図面の部品表に「大和電業」とある。品名を見ると、SPT-11、FAG-22、KCH-10A-2、TB-6と、まるで違う部品が並ぶ。扉に差し込む丸いプラグ、機械の中の配線を包むチューブ、盤に付ける冷却装置、アルミの箱。同じ会社の製品だが、見る数字も、確かめる資料も違う。
もう一つ、気になることがある。大和電業の公式サイトには、案内PDF付きの生産終了のお知らせが2018年12月から、仕様変更のお知らせが2022年8月から続いている(2015〜2017年の終了品は「過去一覧」に別掲)。手元の型式はそこに入っていないか。先に探す製品群を決めてから、この問いに戻る。
何を探している人は、どの記事から読めばよいか
下の表は、探している場面から製品群へ振り分けるためのもの。右端の記事に、型式の表と選び方の手順を書いた。
| 探していること | 製品群 | 代表の型式 | 続きを読む |
|---|---|---|---|
| 安全柵の扉を開けるとき、電源が入らないようにしたい。電源投入防止の部品を探している | インターロックプラグ | SPT-11、SPT-22、NSP-11、NSP-4 | インターロックプラグの選び方 |
| 機械の中の配線を、油、切削粉、水、動きから守りたい | フレキシブルチューブとコンネ | FAG、FCV、FSV、FAW、FCK、MS、MA | フレキとコンネの選び方 |
| 制御盤から操作ボックスへ、回転する部分を通して配線したい | ペンダントコンネ(フレキ・コンネの記事内) | PPG、RPG、RPF | フレキとコンネの選び方 |
| 盤の中が熱い。クーラか熱交換器か決めたい | 制御盤用クーラ、熱交換器 | KCH、KCS、KCD、MPX、SPX | 制御盤用クーラの選び方 |
| 配線を中継・分岐・分離したい | アルミ端子ボックス | TB、TBTC、TBTH、LS、GAN-3 | 電装品の選び方 |
| 盤内や機械側の配線をダクトに通したい | 金属製・樹脂製の配線ダクト | HDS、RD、ED | 電装品の選び方 |
| ロボットアームの配線をまとめたい | ロボット用の配線システム | ロボドレス、ロボプロテクタ | 電装品の選び方 |
| 溶接スパッタから電線を守りたい。射出成形機のシリンダを断熱したい | ストロングプロテクター、シリンダージャケット | ZMT、ジャケット | 電装品の選び方 |
公式の製品案内も、フレキシブルチューブ・コンネ・各種オプションパーツ、インターロックプラグ、熱関連機器、電装品の4分類になっている。
4つの製品群は、それぞれ何を決める製品か
扉の電源投入防止は、インターロックプラグ
公式は、扉を開けると電源が切れる部品として説明している。手で抜き差しし、プラグを抜けば回路が開く。公式の概要の図は、扉からの紐につながれたプラグを作業者が手に持つ姿を描き、使用例の図は、プラグを紐で扉や盤につないだ姿が中心だ。抜いたプラグを持って立ち入る運用は、公式の図ではなく、1996年の実用新案の従来技術の記述に出てくる。標準のSPT-11は1回路、SPT-22は2回路で、どちらも250V 15A、取付穴φ31。
600V 30AならNSP-11、扉に残すプラグと持ち歩くプラグを分けたいなら三分割のNSP-4になる。選ぶ軸は、回路数、電圧と電流、取付穴、ロックの有無、UL・CSA認定の有無の5つ。公式は「本製品だけで非常停止回路を構成させないでください」と、インターロックプラグの概要のPDFで注意している。UL・CSA認定品には、生産終了の案内が出ている。
機械内の配線保護は、フレキとコンネ
フレキは電線を通して守る可とう管、コンネはそれを機器や盤に接続する金具。迷う軸は、動くか、油か火花か、温度はいくつか、の三つだ。固定部で油がかかるならFAG、可動・振動部はFCV系、引張りやねじれが加わる可動部はFSV系、溶接スパッタや切削粉が飛ぶ場所はブレード被覆のFAWとFSW。
防液性が成り立つのは、ビニル被覆のフレキに適合表で◎のコンネを組み合わせたとき(カタログの表記は「IP67相当」)と、二重被覆のFCKに専用のMSK・MAKを組み合わせたとき(同じくIP67)。○のコンネは、防液がフレキ接続部側に限られる。ブレード被覆(FAW・FSW)と被覆なしのフレキは、適合表で防液性なしだ。ケーブルを直接つかむAYS、回転するペンダントコンネ、サドルも同じ記事に載せた。
盤内の発熱は、クーラか熱交換器
クーラは、公式の言葉で外気より低い盤内温度に設定できる。熱交換器の能力は、外気と盤内の温度差1Kあたりのワット数(W/K)で表される。公式のヒートパイプ式(屋内)の選定例には、盤内許容温度の設定は最高外気温度より10℃以上高くして選定する、という注意がある。温度差が小さいと運べる熱は少なくなる(筆者の読み取り)。プレート式にも同じ注意が当てはまるかは、確認できていない。
クーラは型式が世代で変わる。KCH-16A-2はKCH-16B-2Wへ、在庫がなくなりしだい順次切り替えると案内されている。代替フロンのクーラ6機種は、保守部品の販売が2027年3月末、または在庫消化しだいで終わると案内された。
端子ボックス・ダクト・ロボット配線・断熱カバーは、電装品
公式サイトの電装品は、メニューに10項目が並ぶ(ページ本文の一覧は8項目)。アルミボックス、スパークケンチャー、ハーティングコネクタ、配線ダクト(金属製と樹脂製)、シリンダージャケット、ストロングプロテクター、ロボット用の配線システム3種だ。スパークケンチャーは日伸制御器工業製、ハーティングコネクタはハーティング社製と、公式の資料に書かれている。
品目ごとに、見る数字がまるで違う。ボックスは保護等級と端子台の極数、ダクトは電線の収容本数、ロボットの配線は、FLEXの内断面積に対するケーブルの割合(可動部で32%以内が目安)。数字の取り出し方は電装品の記事にある。
手元の型式は、頭の文字でどの製品群か
型式の頭を見れば、どの記事を開くかが決まる。
| 型式の頭 | 製品 | 続きを読む |
|---|---|---|
| SPT、NSP、SPS、SPRS、RSPT | インターロックプラグ | インターロックプラグの記事 |
| FAG、FCV、FSV、FAW、FCK、FAN、FSN(第2記号がA・C・S) | フレキシブルチューブ | フレキとコンネの記事 |
| MS、MA、MH | フレキ用コンネ | フレキとコンネの記事 |
| AYS、YS、NYS、TAYS | ケーブル用コンネ | フレキとコンネの記事 |
| PPG、RPG、RPF | ペンダントコンネ | フレキとコンネの記事 |
| CH、CD、FCD、FS、PZ | サドル | フレキとコンネの記事 |
| KC、KCS、KCH、TC、TCH、KCHS、KCD、KCDR、CAB | 制御盤用クーラ | 制御盤用クーラの記事 |
| MPX、FPX、NFX、CPX、SPX、YPX | 熱交換器 | 制御盤用クーラの記事 |
| TB、TBTC、TBTH、LS-2・LS-4、GAN-3 | アルミボックス | 電装品の記事 |
| SQ、Han、HDS、RD、ED、ZMT、RW | スパークケンチャー(日伸制御器工業製)、ハーティングコネクタ(ハーティング社製)、配線ダクト、ストロングプロテクター、ロボドレス | 電装品の記事 |
頭の文字だけでは決まらないものがある。
- ユニット品はボックスの名前で始まる。 インターロックプラグにボックスを組み合わせた品は、TB4-SFM、LS2-SFM、GAN3-LA-2SFMのように、ボックス側の名前で始まる。TBやLSの名前でも、中身はインターロックプラグのユニットということがある。
- Fで始まる型式は3種類ある。 フレキ(FAG、FCV)のほか、サドル(FCD、FS)と熱交換器(FPX)がある。
- Mで始まる型式は複数ある。 フレキ用コンネ(MS、MA、MHなど)のほか、ヒートパイプ式熱交換器(MPX)、ガイドカラー(MGC)、超小型のケーブル用コンネ(MYS)がある。
- LSで始まる型式も複数ある。 LS-2・LS-4はボックス、LS2Aはサドル、LS2-SFMはインターロックプラグのユニット品。お知らせのロッキング金具の図面にはLSW22-L1などもある。
もう一つ、数字の読み違いがある。FAG-10の10は最小内径10mmと一致するが、FAG-12は12.3mm、FAG-16は15.8mmで、呼称は内径に近いだけの数字だ。穴あけやサドルの選定には、呼称ではなく、カタログの最小内径と最大外径を使う。
大和電業は、公式サイトで自社をどう説明しているか
公式の会社概要と拠点のページから、事実だけを拾う。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 会社名 | 大和電業株式会社 |
| 設立 | 1955年10月13日 |
| 資本金 | 5,500万円 |
| 事業案内 | 機械及び設備の自動化に要する電装パーツと、配電盤・操作盤・制御盤・電気装置一式の製造販売(趣旨) |
| 本社 | 東京都渋谷区(本社と東京営業所が同じ所在地) |
| 営業所・出張所 | 大阪市、名古屋市に営業所。静岡県富士市、石川県金沢市、広島市に出張所 |
| 事業所・物流 | 山口県宇部市に宇部事業所(制御盤製作・ハーネス加工・電気工事等)。千葉市に千葉物流センター |
| 関連会社 | 大和制御、大和工業、大和建物管理の3社 |
公式の拠点ページに載るのは8拠点で、住所と電話番号は公式サイトで確かめる。移転の案内は、案内の月と移転日を分けて読む。名古屋営業所は、2022年12月吉日の案内で建て替え中の仮事務所へ移り、2023年12月吉日の案内で、元と同じ住所の新社屋に戻ると案内された(新社屋の業務開始は2024年1月9日)。宇部事業所は、2024年1月吉日の案内で、2024年2月1日に現在の所在地へ移転すると案内された。広島出張所は、2026年4月吉日の案内で、4月24日に移転、4月28日に業務開始と案内された。
広島の案内に旧住所は書かれていない。旧版のカタログやグループ会社のサイトに残る住所(広島市西区三篠町)が旧住所と推定できるが、案内文書では確かめていない。送付先や訪問先は、公式サイトの最新を見る。
経営理念は、パーツメーカーとしてお客様の期待に沿う製品を提供し、世界の産業発展に寄与する、という趣旨。品質方針は、適用法規とお客様の要求する製品・役務を提供し、満足度の向上を図ることを基本方針とし、そのためにISO 9001の要求事項を遵守して、業務品質の継続的改善を図る、と書いている。
ここで書いてあるのは「要求事項を遵守する」までだ。認証の登録番号、認証機関、取得年、認証範囲は、公式の該当ページにない。「ISO 9001認証取得」と書き写すことはできない。
グループ3社は、何を分担しているか
公式の関連会社ページは、3社を載せている。資本関係、設立年、従業員数は、このページに書かれていない。
| 会社 | 場所 | 事業(公式の記載) |
|---|---|---|
| 大和工業株式会社 | 青森県田舎館村 | 各種フレキシブルチューブの製造、機械加工、板金加工 |
| 大和制御株式会社(目黒工場) | 東京都品川区 | 配電盤類の組立、電気部分の製作 |
| 大和建物管理株式会社 | 東京都渋谷区 | 事務所とマンションの不動産管理、仲介斡旋 |
3社のうち、フレキシブルチューブの製造を担うと公式が書くのは大和工業。大和電業の公式サイトの会社概要に沿革はないが、大和工業の自社サイトには載っている。以下は「グループ会社・大和工業の公式沿革」の記載である。
- 1969年7月:「株式会社 大誠製作所」を設立。フレキシブルチューブの一括生産を開始。
- 1988年2月:大和工業株式会社に社名変更。
- 1988年8月:青森工場が稼働(4月に着工)。
- 2007年9月:青森工場内に機械加工棟が完成。
- 2009年12月:厚木工場から青森工場へ、業務を移管。
同社は自社を、大和電業のフレキシブルチューブ生産部門として、1969年に神奈川県綾瀬市で誕生した会社と説明している。沿革からは、1969年に一括生産が始まり、1988年に青森工場が稼働し、2009年に厚木工場から青森工場へ業務が移管された、という順序が読める。青森に工場を置いた理由は、沿革に書かれていない。
公式サイトの「主要取引先&納入先」には、どんな会社が載っているか
公式サイトのメニュー名もページの見出しも「主要取引先&納入先」(ブラウザのタブ表示だけ「主要取引先」)。68社の社名が並び、末尾に「順不同・敬称略」と注記がある。下の表は、公式の並びのまま、縦に1〜17番目、18〜34番目、35〜51番目、52〜68番目と進む。
| 1〜17番目 | 18〜34番目 | 35〜51番目 | 52〜68番目 |
|---|---|---|---|
| アイシン軽金属株式会社 | 株式会社アビリカ | 東ソー株式会社 | 富士電機株式会社 |
| 株式会社アルプスツール | シチズンマシナリー株式会社 | トーヨーエイテック株式会社 | 株式会社ブリヂストン |
| アンリツ株式会社 | 芝浦機械株式会社 | トヨタ自動車株式会社 | ホーコス株式会社 |
| 株式会社石川製作所 | 株式会社ジェイテクト | 株式会社ニイガタマシンテクノ | 本田技研工業株式会社 |
| ABB株式会社 | ジヤトコ株式会社 | 株式会社西田機械工作所 | 株式会社牧野フライス製作所 |
| SMC株式会社 | 新電元工業株式会社 | 清和鉄工株式会社 | 株式会社松浦機械製作所 |
| 株式会社NTTファシリティーズ | 新日本工機株式会社 | 日産自動車株式会社 | マツダ株式会社 |
| オークマ株式会社 | 株式会社スギノマシン | 日本精工株式会社 | 三井精機工業株式会社 |
| OKK株式会社 | 株式会社SUBARU | 株式会社日本製鋼所 | 三菱重工株式会社 |
| UBEマシナリー株式会社 | 住友重機械工業株式会社 | 浜井産業株式会社 | 三菱自動車工業株式会社 |
| 株式会社オリジン | 西部電機株式会社 | 日立金属株式会社 | 三菱パワー株式会社 |
| 株式会社カシフジ | ソフトバンク株式会社 | 株式会社日立製作所 | 三菱ふそうトラック・バス株式会社 |
| 技研株式会社 | 株式会社立花エレテック | 株式会社 日立パワーソリューションズ | 村田機械株式会社 |
| 株式会社クボタ | 株式会社ツガミ | 日立無線電気株式会社 | 株式会社安川電機 |
| コマツ(株式会社小松製作所) | 津根精機株式会社 | 日野自動車工業株式会社 | 株式会社明電舎 |
| コマツNTC株式会社 | DMG森精機株式会社 | 株式会社不二越 | 株式会社ヤマザキマザック |
| 三協立山株式会社 | 株式会社東芝 | 富士機械製造株式会社 | YKK株式会社 |
これは、大和電業の公式サイトの掲載だ。松本電業の取引先を示すものではなく、松本電業と大和電業の取引関係を示すものでもない。
読み方にも限りがある。公式は、取引先ごとの納入品、取引額、取引年数を書いていない。「取引先」と「納入先」のどちらに当たるかの区別もない。つまり、この表から「あの会社の設備にあの部品が使われている」とは言えない。社名は公式の表記のままで、各社の現行の社名との照合はしていない。業種は公式に書かれていない。社名から筆者が推すと、工作機械、自動車、電機・重電、建設機械、通信のほか、素材や部品の会社も含まれるが、推測であり、網羅した分類ではない。
特許・実用新案の公報から、何が読めるか
Google Patentsで検索すると、出願人(Original Assignee)の表示が「大和電業株式会社」またはそのローマ字表記の公開公報と登録実用新案公報がある。表示は公報ごとに違い(大和電業株式会社、Daiwa Dengyo Kk、DAIWA DENGIYOU KK)、公報本体の出願人欄は確認しておらず、法人の同一性は手元の資料から確かめられない。ここでは大和電業の出願と推定して扱う。インターロックプラグとフレキに関する6件を、出願の順に並べる。登録公報が別にあるものは、公報の記載にある番号を添えた。
| 公報 | 題名 | Google Patentsの出願人表示 | 出願 | 公開・登録 | 要約が書く内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| JPH0878116A | プラグ装置 | DAIWA DENGIYOU KK | 1994年9月 | 公開1996年3月(登録公報JP3129918B2) | ターミナルボックスと、挿脱できる二つの接続プラグ体で構成。操作性の向上と誤操作の防止、断線の防止が目的 |
| JP3035993U | 鍵付き安全プラグ装置 | 大和電業株式会社 | 1996年7月 | 登録公報1997年4月 | ソケット体に鍵機構を付け、鍵の操作でプラグの結合・分離を可能にする |
| JPH11312555A | プラグ装置 | Daiwa Dengyo Kk | 1998年4月 | 公開1999年11月(登録公報JP2912909B1) | 保守・点検中の誤った電源投入を防ぐ。インターロックバーを安全柵の扉に取り付け、ソケット側のケースに挿入する構成 |
| JPH11355934A | 機械配線用コネクタ | Daiwa Dengyo Kk | 1998年6月 | 公開1999年12月(登録公報JP3001507B2) | 可撓配線管とプラグソケットの間のコネクタ。ナットの嵌合の完了と不良が見分けられる構造 |
| JP2000249270A | フレキシブル管の接続装置 | Daiwa Dengyo Kk | 1999年3月 | 公開2000年9月 | フレキシブル管と相手の配管を、密閉性と機械的強度を保って接続する |
| JP2000257764A | 被覆可撓管 | Daiwa Dengyo Kk | 1999年3月 | 公開2000年9月(登録公報JP3035540B1) | 合成樹脂の可撓管本体と金属ブレードで構成。可撓性を損なわずブレードの被覆を保つ |
この表で確かめられるのは、出願人表示の会社がプラグ装置とフレキ関連(可撓管、接続装置、コネクタ)の両方に出願していた、という事実までだ。
使えない読み方もある。公報は出願時の記述で、現行製品や公式の注意書きとの対応を示す資料はない。技術的に優れている、業界で最初である、といった評価は、公報の題名と要約からは出てこない。権利の現況(存続しているか、満了したか)は確認していない。
プラグ装置3件の要約は、何を中心に書いているか
要約が中心に置く内容を、出願の順に並べる。1994年はターミナルボックスと二つの接続プラグ体の構成、1996年はソケット側の鍵機構、1998年はインターロックバーを安全柵の扉に取り付ける構成だ。1996年の実用新案の従来技術と課題の記述は、インターロックプラグの記事に引いてある。
これは要約を並べた筆者の整理で、大和電業が書いた説明ではない。
手元の型式は、生産終了の案内に入っているか
冒頭の問いに戻る。まず、案内の量を見る。
公式サイトの新着情報は、2018年1月から2026年10月までに75投稿。このうち65投稿に案内PDFが付いている。種類別の本数は、案内PDF65本を数えた筆者の集計だ。
| 種類 | 本数 | 期間 |
|---|---|---|
| 生産終了・販売終了・販売中止の案内 | 24 | 2018年12月〜2026年7月 |
| 仕様変更の案内(うち19本は案内PDFの表題が「4M変更報告」) | 21 | 2022年8月〜2026年10月 |
| 制御盤用クーラのモデルチェンジ | 2 | 2024年4月、2025年9月 |
| 原材料価格・供給動向のご案内 | 1 | 2026年4月 |
| 正誤表・金具図面・製品チラシ | 4 | 2022年〜2024年 |
| 移転のご案内 | 4 | 2022年12月〜2026年4月 |
| カレンダー・求人・認定証・プライバシーポリシー | 9 | 2021年〜2026年 |
分類は件名を基本にした。ただしクーラの2本(件名は「仕様変更」)は内容がモデルチェンジなので別に数えた。2023年6月付け(お知らせ掲載は5月末)の「インターロックプラグ(2回路)用付属端子」の案内は、本文が「廃止のお知らせ」だが、件名どおり仕様変更に入れた。件名どおりに数えると、生産終了系24本、仕様変更23本になる。付属端子を生産終了系に数える立場なら、25本と20本。
公式サイトには「生産終了のご案内」「仕様変更のご案内」の専用ページもあるが、どちらも最新10件だけの一覧だ。全件は、新着情報(お知らせ)で探す。最新の仕様変更の案内は、2026年10月5日付けのサドルCH-36・CH-42の金型変更である。
生産終了の案内24本を読むと、傾向が三つ見える。
- 理由は「市場の変化による販売数の減少」という定型文が多い。設備の老朽化、材料費の高騰、RoHS適用除外への対応を挙げるものもある。
- 期日は、日付と「または在庫消化しだい」を併記するか、「在庫消化しだい」だけのものが多い。実際の最終受注日は、案内にない。
- 後継や代替品が原文にあるのは24本のうち6本。残る18本には記載がない。
後継が書かれた例は、UL認定のSPT-11-ULとNSP-11-UL(2026年1月の案内)が、標準品のSPT-11とNSP-11を代替品として挙げ、「寸法/仕様は全く同じ」「絶縁体材質のみ異なります」と書いたもの。ただし、認定が要る設備では、認定のない標準品は代わりにならない。CSA認定品の案内には、後継の記載がない。
SPT-22のUL品が止まった理由は、材料の認証だった
2022年8月にSPT-22-ULとSPT-22-G-ULが販売中止になった理由は、材料の認証だった。案内によれば、使っていた東洋紡製のエンジニアリングプラスチックのUL認証が取り消され、UL本国の機関からは材料変更が必要になる可能性が高いと言われた。材料変更の申請資料と認証の費用が膨大になると見込まれるため、正式に販売中止とした。同じ案内は、SPT-11-UL、NSP-11-UL、NSP-11-CSAは別の材料なので対象外、とも書いている。その後のSPT-11-UL・NSP-11-ULとCSA品の生産終了は、案内が別の理由を挙げている。販売数の減少、材料費高騰などだ(CSA品の案内は設備の老朽化も挙げる)。
「4M変更」は、型式がそのままで中身が変わる案内
仕様変更の案内の大半は、案内PDFの表題が「4M変更報告」だ。この語の定義は、案内65本のどこにも書かれていない。読み方は、本文で何が変わるかを見るしかない。
型式は変わらず、後継型式の記載もない。寸法は変えないと明記する案内もある。SPT-22のプラグ外枠の金型更新は、塗装色、材質、寸法に変更がないと書かれた。一方で、材料の六角の大きさが変わる案内もある。回転式アダプタRAG-16は、六角対辺が35mmから36mmになり、最大外形寸法その他は変わらないと案内は書く。防水型キャノンプラグ接続用のMSA-16-18とMSA-22-18は、対辺が34mmから36mmになる。工具の大きさなどに関わるかどうかは、案内の変更内容と図を読んで判断する。
専用ページは最新10件だけなので、そこに載っていなくても、現行品とは言えない。新着情報で、次の順に確かめる。
- 手元の型式を、語尾まで写す。
- 新着情報の件名とPDFで、型式、シリーズ名、近い呼称を探す。案内の対象がシリーズ名のことがある。
- 見つかったら、期日と、後継の記載の有無を確かめる。
- 見つからなくても、販売元に在庫と現行かを問い合わせる。
廃番品の探し方は廃番型番の代替品はこう探す、予備品の持ち方は分電盤・制御盤の予備品在庫管理と廃番リスクにまとめた。
問い合わせる前に、手元で揃えておく情報
製品群が違っても、最初に要るものは共通している。
- 現物の型式を、語尾まで。銘板、図面の部品表、写真のどれでもよい。
- 場所と環境。屋内外、水・油・切削粉・溶接スパッタの有無、周囲温度。
- 製品群ごとの条件。インターロックプラグなら回路数、電圧と電流、取付穴と板厚、認定の有無。フレキなら固定か可動か、接続先のねじ、ケーブル外径。クーラなら最高外気温度、盤内の希望温度、発熱量、電源。電装品なら端子台の要否、ダクトの寸法、ロボットの機種。
- 数量と、納品までに使える期間。生産終了の案内に入っている型式かどうか。
- UL・CSA認定などが必要な理由と、提出先。
取扱の可否、価格、納期は、公式資料に書かれていないので、見積フォームで確認する。分かっている型式と、上の情報を分かる範囲で添える。
資料はどこで入手できるか
- カタログ請求、CAD図面請求、該非判定書請求は、公式サイトのフォームから。カタログ請求、CAD図面請求、該非判定書請求。
- 取扱説明書は、公式の取扱説明書ダウンロードにある。公式は、取扱説明書や付属印刷物のすべてを載せているわけではなく、内容は予告なく変わると断っている。
- 生産終了・仕様変更の案内は、公式のお知らせにある。
- 製品の説明動画は、公式のYouTubeチャンネルで見られる。
- 公式サイトのお問い合わせの受付は営業日の9:00〜17:30。2営業日以内に返信がなければ、再度の連絡を求める案内がある。
関連情報
- 大和電業のインターロックプラグ|SPT-11・SPT-22・NSP-4の選び方と注意点
- 大和電業のフレキとコンネの選び方|FAG・FCV・FSV・FAWの違い、適合表、型番の読み方
- 大和電業の制御盤用クーラ|KCH・KCS・KCDの選び方と熱交換器との使い分け
- 大和電業の電装品の選び方|端子ボックス・配線ダクト・ロボット配線・断熱ジャケット
- 大和電業|インターロックプラグ・フレキ・クーラ・電装品の全体像
- 大和電業の取扱品種一覧
- UL認証・CSA認証とは
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