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現場のやらかしトラブルシューティング弱電・計装雷対策

【現場のやらかし】避雷器(SPD)を付けていたのに制御盤が全損!接地抵抗値の放置と劣化表示見落としの罠

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

本記事の事例は、安全啓発を目的として典型的な事象を再構成したものです。特定の現場・企業を指すものではありません。

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1. 現場のやらかしエピソード:落雷後に工場の精密加工機ラインが全停止

ある山間部にある精密金属加工工場。過去に落雷による基板破損を経験していたため、対策として大元の低圧配電盤および精密加工機の制御盤内に、雷サージ保護用として「SPD(避雷器・サージ防護デバイス)」を設置していた。

ある夏の日、工場のすぐ近くの鉄塔に激しい落雷が発生し、そこから誘導雷サージが生じました。 工場内は一瞬電圧降下を起こしたものの停電にはならなかったが、精密加工機のタッチパネル画面が突然消え、ラインが完全に沈黙してしまった。

盤内を確認すると、SPDは設置されていたものの、そのSPDの前面にある小さな表示窓が「赤色(故障・寿命)」に変わったまま放置されていた。 さらに、アース線を辿って接地極の「接地抵抗値」を測定したところ、規定のD種接地抵抗(100Ω以下)を大きく上回る「約450Ω」まで乾燥により上昇していた。

SPDの劣化見落としと、接地の機能不全が重なったことで、雷サージ電流がアースへ逃げ切れずに弱電マイコン基板へ逆流し、数千万円相当の基板が全損してしまったやらかし事例だ。


2. SPD機能不全による雷サージ逆流の物理的要因

SPDは、通常時は絶縁状態を保ち、雷サージ(急激な高電圧)が襲ってきた瞬間にだけ「スイッチをON」にして電流をアース(大地)へ迂回させるバイパス装置です。

graph TD
    A[近くの送電線等に落雷 ➔ 誘導雷サージが盤内へ侵入] --> B{SPDの劣化表示は?}
    B -- 1. すでに劣化寿命 赤色 表示 ➔ 動作せず --> C[雷サージが直接制御基板に到達 ➔ 基板全損]
    
    B -- 2. 正常動作 緑色 ➔ スイッチON --> D{アースの接地抵抗値は?}
    D -- 2-A. 接地抵抗が高い 100Ω超 --> E[雷電流が大地へ逃げ切れない]
    E --> F[行き場のない雷電流がアース線から基板へ逆流 ➔ 基板全損]
    
    D -- 2-B. 接地抵抗が低い 100Ω以下 --> G[雷電流がスムーズに大地へ放電]
    G --> H[制御基板は完全に保護され正常運転を維持]

① 接地抵抗(アース)の詰まり

SPDの動作は、アース(大地)の受け入れ能力に依存します。 アースの抵抗(接地抵抗)が高いと、オームの法則(V=IRV=IR)に従ってアース線に巨大な電位差が発生します。これにより、基板のグランド電位が跳ね上がり、信号線や電源線との間で強烈な逆電圧(逆サージ)が走り、繊細な半導体素子(IC、トランジスタ)が破壊されます。

② バリスタの「自己犠牲」寿命

SPDの内部にある電圧依存性抵抗素子(バリスタなど)は、雷サージを吸収するたびに少しずつ劣化し、最終的にはショートモードで破壊されるのを防ぐため、内部の温度ヒューズによって回路から自動的に切り離されます。 切り離された状態(インジケータが赤色)は、「避雷器が付いていないのと同じ状態」です。


3. 実務で守るべき正しい雷対策の3大ルール

工場のインフラや重要設備を守るためには、以下の保守基準を徹底する必要があります。

① 接地抵抗値の定期測定と「低減化」

SPDを接続するアースの接地抵抗値は、必ずD種接地(100Ω以下、遮断器動作が速い場合は500Ω以下)を維持します。抵抗値が高い砂地や山間部では、接地極(アース棒)を増設するか、「接地抵抗低減剤(マイオーム等)」を使用して確実に抵抗値を下げます。

② 定期的な外観目視チェック(インジケータ監視)

雷シーズン(夏・冬の落雷期)の前後に、盤内のSPDインジケータ(表示窓)が「緑(正常)」のままであるか必ず目視点検します。「赤(寿命)」になっている場合は、すぐに素子ブロックを新品に交換します。

③ 故障警報接点(アラーム)付SPDの採用

無人の変電所や、目視確認が難しい場所の盤には、故障時に接点信号を出力できる「警報接点付SPD」を採用します。この信号を監視システムに接続しておくことで、寿命を迎えた瞬間に管理室へアラートを送ることができます。


4. 雷サージ対策の安全セルフチェックリスト

  • 盤内に設置されているSPDの表示窓(インジケータ)はすべて緑色(正常)か?
  • SPDの接地アース線は、弱電信号線のシールドアースと適切に分離、または「等電位ボンディング(等電位化)」されているか?
  • 接地抵抗計(アーステスター)を用いて、SPDのアース端子から測定した抵抗値が100Ω以下を維持しているか?
  • 雷襲来後に、盤の動作確認およびSPDの外観点検をルーティンとして実施しているか?

5. 避雷器(SPD)・接地資材の調達は「電材サーチ」へ

「工場の雷対策改修用に、音羽電機工業(OTOWA)製やクラスII電源用SPD(警報接点付)を各種まとめ買いしたい」「接地抵抗を下げるためのアース棒や接地抵抗低減剤(ホクデン・マイオーム等)を急ぎで現場に送ってほしい」という電気主任技術者・工事会社様。

「電材サーチ」では、低圧・高圧用電源SPD、同軸通信用SPD、信号線用SPDから、各種アースクランプ、アース棒、接地抵抗計まで幅広く網羅。

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参考文献・出典

  • 電気設備の技術基準の解釈 第17条(D種接地工事の抵抗値基準)

この内容は、第二種電気工事士ではこう問われる

SPDが効くかどうかは接地の質で決まります。試験ではその手前の「どの機器にどの種別の接地が要るか」が問われます。省略できる条件まで押さえておくと、現場で接地を省いてよい場面の判断が速くなります。

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