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指月電機の低圧進相コンデンサ(N2形・E形)の型番はどう読むのか|FF・FEとTL/TX/SX、KEとJの分かれ目

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の更新工事で外した予備品の箱から、進相コンデンサが2台出てきたとする。片方には「FF2075TL」、もう片方には「FE2300KE」という型式が印字されている。どちらも指月電機製作所の低圧進相コンデンサだと聞かされているが、頭のFFとFEからして違う。数字の並びも、TLとKEという末尾も、共通点があるようには見えない。

三菱電機や富士電機の型式解読記事を読み慣れた担当者なら、ここでいったん「電圧・容量・端子形状の組み合わせだろう」と見当を付けるはずだ。実際、その見当はそう遠くない。ただし指月電機の公式PDFカタログを開いて確かめようとすると、一つ拍子抜けする事実にぶつかる。型番の構成を図解した凡例——「FF+電圧コード+容量+端子記号」のような分解図——が、このカタログには存在しないのだ。

代わりにあるのは、品番と仕様をひたすら並べた「定格寸法表」だけである。以下は、この表の各行を実際に品番と仕様で突き合わせることで浮かび上がってきた規則と、その規則が途中で静かに姿を変える境目についての記録になる。

FFとFEは、N2形・E形という別シリーズの頭文字

指月電機の公式カタログ(カタログNo. SJ-304-BC)の「2 低圧進相コンデンサ設備」章は、まず「N2形〈200V級〉・E形〈200V級・400V級〉」という見出しで両シリーズをまとめて紹介している。特長の欄はシリーズごとに分かれていて、N2形は「IEC35mmレール(DINレール)・JIS協約モジュール脚にワンタッチ取付ができる」「密着取付ができ、底面・背面ネジ止めも可能」「樹脂ケース使用のオイルレスで乾式、保安機構付き」という盤内組込み向けの特長が並ぶ。一方のE形は「低損失誘電体を採用」「150〜600μF品では、配線に便利な圧着端子台を採用」という、より大容量側を意識した特長になっている。

そして定格寸法表を見ると、この2シリーズの品番の頭文字は一貫している。N2形の品番はすべてFFで始まり、E形の品番はすべてFEで始まる。FFとFEというアルファベット自体が何の略なのかをカタログは説明していないが、少なくとも「どちらのシリーズに属する品番か」という一点については、頭2文字を見るだけで確実に判別できるということだ。

N2形(FF)の型番——電圧・容量はそのまま、末尾2文字が相数と端子形状

N2形の定格寸法表を1行ずつ見ていくと、電圧と静電容量の部分はかなり素直だとわかる。FF2010TLからFF2100TLまでの8品番はすべて回路電圧200Vで統一されていて、型番の「20」がその200Vに対応する。そのあとに続く2〜3桁の数字は、10・15・20・30・40・50・75・100という定格静電容量(μF)の値そのものだ。桁数を揃えるための0埋めもなく、75μFなら「75」、100μFなら「100」とそのままの数字が入る。

末尾の2文字は、相数と端子構造の組み合わせだと表から確認できる。定格寸法表の「端子構造区分」欄は「口出線付」「端子台付」の2種類に分かれており、口出線付のグループはすべてTL、端子台付のグループのうち三相品はTX、単相品はSXという末尾になっている。つまり1文字目のT・Sが三相・単相を、2文字目のL・Xが口出線・端子台を表しているという対応関係だ。念のため寸法まで突き合わせると、FF2010TL(口出線・三相)とFF2010TX(端子台・三相)は、定格静電容量10μF・寸法A=48mm/B=54.5mm・総質量320gまで完全に一致している。末尾の違いは中身の素子ではなく、配線をどう引き出すかという接続方式の違いにしか対応していない。

なお口出線付のタイプについては、カタログの外形寸法図の脚注に「口出線 3芯×2mm²、約350mm付」「電線は2方向(垂直、水平)接続可能(M4ネジ使用)」という具体的な仕様も記載されている。現場で口出線の太さや長さを確認したいときは、この脚注が根拠になる。

E形(FE)の型番——150〜600μFと700μF以上で、規則そのものが変わる

E形の定格寸法表は、一見するとN2形と同じ発想に見える。FE2150KEからFE2500KEまでは単相・三相両用、FE2600KEは三相専用で、静電容量は150・200・250・300・400・500・600μFと並ぶ。型番を見ると「2」のあとに150、200、300といった静電容量の数値がそのまま3桁で入り、末尾は全品番共通で「KE」だ。ここまではN2形と同じく、容量の数字を型番から素直に読み取れる。

ただし、この「KE」という末尾には落とし穴がある。N2形のTとSのように相数を区別する働きを持っていないのだ。FE2150KEからFE2500KEまでは単相でも三相でも使える両用品である一方、FE2600KEは三相専用に切り替わる。にもかかわらず末尾はどちらも同じKEのままで、型番の文字列だけを眺めていては相数の変化に気づけない。定格寸法表の「相数」欄を確認して初めて、600μFの品番だけが三相専用だとわかる作りになっている。

そして700μF以上になると、型番の組み立て方自体が変わる。FE200707J(700μF)、FE200757J(750μF)、FE200807J(800μF)、FE200907J(900μF)、FE200108J(1000μF)という5品番を見比べると、末尾の3桁は静電容量の値をそのまま書いたものではないとわかる。707、757、807、907、108という並びは、2桁の有効数字とそれに続く1桁の乗数(10のべき乗、単位はpF)を組み合わせた表記に読み替えると数値が合う。700μFはpF換算で7×10⁸pFであり、これを「70×10⁷」と表せば有効数字70・乗数7で「707」になる。同様に750μFは「75×10⁷」で757、800μFは「80×10⁷」で807、900μFは「90×10⁷」で907、そして1000μFは桁が一つ繰り上がって「10×10⁸」の108になる。末尾の記号もKEからJに変わっており、150〜600μFのグループとは別の書式が使われていることになる。

この境目は、型番の書き方だけの問題ではない。定格寸法表の「図」欄を見ると、150〜600μFの品番はすべて図3、700μF以上の品番はすべて図4に割り当てられており、外形寸法図を確認すると図3は圧着端子台(接続電線は最大22mm²、端子M6ネジ使用)、図4はM8ボルト端子・端子保護キャップ・締付トルク7±0.5N・mという、明らかに大型で頑丈な端子構造になっている。総質量も600μFの2.1kgから700μFの5.0kgへと、一段だけ大きく跳ね上がる。型番の規則が変わる場所と、実際にケースの大きさ・端子の作りが変わる場所が、きれいに一致しているというわけだ。

現場で間違えやすい点

ここまでの規則を並べてみると、指月電機の低圧進相コンデンサの型番には、少なくとも3種類の異なる書式が同居していることになる。N2形(FF)は電圧を「20」という2桁で表し、容量はそのままの数値、末尾2文字が相数と端子形状を示す。E形の150〜600μF(FE+KE)は電圧を「2」という1桁で表し、容量はそのままの数値、末尾は相数と無関係な固定の「KE」。E形の700μF以上(FE+J)は電圧を「200」という3桁で表し、容量は有効数字と乗数を組み合わせた符号、末尾は「J」。同じメーカーの同じ低圧進相コンデンサという括りの中に、電圧の桁数からして違う3通りの書式が混ざっている。

この状態で「型番の文字数を数えて機械的に分解する」というやり方は通用しない。FF2075TLとFE2300KEを並べて桁位置を揃えようとしても、そもそも電圧コードの桁数が違うのだから噛み合わない。型番から仕様を読み取りたいときは、まず頭2文字でFF(N2形)かFE(E形)かを見分け、さらにFEであれば末尾がKEかJかで容量の書式が変わることを踏まえたうえで、最終的には定格寸法表の該当行を見つけて仕様を確認する、という手順を踏む必要がある。

もう一つ、この記事で扱った9品番以外にも注意が要る。カタログには直列リアクトルL=6%接続用として、FF20BC010TX26やFF22BC010TX26のような品番も掲載されている。基本の型番の途中に「BC」が挿入され、末尾には「26」が追加されるという構成で、定格電圧も200V/213V、220V/234VとJIS規格の標準値から外れた組み合わせになっている。標準品の型番だけを基準にして「この文字数のはずだ」と決めてかかると、こうした特殊仕様品の型番を見たときに戸惑うことになる。

選定・見積もりでの注意点

型番が読めるようになっても、それだけで発注できるとは限らない。E形の150〜600μF品は接続電線が最大22mm²までの圧着端子台(M6ネジ)で済むのに対し、700μF以上のJ形品はM8ボルト端子・専用の締付トルク管理が必要になり、配線工事の準備が変わってくる。図面上は同じ「E形」でも、700μFを境に必要な工具や作業手順が変わるという点は、発注前に押さえておきたい。

また指月電機の公式カタログは、全品種が放電抵抗器内蔵形であり、印加電圧開放から3分後の残留電圧が75V以下になると明記している。感電防止の観点からは心強い仕様だが、これは新品の仕様であって、古い保安装置なし品や劣化した個体まで保証するものではない。予備品として長期保管されていた古い個体を再利用する場合は、この点も含めて確認したほうがよい。

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、こうした指月電機の低圧進相コンデンサ設備(N2形・E形)の品番照合から、代替品・後継品の検討までのご相談を見積フォームで受け付けている。現物の型式プレートの写真があれば照合が早い。

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よくある質問

型番の頭がFFとFEで、指月電機の公式カタログはこの2文字を何の略だと説明していますか?

説明していません。公式PDFカタログ(SJ-304-BC)の「2 低圧進相コンデンサ設備」章を通して読んでも、FFやFEというアルファベット自体を分解して解説した凡例図は見当たりませんでした。カタログが明言しているのは、FF始まりの品番はすべて「N2形」の特長(IEC35mmレール・DINレールへのワンタッチ取付、樹脂ケースのオイルレス乾式)の欄に、FE始まりの品番はすべて「E形」の特長(低損失誘電体、150〜600μF品の圧着端子台)の欄に並んでいる、という対応関係だけです。この記事の型番分解も、FF・FEというアルファベットそのものの由来ではなく、定格寸法表の品番と仕様を突き合わせて確認できた規則性として書いています。

FF2010TLとFF2010TXは、中身のコンデンサ素子も違うのですか?

違いません。指月電機の公式カタログの定格寸法表を見る限り、FF2010TL(口出線付・三相)とFF2010TX(端子台付・三相)は、定格静電容量10μF、寸法A=48mm・B=54.5mm、総質量320gまで、電気的な仕様と外形寸法がすべて一致しています。異なっているのは末尾のTLとTXの1文字目ではなく2文字目(LとX)で、これは配線の接続方式が口出線かねじ端子台かという違いにしか対応していません。つまり同じ10μFの素子に、どちらの接続方式のケースを組み合わせるかで型番の末尾が変わる、という関係です。

E形のFE2600KEだけ三相専用なのに、単相・三相両用のFE2150KE〜FE2500KEと同じKEという末尾なのはなぜですか?

公式カタログを見る限り、KEという末尾は相数を区別する記号ではないためです。N2形(FF)では末尾1文字目のTが三相・Sが単相という形で相数がそのまま型番に現れますが、E形(FE)の150〜600μFの品番はFE2150KEからFE2600KEまで、単相・三相両用か三相専用かに関わらずすべて「KE」で終わっています。定格寸法表の「相数」欄を見なければ、その品番が単相でも使えるのか三相専用なのかは型番の文字列だけからは判別できません。見積もりや代替品の選定では、型番だけでなく必ず相数の欄も確認する必要があります。

FE200807Jのような700μF以上の品番は、150〜600μFのFE2300KEなどと同じ規則で読めますか?

読めません。公式カタログの定格寸法表を突き合わせると、150〜600μFの品番は静電容量の数値(150、200、300など)がそのまま3桁で型番に現れ、末尾はKEで統一されています。ところが700μF以上になると、FE200707J(700μF)、FE200757J(750μF)、FE200807J(800μF)のように、静電容量が2桁の有効数字と1桁の乗数を組み合わせた表記に変わり、末尾もJになります。この境界は型番の書き方だけの違いではなく、外形寸法図でも600μFまでが図3・M6ネジの圧着端子台であるのに対し、700μF以上は図4・M8ボルト端子に変わり、総質量も2.1kgから5.0kgへ跳ね上がるという、実際の構造の境界と一致しています。

参考文献・出典

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