前のトピックの終わりに、問いを1つ残した。電線管やスリーブをコンクリートに埋め込むと、打設のあとは、壊さなければ手が届かない場所になる。では、管や配線を中に抱えるその鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートがどう役割を分けて、建物を支えているのか。
たとえば、機械室の天井下で、梁(柱と柱をつなぐ横の部材)を横切って配管を通したい。施工図には、スリーブ(コンクリートに前もって入れておく、管を通す筒)を描く。ここで2つの疑問が出る。
- 鉄筋とコンクリートは、そもそも何をどう分担しているのか
- 梁には、どこに、どの大きさ、どの間隔まで穴をあけてよいのか
数字を丸暗記しても、初見の問いには崩れる。梁の断面に鉄筋がどう入っているかを思い浮かべながら、数字の意味を読んでいこう。
まず一言で
鉄筋コンクリート(RC)造は、コンクリートが主に圧縮を、鉄筋が主に引張を受け持つ複合材料でできた構造だ。配管が貫く梁・床・壁には、孔の大きさ・間隔・位置や、配管の置き方の約束がある。
- 材料:コンクリートの引張強度は圧縮強度の約1/10以下なので、引張を受ける所には鉄筋を入れる。付着が強く、線膨張係数がほぼ等しく、コンクリートが強アルカリ性で鉄筋を守る。この3つが、組合せを支える主な性質だ
- 骨組:ラーメン構造は、柱と梁を剛接合した骨組だ。耐震壁は釣合い良く配置する
- 梁の鉄筋:主筋は材軸方向。構造耐力上主要な梁は、主筋を引張側と圧縮側の両方に入れた複筋梁にする(施行令78条)
- 梁の貫通孔:RC造では、孔径は梁せい(梁の高さ。令は「はりの丈」と書く)の1/3以下、並べるときの中心間隔は両孔径の平均の3倍以上(官庁営繕部の資料)
この回の「基礎」は、基本の意味だ。建物を地盤に載せる基礎構造は扱わない。許容応力度計算や耐震計算、防火区画の貫通部の処理、配管そのものの施工も、この回では扱わない。
仕組み① — コンクリートに、なぜ鉄筋を入れるのか
コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い。引張強度は圧縮強度の約1/10以下しかなく、鉄筋コンクリート構造計算規準(日本建築学会。以下RC規準)は、コンクリートの引張応力度を無視して設計する(村上聖の公開講義資料 1.3)。
両端を支えた梁(単純梁)が中央でたわむと、下側が引き伸ばされる。鉄筋のない梁は、最大曲げの場所に曲げひび割れが1本入り、それが広がって真っ二つに折れる。引張側に、梁の長さ方向(材軸方向)の鉄筋を入れると、鉄筋が引張を受け持ち、ひび割れは分散して入りながら、耐えられる荷重が増えていく。
ここで1つ目の「なぜ?」。鉄筋とコンクリートは、別々の材料だ。なぜ一体で働けるのか。同じ資料は、成り立つ基本として付着と線膨張係数を、コンクリートの役目として防錆(強アルカリ性)を挙げる。
| 性質 | 中身 | 働き |
|---|---|---|
| 付着 | 鉄筋に対するコンクリートの付着強度が大きい | 一体として力を受け持つ |
| 線膨張係数 | 両者がほぼ等しい(約1×10⁻⁵/℃) | 温度が変わっても同じように伸び縮みする |
| アルカリ性 | コンクリートが強アルカリ性 | 内部の鉄筋の防錆被覆になる |
線膨張係数の効き目を、数字で見よう。たとえば、長さ10mの部材が30℃変化すると、約1×10⁻⁵/℃の材料は何mm伸びるか。長さの変化は、線膨張係数×温度変化×長さだ。
鉄筋もコンクリートも、同じ約3mm伸びる。伸びがそろうので、鉄筋による拘束でコンクリートに生じる応力は、一般に無視できる(宮澤伸吾、コンクリート工学)。ただし「ほぼ等しい」は、どの骨材でも成り立つ話ではない。同じ記事は、石灰石骨材を使うなどでコンクリートの熱膨張係数が小さくなると、温度ひずみが鉄筋に拘束されて、温度ひび割れの原因になると書く。上の式は標準的なもので、出典の資料にはなく、筆者が当てはめた。
やってみよう①:鉄筋の伸びが、コンクリートの2倍だったら
仮に、鉄筋の線膨張係数がコンクリートの2倍だったとする。長さ10mの部材が30℃変化すると、コンクリートは3mm、鉄筋は6mm伸びる。差の3mmは、付着で一体になった鉄筋とコンクリートの間に、互いに拘束し合う力を生む。仮定の話だが、これが「ほぼ等しい」が基本に挙がる理由だと、筆者は読む。
3つ目の性質、アルカリ性は、鉄筋を覆う厚さがあって初めて働く。この厚さを、かぶり厚さという。施行令79条は、最小値を次のように定める。
- 耐力壁以外の壁又は床:2cm以上
- 耐力壁、柱又ははり:3cm以上
- 直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分:4cm以上
- 基礎(布基礎の立上り部分を除く):捨コンクリートの部分を除いて6cm以上
同条第2項は、水、空気、酸又は塩による鉄筋の腐食を防ぎ、かつ、鉄筋とコンクリートを有効に付着させて、第1項と同等以上の耐久性と強度を持つものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる部材と、大臣の認定を受けた部材には、第1項を適用しないと書く。ここから、かぶり厚さの役目は、腐食を防ぎ、付着を保つことだと読める(当サイトの読み)。標準仕様書(建築工事編)は、貫通孔に接する鉄筋のかぶり厚さも、同仕様書の最小かぶり厚さ(5.3.5(1))以上とする(5.3.5(6))。
これで、RC造を支える主な性質を、3つの言葉(付着、線膨張係数、アルカリ性)で言える。
仕組み② — 骨組の形と、耐震壁の置き方
管が貫くのは、建物のどの部分か。施行令1条三号は、構造耐力上主要な部分を、基礎、壁、柱、床版、屋根版、横架材(はり、けたその他)などで、建築物の自重、積載荷重、風圧、地震その他の震動又は衝撃などを支えるもの、と定める。梁、柱、床版、壁は、ここに入る。
その設計の大原則が、令36条の3だ。第1項は、用途や規模などに応じて、柱、はり、床、壁等を有効に配置して、建築物全体が、自重、積載荷重、風圧、地震その他の震動及び衝撃などに対して、一様に構造耐力上安全であるようにすべきものとする。第2項は、構造耐力上主要な部分を、水平力に耐えるように、釣合い良く配置すべきものとする。
ラーメン構造は、剛接合された柱・梁のフレームと、床・屋根のスラブで構成される。通常は耐震壁がバランスよく配置される(村上聖の資料 1.4)。壁式構造は、耐力壁とスラブの面材で構成され、壁が多い低層の住宅に使われる。
壁の言葉にも注意が要る。令の条文は「耐力壁」と書き、試験の記述や村上聖の資料は、ラーメン構造の中の壁を「耐震壁」と呼ぶ。両者の厳密な区別は、確認できた資料からは言い切れない。
令78条の2第1項は、耐力壁を次のような構造としなければならないと定める(抜粋。ほかに接合部と、壁式構造の耐力壁の規定がある)。
- 厚さは12cm以上
- 開口部周囲に、径12mm以上の補強筋を配置する
- 径9mm以上の鉄筋を、縦横に30cm以下の間隔で配置する。鉄筋を2段に入れる複配筋では45cm以下。平家建てでは、35cm以下(複配筋では50cm以下)とすることができる
壁に管を通すスリーブの孔が、令78条の2の「開口部」に当たるかは、条文からは言えない。標準仕様書(機械設備工事編)は、スリーブについて「開口補強」の語を使い、特記がなければ、柱及び梁以外の箇所で、開口補強が不要であり、かつ、スリーブ径が200mm以下の部分は、紙製仮枠を使ってよいとする(2.2.27(2)(イ))。柱及び梁以外の箇所について、開口補強が要るかどうかの判断基準は、確認した資料には書かれていない。
これで、ラーメン構造と耐震壁を、令36条の3の考え方と結びつけて説明できる。
仕組み③ — 梁の中の鉄筋
梁の断面を開くと、2種類の鉄筋が入っている。
- 主筋:曲げに抵抗するため、材軸方向に入れる鉄筋。引張側に通すものを引張鉄筋、圧縮側に通すものを圧縮鉄筋という
- あばら筋:せん断力に抵抗する鉄筋(せん断補強筋)。材軸に直交する方向に、主筋を囲む閉じた形に入れる(スターラップともいう)
せん断力を受ける場所では、中立軸の位置で最大のせん断応力度が生じ、それによる引張の力がコンクリートの引張強度に達すると、材軸に斜め45度のひび割れが入る。あばら筋は、そのひび割れをまたいで引張を受け持つ(村上聖の資料 1.3、3.3)。
引張側だけに主筋を入れた梁が単筋梁、圧縮側にも主筋を入れた梁が複筋梁だ。この2つの呼び名の定義文は、村上聖の資料にない。同資料の複筋の規定(1.3。圧縮側にも材軸方向の鉄筋を配置する)と、複筋比の語から、標準的な意味に従って書いた。令和8年度の問題A No.14 にも、同じ意味の記述がある。
2つ目の「なぜ?」。曲げで圧縮を受ける側は、コンクリートが受け持てるのに、なぜ圧縮側にも鉄筋を入れるのか。同じ資料は、圧縮側のコンクリートが圧壊すると、脆性的(急に壊れる)な破壊を示すため、圧縮側にも材軸方向に鉄筋を配置すると、RC規準が規定していると書く。構造設計では、脆性的なせん断破壊よりも、延性的な曲げ降伏破壊が先に起きるように、主筋とせん断補強筋の量を決める。
令78条は、構造耐力上主要な部分であるはりを、複筋ばりとし、あばら筋を、はりの丈の4分の3(臥梁は30cm)以下の間隔で配置しなければならないと定める。
やってみよう②:複筋梁の絵を、思い出して描く
梁の断面を、鉛筆で描いてみよう。長方形の中に、閉じた輪を描き、輪の中の下側と上側に、主筋の丸を入れる。輪があばら筋だ。
主筋は紙面の手前へ向かって通り(材軸方向)、あばら筋は、その主筋をぐるりと囲む(材軸に直交)。
これで、梁の断面を描き、主筋・あばら筋・単筋・複筋を言い分けられる。
数と条文で追う — 梁に穴をあける
梁貫通孔の約束は、施行令の条文ではない。国土交通省官庁営繕部整備課の「建築構造設計基準の資料」(令和3年改定)が、書いている。官庁施設の営繕のための基準で、民間の建築を直接拘束する法令ではない。ただし、令和8年度の問いは、この資料の数字と合っている。資料は、RC造の構造計算を、法令及び解説書によるほか、RC規準等を参考に行うと書く(6.1)。
| 項目 | RC造の梁 | 鉄骨造の梁 |
|---|---|---|
| 孔径の上限 | 梁せいの1/3以下 | 梁せいの1/2以下 |
| 中心間隔の下限 | 両孔径の平均の3倍以上 | 両孔径の平均値の2倍以上 |
| 資料の箇所 | 6.2.2 | 8.2.3 |
RC造の6.2.2は、位置と補強についても書く。
- 柱面の近く:ヒンジ領域を考慮し、原則として、柱面から1.5D(Dは梁せい)離れた範囲内に設けてはならない。せん断スパン比(構造計算で使う指標)に応じて、これより短いヒンジ領域を設定できるが、その場合も1.0D以上とする。基礎梁及び壁付帯範囲(後者の定義は、確認した資料にない)は、ヒンジ領域が明確でないため、特段の規定は設けないこととしている
- 上下の位置:梁せいの中央付近が望ましい。梁中央部の下端については、梁下端からD/3の範囲に設けてはならない
- 大きなせん断力を受ける所:境界梁等には、原則として設けない。やむを得ず設ける場合は、補強設計を行う
- 補強:孔径が一般部のあばら筋のピッチより大きいときは、原則として、孔の上下に縦筋を設ける。補強は、RC規準を参考に、原則として、有孔梁のせん断強度が無開口の場合以上になるように設計する(メカニズム時の応力が明確な場合は、その応力を適切に割り増して補強設計を行ってもよい)。既製の補強品は、第三者機関の評定や技術証明等を取得したものを使う
3つ目の「なぜ?」。なぜ、こうした約束が置かれているのか。資料は、柱面近くを避ける理由を「ヒンジ領域を考慮し」と書くだけで、ほかの数字の理由は書いていない。ヒンジ領域の定義も、確認した資料にはない。一般には、地震で大きな曲げを受け、鉄筋が降伏して曲がりやすくなる範囲を指す(筆者の説明)。
ここからは当サイトの読みだ。梁の上下には主筋が通り、曲げの応力は上下の縁で大きく、中ほどで小さい。孔を中央付近に置くのは、主筋を切らず、曲げ抵抗への影響を小さくするためと考えられる。孔が大きい、近すぎる、端に寄るといった配置は、あばら筋を切り、せん断力を受け持つ断面を減らす。数字は、その欠け方に歯止めをかけるものと読める。
例題 — 梁せい600mmに、管を2本通す
仮に、梁せい D=600mm のRC造の梁に、外径(保温厚さを含む)が130mmと100mmの管を、並べて通すとする。
- スリーブの径:標準仕様書(機械設備工事編)2.2.27(1)は、原則として、管の外径(保温されるものは保温厚さを含む)より40mm程度大きいものとする。ここでは40mmとおく。130+40=170mm、100+40=140mm。
- 孔径の上限:D/3=600÷3=200mm。170mmも140mmも、200mm以下で収まる。
- 中心間隔の下限:両孔径の平均は(170+140)÷2=155mm。その3倍で、155×3=465mm以上離す。
- 位置:柱面から1.5D=1.5×600=900mm以内は、基礎梁と壁付帯範囲を除き、原則として避ける。上下は、梁せいの中央(下端から300mm)に孔の中心を置くと、径170mmの孔の下縁は下端から300-85=215mmで、D/3=200mmの範囲に入らない。
もし管の外径が180mmなら、スリーブの径は220mmで、上限の200mmを20mm超える。構造設計の側に照会し、経路や梁の寸法を相談する、と考えるのが安全側だ(当サイトの考え方)。
なお、建築工事編6.8.2(9)(ア)は、スリーブを取り外さない場合の貫通孔の径を、スリーブの内径寸法とする。機械設備工事編のスリーブの「径」が内径か外径かは、2.2.27に書かれていない。例題は、孔径を管の外径+40mmとおいた(当サイトの置き方)。
やってみよう③:梁せい450mmで、通せる管はどこまでか
梁せい450mmのRC造の梁に、スリーブを入れる。スリーブの径は管の外径(保温厚さを含む)+40mm、孔径はスリーブの径に等しいとする。通せる管の外径(保温厚さを含む)の最大値は?
孔径の上限は 450÷3=150mm。スリーブの径が150mm以下なら、管の外径は 150-40=110mm以下。
これで、梁せいと管の外径から、スリーブが収まるかと、並べる間隔の下限を、数字で出せる。
現場とつなぐ — スリーブと、床・壁に埋める配管
スリーブの段取り。標準仕様書は、建築物内の配管では、工事の進捗に伴って、吊り金物・支持金物等の取付けとスリーブの埋込みを、遅滞なく行うと定める(機械設備工事編 2.4.1(2))。建築工事編は、配管、ボックス、埋込み金物等を、構造耐力上及び耐久性上支障のない位置に配置し、コンクリートの打込み時に移動しないよう堅固に取り付けると定める(6.8.3(3))。
スリーブの材料と紙製仮枠。スリーブの材料は、鋼管(配管用炭素鋼鋼管の白管)、硬質ポリ塩化ビニル管(VU)、溶融亜鉛めっき鋼板、つば付き鋼管から、特記によって選ぶ(建築工事編 表6.8.1)。紙製の仮枠を使ってよい箇所は、前に見たとおり、特記がなければ、柱及び梁以外の一部に限られる。梁が対象外の理由は、条文には書かれていない。紙製仮枠を使った部分は、配管施工前に必ず取り外し、配管施工後にモルタル、ロックウール等で充塡する(機械設備工事編 2.4.1(3))。
梁の貫通部の配管。都市ガス設備の配管の規定は、梁等の貫通部に接合部を設けないと定める(機械設備工事編 第6編 2.2.3.1(10))。
壁や床版に管を埋めるとき。官庁営繕部の資料6.2.3は、次のように書く。
- 壁に配管等が埋め込まれるときは、設備設計者と設計段階で協議し、配管径を細くする等の措置を講じる。その部分は、壁厚を厚くし、複配筋とすることが望ましい
- 床版で、埋め込まれる電気設備の配管等が集中するときは、床版を厚くするか、配筋量を増やして補強する。配管等は、原則として、打ち増し部分に設置する場合を除き、複配筋の間に設置する
- 屋根床版には、原則として配管等を埋め込まない。埋め込むときは、床版の厚さを厚くするか、配筋量を増やす
床版の項の書き出しは「埋め込まれる電気設備の配管等」で、水や空調の配管に同じ扱いが及ぶかは、資料からは言えない。
複配筋は、壁や床の鉄筋を、厚さ方向に2段に配置することをいう(標準的な説明。確認した資料に定義はない)。配管を2段の鉄筋の間に置く理由は、資料に書かれていない。配管が鉄筋の配置を乱しにくいから、と読める(当サイトの読み)。
電材との接点。コンクリートに埋め込まれる電線管(PF管・CD管など)は、打設後に点検できなくなる。前のトピック「低圧屋内配線の施設場所と工事の種類」の、点検できない隠ぺい場所だ。サイトのガイド「コンクリート埋設PF管のつぶれ対策」は、読み物の補足で、この回の記述の根拠ではない。
これで、スリーブと埋設配管の約束が、鉄筋の分担に結びつく。
試験での出方とワナ
令和8年度の第一次検定(問題A)の No.13・14 が、この鉄筋コンクリート造の出題だ。No.1〜14は全員が解く必須問題で、2問とも、4つの記述から「適当でないもの」を1つ選ぶ形だった。No.13はRC造全般(耐震壁の配置、鉄筋とコンクリートの性質、骨組の形式、構造体の安全性)、No.14は梁(主筋の向き、貫通孔の間隔と径の上限、梁の呼び名)が並んだ。どの記述も、このトピックの内容を手がかりに判定できる。受検の手引は、機械工学等の検定基準に「建築学」を含めている。
解き方は3段だ。
- 主題を決める:材料の性質か、骨組か、梁の鉄筋か、貫通孔か
- 数字と語を、取り違え先と並べる:「1/3」には「1/2」、「3倍」には「2倍」、「剛接合」には「ピン接合」、「単筋」には「複筋」
- 記述を1つずつ判定する:「適当でないもの」を選ぶので、正しい記述は3つある。3つが確認できれば、残りが答えになる
冒頭の問いの答え合わせ
1. 鉄筋とコンクリートは、何をどう分担しているのか。
- コンクリートが主に圧縮を、鉄筋が主に引張を受け持つ。コンクリートの引張強度は圧縮強度の約1/10以下で、引張側に鉄筋を入れる
- 一体で働く基本は、付着が強いことと、線膨張係数がほぼ等しいこと。強アルカリ性のコンクリートが、鉄筋を錆から守る
- 梁は、主筋(材軸方向)が曲げを、あばら筋(材軸に直交)がせん断を受け持つ。構造耐力上主要な梁は、引張側と圧縮側の両方に主筋を入れた複筋ばりにする
2. 梁には、どこに、どの大きさ、どの間隔まで穴をあけてよいのか。
- 官庁営繕部の資料では、RC造の梁の孔径は梁せいの1/3以下、並べるときの中心間隔は両孔径の平均の3倍以上
- 位置は、原則として柱面から1.5D以内を避け(基礎梁等を除く)、上下は梁せいの中央付近が望ましい。梁中央部の下端からD/3の範囲は不可
- 梁せい600mmなら、孔径は200mm以下。管の外径(保温厚さを含む)に40mmを足したスリーブの径が、これに収まるかを確かめる
できるようになったこと。コンクリートと鉄筋の分担を、3つの性質と梁の断面で説明できる。ラーメン構造と耐震壁、単筋梁と複筋梁を言い分けられる。梁せいと管の外径から、スリーブの収まりと孔の間隔を計算で出せる。答え合わせは、理解度チェックの問6〜9(貫通孔)と問2・5(梁の鉄筋)で。
次の問い
梁を貫いた管の中を、水が流れていく。給水管の太さは、蛇口の数をすべて足して決めるのだろうか。建物の中の蛇口は、全部が同時に開くわけではない。では、管の太さと水の量は、何を根拠に決めるのか。次のトピックで、給水方式と流量の考え方(同時使用率、器具給水負荷単位)を追う。