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機械工学等 ・ 13 / 19

低圧屋内配線 — どこに、どの工事方法で線を通してよいのか

読み終えると、こうなる

機械室から天井、屋上のポンプや冷却塔まで続く電源配線を見て、「ここはどの場所の区分で、どの工事なら通してよいか」を、解釈の表から自分で引けるようになる

  • 天井ふところ、点検口がある天井裏、機械室の壁面などを、解釈第1条の定義の言葉で3つの場所に分け、乾燥・湿気・水気もあわせて決められる
  • 解釈の156-1表から、場所の区分と使用電圧(300V以下か超過か)で1行を選び、使える工事を挙げられる。10行すべてで使える4つの工事も言える
  • 三相200Vと三相400Vの電動機回路が表の別の行になる理由を、使用電圧の定義(線間電圧)から説明できる
  • 電動機の端子箱の手前、屋外、天井内で水管と交差する場所で、解釈と標準仕様書が求めることを、条文の言葉で言える
考えてみよう

前のトピックの終わりに、問いを1つ残した。電動機に電気を運ぶ電線は、工事のあとで点検できない場所に、どの工事の方法なら通してよいのか。

たとえば、機械室の盤から別の階の空調機まで、電線を引く。途中の天井は、点検口が真下にあって配線に手が届く区画と、仕上げ材で塞がれた区画(解釈が「天井ふところ」と呼ぶ場所)に分かれている。同じ電線、同じ電圧なのに、通してよい工事は同じなのか。回路が三相200Vから三相400Vに変わったら、どうなるのか。

そして、天井の中では、電線は給水管とも出会う。電線は水管に触れてよいのか。この3つの問いに、解釈の表と条文で答える。

まず一言で

低圧屋内配線にどの工事を使えるかは、電気設備技術基準の解釈(経済産業省の基準。以下「解釈」。令和7年11月20日施行の改正までの版で確認した)の第156条の表(156-1表)が決める。この表を引く手がかりは、2つしかない。

  • 施設場所の区分。展開した場所、点検できる隠ぺい場所、点検できない隠ぺい場所の3つ。それぞれを、乾燥した場所と、湿気の多い場所又は水気のある場所に分ける
  • 使用電圧の区分。300V以下か、300V超過か

この組合せが10行ある。10行のどれでも○の工事は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事の4つだ。覚え方は「合・金・可・ケ」の1つだけ。ほかの工事は、行によって使えたり使えなかったりする。

ただし、表の○は入口にすぎない。各工事の条文(解釈第157〜165条)にも条件がある。なお、ここでいう低圧は、電気設備に関する技術基準を定める省令(以下「省令」)第2条で、交流は600V以下、直流は750V以下のことだ。

仕組み① — 場所は「あとから手が届くか」で分かれる

表が場所と電圧の2つで分かれているのは、省令第56条第1項の言葉に沿っている。同項は、「配線は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない」と定める。配線の施設で省令が求める目的は、感電又は火災のおそれをなくすことだ。

場所を決める言葉は、解釈第1条(用語の定義)にある。

区分定義の言葉条文が挙げる例
点検できない隠ぺい場所工作物を破壊しなければ、電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所天井ふところ、壁内、コンクリート床内
点検できる隠ぺい場所容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所点検口がある天井裏、戸棚、押入れ
展開した場所上の2つ以外の場所例の記載なし
展開した場所の定義は「点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所」。残りを全部集めた形になっている

乾湿の言葉も、同じ第1条にある。

  • 水気のある場所:水を扱う場所若しくは雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、又は常時水が漏出し若しくは結露する場所
  • 湿気の多い場所:水蒸気が充満する場所又は湿度が著しく高い場所
  • 乾燥した場所:湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所

156-1表は、湿気の多い場所と水気のある場所を、同じ行にまとめている。

読み違えやすい点が1つある。点検できる隠ぺい場所の例は「点検口がある天井裏」だが、定義の本体は、容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できることだ。点検口の有無だけで決める書き方ではない。点検口があっても配線まで手が届かない天井裏が、どの場所にあたるのかは、「容易に」の判断が分かれ、条文からは決まらない(当サイトの読み。実際の判定は、設計者や検査をする側に確かめる)。

電源配線が通る場所と、読む表 → → → → → 屋上・屋外 屋側・屋外配線 点検口がある天井裏 点検できる隠ぺい場所 天井ふところ 点検できない隠ぺい場所 機械室の壁・天井面 展開した場所 コンクリート床内 点検できない隠ぺい場所 冷却塔・屋外機へ 第166条の表 配線に容易に手が届く 第156条の表 仕上げ材の裏側 第156条の表 配線が見えている 第156条の表 打設後は手が届かない 第156条の表 乾燥・湿気・水気は、場所の状態で別に決まる 電源配線が通る場所と、読む表(自作の概念図。解釈第1条・第156条・第166条にもとづく。部屋の名前だけで区分が決まるわけではない。点線の枠は、屋内配線の表とは別の表)

これで、天井や床の中にある配線を、定義の言葉に当てはめて、3つの場所のどれに入れるかを言える。

表を読む — 10行すべてで○の4つ

156-1表は、横に12の工事、縦に10行ある。12個の○×を10行ぶん並べると多すぎる。そこで、全行で○の4つ(合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル)は外して、その行で加わる工事だけを見る。

場所・電圧4つに加わる工事計
展開・乾燥・300V以下がいし引き、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ライティングダクト9
展開・乾燥・300V超過がいし引き、金属ダクト、バスダクト7
展開・湿気水気・300V以下がいし引き、バスダクト6
展開・湿気水気・300V超過がいし引き5
点検可・乾燥・300V以下がいし引き、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、セルラダクト、ライティングダクト、平形保護層11
点検可・乾燥・300V超過がいし引き、金属ダクト、バスダクト7
点検可・湿気水気がいし引き5
点検不可・乾燥・300V以下フロアダクト、セルラダクト6
点検不可・乾燥・300V超過なし4
点検不可・湿気水気なし4
点検可=点検できる隠ぺい場所、点検不可=点検できない隠ぺい場所、湿気水気=湿気の多い場所又は水気のある場所。計は、使える工事の数。隠ぺい場所の湿気水気の行は、使用電圧の区分がない

表から、次のことが読み取れる。

  • 使える行の数:4つは10行すべて。がいし引きは7行、バスダクトは5行、金属ダクトは4行。金属線ぴ、セルラダクト、ライティングダクトは2行、フロアダクトと平形保護層は1行だけだ。金属線ぴとライティングダクトは、乾燥した場所・300V以下の、展開した場所と点検できる隠ぺい場所の2行でしか使えない
  • 電圧:300V以下の行から300V超過の行に移ると、使える工事は減るだけで、増えることはない(表の4組で確かめた)
表の○は、使ってよい工事の入口にすぎない。条文の条件を満たして、はじめて使える。たとえば、展開した場所で水気のある場所の、使用電圧300V以下のバスダクト工事は、表では○だ。しかし、163条1項五号は、屋外用バスダクトを使い、内部に水が浸入してたまらないようにせよと定める。表の○だけを覚えて条件を落とすと、現場でも設問でも判断を誤る。
やってみよう①:場所と電圧から、1行を選んで読む

次の3つで、使える工事を挙げてみよう。先に答えを考えてから開く。

(1) 点検口があって配線に手が届く天井裏。湿気の多い場所。200V。

点検できる隠ぺい場所の、湿気の多い場所又は水気のある場所の行。使えるのは5つで、4つに、がいし引きが加わる。金属ダクト、金属線ぴ、ライティングダクトは×。

(2) コンクリート床の内部。乾燥した場所。200V。同じ場所で400Vなら?

コンクリート床内は点検できない隠ぺい場所。200Vは300V以下の行で6つ(4つにフロアダクトとセルラダクト)。400Vは300V超過の行で4つだけ。フロアダクトとセルラダクトが消える。

(3) 展開した場所。水気のある場所。バスダクト工事は使えるか。200Vと400Vで。

200V(300V以下の行)では○。ただし、屋外用バスダクトを使い、内部に水が浸入してたまらないようにする(163条1項五号)。400V(300V超過の行)では×。

これで、場所と電圧を決めれば、表から使える工事を挙げられる。

なぜ、そう分かれるのか — 条文が書いていることと、当サイトの読み

156-1表は、○×の理由を書いていない。まず、条文に実際に書いてあることを整理する。

  • 管の工事は、管の中に電線の接続点を設けない。 合成樹脂管(158条1項三号)、金属管(159条1項三号)、金属可とう電線管(160条1項三号)のどれも、例外が書かれていない
  • ダクトや線ぴは、中に接続点を設けられる場合がある。 金属ダクトは、電線を分岐する場合で、その接続点が容易に点検できるとき(162条1項三号)。金属線ぴ(161条1項二号)、フロアダクト(165条1項三号)、セルラダクト(165条2項三号)にも、点検できることを条件にした同じ形の例外がある。「点検できる」という言葉が、工事の条文の中にも出てくる
  • 水への備えは、管工事の防湿装置(158条3項四号、159条3項三号、160条3項四号は2種の場合)、バスダクトの屋外用の指定(163条1項五号)、金属ダクト・フロアダクト・セルラダクトの「水のたまるような低い部分を設けないように施設すること」(162条3項六号、165条1項五号ロ、2項七号ロ)に表れる

ここから先は、条文が理由を書いていないので、当サイトの読みだ。解釈の説明ではない。

  • 包まれているか。 合・金・可・ケの4つは、電線が管かシースで包まれている。場所や湿気に左右されにくい作りで、それが10行すべてで○の理由ではないか、と読める
  • 手が届く前提か。 金属ダクトはふたを(162条3項三号)、ライティングダクトは開口部を(165条3項六号)、条文が書いている。がいし引きは、電線相互を6cm以上離し、造営材とも離して支える(157条)。あとから手が届く場所を前提にした工事なので、点検できない隠ぺい場所では×になる、と読める
  • 床の中の工事か。 フロアダクトとセルラダクトには、引出口を床面から突出させない(165条1項五号ハ、2項七号ハ)という条文がある。床面に引出口を出す工事なので、コンクリート床内で○になっていても自然に見える
  • 電圧が高いと○が減る理由は、条文から読み取れない。 ここは、減るだけで増えないという形のまま覚える

この3つの見方は覚え方の補助で、試験の根拠は表の○×そのものだ。

各工事の条文 — どの条に何が書いてあるか

表の○×を引いたら、次は条文だ。工事ごとに、条が分かれている。

工事条要点
がいし引き157条電線相互の間隔6cm以上。造営材との離隔は、300V以下で2.5cm以上
合成樹脂管158条管内に接続点を設けない。管の支持点間は1.5m以下
金属管159条管内に接続点を設けない。コンクリートに埋め込む管の厚さは1.2mm以上
金属可とう電線管160条電線管は2種が原則。管内に接続点を設けない
金属線ぴ161条線ぴ内は原則として接続点を設けない。分岐で容易に点検できるなど、条件を満たせば例外
金属ダクト162条幅5cm超。電線の断面積の総和は、ダクト内部断面積の20%以下(電光サイン装置・出退表示灯・制御回路等の配線のみは50%以下)
バスダクト163条支持点間3m以下。湿気の多い場所又は水気のある場所は屋外用
ケーブル164条造営材の下面・側面に沿う支持点間は、ケーブル2m以下。重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所は防護装置
フロア・セルラ・ライティングダクト、平形保護層165条第1〜4項に1つずつ。ライティングダクトは支持点間2m以下、開口部は下向き
要点は各条の規定の一部。支持点間は例外がある。金属ダクト・バスダクトは、取扱者以外が出入りできないように措置した場所で垂直なら6m以下。ケーブルは、接触防護措置を施した場所で垂直なら6m以下

合成樹脂管工事のCD管(158条)。 直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収めて施設する(3項七号)。合成樹脂製可とう管相互、CD管相互、合成樹脂製可とう管とCD管は、直接接続しない(3項八号)。公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編 令和7年版)も、CD管はコンクリート埋込部分のみに使うと書く(2.3.2)。

ケーブル工事(164条)。 使える電線は、164条1項の164-1表で決まる(2項のコンクリート直埋めと3項のパイプシャフト内は別の規定)。ケーブル(キャブタイヤケーブル以外)は、300V以下で展開した場所・点検できる隠ぺい場所の場合も、その他の場合も○だ。キャブタイヤケーブルは、種類によって使える場合が分かれる。

場所の区分は、工事の条文の例外にも顔を出す。合成樹脂管の厚さ2mm以上の規定の例外は、300V以下で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所で、接触防護措置(人が触れないよう、高さや囲いなどで防護すること。第1条三十六号)を施す場合だ(158条2項三号)。金属可とう電線管で1種を使えるのは、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所で、厚さ0.8mm以上のときに限られる。300Vを超える場合は、電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に限る(160条2項二号)。1種を使えない場所では、2種を使う。

やってみよう②:天井ふところの配線案から、使えないものを選ぶ

天井ふところ(点検できない隠ぺい場所)で、乾燥した場所、使用電圧200Vの低圧屋内配線に、次の4つの案を考えた。使えないものはどれか(複数ある)。

ア. ケーブル工事 イ. 金属管工事 ウ. 金属ダクト工事 エ. 合成樹脂管工事(管の中で電線を接続する)

答え:ウとエ。 ウの金属ダクトは、点検できない隠ぺい場所の行では×だ(表の問題)。エは、合成樹脂管工事そのものは○だが、158条1項三号が管内に接続点を設けないと定める(条文の問題)。アとイは○。ただし、ケーブルには、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがあれば防護装置が要る(164条1項二号)など、条文の条件が残る。表と条文は、両方見る。

管工事の機械の配線は、どこを通るのか

ここからは、ポンプ、空調機、冷凍機、冷却塔といった管工事の機械の電源配線が、この表とどこで出会うのかを見る。

表が使えるのは「屋内配線」だけ。 屋内配線とは、屋内の電気使用場所で固定して施設する電線で、電気機械器具内の電線などは含まれない(第1条十一号)。機器の内部の電線は、この表の対象ではない。屋外の電気使用場所で固定して施設する電線は、屋側配線又は屋外配線にあたり(十二号・十三号)、工事の種類は166条の表(166-1表)で決まる(交通信号灯回路など、184・188・192条が別に定めるものを除く)。屋上の冷却塔や屋外機へ行く配線のうち、屋外に出た部分は、こちらにあたると読める(当サイトの読み。解釈は屋内・屋外を定義していない)。166-1表は、がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、バスダクト、ケーブルの6つの工事を並べた表で、点検できない隠ぺい場所は、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブルの4つ。屋外でも、「合・金・可・ケ」は残る。なお156条は、ショウウィンドー又はショウケース内(172条1項)と、粉じんの多い場所や可燃性ガス等・危険物等がある場所、火薬庫(175〜178条)を、表の対象から外している。

電動機の手前は、金属製可とう電線管。 標準仕様書(電気設備工事編)の2.15.1は、電動機端子箱に直接接続する部分には金属製可とう電線管を使うと定める(電動機が端子箱を有していない場合と、設置場所が二重天井内の場合は除く)。標準図の「電動機への配線例」は、金属管配線でもケーブル配線でも、電動機への最後を二種金属製可とう電線管で描く。解釈160条の1種の条件にも、「電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分」という言い方が出てくる。管を可とう性のあるものにする理由は、解釈も仕様書も書いていない。動きや振動を逃がす部分と読める(当サイトの読み)。

乾湿は、部屋の名前ではなく状態で決まる。 解釈の定義は、水を扱う場所、雨露にさらされる場所、水滴が飛散する場所、常時水が漏出又は結露する場所を、水気のある場所と書く。機械室やポンプ室といった部屋の名前では決めていない。ポンプのまわりに水がかかる、冷水管が常に結露して滴る、雨がかかる、といった状態は、定義の言葉に近い(当サイトの読み。実際の判定は、設計者と電気の担当者に確かめる)。水気のある場所と判断されれば、表は湿気水気の行を読む。

200Vと400V。 解釈の使用電圧は、電路を代表する線間電圧だ(第1条一号)。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編。確認したのは令和4年版で、最新の令和7年版は未確認)の表2.1.3は、200V三相誘導電動機と400V三相誘導電動機を、別の規格で並べる。400Vの電動機回路は300V超過の行になる。点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所の天井裏なら、200Vで使える金属線ぴ、ライティングダクト、セルラダクト、平形保護層は、400Vでは使えない。

天井の中で、水管と出会うとき。 解釈167条2項は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事などによる低圧配線が、弱電流電線又は水管等(水管、ガス管又はこれらに類するもの)と接近し又は交差する場合は、(次項ただし書による場合を除き)接触しないように施設することを求める。167条は省令第62条に対応する解釈で(見出しが省令第62条を挙げている)、省令第62条2項は、水道管、ガス管又はこれらに類するものとの接近や交さでは、放電によりこれらの工作物を損傷するおそれがなく、かつ、漏電又は放電によってこれらの工作物を介して感電又は火災のおそれがないように施設せよ、と定める。がいし引き工事は別で、167条1項が、離隔距離10cm以上(裸電線は30cm以上)などを定める。公共建築工事標準仕様書(国土交通省官庁営繕部。電気設備工事編は令和7年版)の二重天井内配線(2.10.4.6)も、ケーブルを水管、ガス管、ダクト等と接触しないように敷設するよう書く。接触しない状態は、電気の側だけでは確保しにくい。配管やダクトの位置を決める管工事の側との調整が要る(当サイトの読み)。

点検できなくなる前に確かめる。 標準仕様書(電気設備工事編)の表2.18.1は、金属管、合成樹脂管、ケーブルラック、金属製可とう電線管等の敷設の立会い時期を、「コンクリート打設前並びに二重天井及び壁仕上げ材取付け前」と書く(2.18.1(1)は、表のうち監督職員の指示を受けたものを、次の工程に進む前に立会いを受けるとする)。金属管配線では、位置ボックスとジョイントボックスは、点検できない場所に設けてはならない(2.2.3(3))。点検できない隠ぺい場所になる前が、配管と配線を目で確かめられる最後の機会、と読める。

電材との接点。 表の10行すべてで○になるのは、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブルを使う4つの工事で、その資材は、管、ボックス、ケーブルだ。場所を選ばないぶん、現場の種類を問わず使われうる(当サイトの読み)。サイトのガイドに、「電線管・配線ダクトの種類と選び方」「コンクリート埋設PF管のつぶれ対策」「CVケーブルとは」「電線・ケーブルの種類一覧」がある。どれも根拠ではなく、読み物の補足だ。電気工事士の側から同じ表を見たトピックは「施設場所と工事の可否」、直前のトピックは「電動機の保護」だ。

やってみよう③:屋上の冷却塔へ行く配線は、どの表を読むか

屋上の冷却塔へ行く固定配線を、屋外のコンクリートの壁の中(点検できない隠ぺい場所)に通すとき、使える工事はいくつか。

答え:4つ。 屋外の固定配線は屋側配線又は屋外配線にあたるので、166-1表を読む。点検できない隠ぺい場所の行は、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブルの4つだ。屋内の156-1表の、点検できない隠ぺい場所・300V超過の行と同じ4つだが、読む表は別だ。

試験での出方とワナ

令和8年度の第一次検定(問題A No.12)には、低圧屋内配線の工事の種類が出た。No.1〜14は全員が解く必須問題で、その1問だ。場所は、点検できない隠ぺい場所のうち乾燥した場所とされ、使用電圧の記載はなく、4つの工事のうち適当でないものを選ぶ形だった。電圧が書かれていないので、2行(300V以下と300V超過)を両方見れば解ける。受検の手引の検定基準が、機械工学等の範囲に「電気工学」を含めていることも、この出題と合う。

解き方は3段だ。

  1. 場所を決める:展開した場所、点検できる隠ぺい場所、点検できない隠ぺい場所のどれか
  2. 行を決める:乾燥か湿気水気か、電圧は300V以下か超過か(書かれていなければ、2行とも見る)
  3. ○×を引く:「適当でないもの」ならば×を、「適当なもの」ならば○を探す

同じ形で、場所を変えた問い、湿気の多い場所を条件にした問い、電圧を変えた問いも考えられる。10行ぶんを丸暗記するより、「合・金・可・ケ」の4つを軸に、行ごとの「加わる工事」を覚えるほうが、覚える量が減る(当サイトの考え方)。

ワナは、本トピックの「出題者のワナ」にまとめた。

冒頭の問いの答え合わせ

機械室の盤から空調機までの配線に戻る。

  • 点検口の天井裏と、天井ふところ:乾燥した場所・200Vなら、点検できる隠ぺい場所は11の工事、点検できない隠ぺい場所は6つで、同じではない。点検できない側は、合・金・可・ケに、フロアダクトとセルラダクトが加わるだけだ
  • 200Vと400V:400Vの線間電圧は300Vを超えるので、300V超過の行を読む。点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所は11が7に、点検できない隠ぺい場所の乾燥した場所は6が4に減る
  • 水管との交差:合成樹脂管工事・金属管工事などの低圧配線は、水管等と接近し又は交差する場合、(次項ただし書による場合を除き)接触しないように施設する(解釈167条2項。がいし引き工事は1項)。省令第62条2項は、放電による損傷と、漏電や放電による感電・火災を防ぐよう求めている

できるようになったこと。場所を定義の言葉で決め、使用電圧とあわせて156-1表の1行を選び、使える工事を挙げられる。表の○に条文の条件が付くことも言える。管工事の機械の配線が、屋内の表、屋外の表、電動機の手前の可とう電線管、水管との接触禁止のどれに関わるかも、条文の言葉で指せる。

次の問い

電線管やスリーブを、コンクリートに埋め込む。打設が済めば、その中は、工作物を破壊しなければ手が届かない場所、つまり点検できない隠ぺい場所になる。では、管や配線を中に抱えるその鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートが、どう役割を分け合って建物を支えているのか。次のトピックで、鉄筋コンクリート造の基礎を追う。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. ライティングダクトや金属線ぴを、点検できない隠ぺい場所(天井ふところ、壁内、コンクリート床内)にも使えると考える

    なぜ引っかかるこの2つは、天井や壁の見える場所でよく使うので、「天井の中」と「点検口がある天井裏」を一括りにして、同じ○を引き継いでしまう。表では、乾燥した場所・300V以下の、展開した場所と点検できる隠ぺい場所の2行でしか使えない

    見破り方まず場所を、第1条の定義の言葉で決める。点検できない隠ぺい場所で○なのは、合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルと、乾燥した場所・300V以下のフロアダクト・セルラダクトだけ

  2. 湿気の多い場所又は水気のある場所でも、乾燥した場所と同じ工事が使えると考える(特に金属ダクトや金属線ぴ)

    なぜ引っかかる乾燥した場所の行は○が多く、その並びのまま覚えてしまう。湿気の多い場所又は水気のある場所の行では、金属ダクトも金属線ぴも使えず、残る工事にも防湿装置などの条件が付く

    見破り方この行で使えるのは、点検できない隠ぺい場所で4つ、点検できる隠ぺい場所で5つ(4つにがいし引き)。展開した場所はがいし引きが加わり、300V以下ならバスダクトも加わるが、屋外用バスダクトを使うなど163条1項五号の条件が付く

  3. 三相400Vの電動機回路を、「300V以下」の行で読む

    なぜ引っかかる100Vや200Vの配線に慣れていると、300Vが境であることを忘れる。解釈の使用電圧は電路を代表する線間電圧で、三相400Vは300Vを超える。300V超過の行では、金属線ぴやライティングダクトなどが使えない

    見破り方設問に電圧があれば、先に「300V以下」「300V超過」のどちらの行かを決める。電圧が書かれていなければ、2行の両方を見て、どちらでも○か、どちらでも×かで判断する(当サイトの考え方)

  4. 屋外や機器の内部の配線にも、156-1表を当てはめる

    なぜ引っかかる「電動機に行く配線」という見方だと、屋内でも屋外でも機器の中でも、同じ表を引きたくなる

    見破り方156条は低圧屋内配線の表。屋内配線は、屋内の電気使用場所で固定して施設する電線で、電気機械器具内の電線などは含まない(第1条十一号)。屋外の電気使用場所の固定配線は、166条の166-1表を引く

参考文献・出典

理解度チェック(12問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、12問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用6問・ひっかけ3問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 12 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 低圧屋内配線の工事の種類は、解釈第156条の156-1表で決まる。行は、施設場所の区分(展開した場所、点検できる隠ぺい場所、点検できない隠ぺい場所。それぞれ乾燥した場所と、湿気の多い場所又は水気のある場所)と、使用電圧の区分(300V以下、300V超過)で並ぶ。隠ぺい場所の湿気・水気の2行は電圧で分かれず、全部で10行ある
  2. 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事の4つは、10行すべてで使える。点検できない隠ぺい場所で使えるのは、乾燥した場所・300V以下なら、この4つにフロアダクトとセルラダクトを加えた6つ。300V超過か、湿気の多い場所又は水気のある場所なら、4つだけ
  3. 場所は第1条が定義する。点検できない隠ぺい場所は、天井ふところ、壁内又はコンクリート床内等、工作物を破壊しなければ接近し、又は点検できない場所。点検できる隠ぺい場所は、点検口がある天井裏、戸棚又は押入れ等、容易に接近し、又は点検できる隠ぺい場所。展開した場所は、どちらでもない場所
  4. 表の○には、各工事の条文の条件が付く。バスダクト工事は、湿気の多い場所又は水気のある場所では屋外用バスダクトを使い、内部に水が浸入してたまらないようにする(163条)。CD管は、直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収める(158条)
  5. 156条の表は屋内配線の表で、屋外の固定配線は166条の166-1表による。電動機の端子箱に直接接続する部分には、標準仕様書(電気設備工事編)が金属製可とう電線管を使うと定める。167条2項に列挙された工事による低圧配線が水管等と接近し又は交差する場合は、解釈167条2項により、(次項ただし書による場合を除き)接触しないように施設する
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