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PLC・制御機器電材基礎型番の読み方

ベッコフのEtherCAT端子台(ELシリーズ)の型番はどう読むのか|EL1・EL2・EL3が示すカテゴリと、そこから外れるEL1859・EL1502の理由

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の配線図に「EL1859」という型番を見つけたとき、担当者の頭には自然と一つの仮説が浮かぶ。頭が「EL1」なら、他のEL1004やEL1008と同じデジタル入力の仲間だろう、と。数字の並びを見る限り、その推測は筋が通っている。

ところが、ベッコフオートメーションの公式サイトを実際に開いてEL1859の製品ページをたどると、掲載されているURLのディレクトリ名が「el-ed1xxx-digital-input」ではない。「el-edxxxx-multi-functional」——つまり「複合機能」という、まったく別のカテゴリの配下に置かれている。型番の先頭の数字だけで機能を決め打つと、この製品は静かに読み違えられる。

結論——EL1の数字はカテゴリの目安であって、絶対の規則ではない

ベッコフの公式カテゴリ一覧を確認すると、ELシリーズの型番はおおむね次のように分かれている。EL1xxx=デジタル入力、EL2xxx=デジタル出力、EL3xxx=アナログ入力、EL4xxx=アナログ出力、EL5xxx=位置検出、EL6xxx=通信、EL7xxx(EL/ED/ELM7xxx)=コンパクトドライブ技術、EL9xxx=システム。ここまでは型番の見当をつける実用的な目安になる。

だが、この規則には正式に「例外の受け皿」が用意されている。それが「EL/EDxxxx | Multi-functional」という、先頭の数字を固定しないカテゴリだ。入力と出力を一台に混在させた端子——EL1859(8入力+8出力)やEL1259、あるいは電圧・電流を切り替えられる多機能アナログ端子EL3072・EL4072などが、ここにまとめて分類されている。EL1859の頭の「1」は、デジタル入力の名残ではあっても、公式の製品分類上の所属先ではない。

一方で、同じEL1系列でもカウンタ機能を持つEL1502は、公式サイト上でも変わらず「デジタル入力」カテゴリの製品ページとして掲載されている。入出力が混在するEL1859と、入力信号だけを処理するEL1502。この二つの違いが、型番の規則がどこまで効いて、どこから先が例外なのかを分ける境界線になっている。

型番の分解——先頭の数字が示す機能カテゴリ

ベッコフの「EtherCAT Terminals | Tabular product overview」ページは、EL(およびその派生シリーズED)の型番を機能ごとに次のように区分している。

  • EL/ED1xxx、ELX1xxx = Digital input(デジタル入力)
  • EL/ED2xxx、ES2xxx等 = Digital output(デジタル出力)
  • EL/ED3xxx、ES3xxx等 = Analog input(アナログ入力)
  • EL/ED4xxx、ES4xxx等 = Analog output(アナログ出力)
  • EL/ED5xxx、ES5xxx等 = Position measurement(位置検出)
  • EL/ED6xxx、ES6xxx = Communication(通信)
  • EL/ED/ELM7xxx = Compact drive technology(コンパクトドライブ技術)
  • EL/EDxxxx = Multi-functional(複合機能)
  • EL/ED9xxx、ES9xxx等 = System(システム)
  • ELMxxxx = Measurement technology(高精度計測)
  • ELXxxxx = Explosion protection (Ex i)(防爆)
  • ELx9xx = TwinSAFE(安全機能)

デジタル入力カテゴリのページ自体は、この分類の役割を「binary signal(2値信号)の取得とEtherCAT経由での上位機器への伝送」と説明している。入力を受け取って送るだけの機能に徹する端子が、この並びに収まる。逆に言えば、出力機能を併せ持つ端子は、この定義からはみ出す。だからこそEL1859のような入出力混在端子は、番号の先頭桁に関わらず「Multi-functional」という独立したカテゴリへ切り出されている。

実機への当てはめ——yamlに載る13型式を公式データで照合する

社内で扱っているELシリーズの主要型式を、一つずつベッコフ公式の製品ページで照合した。結果からいうと、ほとんどは既存の仕様メモと一致したが、2つの型式で数値の食い違いが見つかった。

まず一致した型式から。EL1004は公式データで4chデジタル入力・24V DC・応答時間(入力フィルタ)typ. 3msとなっており、メモの記載通りだった。EL1008も同様に8ch・24V DC・3msで一致する。デジタル出力側のEL2004(4ch・24V DC・0.5A)、EL2008(8ch・24V DC・0.5A)もそのままの数値で確認できた。アナログ側では、EL3062が2chアナログ入力・010V・12bit・シングルエンド、EL4002が2chアナログ出力・010V・12bitと、いずれも一致している。

RTD入力のEL3204は、公式ページによればPt100・Pt200・Pt500・Pt1000・Ni100・Ni120・Ni1000という7種類の測温抵抗体に対応する4ch・2線式・16bitの端子で、こちらもメモの「RTD温度入力4ch、2線式、16bit分解能」と食い違いはない。熱電対入力のEL3312は2ch・16bitで、対応する熱電対タイプはB・C・E・J・K・L・N・R・S・T・Uの11種類(デフォルトはK)。電力量測定のEL3403は、公式データを見ると実は「3-channel」——3系統の電圧入力と3系統の電流入力を使って三相の電力を計算する端子であり、単純な1回路の電力計ではない。電圧は最大500V AC、電流は変流器(CT)を介して最大1A、分解能16bitという仕様も一致した。

ここまでは、想定通りだった。問題は残る2つの型式、リレー出力のEL2624とEL2634だった。

現場で間違えやすい点——EL2624・EL2634の数値、EL1859・EL1502の分類

EL2624の公式データシートを開くと、技術データ表には「4 x make contacts」「Nominal voltage 125V AC/30V DC」「Ohmic switching current 0.5A AC/2A DC per channel」とある。社内の仕様メモに書かれていた「5.0Aメーク接点」という数値は、公式ページのどこにも見当たらない。おそらく別の型式の定格か、桁の記憶違いが紛れ込んだものと思われる。

EL2634はさらに影響が大きい。メモには「リレー出力16ch、4.0Aメーク接点」とあったが、公式データシートのタイトルからして「EL2634 | EtherCAT Terminal, 4-channel relay output」——4チャンネルである。技術データ表も「Number of outputs: 4 x make contacts」「Ohmic switching current 4A AC/DC per channel」と明記しており、電流値の「4.0A」は合っていたものの、チャンネル数は16chではなく4chだった。もしこの数値のまま制御盤の設計や見積りへ進めていたら、実際に必要な端子の台数を4分の1に見誤っていたことになる。

分類の面では、EL1859とEL1502の対比がそのまま教訓になる。EL1859は「8-channel digital input + 8-channel digital output」という、入力と出力を等しく備えた端子であり、公式サイトはこれを明確に「Multi-functional」カテゴリの製品ページ(URLも同ディレクトリ配下)として扱っている。対してEL1502は、クロック信号とアップ/ダウン方向信号という2つの「入力」を受け取ってカウンタ処理をする端子で、出力端子はあるものの「カウンタの状態に応じて切り替わる補助出力」という位置づけにとどまる。信号の入り口が一貫して入力である限り、Beckhoffの分類ではデジタル入力カテゴリに留まる——という整理になる。EL1859のような「入力+独立した出力」を両方フルスペックで持つ端子だけが、Multi-functionalへ切り出されると考えるのが、公式ページの記述と最も整合する。

実務上の注意点——型番の先頭桁は「見当」、確定は必ず公式データシートで

今回の照合作業でわかったのは、型番の先頭桁による分類は、選定を素早く絞り込むための実用的な目安として十分に機能する一方、100%の規則ではないということだ。EL1859のような入出力混在端子、EL3072・EL4072のような多機能アナログ端子は、番号だけでは正しいカテゴリにたどり着けない。

もう一つ、より地味だが実害の大きい教訓がある。社内に残っている仕様メモや過去の見積りの覚え書きは、時間が経つと現物の仕様とズレることがある——今回のEL2624・EL2634がまさにその実例だった。電流定格やチャンネル数は、制御盤の設計・配線・見積り金額に直結する数値であり、記憶や過去のメモを頼りにせず、発注の直前には必ずベッコフ公式サイトの該当製品ページか、最新のデータシートPDFを開いて技術データ表の数値を照合することを勧める。

ベッコフELシリーズの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、制御盤に記載されたELシリーズの型番から、入出力仕様・電流定格の確認、代替品・後継品の選定までのご相談を見積フォームで受け付けている。型番の一部が判読できない場合や、社内資料の記載に不安がある場合も、現物の写真や型番を添えてもらえれば公式データとの照合を行う。

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よくある質問

EL1859の型番の頭は『EL1』なのに、なぜデジタル入力ではなく『複合機能』のカテゴリに分類されているのですか?

ベッコフオートメーション公式サイトの製品カテゴリ一覧では、EL/ED1xxxは『Digital input』というカテゴリ名で説明されており、その定義は『binary signalの取得とEtherCAT経由での上位機器への伝送』に限定されています。ところがEL1859の公式製品ページの説明文は『combines eight digital inputs and eight digital outputs on a single device(8chの入力と8chの出力を1台に統合した端子)』となっており、入力の取得だけでなく出力の駆動も行う製品です。実際にEL1859の掲載URLは『el-ed1xxx-digital-input』ではなく『el-edxxxx-multi-functional』というディレクトリ配下にあり、公式の『EL/EDxxxx | Multi-functional』カテゴリページの製品一覧(29件)にもEL1859が含まれています。型番の先頭桁だけを見て機能カテゴリを決め打つと、この種の複合端子を見誤ります。

EL1502はカウンタ機能なのに、EL1859と同じように『複合機能』カテゴリに入らないのはなぜですか?

EL1502の公式製品ページの掲載URLは『el1xxx-digital-input』ディレクトリ配下にあり、ベッコフの分類上はデジタル入力カテゴリのままです。EL1502の製品説明文を見ると、この端子はクロック入力とアップ/ダウン方向入力という2つの信号(またはClock・Clock1という2系統の信号)を受け取り、内部でカウント処理をしてカウンタ値をEtherCAT経由で送り出す装置です。物理的な出力端子はありますが、これは『counter state(カウンタの状態)に応じてスイッチする補助的な出力』という位置づけで、EL1859のように独立した8chの出力機能を持つわけではありません。信号の入り口が一貫して『入力』である点が、EL1859のような入出力混在端子と分類上の扱いを分けている理由と考えられます。

EL2624とEL2634のリレー出力の電流定格・チャンネル数について、社内資料と食い違うことがあるのですが、どちらを信じればよいですか?

必ず公式データシートの数値を優先してください。今回、ベッコフの公式製品ページでEL2624とEL2634を確認したところ、社内で使われていた簡易メモとの間に食い違いが見つかりました。EL2624は公式データでは『4 x make contacts、125V AC/30V DC、Ohmic switching current 0.5A AC/2A DC per channel』であり、5.0Aという数値ではありません。EL2634も公式データでは『4 x make contacts(4チャンネル)、250V AC/30V DC、4A AC/DC per channel』であり、16チャンネルという記載は誤りで、正しくは4チャンネルです。型番が近い製品同士は電流値やチャンネル数の記憶が混同しやすいため、見積り・選定の最終確認では必ずベッコフ公式の製品ページかデータシートの技術データ表を直接開いて数値を照合してください。

EL3062とEL3204は同じEL3系列(アナログ入力)ですが、選定時に何が違いますか?

測定対象がまったく異なります。ベッコフ公式製品ページによれば、EL3062は『2-channel analog input, voltage, 0…10 V, 12 bit, single-ended』で、0~10Vの電圧信号を2ch分測定する汎用アナログ入力です。一方EL3204は『4-channel analog input, temperature, RTD (Pt100), 16 bit』で、Pt100・Pt200・Pt500・Pt1000・Ni100・Ni120・Ni1000という測温抵抗体(RTD)を2線式で4ch分接続する専用端子であり、電圧レンジの指定ではなく温度センサの種類の指定が必要です。同じEL3xxxのアナログ入力カテゴリでも、汎用電圧/電流入力なのか、RTD専用なのか、熱電対専用(EL3312)なのか、電力量測定用(EL3403)なのかで配線方式もセンサ選定もまったく変わるため、型番の頭2桁が同じというだけで仕様を類推するのは危険です。

参考文献・出典

型番不明でもOK

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「ベッコフのEtherCAT端子台(ELシリーズ)の型番はどう読むのか|EL1・EL2・EL3が示すカテゴリと、そこから外れるEL1859・EL1502の理由」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

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