SPDを設置していても、雷サージによる機器故障を完全に防げるとは限りません。SPDの電圧防護レベル、接地・等電位化、接続配線、保護する回路、劣化状態を組み合わせて確認します。接地抵抗が100Ω以下という条件だけで、制御基板が保護されるとは判断できません。
適用範囲
低圧設備の雷サージ対策を見直す際の確認項目です。故障原因を現場調査なしに確定する記事ではありません。従来掲載していた工場の事故描写・損失額は実例の裏付けを確認できないため削除しました。
SPDがあっても故障する場合の確認表
| 確認する項目 | 確認する資料・現場情報 | 判断上の注意 |
|---|---|---|
| SPDと保護対象の組み合わせ | SPD型式、使用電圧、電圧防護レベル、機器の耐電圧 | SPDの設置だけで保護性能は確定しない |
| 接地・等電位化 | 接地系統図、SPDと機器の接続関係 | 接地抵抗値だけでなく機器間の電位差を確認する |
| 接続配線 | 配線経路、長さ、接続状態、メーカー施工要領 | 指定に合っているかを確認する |
| サージの侵入経路 | 電源線、信号線、通信線、接地系統 | 電源用SPDだけで全ての経路を保護できるとは限らない |
| SPDの状態 | 製品固有の表示・警報・点検方法 | 色や交換方法を別製品から推測しない |
| 段階的な保護 | 雷保護ゾーンと各SPDの配置 | 一台の性能だけで設備全体を評価しない |
接地抵抗だけでは説明できない理由
SPDは過渡的な過電圧を制限する装置です。機器に実際に加わる電圧は、SPDの仕様だけでなく周囲の接続条件にも影響されます。
富士電機テクニカの解説は、SPDと被保護機器の接地関係によって機器に加わる電圧が変わる例を示しています。その説明例の電流・電圧・抵抗値を、別設備の故障判定値として流用することはできません。
音羽電機工業の総合カタログは、雷保護ゾーンの境界で段階的にサージを低減する考え方を説明しています。「接地抵抗を下げれば完全に保護できる」「基板故障はアースからの逆流が原因」といった単一条件の断定は避けてください。
点検・交換を依頼する前に
停電・立入り管理など必要な安全措置は設備の管理者・電気主任技術者等に確認してください。雷が接近している最中や充電状態の盤で、利用者が接地線を付け替えたりSPDを外したりする作業は行わないでください。
見積・調査の依頼には、SPDと保護対象機器の型式、電源方式・電圧、配線図、警報表示、故障した範囲、発生日時を用意します。写真は安全な位置から取得できる範囲で添付してください。交換品は定格・接続・保護協調を確認して選定します。
関連する判断基準は接地工事の基礎でも確認できます。
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