する記号が、G2Rのプラグイン端子形の型式一覧には見当たらない。G2Rのダイオード内蔵形(D・ND)はいずれもDC専用のコイル電圧としてしか用意されておらず、AC用のサージ対策バリエーションという枠自体が公式資料の中に存在しないのだ。

④のラッチングレバー(I)は、コイルに電圧をかけないまま接点を強制的に動作させる機構で、FAQ05376によればレバーを1段スライドしてボタンを押すモーメンタリ動作と、2段までスライドして接点をロックするモード2の2段階操作ができる。そして⑥に置かれる(S)は、このラッチングレバーとセットで使われる「メカニカルインジケータ付き」を示す記号だ。実際の型番では、この(S)は⑤の定格電圧のさらに後ろに置かれる。つまりG2R-1-SNI(S)という基準形は、実物になると「G2R-1-SNI DC24(S)」のように、電圧の指定が(S)の手前に割り込む形で完成する。型番の枠組みを先に覚えておかないと、どこに電圧を挿入すればいいのか分からなくなる書き方だ。

極数が変えているのは、回路の数だけではない

G2Rの1極と2極の違いは、切り替えられる回路の数だけにとどまらない。FAQ05376に載っている接点定格表を見ると、ラッチングレバー付きの基準形で、G2R-1-SNI(S)(1極・1c接点)はAC250V10A/DC30V10A、G2R-2-SNI(S)(2極・2c接点)はAC250V5A/DC30V5Aとなっている。極数が増えるほど、1接点あたりに許容される電流は下がる。1極10A・2極5Aという対応は、プラグイン端子形・プリント基板用端子形のどちらのデータシートにも共通して現れる、G2R全体を貫く設計上のトレードオフだ。制御盤の更新で「G2R-1をG2R-2に替えて回路を増やそう」と考えるときは、極数だけでなく、この電流容量の下がり方まで確認しておく必要がある。

型番だけでは決まらないもの

ここまでの規則を積み上げれば、G2R-2もG2R-1-SNDも、それぞれが属する形式基準に沿って読み解けるようになる。ただし、記号の意味が分かることと、その組み合わせが実在することは別の話だ。

プラグイン端子形の種類・標準価格表を見ると、ラッチングレバー付き(NI(S)・NDI(S))の機種は、コイル電圧がAC100/(110)V・AC200/(220)V・DC12V・DC24Vという限られた範囲にしか用意されていない。基準形やダイオード内蔵形が備えるDC5V・DC6V・DC48V・DC100Vといった電圧は、ラッチングレバー付きの選択肢からは外れる。動作表示灯(N)やラッチングレバー(I)そのものも、プリント基板用端子形の型式一覧には登場しない——これらはプラグイン端子形だけの機能だ。基板に直付けするG2R-1やG2R-2に、通電確認用のLEDや点検レバーを求めることはできない。

そしてFAQ02780が示すとおり、プラグイン端子形はソケットが別売りで、表面接続ソケットと裏面接続ソケットで系統が分かれる。プリント基板用端子形はそもそもソケットを使わず、基板や端子への直接配線が前提になる。型番を分解して読めるようになった先で、最後にもう一段、実装方式そのものが現物と合っているかの確認が必要になる場面は残る。

オムロン製G2Rリレーの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、現物に残ったG2R-2・G2R-1-SND等の型番の分解から、プリント基板用端子形とプラグイン端子形の判別、コイル電圧・ラッチングレバー有無の確認、ソケットとの組み合わせ照合、後継品の照合までのご相談を見積フォームで受け付けている。型番の一部が判読できない場合は、現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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よくある質問

オムロンのG2R-2とG2R-1-SNDは、同じ型番の読み方でいいのですか?

いいえ、違います。オムロン公式データシートによれば、G2Rシリーズには「プリント基板用端子形」(形G2R①②-③④⑤-⑥⑦という形式基準)と「プラグイン端子形」(形G2R-□-S□□□ □という形式基準)という別々の型式基準が存在します。G2R-2はハイフンを含まない前者、G2R-1-SNDは「-S」を含む後者に属し、記号の並び方も意味も別物です。

G2R-1AとG2R-1の違いは何ですか?

接点構成の違いです。オムロン公式データシートの形式基準(プリント基板用端子形)によれば、③の位置にAが入ればa接点(メーク接点のみ)、無表示ならc接点(切替接点)を表します。G2R-1Aはa接点、G2R-1はc接点という、同じ1極でも内部構造が異なるリレーです。

G2R-1ZとG2R-1-Zは同じものですか?

違います。オムロン公式データシートによれば、ハイフンなしで直接続く「Z」(形式基準の④接点接触機構)はツイン接点を表し、ハイフンを挟んで独立して置かれる「Z」(⑦形状・取りつけ構造・特殊機能)は全波整流対応形を表します。同じアルファベット一文字でも、ハイフンの有無と型番中の位置によって指している仕様がまったく別物になります。

G2R-1-SNDの「N」と「D」は、それぞれ何を表しますか?

オムロン公式FAQ(FAQ02791)によれば、Nは動作表示灯内蔵形(ACコイルは赤色、DCコイルは緑色に点灯)、Dはコイルサージ吸収用ダイオード内蔵形です。両方を持つ場合はMYシリーズのD2のような専用記号には変わらず、単純にNDと連結して表記します。

G2R-1-SNI(S)のような型番に付く「(S)」は何を表していますか?

オムロン公式データシート(プラグイン端子タイプ)の形式基準によれば、末尾の(S)はメカニカルインジケータ付きであることを表す記号で、④のラッチングレバー(I)とセットで使われます。実際の形式では定格電圧の指定がこの(S)の直前に入り、例えばG2R-1-SNI DC24(S)のように書かれます。

参考文献・出典

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